アーシアしか勝たん   作:min-can

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第26話。 開きます、プール!

「よー、悪魔くん。今日も悪いな」

 

 そういって俺に声をかける呼び出し主は、金髪と黒髪が混ざった、ワル風イケメンの男であった。

 

 そう、何を隠そうアザゼルさんである。

 この人、全く怖くない...実力を全く感じさせないのだ。

 それが怖すぎる...

 わかってる事だけど超絶格上という事である。

 

 アザゼルさんは俺に、おつかいさせたり、釣りに行かせたり、マッサージさせたり...どうでもいい契約ばかり持ちかける。

 まぁ気が楽でいいけどな...

 おつかいにバカ高い絵画とか、宝石とか、代償として欠片も釣り合わないからそこは勘弁してほしいけど。

 今日はレースゲームだと。

 モルオカートがしたいらしい。

 

「俺は初めてだからお手柔らかに頼むぜ」

 

「俺もそんなに経験ないんでお手柔らかに」

 

「あ?そうなのか?ならいい勝負できるかもなぁ」

 

 始まったゲームは序盤俺が優勢であったが、中盤からあっという間に追い抜かれて、アザゼルさんの優勝である。遺憾だ。

 

「どうやら俺の勝ちだな悪魔くん」

 

「参りました...初心者があんなプレーしないでくれません?」

 

「あ?そりゃ悪かったな赤龍帝くん?」

 

「.......」

 

「ありゃ?驚いてくれると思ったんだがな...」

 

「毎度毎度あんなバカみたいな代価貰ってたら何かしらやべぇ人だとは思いますよ...」

 

「あん?そうはいったってあんなのくらいしかねぇんだからしょうがねぇだろうが。そこら辺に転がってたんだ。」

 

「名画を転がさないでくれません?」

 

「あ?ったくこまけぇ奴だなおめぇは...て、話を逸らすなよ悪魔くん?」

 

「.....あなたのお名前を教えて下さい。」

 

「俺の名はアザゼル。堕天使どもの頭をやってる。よろしくな赤龍帝の兵藤一誠」

 

 アザゼルさんが背中から12枚の翼を展開する。

 その瞬間、俺の体を悪寒が駆け巡る...

 これでも間違いなくアザゼルさんの実力のほんの一欠片だ。堕天使である事を証明するための最低限の実力を出してるつもりなんだろうけど...

 

「ヨ....ヨロシクオネガイシマス」

 

「あん?ったくつまんねぇやつだなお前は...もっと驚けや」

 

 勘弁してください...

 

 ────────────────────────

 

「全く...三勢力のトップ会談が行われるからって、堕天使の総督が私の縄張りに侵入して営業妨害してたなんて...」

 

「まぁいいんじゃないですか?あんな軽い契約であんだけ良いもの貰えたんですし...騙してた謝罪みたいなもんも込めてるんじゃないですかね?なんかちょっと会っただけでそんな事しそうな方でしたよ?悪戯が好きそうというか...だけど最後には納得させてきそうと言うか...何枚も上手そうと言うか...」

 

「それを言われると、ちょっと納得しちゃったわね...それにしても何の目的なのかしら...まさかブーステッド・ギアに興味を持って?」

 

「白龍皇って堕天使側でしたよね。わざわざ俺にも興味持ちますかね...?」

 

「....イッセー、最近ちょっと余計な一言とか口答えとか多くないかしら...?またこうしてあげるわ?」

 

 そう言って俺にいつもの術式を起動する。

 

「んぐっっ!!!そういうことするからじゃないですかねぇ!!!」

 

 俺は地面に崩れ落ちた。

 

「教育的指導よ?甘んじて受けなさい」

 

「ちくしょう...」

 

「あらあらイッセー君」

 

「まぁどんな理由だとしても安心してくれよイッセー君。僕がきっと君を、仲間を守ってみせるさ」

 

「頼もしいこった...なら今助けてくれないか?」

 

「それはできないかな?」

 

「騎士の誓いはどこいった木場ぁ!」

 

 といつものように漫才をしていると

 

「アザゼルは昔からああいう男だよ、リアス」

 

 突然声が聞こえたので、そっちへ視線を移すと、赤い髪の男が微笑んでいた。

 アーシアとゼノヴィア以外は跪いた。俺はすぐにこの人が魔王サーゼクス様とわかったので、アーシアとゼノヴィアに魔王様だと言ってやる。

 二人が驚いた顔をしたあと、二人は跪いた。

 ちなみに俺は最初から土下寝している。この中で一番平伏してるぜ?

 

「お、お、お、お兄さま!」

 

 部長が驚いた顔をしていた。

 

「先日のコカビエルのような事はしないさ。彼は悪戯好きなんだ。しかし、予定よりも随分早い到着だな...」

 

 と魔王様が呟く。あっ後ろにグレイフィアさんも居る。お久しぶりっすね、関わりないけど。

 

「くつろいでくれたまえ皆。今日はプライベートさ。しかし我が妹よ。年頃の娘が集まるにしてはこの部屋は少々殺風景ではないか?」

 

「どうしてここへ...?」

 

 部長は困惑していた。

 

「それはね。授業参観とやらがあると聞いたからさ。私も参加しようと思ったのだよ。安心しなさい、父上もちゃんとお越しになられる」

 

「そうではありません!魔王が仕事を放り出して一悪魔を特別視するなんて...!」

 

 でも魔王ってシスコンじゃないとなれないんじゃなかったでしたっけ?

 サーゼクス様とセラフォルー様だけ?半数そうなら四捨五入だよ。

 

「いやいや仕事でもあるさ。ここで三すくみの会談を開こうと思ってね。下見も兼ねている」

 

 それからしばらく他の奴らと言葉を交わし、去っていった。

 

 あんなに人当たりがよくて優しいのに、やってる事は嵐のような人だな...突然現れて、去っていったぞ...

 流石超越者...

 あの...部長、いい加減術式を...

 

 ────────────────────────

 

 今日はプール掃除の日だ。

 正直めんどくさいけど、アーシアの水着が見れるなら大歓迎だ!

 

 俺はアーシアと手を繋いで一緒に出たが、ゼノヴィアと合流すると離されてしまった...!

 

 あぁ...!ご無体な...!

 

 結局ゼノヴィアとアーシアは見事に仲良くなった。アーシアも喜んでいるようなので満足だが、アーシアが俺から少し離れてしまったようでちょっと寂しい。

 

 ........

 

「イッセーさんとプールで遊べるなんて楽しみです!」

 

 アーシア満面の笑み。俺、満面の笑み。

 

「あぁ!いっぱい遊ぼうぜ!」

 

 アーシアはスクール水着だった。

 なんでも桐生に相談した所、学校のプールなら普通の水着よりもスク水の方がいいと言われたらしい。お前は俺の何を知ってるんだ桐生...全部知られてそうで震える...あいつ、俺のツボを尽く貫きやがる...

 アーシア関連の俺のツボが広すぎるとも言える。

 

「アーシア!スクール水着も似合うな!最高だ!」

 

「ありがとうございます!」

 

 特に太ももがいいよ。ヒップが素晴らしい...

 流石はアーシア...

 そして健康的な笑顔が環境衣装全てにマッチしている...!金の髪も最高のアクセントだ!全体的に輝いてる!!

 

「あら?私たちには何かないのかしら?」

 

 部長と朱乃さんが現れた。

 

「え?あぁ似合ってますよ。キレイキレイ」

 

 俺は適当に答えた。プール掃除に気合いを入れるアーシアの観察で忙しいのだ。

 

「イッセー?もう少し女性の扱いを学んだ方が良いのではなくて?」

 

 部長がいつもの球体を持ち出す。

 

「部長!なんでそんなもん持ってきてるんすか!知ってたらもうちょいおべっか言いましたよ!やめてください!」

 

 俺はプールサイドとキスさせられた...

 

 ────────────────────────

 

 今俺は部長の命令でアーシアと小猫ちゃんの水泳授業を行っている。

 授業を命題づけるからにはアーシアも小猫ちゃんも平等に真剣に指導する。

 アーシアとの水遊びはプライベートでプールに行こう...

 

「......悪かったですね。お邪魔して」

 

 小猫ちゃんがそんな事を言ってきた。

 

「いやいや、ゲームで水の中での戦いとかあるかもしれないし、泳げない二人が少しでも泳げるように頑張って指導するぜ?」

 

「......そうですか。よろしくおねがいします」

 

 以外に素直に返事してくれた。

 

 ちなみにアーシアはクロールまでできるようになったが、小猫ちゃんはそんなに進まなかった。猫だから?

 

「まぁ小猫ちゃん...一度ついた苦手意識はなかなか取れないから、時間が解決してくれるのを待つしかないさ」

 

「....はい。また今度頑張ります...」

 

 ちょっと悲しそうだった。

 

「まぁでも!ばた足で一回25m泳げたじゃん!間違いなく前進してるよ!」

 

「....はい。ありがとうございます」

 

 少し恥ずかしそうにしていた。

 

 今日は練習を終わりにした俺達三人は、プールサイドで休憩する事にした。

 

 アーシアはかなり疲れてしまったようで、うとうとしていたので、腕枕を貸してあげた。

 アーシアは俺に体を寄せて寝転ぶと、すぐに眠ってしまった。

 可愛い...けど!やっぱりパジャマとスク水じゃ感覚が...!

 パジャマはそろそろ、愛する人と抱きしめ合える安心感みたいなのを感じるようになってきたけど、スク水は新感覚...!!眠れん!!

 まぁいいや、俺はアーシアの枕。枕一誠。

 

 横で小猫ちゃんは本読んでた。濡れない?大丈夫?

 でもプールサイドで読書ってちょっと夢があるよね。

 絶対家とか図書館の方が快適なんだけど、外で読みたくなる気持ちはわかる。

 そして小猫ちゃんはそういうロマンとか意外にわかる質の悪魔だ。

 

「兵藤一誠。アーシアは寝てしまったのかい?」

 

「ん?あぁゼノヴィア。遅かったな。アーシアは結構泳いだから...まぁ軽い昼寝だよ。じきに目を覚ますだろうからその時に遊んでやってくれ。」

 

「わかった。しかし君は本当にアーシアと仲睦まじいのだな。あの時君が私に突っかかってきた理由が良くわかるよ。」

 

「そうだな。ってかあの時の事はお互い水に流すって言ったろ?忘れろ忘れろ」

 

「そうだったね。にしても、ここの眷属は女性ばかりだな...男だから強いだの女だから弱いだのと言うつもりは全くないが、もう少し男が居てもいい物じゃないのか?」

 

「そりゃお前、裏の世界知ってりゃ性差なんて気にしてられねぇぜ。皆強えぇもん...何回女の顔面殴ったかな...あれ?やっぱり俺って最低?」

 

「いいや?問題ないだろう。そんな事を気にする女は戦いの場に現れんさ。変に気にする方が失礼だと思うが?」

 

「それもそうか...一理あるな。よしこれからも俺は女の顔面を殴っていくぜ!」

 

「......字面が最低です...」

 

 小猫ちゃんにつっこまれた。

 

「んん...イッセーさん...?」

 

「あぁ悪い、アーシア。起こしちゃったか?」

 

「いえ...ゆっくりできましたから」

 

 アーシアが上目遣いで俺にそう微笑む。可愛い。

 

「ほら、ゼノヴィアがアーシアと遊びたいってよ。行ってこいよ」

 

「はい!ゼノヴィアさん、行きましょう!」

 

「ん...ああ!」

 

 アーシアが行っちゃった...いや行かせたんだけど。

 まぁいいや、このままプールサイドでアーシアが遊ぶ姿を楽しむとしよう。

 

「あら、イッセー。お姫様の枕は終わりかしら?」

 

「なんですかその嫌味な言い方...怖いんですけど?」

 

「ふふ...直感が鋭くなってきたわね。そうよ、今からは特訓よ?」

 

 俺は部長にプールへと投げられると同時に術式を起動された。

 

「溺れ死なないように頑張ってね?」

 

「このやろぉぉぉぉぉぉ!!!!おぼぼぼぼ!!!ブハッ!!死ぬ!!!ぐぶぶぶぶぶ!!!」

 

 俺は何をさせられてるんだ...?

 部長は俺をどうしたいんだ...?

 

 ────────────────────────

 

 奇跡の生還を果たした俺は水着を着替えて、校門の方へ歩いていた。

 すっげぇ美少年が銀髪を風に靡かせて校舎を見ていた。ヴァーリやんけ...

 

「やぁ、いい学校だね?」

 

「そうですね」

 

 俺は適当に返す。

 

「俺はヴァーリ。白龍皇、白い龍だ」

 

「....この前ぶりだな。まだ全然強くなってないんで帰って貰えますか?」

 

「連れないな...今日はそういうつもりじゃないんだが」

 

「なら良かった。戦いじゃないならなんでもいいぜ?何が目的だ?」

 

「キミはこの世界で自分が何番目に強いと思う?」

 

 唐突だな...強い上級悪魔だろ?最上級悪魔だろ?超越者だろ?たくさんの堕天使にたくさんの天使に、他にも大勢の野良強者だろ?他の神話体系も居るし、数多すぎてわからんな。

 って何真面目に考えてるんだろ...

 

「あー...5000とかか?」

 

「へぇ意外にいい線行くじゃないか。まぁもう少し上でもいいけれど、大体そんな感じだ。」

 

 絶対もっといそう...

 

「この世界には強い物が多い。超越者と呼ばれるサーゼクス・ルシファーですらトップ10に入らない。だが、一位は決まっている。不動の存在が。」

 

DxD(ドラゴン・オブ・ドラゴン)。グレートレッドだろ?ドライグに聞いたよ。」

 

 まぁDxDも一位じゃないけど。

 

「へぇ...キミは僕が思っていたよりは利口みたいだね。ほんの少しだけ評価を修正してあげるよ」

 

「バカいえ。ドライグが物知りなだけだ...」

 

「ふぅん。まぁいいや。二天龍と関わった者は皆ろくな生き形をしていない。あなたはどうなるんだろうね?リアス・グレモリー」

 

 部長と皆が出てきた。

 そんなに心配しなくてもいいのにね。

 敵意とかは全くないし。

 まぁ白と赤が揃ったら戦うってのが裏の常識か...

 

「余計なお世話よ?白龍皇。それで?何をしに来たのかしら?」

 

「彼にも言ったけど、今日は戦いに来たわけじゃない。アザゼルの付き添いで来日していてね。ただの退屈しのぎだ。まだ、赤い龍とは戦わない。俺にはやることが多いんだ。じゃあね赤龍帝、また会おう。」

 

「え?あぁ...じゃあね?」

 

 ヴァーリは帰っていった。

 え?何しに来たの? 

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