今日は授業参観の日であった。父さんまでアーシアを見るために来るらしい。気持ちはわかる。仕事とアーシアなら間違いなくアーシア優先だ。
「イッセー、アーシアちゃん。後でお父さんと一緒に行くからね!」
「アーシアの事しっかり撮ってくれよ!アーシアの席は俺より後ろ側だからアーシアの授業風景見れないんだよ!頼むぜ!!俺だってアーシアの授業参観したいんだからな!」
「言われなくてもしっかり全部納めてみせるわ!」
「絶対だからな!俺にかけるリソースも全部アーシアに回すくらいの勢いで頼みます!!」
「あらあら、そういうわけにもいかないわ。あなたも大事な息子だもの。」
「.......そっか。...なら、俺とアーシアで1ずつならアーシアに1.5くらいで頼むわ。」
「え?アーシアちゃんに1.9よ?」
「さっきの感動返してくれない!?」
アーシアはクスクス笑っていた。
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教室につくなり、桐生が俺達に絡んできた。
「おはよう二人とも~。今日は授業参観だし、しっかりイッセーの御両親さんに二人の学校での熱々具合を見せてあげないとね~~!」
「はん...!学校でやってる事なんて家では日常茶飯事だっての。既に俺達にとっちゃ日常だぜ。」
「へぇ~...そうなんだぁ...ふぅん...?」
「な...なんだよ...!」
「いやいや~。でもさ~、ふふふ...2日前の2階の廊下...」
「なっ!!」
ちょっとアーシアといい雰囲気になって、周りに誰もいないからってキスしてしまったあの日の事か...!!なんで知ってるんだ!!!
「んふふ~。順調に進んでるようでお姉さん嬉しいよ~。そういえばアーシアー?お風呂で誘惑するってのはどうなっちゃったの~?ん~?」
「う...はぅ...」
アーシアは顔が赤くなってしまった。
勿論俺も真っ赤っかだ...
「ん~。ありゃ...失敗しちゃったか~...でもあれ~?それにしては関係が進展してな~い?ふふふ、そういえばちょっとぎこちない感じの時あったよね~。その後だったかな~二人がもっと仲良くなったの。んん?二人で試練を乗り越えて、より愛を深め合ったみたいな~?」
「うっ...」「はぅ...」
俺は...俺とアーシアは一生こいつのおもちゃになるのだろうか...
だって最初は参観の話だったのに...
強すぎる...
「んふふ。まぁ今日はこんな所にしといてあげようかな?もうちょっと待った方が美味しそうだし~」
何を待つと言うのだ...!!
俺は恐怖した。
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授業参観は英語の授業だ。粘土を使って好きなものを作るのだそうだ。これもまた英会話らしい。
英会話は奥が深い...んなわけあるか。
俺が好きなもの...アーシア。
でもアーシアを作ろうとしても多分うまくいかない...不完全なアーシアを作るくらいなら何もしない方がましだ。
アーシアは早速作業に着手している。
「アーシアちゃんファイトよ!」「アーシアちゃん可愛いぞ!」
俺の両親だ。完全にアーシアの親と化しているな。
アーシアも気付いて嬉しそうにしている。
可愛い、可愛いぞアーシア。
って後ろばっか見てるわけにはいかねぇな。
俺も何か作らないと...
ん────ー...やばい...俺は何が好きなんだ...?
あれ?アーシア以外に俺の生活って何かなかったっけ?あれ?
俺ってアーシアが居なくなったら無になっちゃう?
あれ?
俺が好きなもの...
考えても浮かばないのでドラゴンを作る事にした。
ドライグにはお世話になってるからな!!
ちなみに全然下手くそだった...
まぁそうだよな...俺手先器用じゃないもん。
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昼休み、部長、俺、アーシア、朱乃さんが集合していた。
自販機前でばったりだ。
少々雑談していると、更に木場が入ってきた。
なんでも、魔法少女が撮影会をしているらしい。
それ、魔王少女じゃないの?
体育館に入ると、大量のフラッシュが焚かれていた。
すごい人だかりだ...!コミケでレイヤーを囲む集団と全く同じものが出来ている...!
これは...!ミルたんと見た「魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ」のミルキー!!!
色んな意味で忘れることが出来ない名作だ!!
思い出す度にミルたんへの恐怖で体が震える!!
なぜか直接ミルたんと会っている時は一切恐怖を感じないのに、記憶のミルたんは俺に恐怖を刻んで来るのだ...
震える俺をアーシアが引っ付いて慰めてくれる...ありがとうアーシア...
「オラオラ!天下の往来で撮影会たーいいご身分だぜ!解散解散!こんな所で騒ぎを起こすな!」
匙が現れた。後ろから他の生徒会メンバーも現れる。
カメコは渋々帰っていった...
残ったのは俺達と魔王少女と生徒会...
「あんたもそんな格好しないでくれ...親御さんですか?」
「えー、でも、これが私の正装なんだもん☆」
きっつ...いや顔は可愛いんだけど、これが魔王なのきっつ...
これで俺よりめっっっっっっっっちゃくちゃ強いのきっつ...
などと考えていると、後方から会長先導でサーゼクス様と部長のパパ上が現れた。
「ソーナちゃん!見つけた☆」
魔王少女は会長を抱擁する。
「セラフォルーか。君も来ていたんだな」
サーゼクス様は見慣れた物のようだ。同類ですしね。
「セラフォルー様、お久しぶりです」
「リアスちゃん☆おひさ~☆元気にしてましたか?」
きつい...!可愛いのは認めるし、似合ってるのも認めるのに感じるこのそこはかとないきつさはどこから漂って来るんだ...!
「イッセー。ご挨拶なさい。」
「え?あ!は、初めまして...兵藤一誠です。リアス・グレモリー様の兵士です。よろしくおねがいします...」
「はじめまして☆私、魔王セラフォルー・レヴィアタンです☆よろしくね☆」
う...うるせぇ....セリフがキラキラうるさすぎる...
あー、アーシアが魔法少女の衣装来てくれないかなー。
シスターベースでさ、敵を自慢の天使の笑顔で浄化するんだ...いいなぁ...みたいなぁ...
そして俺も浄化してくれ...
「うぅ、もう耐えられません!」
会長が逃げていった。可哀想に...魔王少女がそれを追いかける...
どさくさに紛れて、サーゼクス様が部長の事リーアたんとか言ってる...
同類に再会して化けの皮を剥がすな。
お父さんもリーアたん呼びで怒っている部長の顔を撮影して喜んでいた。
こいつなんで約束破ってライザーとの婚約進めたんだ?
やっぱり魔王関係者とは関わりたくないなと思いました。
部長や会長はまともなので問題ないです。
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家に帰った俺とアーシアは家族で撮影された物を視聴する事になった。
あぁアーシア...動画でもアーシアの素晴らしさは全く衰えないね?
一生懸命粘土を弄るアーシア可愛い。
一生眺めていたい...そして俺は粘土になりたい...
こういうのって結構恥ずかしいものだけど、アーシアは喜んでいた。良かった。これで恥ずかしいですとか言われたら俺は断腸の思いでデータを破壊しなければならない所だった...
後でデータ複製してもらお...
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次の日の放課後、部室に行くと空かずの教室、つまりはギャー助の部屋に連れていかれた。
あぁそういう時期か...まじでヴァーリとの戦いが近いな...
一応努力はしてるけど、まぁそんなに短期間で強くなれるものでもない...
『今なら20分は稼働できる。』
5分しか変わってねぇ...いや5分もと言うべきか...?
『お前の言う2号での訓練が役にたっているな...あれは間違いなくお前の体力を急激に上昇させている...』
まじか...ありがとうございます部長...でも恨みは絶対忘れません...
「さて、扉を開けるわ」
扉にかかっていた刻印が消え去って、扉が開かれる。
「イヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
うるっっせぇ!!叫びすぎだろ...
中で部長と朱乃さんとギャスパーが喋ってるらしい。
「やですぅぅぅぅぅ!ここがいいですぅぅぅぅぅ!!!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃい!!!」
めっちゃ叫んどるな...
そのバイタリティーを外出に当てるんだギャスパー!
他の部員メンバーも木場を先頭に続々と入っていく。
中には可愛らしい部屋と、部屋のど真ん中にある場違いな棺、その中にうずくまる、金髪赤目美少女風女装引きこもり神器持ちハーフ吸血鬼がいた。属性が多すぎる...
「女の子なんですね!私も僧侶なので嬉しいです!」
アーシアが言う。
「見た目女の子だけど、この子は紛れもなく男の子よ?」
「へ?」
アーシアが困惑している。
「女装趣味があるの。」
「そ...そうなんですか...?」
アーシアの頭にはてなが浮かんでいる。可哀想にアーシア...こんな属性もりもりのわけわからん奴に突然出会って混乱しちゃってるよ...でも混乱アーシア可愛い。
「あ、あ、あの、この方達は誰ですか?」
ギャー助が俺達を見てそう言った。
「新しく増えた眷属よ?兵士のイッセー。僧侶のアーシア。騎士のゼノヴィア。」
「ヒィィィ!人が増えてる!!!」
「お願いだから外に出ましょう?もうあなたは封印されなくていいのよ?」
部長がそう言うが、ギャスパーは嫌だ嫌だと首を振るだけだ。
「そういえばなんでこいつは封印されてたんですか?」
俺は話を進める為に質問する。
「この子がもつ
「なるほど...」
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俺達はギャスパーの説明を一通り聞いた。
生きてるだけで
「ぼ、ぼくの話なんてしないでくださいぃぃぃ...」
段ボールから、声が聞こえる。
段ボールヴァンパイア伝説の始まりだ...
「ただ、能力としては朱乃の次なんじゃないかしら?ハーフとはいえ、吸血鬼の名家の家柄だし、強力な
はえ~としか言いようがない...
小猫ちゃんがかなり辛辣な一言で抉っている...
他にも皆結構好き勝手ズバズバ言ってんな...こういう引きこもりだのは時間をかけた相互理解がだな...
「私と朱乃、祐斗の三人は三すくみのトップ会談の用事があるから、それまでの間だけでも皆でギャスパーの教育を頼むわね」
丸投げかい...いや、会談のがはるかに重要だからいいんだけどね。
まぁ俺らの顔合わせと同時に仲良くなっときなさいって感じかな?
三人は出ていってしまった。
「さて、どうしようか...」
「兵藤一誠、私がこいつを鍛えよう。軟弱な男はダメだ。それに吸血鬼の扱いには理解がある。何度も殺してきたからな。」
ゼノヴィアがまさかの立候補。
殺す技術は全く必要ないと思うよ?
「...ちなみに何をするつもりだ?」
「健全な肉体にこそ健全な精神は宿るのだ。」
..........
ゼノヴィアがデュランタダルを振り回してギャスパーを追いかける...
「ヒィィィぃぃぃぃ!!!殺されるぅぅぅぅ!!!」
ギャー助...可哀想に...
「私と同じ僧侶さんにお会いできて光栄でしたのに、目も合わせて貰えませんでした...ぐすっ」
アーシアが少し泣いている...
は?ギャー助お前...
「おおおおおおい!!ギャスパー!!!ちょっっと面かせやぁぁぁああ!!!」
俺はギャスパーをゼノヴィアと一緒に追いかける。
なんならゼノヴィアはギャスパーに合わせているが俺は合わせないのですぐに捕まえた。
「ひっっ...ひぃぃぃぃぃ!!!!」
「おいおい落ち着け...別に取って食いはしねぇよ。ただな?...お前と同じ僧侶にアーシアって子がいてな?お前に無視されたって泣いてんだよ。」
俺はギャスパーの肩をつかんだ。
「お前が引きこもりなのはわかった。そこは考慮してやる。だが、アーシアには挨拶しような?わかったか?」
「ヒィィィぃぃぃぃ!!わかりましたぁぁぁぁぁぁ!!!わかりましたから離してくださぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
うるっせぇ!鼓膜が...!
俺は離してやった。
アーシアが俺を追いかけて来た。
「よし、あの金髪の天使がアーシアだ。」
「天使なんですかぁぁぁぁぁ!!??」
「物の例えだろうが!じゃああの金髪の最高に可愛い女の子がいるだろう?あれがアーシアだ。さ、挨拶くらいしてやってくれ。ホントに同じ僧侶の事楽しみにしてたんだ。」
「うぅぅぅぅぅはいぃぃぃぃぃぃ...」
「イッセーさん!はぁはぁ...急に走ってどうしたんですか?」
「ほらギャスパー。」
「うううう...僧侶のギャスパーです...よろしくおねがいします...」
「はい!同じ僧侶のアーシア・アルジェントと申します!よろしくおねがいしますね!」
アーシアはぱぁぁと顔が明るくなって、挨拶をした。
「良かったなアーシア!」
「はい!」
可愛い。
「悪かったなギャスパー怖がらせて、でも挨拶くらいはしっかりしようぜ?悲しむ人もいるんだからな?」
「は...はいぃぃぃ...」
「おっ...その子が例の引きこもり眷属か?」
「ん?おぉ匙!そうだぜ。ちなみにオスだ」
「は?」
「女装趣味だ」
「まじか...引きこもりで女装とか大分きめてんな...」
「へぇ。魔王妹の眷属の悪魔さん方はここで集まってお遊戯してるわけか」
「アザゼル...様?さん?総督?」
「あ?アザゼルでいいよ。俺はお前の上司でもなんでもねぇんだしな」
「兵藤!アザゼルって!」
「ん、あぁ...そのアザゼルだ」
匙が戦闘態勢に入る。ゼノヴィアも同じく。
「やめとけやめとけ。コカビエルにも勝てなかった奴らが俺に敵うわけねぇだろが。...なぁ聖魔剣使いはいるか?ちょっと見に来たんだが」
「木場は今居ないですよ」
「あ?んだよつまんねぇな...おい、そこに隠れてるヴァンパイア」
ギャスパーがびくりと体を震わせて草むらから出てくる...
「
アザゼルは匙の方を見る。
「お前のその
「...お、俺の
「かー!これだから最近の
「まぁ
そういって去っていった。
アドバイスだけして消えていく...!
流石はアザエモンだ!!的確なアドバイスですごいぜ!