アーシアしか勝たん   作:min-can

29 / 82
第29話。 倒します、ヴァーリ!

 今日はついに三大勢力の会談の日だ。

 学園全体が強力な結界で覆われ、結界の外には大量の悪魔、堕天使、天使...

 恐ろしいな....誰か一人がやらかしたら全員で戦争になるぞ...?

 怖すぎる...

 

 ギャスパー以外は会談の舞台へと向かった。

 会議室には特注の豪華な机があり、それをそれぞれ、サーゼクス様、マジカルレヴィアたん、ミカエル様、女の天使、アザゼルさん、ヴァーリが囲んでいた。

 

 はっ、美人なのは認めてやるが、所詮は種族が天使なだけの女。概念が天使のアーシアには到底敵わないな!

 とか思ってたら睨まれた。ひえっ、ごめんなさい...

 

 俺達はサーゼクス様に言われて、壁際の席に着席した。

 

 アーシアがガッチガチに緊張していたので、手を握ってあげた。

 アーシアも握り返してくれる。可愛いね。

 

「全員が揃った所で、会談の前提条件を一つ。ここに居る者は皆「神の不在」を知っている。間違いないな?」

 

 サーゼクス様がそう言った。

 

「ではそれを認知しているとして、話を進める。」

 

 

 ............

 

 三すくみの会談はアザゼルさんがうっすらグレーくらいの発言を繰り返し、全員をびくりとさせる以外は特に問題もなくつつがなく進んでいった。

 

「さて、リアス。そろそろ先日の事件について話してもらおうかな。」

 

 部長は手を震わせながらも、毅然と顛末を話し始めた。

 流石は公爵家の娘。がんばえー

 などと考えていると一瞬部長に睨まれた...

 ひえっ!ごめんなさい...小猫ちゃんじゃないのに心読まないで...

 

 部長の話が終わると、アザゼルさんにサーゼクス様が事実かを確認し、アザゼルさんはそうだと答えた。

 ミカエル様からの堕天使の神器(セイクリッド・ギア)集めの真意についての質問も、研究の為だ。なんなら研究資料を渡してやってもいいという発言で乗り越えた。

 ほんとアザゼルさんは飄々としているな...

 すごいぜ...

 

 そして、

 

「お前らなら先代よかましだと思ってたが、結局お前らもめんどくせー奴らだな?あーわかったよ、和平を結ぼうぜ?元々そのつもりだったんだろ?」

 

 そうして、魔王と天使の合意により、無事和平は結ばれた。

 

 はい、結びましょうの一言の為に更に何度も喋ってたけど...お偉いさんは難しい事ばかりで大変そうだ...

 

 その後は具体的な勢力図についてや、和平の諸問題についての話し合いが行われ、会談開始から一時間ほどで一段落ついたようだ。以外に短かったな...

 

「さて、話し合いも片付きましたし、そろそろ赤龍帝殿のお話を聞いてもよろしいかな?」

 

 ミカエル様が俺に尋ねてくれる。

 

「お時間頂き感謝致します」

 

 俺はそう答えた後立ち上がった。

 

「アーシアやゼノヴィアを異端扱いとして、追放したこと。特にアーシアに関しては思うところはありますが、恐らく何かしら理由があっての事だと思います」

 

「そうですね、私たち熾天使(セラフ)がシステムを十全に扱うのは現在困難極まります。あなたたち二人を追放したのは、現在ようやくの状態で回っているシステムに不具合がこれ以上起きないようにするためです。神の不在の知識、悪魔や堕天使を治療できる神器。これらは信徒の信仰に影響を与え、システムに異常が発生する恐れがありました。故に異端としたのです。二人には申し訳ない事をしたと思っています」

 

 ミカエル様は二人に頭を下げた。

 

 ゼノヴィアは首を振り、今の生活に満足しているので頭を下げないでほしいと告げた。

 

 アーシアも...

 

「ミカエルさま、私も今を幸せだと感じております。大切な人達が...愛する人ができて...それに、憧れのミカエル様とお会いできて光栄です!」

 

 そう言ってくれた。俺は少し顔が赤くなった...

 

「あなたたちの寛大な心に感謝します。デュランダルはゼノヴィア、あなたに一任します。下手な輩に使われるよりは安心です。それで?それだけではないのでしょう?」

 

「はい...その、この二人が主に祈ることを許して欲しいんです。折角こうして和平も成ったのですし、悪魔になっても信仰を忘れない二人です。きっと悪影響にはなりません」

 

 ミカエル様は少しだけ驚いた顔をすると、

 

「...いいでしょう。二人くらいならなんとかしてみせましょう。二人とも、神は不在ですが、それでも祈りますか?」

 

「....!はい!主が居られなくともお祈りを捧げたいです!」

 

「同じく、主への感謝とミカエル様への感謝を込めて...」

 

「わかりました。二人くらい祈りを捧げる悪魔が居ても面白いかもしれません。こうして和平も締結されようというのですしね」

 

 そう答えてくれた。

 

「寛大なお心遣い、感謝致します!」

 

 俺は感謝の言葉を述べる。

 

「...!イッセーさん!ありがとうございます!!」

 

 アーシアが俺に抱きつく。俺はアーシアの頭を撫でてやる。

 

「良かったなアーシア...」

 

「はい!」

 

「兵藤一誠。感謝するよ。これで私も祈れる」

 

「気にすんな。アーシアのついでだ。それと、言い忘れてたけど、もう仲間だしイッセーでいいんだぜ?」

 

「ついでとは言うじゃないか...あぁ、わかったよイッセー」

 

 俺達が和やかな雰囲気を出していると、アザゼルが話しかけてきた。

 

「俺の所の部下が、そこの娘を騙そうとしたらしいな。ま、赤龍帝に見事に救出され、返り討ちだったらしいが。」

 

「それはまぁ解決しましたし、その堕天使を倒したんでいいんですけど...そういえばアザゼル様、気になってたんですが、なんで俺の事すぐに殺さなかったんですか?いや結局死にましたけど。」

 

「あん?まぁ、そこのサーゼクスの妹さんがお前を虎視眈々と狙ってたからな。お前も順当に強くなろうとしてるようだったし、まぁなんの力もねぇ一般人が赤龍帝の力をどれくらい扱えるようになんのか観察すんのも一興かなと思ってたんだ。危険だと思えば即座に殺していいとは部下に伝えてたけどな」

 

 やっぱりそうだったのか...

 他の堕天使さん結構辛抱強く待っててくれたんですね...

 いや、アザゼルさんが一興とか言ったからか?

 

「なら、俺がしばらく好きにできてたのはアザゼル様のお陰ですね。ありがとうございます」

 

「ハ、俺はお前を殺したのと同義だぜ?なに感謝してるんだよ」

 

「いえ、間違いなくアザゼル様のお陰で俺の人間としての寿命は延びました。だから感謝します」

 

「そうかよ。まぁじゃあはい終わりですってわけにもいかねぇし、俺は俺にできることでそこらへんの埋め合わせはしてやるつもりだ」

 

「はぁ、ありがとうございます...」

 

「さて、そろそろ世界に影響を及ぼしそうな奴らに意見を聞こうか。無敵のドラゴン様にな。まずはヴァーリ。お前は世界をどうしたい?」

 

「俺は強い奴と戦えればいいさ」

 

 ヴァーリは微笑んだ。

 

「お前はどうなんだ赤龍帝」

 

 ここでアーシアの事を言うのは、リスクがあるかもしれない。ヴァーリが居るし。でも俺はあえてここで誓う事にした。

 それが俺なりのけじめだ。

 

「俺は...この世界に数多く存在する脅威から、愛する女の子を...アーシアを守れるだけの力が欲しいです。アーシアを何があっても守ってみせます。それが俺にとっての全てで、俺にとっての決意です」

 

「へぇ、言うじゃないか赤龍帝」

 

 アザゼルが面白そうにそう呟く。

 アーシアは顔を真っ赤にしてあたふたしている。ごめんアーシア...でもこれだけは言わなきゃいけない気がしたんだ。

 

「まぁまだまだ弱いんですけどね!でも、この神器(セイクリッド・ギア)に...相棒ドライグに...恥じない力をつけたいと、そう思っています」

 

 俺はあえてこの場にいる全員に向けて、そう断言してやった。

 ヴァーリも少し面白そうにしている。

 でも...それでいい。お前は俺の憧れだ。ライバルだ。嘘はつきたくない。

 

 そう宣言した所で、時間が停止した。

 

 ────────────────────────

 

 俺はなんとか停止せずに済んだ。

 

 アーシア、朱乃さん、小猫ちゃん、会長さんは停止していた。後は皆動ける。

 

「テロか...」

 

 アザゼルがそう呟く。

 

 外を見ると校庭から空中まで、至るところにローブを着た魔術師が現れていた。こちらに攻撃してくる。

 

「いつの時代も勢力と勢力が和平を結ぼうとすれば、それをどこぞの集まりが嫌がって妨害するもんだ」

 

 今はサーゼクス様、ミカエル様、アザゼルで結界を張って防御しているらしい。

 強すぎる...なんだこの布陣...

 

 ギャスパーが神器(セイクリッド・ギア)の効果を増幅する神器で、暴走させられている可能性が高いそうだ。

 

 部長もオーラを迸らせて怒っている。

 

「校舎の外を取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の連中も停止してるみたいだぜ?まったく、リアス・グレモリーの眷属は恐ろしい限りだ」

 

 そういったアザゼルが手を振り下ろすと、無数の光の槍が降り注いだ。

 テロリスト達は防御結界を張るがなんなく貫かれる。

 あんたのがずっと恐ろしいよ...

 

「まったく...用意周到なこった。かなりこちらの内情に詳しいようだし、案外この中に裏切り者がいるかもなぁ」

 

 などと喋っていると、サーゼクス様が俺達にギャスパーを回収するようにおっしゃった。

 部長は未使用の戦車の駒を利用してキャスリング...王と戦車の位置がえを行うようだ。

 更にグレイフィアさんのお陰でもう一人ついて行けるようなので、俺も一緒に行くことになった。

 

 アザゼルさんが俺に二つの腕輪を渡した。

 

「一つはヴァンパイア用の神器(セイクリッド・ギア)制御装置だ。これをつけてやれば多少は力の制御に役立つはずだ。もう一個はお前の分だ。コカビエルとの戦いで正式に禁手(バランス・ブレイク)には至れたようだが、如何せんお前は魔力が少なすぎる。はっきり言って致命的だ。だから、これはまぁ言っちまえば魔力タンクだ。そんなに多くはねぇがないよりはましなはずだぜ?ったく...しっかり反省しろよ?宿主が役立たずだと神器(セイクリッド・ギア)も力を発揮できん。特に禁手化(バランス・ブレイカー)なんてな...」

 

 すみません...これでも頑張ってはいるんです...

 ヴァーリはアザゼルさんの指示で、オトリをやるそうだ。

 ヴァーリは禁手化(バランス・ブレイク)して、飛んでいった。

 

 すげぇなぁ...禁手化(バランス・ブレイク)にカウントダウンもなけりゃ、一日何度でもいつまでも禁手化(バランス・ブレイク)になれるんだろうな...

 

『お前もいずれはあれくらいできるようになるんだぞ?』

 

 あぁ頑張るよ...

 

 俺と部長はグレイフィアさんの作った陣によって、二人で部室にキャスリングした。

 

 ────────────────────────

 

「ここに転移してくるとは!」「悪魔め!」

 

 部室に飛んですぐに暴言言われた。

 

「ぶ、部長!イッセー先輩!」

 

 ギャスパーは椅子にくくりつけられていた。

 

「部長...もう嫌です。僕は死んだ方がいいんです...この眼のせいで、皆に迷惑をかけて、臆病者で...」

 

「バカな事言わないで!私は言ったはずよ?自分の満足できる生き方を見つけなさいと!」

 

「....見つけられなかっただけです。迷惑かけてまで...生きる価値なんて...」

 

「バカ言うなギャスパー!!!お前はすごいやつだって何度も言っただろうが!勝手に自分に失望してんじゃねぇよ!」

 

「イッセー先輩...でも...僕...」

 

「でももだってもねぇ!!男なら立ち上がってみせろギャスパー!!!」

 

「...!!」

 

 俺はアスカロンを出すと、自分の腕を切って血をギャスパーの方に飛び散らせた。

 

「いけ!ギャスパー!!」

 

「....はい!」

 

 ギャスパーは口元に飛んだ俺の血を舐める。

 次の瞬間、ギャスパーは大量のコウモリとなり、こちらに飛んできた。

 更に気がつくと、魔術師の影から手が伸びて影の方に引きずりこんでいる。

 どうやら魔力を吸っているらしい。

 そして突然敵は動かなくなった。

 神器(セイクリッド・ギア)を使ったのだろう。

 

 ギャスパーは一瞬で全員制圧してしまった。

 

「ほらな!お前はすげぇ奴なんだ、自信持てよギャスパー!俺達皆、お前の事が必要だ!お前の事が大切だ!だからもう勝手に諦めようとすんなよ!」

 

「....はい!」

 

 部長が魔術師達を転送すると、俺達は旧校舎を後にしようとした。

 玄関手前で何かがすごいスピードで吹き飛んでくる。よくみたらアザゼルさんだった...

 

「この状況下で謀反か、ヴァーリ...」

 

 ヴァーリがやったらしい。

 いよいよだな...

 

 アザゼルさんがヴァーリに禍の団(カオス・ブリゲード)に入った理由などについて問答する。

 

 ヴァーリはアースガルズとの、他の神話体型との戦いを望み、裏切ったということだ。

 また、ここで旧ルシファーの血を持つ人間と悪魔のハーフであること。過去現在未来永劫において最強の白龍皇となるであろうことなどが語られる...

 

 旧レヴィアタンの血族の女、カテレアもそちらはそちらでアザゼルと問答を繰り返す。

 

 話も佳境といった所でアザゼルさんは短剣を取り出す。

 人工神器(セイクリッド・ギア)を暴走させて、禁手化(バランス・ブレイク)する。

 恐ろしいほどのプレッシャーを感じる...

 文字通り次元が違う。

 

「流石はアザゼルだ!やっぱりすごい!」

 

 ヴァーリは笑う。

 

「ヴァーリ、お前も相手にしてやりてぇが、まぁ赤い龍とよろしくやってな。」

 

「でもアザゼルとやった方が楽しそうだ」

 

 ヴァーリは言う。そうだな...確かにそうかもしれない。

 でも...俺は...ここでヴァーリに立ち向かう。

 そうしなければいけない気がする。

 原作どうのこうのじゃない...神器(セイクリッド・ギア)が...俺の心がそう叫んでいる気がする。

 それに...ここでなにもしなければ、男が廃る...!!

 

「ドライグ、行くぞ...」

 

『あぁ...ここが正念場だな...』

 

『Count Down!3 Minutes!』

 

 俺は禁手化(バランス・ブレイク)の準備に入る。

 

「イッセー?」

 

「なぁギャスパー。俺はさっき、お前に逃げるなって言ったよな...そしてお前は見事にやってみせた。なら、次は俺の番だよな...」

 

「イッセー。ここはまずいわ。巻き込まれてしまう」

 

「部長、ギャスパーを連れて逃げて下さい。俺は...俺はここで戦います。プロモーションの許可を下さい!」

 

「イッセー?何を言ってるの?」

 

「ギャスパー俺も逃げない!戦うからな!!」

 

「は...はい!」

 

「あぁもう!プロモーションを許可するわ!」

 

「ありがとうございます。プロモーション、女王!!」

 

 俺の力が増幅した。

 

 上空では、アザゼルが片腕を切断して、カテレアの自爆による爆発を防いでいた。

 

「ヴァアアアアリィィィィィ!!!!いくぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

 

 俺の体が赤き鎧に包まれる。

 

 ヴァーリは俺の方を見て、こちらを向き直った。

 

「へぇ来るんだ。赤龍帝」

 

 俺は悪魔の翼と背中の魔力噴出口を利用して奴に突撃する。

 

 が、完全に見切られてるな...

 俺は奴に衝突する直前で下に向けて魔力を噴出して、上に飛び上がる。

 

 ヴァーリは動かない。

 くっそ舐めやがって...!俺は一発ドラゴン・ショットを上からお見舞いする。

 

『Transfer!』

 

 巨大な魔力弾がヴァーリを襲う。

 

『Divide!』

 

 奴が手を上に伸ばして俺の全力のドラゴンショットを半減させ、受ける。

 ダメージは無さそうだ...

 

「バカみたいに突っ込まないのはいいけど、それじゃ俺には勝てないよ?」

 

 ヴァーリは大量の魔力弾の弾幕を展開する。

 俺は大きく回りながら飛んで避けようとするが、あっという間に捕らえられた。

 

「がっぐぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

 弾幕を防御している俺に、ヴァーリは近づいてきて俺の事を蹴り飛ばした。

 

「ぐぅぅぅぅ!!がっっ!!!」

 

 地面に叩きつけられる。すぐに追撃が来た。

 俺はブースターで横に避ける。

 ヴァーリが高速で俺が居たところに突撃する。

 爆音と共に大きく土煙が発生する。

 俺は反転して即座にヴァーリのいる場所に飛んでいく。

 一度ぶつかった後、インファイトで殴り合う。

 顔面一撃入れれば腹に一撃を入れられる。

 蹴りを腹に入れれば、顔面を殴られる。

 

『Divide!』『Boost!』『Divide!』『Boost!』

 

 殴り合いの度に半減と倍化を繰り返す...

 

 ....先に膝を着いたのは俺だった。

 

「ぐっっ....!!」

 

「ふぅ...弱いね、キミ。会談の場でなんて言ってたっけ?女を守る?そんなに弱いキミに何が守れるのかな...あの子なんだっけ...まぁいいや、あの子を殺せばキミも少しはマシになるのかな?」

 

「.....あぁ?」

 

 俺はヴァーリに蹴り飛ばされた。

 

「っっ......ぐぅ......」

 

 言うと思ったぜヴァーリ...

 わかってた...そう言うのは...

 それでもわざわざあの場で言ったのは、お前に嘘をつきたくなかったからだ...

 強いお前に憧れを抱いたからだ...

 あれが俺の全てだからだ...

 後悔はしてない...けど...

 

「アーシアに指一本でも触れてみろ...!ミンチにしてやるぞヴァァリィィィィィ!!!!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!』

 

 俺の身体中から紅蓮のオーラが迸る。

 身体中を限界知らずの倍化が迸る。

 

「ハハ、たった一言で随分と強くなったじゃないか!」

 

「ドライグ、魔力ブースターへ譲渡しろ!!」

 

『何を言ってる相棒!!!魔力が一瞬で底を着くぞ!!!』

 

「いいから!」

 

『Transfer!』

 

「あああああああああ!!!」

 

 魔力ブースターが甲高い音を立てて爆発する。

 俺は神速でヴァーリに突撃する。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

 

 失った倍化を一瞬で取り返す。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

 俺はヴァーリに直撃した。

 衝突のエネルギーでヴァーリの鎧にヒビが入る。

 

「ガハッッ!!!ぐぅぅっぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

 ヴァーリは受け止めきれずにドンドン後ろに吹き飛んでいくが、すぐに持ち直して俺の衝突の勢いを地面を抉りながら、翼の噴出エネルギーで勢いを殺す。そして俺の腹を殴る。

 

「ガブッッッッッッグッ!!!」

 

 俺は大量に血を吐いた。鎧ごと内蔵を潰された!!

 

『Divide!』『Boost!』

 

 すぐに倍化する。

 接触してる今しかチャンスは無い!!!

 

「アスカロン!!!!」

 

『Blade!!』『Transfer!』

 

 俺はヴァーリの腹に向かって譲渡で龍殺しの力を高めたアスカロンを突き立てる。

 

「ぐぅ!!!!ガハッ!!!お前!!!」

 

 そのまま俺は横に剣を薙いで、再び突き立てようとする。

 

「このっっ!!!!」

 

 ヴァーリは俺に特大の魔力をぶつける!!

 

『相棒!まずい!!』

 

 俺は咄嗟にアスカロンと腕を盾にするが、あっという間に吹き飛ばされた

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 恐ろしいほどの熱量と圧力が俺の体を押し潰す...!

 

 俺は残りの魔力全てを込めて少しでもヴァーリの魔力弾を弱める。

 

 大爆発が起きた後、グラウンドに大きく開いたクレーターと、鎧がボロボロになった俺だけが存在していた。

 

「ぐっ...ドライグ...鎧を修理しろ...」

 

『わかった。』

 

 魔力はもう底を着いている。俺の体力を大量に消費して鎧が修復されていく。

 

 そこにヴァーリが飛んできて、俺の腹に拳を突き刺す。

 治りかけの鎧が再び壊れた。

 

「ぐっっっっっっっっっ!!がぼぉぉ!!」

 

 大量の鮮血が腹から口まで逆流する。

 

「やってくれるな、赤龍帝...まったく...まさか、そんなものを持っているなんてね...」

 

「はっ...ぐぅ...結構痛手負っただろうが...」

 

「まったくだ...ぐぅ...弱いからと油断しすぎたな...」

 

 ヴァーリも鎧の隙間から止めどなく血が流れる...

 当たり前だ。龍殺しの聖剣で脇腹を内蔵ごと斬ってやったんだ...

 普通なら致命傷だ...

 

「はっ...ざまぁみやがれ...ゲホッ...ゴボッ...あ゛ぁ...ぐぐぐ...」

 

 俺は立ち上がる。

 

「二回戦と...いこうぜぇ...お互い...致命傷だろ...」

 

 俺は構えをとる。

 

「もうフラフラだろう...君じゃ勝てないよ」

 

 ヴァーリは俺に魔力弾ぶつける。

 

「ガハッ!!」

 

 俺は吹き飛ばされる...

 なんとか立ち上がってヴァーリの元へ向かう。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あああああ!!!!」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

 俺はお前に勝ちたいヴァーリ、白龍皇!!

 だから!!この一撃に残りの全部込めてぶん殴る!!!

 

「いいぞ、兵藤一誠。来い!」

 

 ヴァーリも応戦してくれる。

 

 ドゴバキィ!!!

 

 互いの拳が互いの顔面に直撃する。

 俺は地面に叩きつけられた。

 

 最後に立っていたのはヴァーリだった。

 

 ────────────────────────

 

「赤龍帝、兵藤一誠。いずれ再び戦うときは、更に激しくやろう。もっと強くなる事だ...キミの目標とやらの為にもね...その時は...」

 

 そんな声が聞こえた気がした。

 

 ...............

 

「.....さん....ッセーさん....イッセーさん!!」

 

 アーシアの声が聞こえて目が覚めた。

 

「イッセーさん!良かった!目を覚ましました!!」

 

「アー...シア?」

 

「無理なさらないで下さい!フェニックスの涙を使ったのですが、無理な神器(セイクリッド・ギア)の使用で失った体力は戻ってないんです。」

 

「.......ヴァーリは...」

 

「あいつなら帰ったよ。ったく、手酷くやられやがって。まぁ向こうもそれなりに重症っぽかったけどよ」

 

「アザゼルさ...」

 

「まぁ今は寝てろよ。ちゃんと回復したら説明してやる。」

 

「はい...」

 

 俺は再び意識を手放した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。