アーシアしか勝たん   作:min-can

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第34話。 撃退します、黒猫!

 森を進むこと数分、小猫ちゃんが黒い着物を着た猫耳と対峙していた。黒歌だ...

 

「.......姉さま。どういうつもりですか...」

 

 小猫ちゃんはお怒りモードだ。

 

「怖い顔しないでよ。ちょっとした野暮用よ。悪魔さん達が大きな催しをしてるっていうからさ、ちょっと気になっちゃって。にゃん♪」

 

 にゃんだとよ。状況が相まって全く萌えないな。

 結構強そうだしそんな気分にもならん...

 アーシアがにゃんとか言ったら死ねる自信あるけど...

 どうしよう、もう禁手(バランス・ブレイク)のカウント入った方がいいか?黒歌の事だからどうせ気付いてそうだしなぁ...

 俺はカウントダウンを始めた。

 

「ハハハハ、こいつ、グレモリー眷属かぃ?」

 

 美猴!そういやこいつも来るんだったな...

 

「無駄無駄。仙術知ってると気の流れでだいたいわかるんだよねぃ。出てきなよ。」

 

 美猴がこちらを指さす。

 やっぱりばれてるよな...

 俺達は姿を現した。

 

「....部長、アーシア先輩、イッセー先輩」

 

「お前が赤龍帝かぁ。ヴァーリが重症負ってたからどんなかと思ったけど...んー微妙だねぃ」

 

 悪かったな!禁手(バランス・ブレイク)したら覚えとけよお前!

 

「黒歌~帰ろうや。どうせパーティーにも参加できないし、つまんないぜぃ...」

 

「そうね、帰ろうかしら...ただ白音はいただくにゃん。あの時連れていってあげられなかったからね」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!』

 

 やっべめっちゃタイミング悪い!!!

 

「おっ?やる気かぃ?」

 

 まず~い!美猴が戦闘モードに入りそうだ...!

 

「待て!お前らが帰るってんなら戦う気はない。ただまぁ戦う可能性も無きにしも有らずかなと思って準備してたんだ。タイミングの問題だ!」

 

「なんだぃ。じゃあその子連れてさっさと帰ろうや...」

 

「再び語弊がある!小猫ちゃんは連れていかせない!!小猫ちゃんは俺達の仲間だ!二人だけで帰ってくれ!」

 

「勇ましいのはいいけどねぃ...黒歌と俺っち相手にするつもりかぃ?その娘だけくれりゃおとなしく帰ってやるよぃ」

 

「この子は私の眷属なの!指一本触れさせないわ!」

 

 部長が勇ましく叫ぶ。

 

「その子は私の妹。上級悪魔様なんかにはあげないわよ」

 

 黒歌がそういうと、空間に違和感を感じた。

 結界で封じたらしい...

 なんでもできるなこいつ。

 

「リアス嬢、兵藤一誠、アーシア・アルジェントが森に入ったと報告を受けて来てみれば、結界で封じられるとはな...」

 

「タンニーンさん!」

 

 我らが元龍王!!味方になればこんなにも頼りになるのか!!安心感がすごい!

 

 美猴はタンニーンの登場に大興奮で、如意棒ときん斗雲を呼び出して、空中大決戦が始まった。

 タンニーンさんのブレスをもろともしていない...

 やっべぇなあいつ。俺なんか手加減の上、鎧着てようやくなのに...

 

 そちらに気をとられている隙に、黒歌からドス黒いオーラが滲み出てきた。

 

 やば...さっさとぶっ倒さないとアーシアに危害が...でも小猫ちゃんと部長と、黒歌でお話始まっちゃった。

 ここで殴りにかかるのは流石に空気読めなさすぎか。

 

「...姉様。私がそちらに行きますから、皆さんは見逃してあげて下さい」

 

「何言ってるの小猫!あなたは私の大切な眷属なのよ!勝手は許さないわ!!」

 

「...ダメです。姉さまの力は私が一番よく知っています。姉さまの力は最上級悪魔に匹敵するもの。ここにいる皆で倒せるとは思えません...」

 

 実際どうなんだろうか...本気の戦いなら厳しいのかな?

 

「それでも絶対に渡さないわ!あんなに泣いていた小猫をあの猫又は助けようともしなかったもの!」

 

「だって、妖怪が他の妖怪を助けるわけないじゃない。今回は手駒が足りないから白音が欲しくなっただけ。そんな紅い髪のお姉さんより私の方があなたの力を理解してあげられるわよ?白音」

 

「...イヤ、あんな力いらない...黒い力なんて...人を不幸にする力なんて要らない!!」

 

「黒歌...力に溺れたあなたはこの子に一生消えない心の傷を残したわ。この子はあなたに裏切られてから、ずっと辛いものばかり見せられてきた。だから私がこの子にたくさん楽しい物を見せてあげるの!この子はリアス・グレモリーの戦車!搭城小猫!私の大切な眷属なの!!」

 

 それを聞いた小猫ちゃんは涙を溢れさせる。

 そうだな。小猫ちゃんは俺達の大切な仲間だ。

 仲間を傷つけるやつは許すわけにはいかないな。

 

「....行きたくない!私は塔城小猫。私は部長と一緒に生きる!生きるの!」

 

 小猫ちゃんが叫んだ。

 

「じゃあ、死ね」

 

 黒歌がそういうと、霧のようなものが発生する。

 この霧は...かなりまずそうだな。

 

「アーシア!神器(セイクリッド・ギア)のオーラで部長と小猫ちゃんを包んでくれ!!早く!!」

 

「...!はい!」

 

 アーシアが自分込み三人をオーラで包み込む...

 霧の範囲に入ったが、今の所大丈夫そうだ...

 

「すごいぞアーシア!!流石だ!!すぐにあいつ倒してやるから!そのまま耐えてくれ!!」

 

「任せてください!!」

 

 アーシアがむん!と気合いを入れている。可愛い...

 

「あんたは赤龍帝だから効かないのかしら?それで、向こうはあの神器(セイクリッド・ギア)の効果か...にしても、厄介な奴もいたものね。回復担当だなんて...先に殺そうかしら」

 

 ビキリと俺の血管が音を立てた。

 

「.......は?おいお前...今アーシアを殺すって言ったのか?.....殺すぞ、クソ猫!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

「おぉ怖い怖い...でも、力だけで勝てるほど私は簡単じゃないのよねん♪」

 

 部長が魔力を打ち出した。

 黒歌にぶつかるが、体が霧散する。

 幻影を大量に作りだした...

 クッソ!どれを殴ればいいんだ!全くわからん!!

 いっその事全部ふきとばすか...?いや、アーシア達が巻き込まれる!!あぁぁ!!くっそ!!!

 怒りの矛先が定まらん!!!

 

 幻影の一つがアーシアに魔力弾を打ち込んだ。

 俺はすぐにアーシアの壁になって、守る。

 

「てめぇぇぇぇ!!!!まじで殴る!!!絶対に!!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

 

 複数箇所から、魔力の弾が飛んで来る。

 ドラゴンショットを撃ったり、殴ったり、庇ったりで全部受け止め切る。

 

「おい!ぶりっ子クソ猫女ぁ!!!こんな雑魚みてぇな攻撃ばっかちまちま撃ってねぇで大技撃ってこいよ!大技!!!欠伸が出るぞ雑魚がよ!!!びびってんのか!?大した力もねぇもんなぁ!!」

 

 俺はただでさえ少ないボキャブラリーが怒りによって悪化して、めちゃくちゃ頭悪そうな煽りを繰り出す。

 

「ガキッ!!調子に乗りやがって!!!」

 

 黒歌が妖力やらなんやらを大量に込めているのがわかった。

 バカにバカにされたらムカつくよなぁ!!

 

「おらクソがぁ!!方向わかりゃこっちのもんじゃ!!!」

 

 俺はオーラと魔力を混ぜて、譲渡してその方向にぶちかます!!!

 

 ドガガガガガガガ!!!!

 

 はるか向こうまで恐ろしいほどの破壊が繰り広げられる。

 斜線上の悉くが蹂躙され、灰塵と化していく。

 あぁ、すっきりした。

 今の一撃で、結界だの霧だの全部吹き飛んだ。

 俺も...怪獣の仲間入りだな...

 タンニーンさんとの修行の成果だ。ありがとうタンニーンさん。

 まぁまだこれでも弱いんですけど...

 どんだけ皆強いんじゃ...勘弁してくれ...

 

『クハハハハハ!!これこそ赤龍帝の一撃よ!久々にすっとするようだ...』

 

 ドライグも嬉しそうだ。良かったね。

 ちょっとアーシア教のせいで不安定になってきてたもんな...

 あいつら、俺が居ない間にも他の歴代に延々とアーシアたんバイザイ!!って言い続けてるんだってよ...怖すぎる...何が彼らをそこまで駆り立てるんだ...

 アーシアだね。アーシアたんバンザイ!!

 

「イッセー!無闇に土地を破壊しないで!!」

 

 部長に怒られた...

 すんません...

 

「な...なんなのよあんた...!クソッ!」

 

 黒歌は上手く避けたみたいだ。

 びびってるみたいだけど...

 

「おい...次にアーシア狙ったら、肉片一片残らず全部消し炭にしてやるからな...わかったか...」

 

 俺は黒歌に近づいていく...

 

「ぐっ...このっ!!」

 

 黒歌は多段攻撃を仕掛けてくる...

 自分で言うのもあれだが、あの一撃を見てなお立ち向かってくるのは流石としか言いようがないな...

 

 まぁ知らんけど。

 俺は攻撃全部無視して近づいていく...

 

「一発キツいの入れてやるからお勉強するんだなぁ!!」

 

『Move Burst Impact Booster!!!』

 

 俺の左腕に装甲が集まっていく...

 攻撃痛くなってきた...イテテテテテテ!

 よし!準備完了。

 

 俺は黒歌の座っている場所の近くに拳を振り下ろした。

 本人を狙わないのは温情だ。

 キィィィィィィンと音を立てた後にブースターが爆発する。

 

 バゴォォォォォォォォォォォン!!!

 

 地面が大爆発して、地表に大きなヒビが入った。クレーターもそこそこ大きいのができた。

 黒歌は吹っ飛んだらしい。俺も吹っ飛んだ。

 この技反動で俺も吹き飛ぶんだよな...

 ぶん殴ってやろうと思ったけど、まぁさっきの攻撃ですっきりしたし、ぶん殴って飛んだ石礫で充分だろう。

 

「そこまでです、皆さん。悪魔がもうすぐ来ます。」

 

 メガネの聖剣使い、アーサーがどこからともなく現れた。

 聖王剣コールブランドー、及び最強のエクスカリバー、支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)の使い手。

 二つともやべぇ聖剣なので、恐ろしいほどの悪寒が駆け巡る...

 

「おまえ、ヴァーリの付き添いじゃなかったかい?」

 

「黒歌が遅いので見に来たのですよ。まったく、何をしておるのやら」

 

 アーサーは呆れた様子で佇んでいる。

 こいつと戦うのは流石に無理ゲーくさいから勘弁してほしいんだが...

 

「赤龍帝さん、そちらの聖魔剣の使い手さんと、聖剣デュランタルの使い手さんによろしく言っておいてくださいますか?いつか剣士として戦いたいと...」

 

「こいつら連れて帰るなら言っておいてやるよ」

 

「もちろんです。では行きましょうか...」

 

 アーサーは皆を連れて帰った。

 あっという間に回収していったな...

 仕事ができる有能イケメンとか、どんだけポイント高いんだ...

 

 騒ぎを聞き付けた悪魔の皆さんによって、事態の収集が行われた。

 もちろんパーティーは中止だ。

 

 俺は今、無闇に自然を大量破壊した事をアーシアに怒られている。

 ぷりぷりと怒っていた。

 人が居たら大変な事になっていましたと言われる...

 ごもっとも...!

 可愛かったけど、アーシアに怒られるのはかなり辛いというか...悪いことした感がすごい。

 

「ごめんなさい...」

 

「イッセーさんも反省したみたいですし、もう大丈夫ですよ?それに...ちょっとやりすぎだとは思いましたけど...イッセーさんが守ってくれて、嬉しかったです...」

 

 アーシアは俺を抱きしめてくれた後に、恥ずかしそうにそう耳元で囁いてくれた。

 背中がゾクゾクした...また何かに目覚めそうだ...

 アーシアASMRとか...5万でも買います。

 

 ────────────────────────

 

 会長とのゲーム前夜、俺達は最後のミーティングと洒落混む。まぁ俺は戦術とか難しいので居るだけだ。

 

「イッセー、お前の禁手(バランス・ブレイク)は間違いなく使うが、一度使えばもうゲーム内で使えなくなるのは痛手だ、更に数時間神器(セイクリッド・ギア)も使えなくなる。通常状態での戦闘が必要になる場面も必ずあるんだから、タイミングにはしっかり注意しておけよ...」

 

「はい、気を付けます」

 

 気を付けるったって、どうすりゃいいかわからんけどな...

 とりあえず匙の攻撃だけは注意しないと...

 今回のゲームは関係ないが、普段のゲームならサクリファイス的な思考で、序盤で禁手(バランス・ブレイク)して大暴れしてなるべく敵に甚大な被害を与えるのも悪くないし、終盤の火力として残るのも悪くないんだよな。

 まぁ部長に任せよう。俺は指示待ち兵士だ。

 

「リアス、ソーナ・シトリーはグレモリー眷属の事をある程度知ってると思っていいんだな?」

 

「えぇ、大まかにはそうね。それにイッセーは先の禍の団(カオス・ブリゲード)襲来の大暴れで、修行の成果を見られたと思っていいでしょうね...ちょっと痛手だわ。まぁフィールド如何によってはデメリットにすらならないだろうけど...恐らくパワーバランスから考えてもイッセーのような大火力を防ぐルールが適応される可能性が高いわ...」

 

 実際そうだ。俺は暴れすぎずに敵を倒さないといけない...

 結構むずかしそうだな...やっぱ火力調整的にも通常状態の方がいいかもな。

 くっそ...修行では永遠と、怪獣大バトルしてたから周りの被害とか考えるのが難しいぞ...

 これだからレーティングゲームは難しいのだ。

 

 相手は八名、数は一緒にだな。

 しかしアーシアは戦闘要員ではない。

 アーシアの分も考えれば、少なくとも俺は2,3人潰す事ができれば駒相応の働きができたという事になるのか...?

 いやまぁ誰を取るかで話は変わるだろうけど、大まかに目標をですね...

 

 などと考えているとアザゼル先生が俺達の事をタイプ別で図解してくれた。

 

 部長、ウィザードタイプ、魔力全般に秀でている。まぁそのまんまだな。

 

 朱乃さん、同じくウィザードタイプ。

 

 木場、テクニックタイプ。技や特殊技能で翻弄できる。木場は特にスピードが凄い...

 

 ゼノヴィア、スピードに秀でたパワータイプ。こいつはこいつで結構素早いもんな。木場には敵わないって感じだったけど...まぁ代わりに大火力がある。

 

 アーシア、ウィザード寄りのサポートタイプ。一生懸命修行したから体力も魔力も増えて、ウィザード側にもズレたらしい。流石アーシア!

 

 ギャー助、テクニック寄りのサポートタイプ。まぁ神器(セイクリッド・ギア)がサポートで能力がテクニックだからだな。

 

 小猫ちゃん、パワータイプ。そのまんま。まぁ仙術も使うならテクニックにも化けるかもね、って感じか。

 

 最後に俺。パワータイプ、ただし譲渡でサポートにも回れる。まぁ言わずもがな。

 

 満遍なく居て、バランスは悪くないんだろうけど、どうにも脳筋バカ集団と言われてる気がしてきた...

 木場、ギャスパー、アーシアくらいじゃないか...頭使ってそうなの...

 

「お前ら、特にイッセー!パワータイプが気を付けるべきはカウンターだ。テクニックタイプのカウンターは、かなり厄介だと考えておけ...攻撃の威力によっては全滅もありえると自覚しろよ?」

 

「カウンターならば、力で押しきってみせよう。」

 

 勇ましいなゼノヴィア。でもわかるぜ、カウンターする事を許さない大火力で倒すとか気持ち良さそうよな...

 

「それで乗り切れる事もあるが、相手がカウンターの天才ならば話は別だ。できるだけ攻撃を避けて、パワー以外のタイプに戦わせるんだ。まぁ相性の問題だ。」

 

 アザゼル先生がまとめとばかりに立ち上がる。

 

「お前達が今回のゲームで勝つ可能性は80%以上と言われている。俺もお前達が勝つと思っちゃいるが絶対とは思わない。俺は長く生きてきた中で、1割...果ては1%の可能性を掴んでいった者達を知っている。奴らは恐るべき執念と根性で勝利を勝ち取ったんだ。まぁ、どんな奴らでも油断すんなよって話だ。いつだって足元を掬われるのは強者ってのが世の常だ。特にイッセー、急激に火力が上がったからって調子に乗るんじゃねぇぞ?」

 

「乗れませんよ...ただでさえ俺より強い奴が後どれくらい転がってるんだかわかったもんじゃないんですから...」

 

「それがわかってるならいい。ま、お前らならいけるさ、頑張れよ。」

 

 それだけ言ってアザゼル先生は帰っていった。

 その後、先生以外のメンバーで夜遅くまで戦術を話し合うのだった...

 俺には難しかったのでアーシアと手を握りあって静かにイチャイチャしてた。

 

 ちゃんと話は聞いていたのであしからず。

 

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