アーシアしか勝たん   作:min-can

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第39話。 始まります、戦い!

 俺達は現在冥界にいる。

 何故かと言うと、テレビ収録があるからだ。

 グレモリー眷属全員にオファーがあったのである。

 

「お待ちしておりました。リアス・グレモリー様。眷属ご一行様。こちらへどうぞ」

 

 スタッフの方に連れられて、ビルをエレベーターで登っていく。

 

 廊下を歩いていると、サイラオーグさんがやって来た。

 

「リアス、そっちもインタビューか?」

 

「えぇ、あなたも?」

 

「あぁ、恐らく別のスタジオだろうな。...試合、見たぞ。クク、お互い素人臭さが抜けないものだな」

 

 サイラオーグさんが苦笑する。

 そして俺の方を見た。

 うーん...会長戦はなんとも言い難い結果だったからな...プラマイゼロというか...ゼロだからこそマイナスというか...

 

「赤龍帝、前回の戦いはいまいち奮わなかったようだな。」

 

「はい...そうですね...」

 

「まぁそういう時もあるだろう。相性も重要になるからな。ただ、お前とは一切制限のない殴り合いがしたいものだ...」

 

 サイラオーグさんが俺の胸に軽く拳を当てる。

 

「...!ありがとうございます!!」

 

 それしか言えない...

 まだ力は足りないけど、絶対に追い付いてみせる...

 

 それからスタジオへと案内されて、スタッフやアナウンサーと番組の打ち合わせが始まった。

 

 主に部長に質問が行って、木場や朱乃さんにも質問が飛ぶらしい。この三人は人気だからな。

 ちなみに俺は...その、元々の二天龍のイメージと...容赦なく不意打ちで女の子やボロボロの匙を殴る姿とか、パーティー会場近くの森を破壊したせいで...これぞ龍、みたいな扱いをされているらしい...グレモリー眷属の凶犬ないし凶龍、赤龍帝ってのが俺のイメージだ...

 お陰で一部のマニアとか悪役好きには受けてるらしいけど...

 乳よかずっとましだけど、なんか...ちょっとだけ悲しい。

 スタッフさんも俺が赤龍帝とわかると怖がってた...

 

 アーシアが慰めてくれなかったらお豆腐メンタルが死んじゃってたな...

 

『ククク...これでこそ二天龍...赤龍帝...俺は畏怖されるべき存在なのだ...何がアーシア教だ。これこそがあるべき姿だというのにククク』

 

 まぁドライグが久し振りに楽しそうで良かったです。

 

 ────────────────────────

 

 収録後、皆ぐったりしていた。

 俺も辛かった。唯一の質問に対して、台本が用意してあって...

 

「俺の龍の力で滅ぼしてやりますよ...」

 

 とか言わされて正直泣きそうだった...

 しかも思ったより中身普通の人っぽいですから、鎧着てもらっていいですかね?だとよ...

 お陰で俺だけ顔出し無しというな。

 いや、いいんだけど...

 

 アーシアも緊張してたみたいで、今はストローでジュースをちみちみと吸っている。可愛い。

 

 アーシアも一つだけ質問をもらっていた。緊張してカチカチになりながらも一生懸命答える様はきっと、新しい信者を冥界に生んだ事だろう...

 

 ────────────────────────

 

 夏休みの間に部長が、駒王町に大きめの豪邸を建てた。

 なんでも、これからの事を考えるとこういった眷属皆で集合できる家があった方が便利だ、との事だ。

 部員全員分の部屋、客室、はたまた大浴場からプールまであり、たまにアーシアと利用させて貰ってる。学園に家より近いしな...

 まぁ住んでいるのは実家の方だが。

 一度俺達も移住するかどうかという話になったが、アーシアはうちの両親と暮らしたいと言っていたので、そうすることになった。

 住んでいるのは、部長、小猫ちゃん、ゼノヴィア、イリナだけである。

 まぁ家として利用しているメンバーはそれだけだが、主に部員の憩いの場、またはトレーニング施設として使われている。

 思いきって戦える場所ってこの町にはあんまりなかったからな...

 まぁ、実質原作イッセーの家である。

 現在俺はトレーニング施設で木場と模擬戦をした後に、ゼノヴィアとも模擬戦をした後だ。

 木場の戦い方がいやらしすぎる...

 俺が直線でしか奴に追い付けないのをいいことに、ひらひらと曲がりまくって、曲がるついでに俺を攻撃するのだ。

 その癖俺の攻撃はほとんど避ける...

 今はまだ決定打になる威力を持っていないけど、名のある魔剣、聖剣を手に入れたり、龍殺しの聖剣を作れるようになりだしたら本格的にガチでやりあっても負けそうだな...

 ゼノヴィアはまだ、脳筋バトルできるので楽しいんだが...

 一回まじでトレーニング場に穴が空いて怒られた。

 今は木場とゼノヴィアで模擬戦だ...

 ただまぁこいつらは数少ない禁手化(バランス・ブレイカー)で戦える面子だからな、貴重だ。特に木場。

 

 アーシアは少し遠くで俺にオーラを投げる練習をしている。

 なんでも俺に投げる方が上手くいきやすいのだそうだ...可愛いことを言ってくれる。

 あっ...また当たった...アーシアのオーラってすっごく気持ちいいんだよな。例えるなら冬にキンキンに冷えた体をコタツで温めているかのような快感。

 

 俺はアーシアにグッドのポーズをする。十分にオーラを受け取れたというサインだ。

 アーシアはこちらに駆け寄って喜んでいた。可愛い。

 

 ────────────────────────

 

 いよいよ決戦の日が来た。

 俺は、心の準備を決める。

 

 深夜にグレモリーハウスに集まった。

 アーシアとは十分に抱き合ったし、アーシアはまだ少し不安そうだが問題はない。

 アーシアの不安は、危機は、俺が晴らしてやるんだ...

 

 転送の時間が近くなる。

 俺はカウントダウンを始めた。

 

 転送が完了し、見えたのはだだっ広い空間だ。一定間隔で柱がたっており、神殿といった様相である。

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

「イッセー!?なんでもう禁手化(バランス・ブレイカー)に!?」

 

「すみません。でも俺は奴を信用していないので...」

 

「何を言って....いえ、確かに少しおかしいわね。アナウンスが来ないわ」

 

 俺は周囲を警戒する。

 アーシアには俺の少し横に来てもらった。

 アーシアを拐うべくやってくるディオドラを殴る。

 それが狼煙だ...

 俺は今日まで溜めてきた怒りを解放するように力を上げる。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

 

 紅蓮のオーラを迸らせる...

 すると、前方に大量の魔方陣が現れて、大量の悪魔が出てくる。

 多分原作ではこれに気を取られてアーシアを拐われたのだろう...

 

 部長達があーだこーだ言ってるが俺はそれどころじゃない...

 周囲に気を配る。

 

 来た!!!

 

 体の向きを反転した俺のパンチがディオドラの腹に突き刺さった。

 

「ぐああああああぁぁ!!!!」

 

「なっ!!!」「ディオドラ!!?」

 

 皆が驚いているが俺はそれどころじゃない。

 ここで確実に殺す、もしくは精神を砕く。

 話も聞かない。待たない。速攻でやる。

 

 ディオドラを吹き飛ばした俺は再び殴りかかる。

 防御障壁を作ってはいるが...

 

「なめてんのかおらぁぁ!!!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

 

 障壁を紙のようにぶち破り、ディオドラの腹に再び拳を叩き込む。

 

「げぇぇぇぇ!!!」

 

 ディオドラが血と吐瀉ぶつを吐く。

 

「がっっっ!!!糞!!!薄汚い龍ごときが...!!!いつもいつも俺の邪魔ばかりしやがって!!!ガハッ!!!折角アーシアを俺の物にしようと計画を立ててたのに!!!レイナーレの時も!!!今も!!!邪魔しやがって!!!」

 

 ディオドラが魔力をこちらに打ち出すが、全て無視して肉薄する。

 

「黙れぇぇぇぇぇ!!!」

 

 俺はディオドラの顎を殴り、吹き飛ばした。

 

「ゴッッッッッブ!!!!」

 

 くっそ...油断も隙もない...アーシアは知らなくていいんだ...!こいつの糞みたいな性癖と、自分がその被害者であることは...!!!

 

「あああああ!!!!!僕が!!!魔王の血筋たるこの僕がぁぁぁぁぁ!!!」

 

「うるせえぇぇぇぇえええ!!!!死ね!!」

 

 ディオドラが立ち上がる。

 俺は即座に顔面に一撃入れる。

 地面に顔を埋めてやった。

 地面に大きくヒビがはいるほどに全力でねじ込んでやる。

 

 ボガァァァァァン!!と土煙が上がる。

 

 ...気絶したようだ。

 俺の拳から奴の血が滴る。

 くっそ!!こんなの殴っても全然気が晴れねぇ!!

 ...まぁいい。こいつは一旦ここまでだ。

 旧魔王派の計画を出鼻から挫いてやったんだ。

 修正の為にシャルバが表れるだろう...来ないならこれで終わりだ。その他大勢の構成員なら俺が潰せる。

 

 俺はディオドラを引きずりながら部長の方へ歩いていく。

 

「イッセーさん...」

 

 アーシアが俺の方に駆け寄ってくる。

 

「ごめんアーシア...こいつに二度とアーシアに近づくなって言う前に気絶しちまったわ...」

 

「良く気付いたなイッセー」

 

「イッセーくん。ディオドラを倒したのは流石の一言だけれど、今はもうそいつに構ってる暇はないよ?目の前の敵をなんとかしなければ...」

 

 目の前の大量の悪魔達が、それぞれ巨大な魔力弾を作り出していく。

 ....これ全部処理するのか...

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

 

「部長!朱乃さん!ゼノヴィア!このメンバーなら広域的な攻撃ができますよね!譲渡します!!」

 

 などと言っていると、キャっと声が聞こえた。

 ローブ姿のおじいさんが朱乃さんにセクハラしていた。

 オーディン様か...

 勝ったな!そういえばそういう展開だったわ!

 

「うむ、良い尻じゃ。」

 

「オーディン様!どうしてここに!」

 

 部長が驚きの声をあげる。

 アーシアもオーディンと聞いてびっくりした様子だ。

 誰でも知ってるくらい有名だもんね。

 

「まぁ、一言で言うなら、禍の団(カオス・ブリゲード)にゲームを乗っ取られたのじゃ。今は各勢力の面々が協力態勢で戦っておる。とはいえ、お主らにも救援は必要じゃろう?しかしこのフィールドは強力な結界に覆われているのでな、なかなか入るのは難しい。そこでわし自ら来てやったというわけじゃ」

 

「敵は北欧の主神だ!討ち取れぇぇ!!」

 

 旧魔王派の悪魔が攻撃をしかけるが、オーディン様はそれらを全て消し去ってしまった。

 ぞくりとする。凄まじい力だ...

 強すぎて比較ができない...流石主神クラス。

 

「とりあえずこれは渡しておくわぃ。アザゼルの小僧からのおつかいじゃ」

 

 そう言われた俺達はオーディン様から小型の通信機を貰った。

 

「さてさて、そろそろうざったいし消すかのぉ?」

 

 オーディン様が左手に槍を携える。

 

「グングニル」

 

 突如、圧倒的なまでの巨大なオーラが放出され、目の前の悪魔は百人ほど消滅してしまった。

 

「ここからは小僧の指示を受けて退避するんじゃな。では、わしはこっちを相手するとしよう...」

 

「お願いします!」

 

 俺達はオーディン様から離れるように、自分達の陣地の方へ歩いていった。

 

「アザゼル!!聞こえる!?」

 

 部長が叫ぶ。

 

「リアスか?よし、無事に渡されたみたいだな。色々言いたいこともあるだろうが、まずは聞いてくれ。最近、現魔王に関与する人間の不審死が相次いでいただろう?グラシャラボラス家もそれの一つだ。首謀者として挙がっているのは旧魔王の子孫どもだ、まぁカテレア・レヴィアタンは俺が学園で始末したが...やはり旧魔王派の連中が現魔王政府に抱く憎悪は大きいようだぜ...お前ら含め、現魔王の関係者をここで殺して開戦の狼煙にでもするつもりなんだろう。だが、予見はできていた。それゆえに一網打尽のチャンスでもあったんだ。今は各勢力のお偉いさんで旧魔王派閥をボコボコにしてる所だ」

 

「.....このゲームはおとりってわけね?」

 

「悪かったな。お前達にも危険な目に遇わせた」

 

「ほんとですよ...危うくアーシアがディオドラに連れ去られる所だったんですから」

 

「....ということは撃退したのか?」

 

「はい、今は気絶してるので引きずってます」

 

「よし、そいつは一応参考人だ。思うところもあるかもしれんが、なるべく殺すな。抵抗すれば構わんけどな。っと...話が逸れたな。まぁ作戦に巻き込んだのはすまなかった。これ以上お前らを危険な場所に置くわけにもいかない。そこは戦場になるからな、どんどん敵も送られてきている。お前らの陣地の神殿には隠し地下室が設けてあってな、かなり丈夫な作りだから戦闘が静まるまでそこで待機しててくれ。後は俺らがテロリストを始末する...」

 

「...わかったわ。一度そこまで引きましょう。行くわよ皆」

 

 部長がそう言った所でだった。

 光が俺やアーシアを包む。

 

 俺は瞬時に反応して、アーシアを光の範囲から抱いて脱出させる。

 閃光が撒き散らされた。

 光が収まると、ディオドラは消えてしまった。

 恐らく光で消し飛んだか、次元の狭間に飛んだのだろう。

 どちらにせよ死は免れない。

 つまり、こいつは...アーシアを殺そうとしたってことだ...

 ビキリと血管が浮き出る感覚がした。

 

「全く...ディオドラ・アスタロト。貴公は余りにも愚鈍だ。私が力を貸してやったというのに、出鼻から挫かれてしまっているではないか...この程度の仕事すらままならんなど、あまりにも愚かすぎる...まぁ貴公も偽りの魔王の血筋...所詮は出来損ないか。これでは計画の再構築が必要になるな...いや、まだそこの娘を回収すれば間に合うか...そうだな、そうしよう」

 

「誰なの貴方は!!」

 

 部長が尋ねる。

 

「お初にお目にかかる、忌々しき偽りの魔王の妹君。私の名はシャルバ・ベルゼブブ。真の魔王であるベルゼブブの血を引く、正統なる後継者だ。さて、サーゼクスの妹君、もののついでだ。そこの娘の回収ついでに貴公にはここで死んでいただこう」

 

「....死ぬのはお前だ、シャルバ...!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!』

 

 俺の体を力が駆け巡る。

 

『相棒!少し落ち着け!!覇龍(ジャガーノート・ドライブ)にならないのではなかったのか!?感情が荒ぶりすぎだ!!』

 

 うるさい、ドライグ...こいつはこの世界にとって害悪だ...

 それに...アーシアを連れていくと言った...こいつは、ここで倒さなければあの装置にアーシアを繋いで、アーシアの神器(セイクリッド・ギア)を暴走させるつもりなんだ...!!

 ここで...確実にぶち殺す!!!

 

「シャルバァァァァァアアアアアア!!!!!」

 

 俺はシャルバの元に突撃する。

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