シャルバの元へ飛び込んだ俺は、殴りかかる。
「らぁぁぁあああ!!!」
防御障壁に防がれる。2撃目、3撃目。全ての拳に必殺の威力を込めるが破壊しきれない。
「赤い汚物。貴様ごときが私に触れられるわけなかろう?視界に写るな。不快だ」
シャルバが魔力弾を打ち出し、俺の腹に直撃する。
「がぁぁぁあああ!!!!ぐっっっ!!!」
俺は途中で姿勢を変えて受け流す。
すぐに再突撃しようとするが、後ろからゼノヴィアのデュランタルの斬撃が飛び込んでくる。
俺は譲渡のオーラを射線上に設置する。
『Transfer!』
「ぐっっっっっ!!おのれ!!」
シャルバは流石に受け止めきれずに、斬撃を逸らして避ける。
態勢の崩れたシャルバに俺は殴りかかる。
防御障壁はまだ展開されていない!
「ん゛ん゛っ!!!らっ!!!」
腹に拳が突き刺さり、そのまま殴り飛ばす。
「ぐっっっ!!!おのれ!!!汚物がぁぁぁあああ!!!」
シャルバが魔力を解放する。
恐ろしいほどの魔力が俺達を包もうとする。
まずい!!こんなの食らったらアーシアは一たまりもないぞ!!!
「ふざけるな糞がああああああ!!!!!!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』
俺は全力でアーシアの下に突撃して、向き直り、迎撃の構えを取る。
全力のドラゴン・ショットで吹き飛ばす!!!
俺は少ない時間で出しうる魔力とオーラを全て球体に込めて、譲渡して放つ。
「らぁあああああああ!!!!!」
爆音。恐ろしいほどの衝撃と破壊が撒き散らされる。
莫大なエネルギーとエネルギーのぶつかり合いはこの場の全てを貪り尽くそうとする...
「はぁ...はぁ...はぁ...がぁ...くっ...」
俺はアーシアの壁となり、なんとかアーシアを無傷で守りきった。
だが、先程の衝突は余波ですら俺の体を破壊してあまりある一撃だった。
鎧が修復を始める。
他の皆もかなり危ない奴が数人いるな...すまん...
「イッセーさん!!!」
アーシアが俺に手を当てて治療してくれる。
あっという間に身体中の痛みが消えていく。
「ありがとうアーシア!!他の皆も治癒してくれ!俺はもういける!!」
「はい!!」
アーシアがスピード重視で皆にオーラを投げて回復させる...
ほんと、頼れる子になってしまった...
流石はアーシアだ...
煙が晴れ、シャルバの憤怒にまみれた表情が見えた。
「汚物のドラゴンごときが!!!」
シャルバに何かさせれば、皆が危ない!!!
俺がシャルバを引き付ける...いや、殺す!!!
「シャアアアアルバァアアアアアア!!!!!」
『相棒!!どうするつもりなんだ!!?』
「殴り殺す!!!」
ブースターを全力で噴かせて俺は、シャルバに接近して、殴る。蹴る。殴る。
「くっっっっそ!!!」
防御障壁が単純な拳じゃ砕ききれない!!
「所詮は薄汚い龍だ!!!貴様など即座に殺してやる!!!」
シャルバが光の魔力を俺の方に打ち出す。
みんなの方にいってはいけないので、俺は上に上に避ける。
「ジリ貧だな...ドライグ!!!新技だ!!」
『わかった。しかし、それを使えば魔力も体力もかなり消費するぞ...?』
「気にするな!どうせこのままじゃ魔力で押し殺される!!!」
『Move burst meteor booster!!』
俺がなんとかシャルバの攻撃を自分の翼で避けながら姿を変えていく。一発わき腹にかすった...
装甲がパージして、俺の肩に集まり首も固定される。
イメージはアメフトの防具!!
ブースターは二つになってサイズも一回り大きくなる。
ちょっと不恰好だが、これが俺が現在出せる点での最高火力だ!!
「ああああああああ!!!!」
『Transfer!!』
ブースターが甲高い音を発し始め、やがて爆発する。
俺ですら認識できないほどの高速でシャルバに突撃する。俺の得意技、全力での正面衝突!!!
二個のブースターを譲渡させた上で爆発させるこの一撃は圧倒的な速度と破壊力を生み出す。
「おらぁぁああああああああ!!!!!!」
シャルバの防御障壁をなんとか破いて突撃する。
一瞬で地面に激突した。激突してもなお、勢いは止まらずに地面を砕きながら奥へ奥へと潜っていく...
「がぁぁぁ!!!!!」
シャルバの口から鮮血が吹き出し、俺の鎧を染め上げていく。俺の体も、あまりの勢いと衝撃に悲鳴をあげて血を噴き出す。鎧も砕けていく...
「んぐぐぐぐぐ!!!!」
ギリギリまで押し込んで、やがて停止した。
「がばっ!!!ごっ!!!....おのれ!!!」
シャルバが血を吐きながら俺に手を向ける。
「....!?クソッ!!まだ生きてんのかお前!!!」
シャルバの魔力の衝撃波で穴の外へと吹き飛ばされる。
「がぁぁぁあああああ!!!!」
吹き飛ばされた俺は、アーシア達の元へとどしゃりと墜落する。
「げほっ!!」
「イッセーさん!!!」
アーシアが駆け寄って治療してくれる...
温かいオーラに包まれて、傷は治っていく...
やがて、シャルバが浮いてきた。
「この...ガハッ!!...この...俺をぉぉぉ!!!汚物がぁぁぁあああああ!!!」
シャルバが再び魔力による光線を打ち出す。
まずい!アーシアに当たる!!
「危ない!!!」
アーシアを押し出して射線から離す。そして
「がばっ!!!」
俺の腹を大きく貫いた。
俺は口から、腹の穴から...大量の血を吐き出す。
「イッセーさ...イッセーさん!!!イッセーさん!!!いやぁぁぁぁぁ!!!」
アーシアが泣きながら治療を開始してくれる。
が...間に合うかわからないな...これ...
俺は意識を失ってしまった。
────────────────────────
ここは....
「奴を殺せ...」「全て破壊してやろう...」「殺せ...殺せ...」「悉くを消滅させればいい...」
「終わらせよう...」「覇の力を使うのだ」
呪詛が俺を包み込む。
突如として恐ろしいほどの負の感情が爆発する...
あぁそうだ...あのクソヤロウを破壊しなければ...気が済まない...ハカイ...シテヤル...コロシテ...!
「......君はそれでいいのか...?」
ダレダ...オマエハ...
「....君の手はなんの為にある?」
ハカイノタメダ...!
「.....違うな...君の足はなんの為にある?」
フミツブスタメダ...!!
「.....それも違う...君の胸はなんの為にある?」
コトゴトクヲケシサルハメツノ...
体が温かい何かに包まれる...
誰かの声も聞こえる...
「イッセーとアーシアをなんとしても守るわよ!!」「よくもイッセーを!!」「イッセー君とアーシアさんには近づけない!!」「...よくもイッセー先輩を...」「イッセー君を...許しませんわ?」「イッセー先輩!!!」
そして...何よりも大好きな声も...
「イッセーさん!!イッセーさん!!いやです!!イッセーさん!!やだぁ!!」
泣いている...
オレノ...オレの...俺の、胸は...
「.....アーシアを...悲しむアーシアを抱きしめる為にある...」
「....そうだな。」
「俺の手はアーシアを守る為にある...俺の足はアーシアと共に歩む為にある!」
「....そうだ。ならば、わかるな?」
「うん...ありがとう、おっさん」
サッと視界が開ける。
「教祖様!!!教祖様がご帰還なされたぞ!!」「流石は教祖様だ!!!」「当たり前だ...アーシア様を唯一寵愛する事の許された男...この程度で死ぬわけがあるまい」「やったぞ!!!覇を打ち破った!!」
皆が喜んでいた...相変わらずこいつらは...
信徒のリーダー格がこちらにやってくる。
「必ず...必ずお戻りになられると確信しておりました。さぁ教祖様...既に
「....あぁ!行ってくる!!!」
ふと見ると、おっさんが満足そうな顔でこちらを見つめていた。
────────────────────────
身体中から恐ろしいほどの力が漲る。
起き上がる。
「イッセー...さん...?イッセーさん!!イッセーさん!!!わぁぁん!!イッセーさぁぁん...!!!」
アーシアが俺に抱きついてくれる。
俺はアーシアを抱きしめ返す。
「アーシアありがとう...ずっと、アーシアの声が聞こえていたんだ...アーシアの温かい力が俺を包んでくれたんだ...」
『....!なんだこのオーラは!!俺のオーラのようで...少し違う!!!しかし...やはり懐かしいこの感じは...間違いなく俺の...天龍たる俺本来のオーラだ...なのに....なんで金色なんだぁぁぁああ!!!んぉおおおおおん!!!うぉおおおおおおん!!!』
「ドライグ...これはお前本来のオーラに俺のアーシアへの愛とアーシア教の信仰によって生まれたアーシニウムエネルギーが込められているんだ。だから金色なんだ。アーシアの色だ!!」
『Destroy!』『Dragon!』『Diabolos!』『Disaster!』『Asia!』『Asia!』『Asia!』
『DDDDDDDDディッ!ガガッ!AAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!』
『んおぉおおおおおおん!!俺のオーラなのにぃぃぃぃ!!!赤龍帝のオーラが黄金など前代未聞だぁぁぁぁぁあ!!!』
「これがっ!!!アーシアへの愛の力だぁぁあああああ!!!!!」
黄金のオーラが遥か高くまで立ち上る...
「イッセー!!目覚めたのか!!」「イッセー君!!」「イッセー!!」「あらあら」「...イッセー先輩...」「イッセー先輩!!」
皆の顔が見える。かなりボロボロみたいだ...でも、俺とアーシアをちゃんと守ってくれた。
おのれシャルバ...
「アーシア...俺にプロモーションの許可をくれ」
「私が...ですか?」
「あぁ、アーシアの許可で俺の力は解放される。この力はアーシアを守るためのものだから!」
「イッセーさん...わかりました!許可します!!」
「ありがとうアーシア...」
身体中に力が漲るのがわかる...
「行くぞシャルバァァァアアア!!!今度こそ止めを指してやる!!!」
俺が開発した2つの新技は、装甲を形成する時間以前に決定的な弱点があった。
トリアイナの戦車を意識した方は、バランスが悪く、スピードが足りなすぎる。動いている敵に追い付いて当てることが困難だ。
突撃する方は、俺の体があまりの衝撃と勢いに耐えきれなかった。だから、全力で突撃しきれない...
だからこそ、これを上は騎士。下は戦車にプロモーションすることで補うのだ。
これによって二つの技は実戦に投入可能な次元まで引き上がる...
「
溢れだす黄金のオーラを利用する事で、換装の時間は極限まで短縮され、装甲のパージも不要となる。代わりに増設する装甲は黄金になるけど。ごめんドライグ...許して...
だが、黄金の鎧は俺のアーシアへの愛そのものとも言えるので、俺のアーシアへの愛に勝るほどの威力や意思の力でもない限りは砕ける事はない...!
最強最硬の龍の鱗だ!!
『Change burst meteor booster!!』
「
『Transfer!』
俺の上半身が増設された黄金の装甲によって輝き、背後で黄金色のオーラが爆発する。
「ぐぁぁぁああああああ!!!」
「くらえぇぇえええええ!!!」
一瞬でシャルバの元へとたどり着くと、そのまま地面に突撃する。自分でも制御できないほどの速度で、水切りのように何度も跳ねては突撃していく。
「がぁぁぁ!!!ぐぁああああ!!がぁぁあ!!!ごぉおお!!!」
最後に思いっきり地面に突撃すると、俺は装甲を換装した。
「
『Change burst impact booster!!』
『Transfer!』
俺の両腕が肥大化して、肘にブースターが装着され、黄金に輝く。
「食らえ!!シャルバァァァアアア!!!!!」
両肘のブースターで吹っ飛んだシャルバに近づいた後に、肘が爆発して音速の拳がシャルバに突き刺さる。
「ガホッッッッッッ!!!」
シャルバの口から血が噴き出し、内蔵に大きくダメージを与える。
が、まだ決定打にはなっていない...!!
「もういっぱつぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
『Transfer!』
バゴンと深く深く拳が突き刺さる。
「ゴボッッッッッッ!!!」
シャルバの口から鮮血が吹き出し、シャルバの意識は途絶えた...
エネルギーが尽きて鎧が解除されてしまった俺は、そこから数歩歩いた所で動けなくなってしまった。
やった...なんとかシャルバを倒せた...
所詮は下級の転生悪魔や汚物だと、蝿も出さずに攻撃を受けてたからなんとか倒せたけど...
もしまともに戦えば負けてたんだろうな...
やっぱり蛇ってのは恐ろしいもんだ...
それに...
「はぁ...はぁ...この力は...すごいけど...体力魔力の消費が恐ろしすぎる...後アーシニウムエネルギーが大量に必要だな...ここしばらく貯めてきた分が全部無くなった...実戦では仲間に守って貰いながらイチャイチャするしかないな...」
なんだそのひどい絵面は...
「イッセーさん!!!」
アーシアが駆け寄ってきた。後ろには皆も居る。
「イッセーさん!イッセーさん!イッセーさん!!私...私...!イッセーさんが居なくなっちゃうって!!グスッ!!うぇぇぇぇん!!」
「アーシア...大丈夫だ。俺は絶対にアーシアを置いて消えたりしない。ずっと一緒だ...」
「はい...!ずっと一緒です!!」
ぎゅっと抱きしめる。さっきは鎧で味わえなかったアーシアの体温や柔らかさが、俺を包んでくれる...
「アーシア...愛してる」
「私もです...」
アーシアと唇を重ねる。舌は絡ませないが、長く...互いを確かめるようにキスをする。
大丈夫だ、アーシア...きっとどんな敵からだって守ってみせるから...ずっと一緒にいるから...