「ほう、油断していたとはいえ、蛇を使っているシャルバを倒したか。やるじゃないか赤龍帝」
俺とアーシアはびくりとしてキスを中断した。
「ヴァ...ヴァーリ!!?」
「久し振りだな。キミに受けた傷がうずくようだよ」
「イチャイチャしちゃって、羨ましいねぃ」
「美猴!!」
「しかし...赤龍帝が黄金のオーラに黄金の装甲か...キミは予想外の事を仕出かしてくれるな、素直に面白いよ」
「うるせぇよ...」
『ドライグ...どういうことだ...?』
『アルビオン...すまん...今だけは放っておいてくれないか...?俺は...おぉぉぉぉぉん!!!』
「ごめんってドライグ!!大丈夫!換装する所以外は赤色だから!!」
『どうせお前は最後には全身黄金にするに決まってる!!!俺は二天龍だぞ!!?赤き龍だぞ!!?なんで黄金なんだ!!!嫌だぁぁぁあ!!!うわぁぁぁあああん!!!!おおおぉぉぉぉん!!!』
「ごめんってば!!!本当に申し訳なく思ってるよ!!!」
「......大変なんだな。可哀想に」
白龍皇に慰められるドライグ...
「カカッ!まぁ面白くていいじゃねぇか!」
美猴は楽しそうだ。
「それで?何しに来たんだ?まさか俺達を殺しに来たわけじゃないだろ?」
「あぁ、むしろキミに関してはどこまで行くのか見てみたくなってしまったよ。今殺すなんて勿体ない。俺達はこれを見に来たんだ」
それを聞いて後ろの皆からプレッシャーが消えた。てか全然皆居たのに思いっきりキスしちゃった...まぁいいか。
バチリと空に大きな穴が開いた。
「良く見ておけ、兵藤一誠。あれこそがグレートレッド。
視界に写る真龍は、余りにも雄大で、余りにも強大だった。これが生グレートレッド...!すっげぇ!
「俺達の目的はこれを確認することでね、シャルバ達の作戦は正直どうでも良かったんだ」
ヴァーリはグレートレッドを見つめながら語った。
「俺が最も戦いたい相手があれだ。俺は真なる白龍神皇になりたいんだ。赤には最上位が居るのに、白には居ないなんて格好がつかないだろう?だから、おれはそれになる」
「グレートレッド、いつか我は必ず静寂を手にいれる」
突然声の聞こえた方に視線を向けると、オーフィスが居た。
ひえっ...なんじゃこいつ痴女かよ...こいつにそういう考えは無さそうだけど。
アーシアに目を塞がれる。大丈夫、アーシア以外の裸体で興奮はしないよ?
バサリという音がして、アーシアが俺の顔から手を離すと目の前にアザゼル先生とタンニーンさんがいた。
「タンニーンさん!お久しぶりです!」
「1ヶ月経ったかどうかくらいではないか?まぁ久し振りだな。兵藤一誠」
「しっかしイッセー。シャルバをやるなんて大金星じゃねぇか!オマケに...ククッ!黄金の装甲って!!クハハ!!!赤龍帝なのによぉ!ファーブニルじゃねぇんだから!!!アハハハハ!!!好きな女の色だってよ!!」
アザゼル先生は大爆笑だ。まぁこんなびっくり変化起こせるやつ今までいなかっただろうしね。俺も驚いてるわ。
にしてもファーブニルか...アーシアを愛する民としてはシンパシーを感じなくもないんだが...
それはそれとしてアーシアのパンツを匂うような奴には...
でもアーシアを守ってくれるし...まぁ今考える事じゃないか。
「久し振りだなアザゼル。クレルゼイ・アスモデウスは倒したのか?」
「クハハハ...あ?あぁ、旧アスモデウスはサーゼクスがちょちょいとな。結界もジジィが破壊したようだし、サーゼクス達は観客席に戻ったよ」
そっか、俺がドレスブレイクで壊さなかったから...代わりにオーディンさんがやってくれたのか。
まぁ起動してない結界くらいなら、あの人なら余裕か...
「オーフィス、旧魔王派の連中は退却及び降伏した。事実上残ってるのは英雄派だけだな?」
「それもまたひとつの結末」
オーフィスはあっけらかんとしていた。
流石無限の龍...俗世には興味無しだな。
「さーて、オーフィスやるか?」
アザゼル先生が構える。
「....我は帰る。....タンニーン。龍王は再び集まりつつある。楽しくなるぞ」
そう言い残した後、ちらりとこちらを一瞥するとオーフィスは消えていった。
「...兵藤一誠、俺を倒したいか?」
気がつくと退却準備を終わらせたヴァーリが俺に尋ねてくる。
「...あぁ倒したいさ。コカビエルとの戦いで見たお前の姿は俺の憧れだ。だから...お前を倒して、俺は夢を叶える。アーシアをどんな奴からでも守れる男になってみせる」
「そうか、俺はキミ以外にも倒したい奴がいっぱいいるよ。だが、キミにも興味が沸いてきた。もっと強くなってくれ、そして俺の前に立ち塞がってくれよ。その時は...」
「あぁ、待っててくれ。ヴァーリ」
「木場祐斗君、ゼノヴィアさん。私は聖王剣の所持者であり、アーサー・ペンドラゴンの末裔。いずれ聖剣を巡る戦いをしましょう。では」
そういってヴァーリチームは消えていった。
「...アーシア...俺、ちゃんとできたよな、アーシアを守り抜けたよな?」
「はい!イッセーさんは私を守ってくれました!!かっこよかったです!!」
アーシアが俺を再び抱きしめてくれる。
「そうだよな...あぁ、俺はちゃんとアーシアを守ってみせた...!」
正直勝てるか怪しかった...けど、歴代や皆の...何よりアーシアのお陰で、なんとか乗り切れたんだ...
「帰ろっか...二人三脚、頑張らないとだもんな!」
「はい!いっぱい練習しましょう!」
俺とアーシアがイチャイチャしていると...
「私達は無視かしら?」
「部長...いいところなんですから勘弁してくださいよ」
「そういえば新型の4号がそろそろ届くような...」
「はい!部活メンバー皆仲良し!!皆とお話しします!!」
「ハハハ、それにしてもイッセー君はすぐに遠い所へ行ってしまうね。僕も負けていられないよ」
「木場...お前はもうちょっとゆっくりでいいんだぜ?まじですぐ追い抜かれそうだし...」
「そんなことはないさ。全速力で駆け抜けなければ君には追い付けないからね」
「そんな事言うなよ。お前の強さは模擬戦しまくってる俺が一番わかってるんだからさ」
「そう言われてしまうと、なおさら頑張らないとね」
「イッセー、ついにアーシアへの愛は
「ゼノヴィア...今ドライグが繊細な時期だし、まじで悪い事したとは思ってるからさ...今は...言わないでやってくれないか?」
「そうなのか...それは失礼した。それにしても流石はイッセーだ。私の出る幕もなく、アーシアを守りきってしまった。私も友人として...いや、そ...その、し ...親友として、アーシアを守りたかったのだが...」
ゼノヴィアが恥ずかしそうにそう言った。
「そんな事ないだろ。俺が寝てる間、ゼノヴィアや皆が俺とアーシアを守ってくれたから生き抜く事ができたんだ。そうだろ?」
「はい!ゼノヴィアさんは私の親友です!!大事な方です!ゼノヴィアさんは私を守ってくれました!」
「アーシア!!!ありがとう!!!嬉しいよ!!!」
ゼノヴィアとアーシアは抱き合う。
仲良き事は美しきかな...
「うふふ、それにしてもイッセー君は今回も叫んでましたわね?「これがアーシアへの愛の力だー!」でしたかしら?」
朱乃さんがSオーラを出している...
「改めてそういうのは恥ずかしいんで勘弁してください...」
アハハと談笑した俺達はなんとか皆無事で帰宅するのであった。
ちなみにイリナは向こうで活躍していたらしい。流石ミカエル様のA。
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実はあの後、シャルバは姿を消したのだそうだ...
俺達が勝利の喜びに浸っている間にいつのまにか消えていたそうだ。
そこは先にシャルバを回収しといてくれよと思わないでもないけど、まぁ既に遅い事だな...
それにグレートレッドが出てきたりてんやわんやで気づけなかったんだろう。
腐っても蛇込みなら旧魔王と同等の実力を持ってる奴だ。
多分、原作通りかそれ以前かはわからないが、再会する事になるんだろう...
その時にはもっと強くならなければ...
今回は倒せはしたが、勝利はしてないと思ってる。
圧倒的慢心に付け入ることができただけなのだから...
ただ、それでも今は...素直にアーシアを守りきれた事を喜びたい...
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体育祭当日がやってきた。
俺はアーシアと一緒にゼノヴィアとイリナが出場するリレーを応援する。
「頑張って下さい、ゼノヴィアさーん!!イリナさーん!!」
アーシアが一生懸命応援している。可愛い。
ゼノヴィアとイリナは見事に圧勝していた。だから人間に合わせてあげて...
部長や朱乃さんも三年生の部で活躍して大いに観客を盛り上げていた。小猫ちゃんやギャスパーもだ...木場も...
はは、皆人気だなー。いやいいんだけどさ、俺だけ...学園でも...冥界でも...印象が悪い...悲しい...
「イッセーさん!そろそろ準備しましょう!」
アーシアはやる気満々だ。可愛い。今日までいっぱい練習したし、絶対大丈夫だ。
「おぅ、行くか!」
..........
二人三脚が始まって、いよいよ俺達の番だ...
「イッセー、アーシア!頑張りなさい!!」
部長が応援してくれる。
他の皆もだ。
一部男子は俺に罵声を浴びせる...
パパとママ来てるから勘弁してくれ...
肝心のパパママはアーシアに夢中だけど。
「行くぞアーシア!」「はい!」
走り出す、俺達は二番手で中盤を折り返した。
まずい...アーシアがこんなに一生懸命頑張ってるのに一着じゃないなんて嘘だ...!
先頭が転けた!!やった!!焦ったな?おめぇら!
俺とアーシアは息ぴったりだから絶対に転ばないぜ!!
見事に一着!!
「やったな!アーシア!!」
「はい!」
アーシアが俺に正面から抱きつこうとして、足がくっついているので体勢を崩す。くっつけている紐は都合良くほどけた。タイミングが良すぎる。
「きゃ!」「わっ!」
アーシアが俺の上に倒れ込んだ。
「アーシア...大丈夫か?」
「...イッセーさん」
起き上がったアーシアは顔を真っ赤にしながら俺の腕を地面に押さえつける。
「.....!!?」
そして俺にキスをしたのだ!皆の前で!!
アーシアさん!?何を...!?
観客もキャーキャー言ってるメンツと、呪詛を吐き散らすメンツで二分化してる...!
しかも結構本気のキスだな!!完璧に皆に見られてるよ!!
あぁ!シャッター音が響き渡る...
アーシア...嬉しいけど...恥ずかしいよ...
アーシアも顔真っ赤じゃないか...至近距離でもわかるくらい赤い...
「ぷは!」「はっ!」
俺とアーシアの間に唾液の糸が伝う。
「ア...アーシア...?」
俺は顔を真っ赤にして名前を呼ぶ...
「イッセーさん...大好きです...だから...だから!イッセーさんは誰にも渡しません!」
アーシアの言葉に会場は沸き上がる!
特に女子がすごい...!
アーシア...イケメンがすぎるよ!
そういうのって男の子がやるんじゃないの...?
指笛と拍手と呪いが俺達を包み込む...
閉会式、俺達は最優秀バカップルで賞を受賞した。
そんなもの去年は無かったですけど...
表彰式では、アーシアが顔を真っ赤にして表彰状を受け取っていた。
なんか悔しかったので、アーシアをお姫様だっこして表彰台から降りてやった。
優勝した組よりも声がでかいんだが...呪詛も...
アーシアは真っ赤っかで爆発していた。可愛い。
こうして、俺とアーシアは学園公認の大型バカップルとなったのである。
まぁアーシアとの事だし、なんでもいいや。
幸せだ...
後日、桐生から最大限にからかわれ、事あるごとにキスの写真を出されたのはご愛嬌だ。
嘘、恥ずかしすぎる...主にアーシアがダメージを受けていたが。
なんでも桐生が、俺が夏休みが開けて更に体つきや顔つきに磨きがかかって女子からの評価が少し上がった、このままじゃ愛しのイッセーさんを取られるかもよ?などの煽りを筆頭に、手を変え品を変えアーシアにひたすらに発破をかけまくっていたらしい。
アーシア...頑張りすぎだよ...俺は絶対アーシアと一緒にいるのに...まぁ嬉しいからいいや。
こうして体育祭は終了するのであった。