アーシアしか勝たん   作:min-can

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第44話。 召喚します、ミドガルズオルム!

 冥界に移動した俺達は早速ミドガルズオルムを召喚する。

 トレーニング場に使っている地下だ...

 アザゼル先生指示の元、皆で配置について、魔方陣が輝き、映像が写し出される...うっわ、でっっっっっかい蛇だな。

 

 めっちゃ寝てはる...流石は終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)。世界の終焉まで海の底で眠ることを指示された龍王さん。

 逸話の恐ろしさのわりにのんびりした感じの喋り方だけど。

 

 アザゼル先生の質問に間延びした声で答えてくれる。

 

 フェンリルは、ドワーフの作るスレイプニルという鎖があれば足止めができる。ロキはミョルニルというハンマーで殴れば倒せるらしい。

 まぁ原作通りだな。俺がミョルニルを使いこなせないといけないわけだ...

 

 情報を喋るとすぐに寝てしまった。どんだけ寝るの好きなんだ...俺は二度寝とか案外苦手だからある意味羨ましいかもしれない。

 

 ────────────────────────

 

 てなわけで翌日、俺達はミドガルズオルムを呼び出した地下に再び集合した。

 そろそろ会談が近いから準備しなきゃならんそうだ。

 

 俺にはミョルニルのレプリカが渡された。

 ロスヴァイセさんに言われてオーラを流すと、あっという間に巨大化して持てなくなった...

 

「ぬぉっ!!重すぎ...!こんなの実戦で使えないですよ!!?」

 

「あー...とりあえず一旦ストップだ、手を離せ」

 

 アザゼルに指示されて手を離すと元の大きさに戻った。

 

「レプリカっつっても本物に近い力を持ってるからな。バラキエルのお陰で悪魔でも持てるようになってるが、下手に使えば一面雷で焼け野原になる。気を付けろよ?」

 

 気を付けろじゃなくて、気軽に持たさないでくださいよ、そんなやべぇ広域破壊兵器...

 

 それからアザゼル先生によって作戦が言い渡された。

 

 会場にロキ達が来たら、シトリー眷属の力で暴れてもいい採石場跡地に転移して、二天龍でロキを、フェンリルを残りのメンバーで潰すらしい。

 

 作戦ガバすぎませんか...?

 いやまぁ緻密な戦略なんて立てようがないんだろうけど...

 

 などと考えていると、匙がグレゴリに連れていかれる事になっていた。

 今はアザゼル先生に引っ張られている。

 

「あー匙、お前がサイボーグ改造悪魔になって戻ってこない事を祈るよ。最悪外見だけは人間っぽくしてもらえよ!!」

 

 ちょっとだけ盛っておいた。大体合ってるけど。

 

「兵藤!!そんな怖いこと言うなよ!!え?アザゼル先生!!?改造とかマジですか!!?」

 

「アッハッハ。じゃあ行くぞ!匙!」

 

「えええ!!助けてぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 俺は黙って敬礼した。

 さらば匙、お前が龍王として戻ってくるのを待ってるぜ...!

 

 それからしばらく、ドライグからそわそわするような感覚を感じた。

 

「どうしたんだドライグ...?そういやさっきから全然出て来てなかったけど、やっぱり二天龍で協力なんて嫌だみたいな?」

 

『いや...それはまぁ今代は両方とも特殊だし、そういう事もあっていいのかもしれんとは思っているが...』

 

『....特殊...?お前のそれは特殊で済ましていいのか?いつから私の宿敵は金色になったというのだ...?』

 

『待て!!俺は悪くない!!こいつと!!歴代の精神体が勝手に俺を弄ったのだ...!!俺だってこんなの嫌なんだ!!!嫌なんだぁぁぁ!!ふざけるな!!何が好きな女の色だ!!限度があるだろう限度が!!乳龍帝にはならんと言った癖に!!!』

 

 ばっか!お前!!変なこと言うな...!!

 

『.......乳龍帝?』

 

『...!ゲフンゲフン!!なんの事だ?そんな事はいっていないが??言ってないんだが??』

 

『....本当に大丈夫か?...おい今代の赤龍帝、私達は誇り高き二天の龍なのだ。あまり...私達を貶めるような事はやめてくれないか...私はあまりの惨状に少し泣きそうだ...よもや宿敵が色違いになるなど...』

 

『泣きたいのは...俺の方だ...!こんな!俺の誇り高き赤の鱗を...!こいつは...!うぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!』

 

「あーあー!!ごめんなさい!!でも俺だけが悪い訳じゃないだろ!?確かにアーシア教を設立して教祖になったのは俺だけど!!歴代を最初に洗脳したのは俺だけど!!神器(セイクリッド・ギア)の改造とか諸々勝手にやったのはあいつらじゃん!!!俺だってこんな事になるとは思ってなかったもん!!!」

 

「...とんでもなく頭の悪い会話が聞こえてきたのだけれど...」

 

 部長が近づいて来た。

 

「部長!!俺はどうやったらドライグを慰める事ができますか!!?」

 

「ど...どうって、そんなの知らないわよ...ドラゴンと言ったら供物や宝物だけど...神器(セイクリッド・ギア)の中にいるんだしわからないわ?」

 

『金色になるのを止めればいいだけだ相棒!!!』

 

「でもあれがないとこれからの強敵に勝てないんだよ!!!」

 

『んおぉぉぉおん!!!どうしてこんなことにぃぃぃぃ!!』

 

『ぐすん...嫌だ...金色の赤いのなんて赤いのじゃない...』

 

「また泣いているのかアルビオン...せめて本人の前では気丈に振る舞うと言っていたじゃないか...」

 

 ええええ!アルビオンも案外ダメージ受けてた!!

 こいつら精神脆すぎだろ!いいじゃん!!ちょっと鎧が金ぴかになるだけじゃん!!全然よくないな!!!

 

「すみませんでしたぁぁぁ!!」

 

 俺はアルビオンとドライグに土下座した。

 特に効果はなかった。可哀想な二天龍。

 ドライグ的には乳龍帝とどっちが嫌なんだろうか?

 どっちも嫌って言われそう。

 

 ────────────────────────

 

 ようやく二天龍が落ち着いた頃に、ヴァーリが話しかけてきた。

 

「キミは本当によくわからない奴だな。赤龍帝としての自覚があるのか疑わしいくらいだ」

 

「これでも赤き龍のつもりです...」

 

「まぁ、だからこそ面白いよ。キミは間違いなく今までの赤龍帝とは違う成長をしている。まぁ、こんな成長を他の赤龍帝にされても困るけどね...とはいえ、キミのそれは間違いなく強みだ。非力非才の癖に、突拍子もない進化を遂げ始めている」

 

『本当に厄介な奴だ。ただでさえドライグが鬱陶しいのに、宿主がこれだなんて...おい、私の神器(セイクリッド・ギア)の中の歴代もあの女を見ると若干落ち着きをなくすのだが、お前は私まで穢すつもりなのか?』

 

「そんなつもりはないですけど...アーシア教の門戸はいつでもどこでも誰にでも開かれていますよ?」

 

 俺はアルビオンの宝玉に話しかける。こちらの歴代からも勧誘の念を感じるぜ...

 どうせならもうアルビオンの歴代も堕とせば万事解決しそうじゃね?

 

『やめろ!!勧誘するんじゃない!ヴァーリ!こいつに不用意に近づくな!俺まで鱗を変色させされたらどうする!』

 

「そうだな、少し離れておくとしよう」

 

 ヴァーリから距離を取られた。

 

「...しかしそうだな。今思いついたんだが、将来俺のチームとキミのチームでレーティングゲームみたいな事をするのも面白いかもしれない。予想外の君なら、とんでもないチームを作り出しそうだ」

 

「待てよ、俺は別に上級悪魔になるつもりはないぞ?チームを作るつもりも一切ないし...」

 

「まぁそれはそれで構わないさ。その時はグレモリー眷属と戦うだけだよ。もちろん個人戦でも構わない。でも、多分キミはなると思うよ?もしキミの目標が変わっていないのならば、キミがいずれ手に入れていく力は、今のまま下に置かれることを許さないだろう。しばらくすればキミはきっと上級以上の悪魔になるよ」

 

「........」

 

 そうなるんだろうか?でも、確かにいずれはそうなってしまうのかもしれないな...そういう事も考えないといけないのかもしれない...まぁしばらくは目先の事が重要なんだが。

 

「そうだな、もしそうなったのなら...やってみたいかもな、レーティングゲームとか」

 

 俺はそう呟いた。

 

 ────────────────────────

 

 その日の夜、俺はアーシアとベッドに入っていた。

 

「アーシア...多分明日の戦いでもいっぱい怪我すると思うから、頼りにしていいか?」

 

「はい...どんな怪我でも治してみせます!...だって...イッセーさんが居なくなってしまったら私...」

 

「アーシア...大丈夫!怪我はいっぱいするかもしれないけど!絶対に死にはしないよ!!アーシアや皆の力はいっぱい借りるかもしれないけど、絶対に最後には生き残ってみせる。だってアーシアとずっと一緒に生きるんだからな!」

 

「はい」

 

 アーシアが俺の胸元にすりついてくる。

 あったかい。

 

「アーシア...俺に勇気をくれないか?」

 

「イッセーさん?」

 

「どうせ怪我するのはわかってるし、アーシアを守るためだったらどんな痛みも苦しみも我慢できると思う。けどさ、やっぱり全く怖くないって言ったら嘘になるから...少し勇気が欲しいんだ」

 

「...イッセーさんがこうやって弱音を吐いてくれるなんて珍しいですね」

 

「かっこ悪いか?」

 

「いえ!私には何でも言って欲しいです、相談して欲しいです。私は...イッセーさんの、彼女ですから...」

 

 恥ずかしそうにそう言ってくれた。

 

「ありがとうアーシア」

 

 俺はアーシアとキスをして、しばらく甘えさせてもらった。

 英気を養うとはまさにこの事。

 

 ────────────────────────

 

 現在放課後、オカ研は学園祭の出し物を決めようとしている。

 

「男子禁制でアーシアの可愛さを解説し続ける展示がいいです!!」

 

「イッセー真面目に考えて頂戴」

 

「真面目に考えていそうなのがイッセー君の恐い所だけどね...」

 

「なんだと木場!真剣に決まってるだろ!」

 

 皆が俺を呆れた様子で見つめる...

 

「あの...イッセーさん。恥ずかしいのでそういうのはちょっと...」

 

「ごめんなさいアーシア!!二度と言いません!!」

 

「全く...他の皆は?何か意見あるかしら?」

 

 それからも様々な意見が出るが全く決まらなかった...

 一応俺も脱出迷路とかの当たり障りのない物も提案しておいたが、なかなか部長のお気に召す物はなかったようだ...

 原作では何したんだったっけ?覚えてないな...

 

 時は無情に過ぎて、夕方も終わりという時間になってしまった。

 

「...黄昏か」

 

 アザゼル先生が珍しく黄昏る...

 

神々の黄昏(ラグナロク)にはまだ早い。気張っていくぞ...!」

 

「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」

 

 そうして決戦の夜を迎えた。

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