俺達は会談が開かれる予定のホテルの屋上で待機する。
タンニーンさんやらバラキエルさんも居るし、ほんと凄いメンバーだな...
「小細工なしか...恐れ入る」
そうヴァーリが呟いた。
するとホテルの上空に穴が開き、ロキとフェンリルが現れる。
即座にシトリー眷属が魔方陣を起動する。
ロキはあえて対応しないといった様子でここにいる全員が無事転移された。
第一段階は問題なし。後は倒すだけだ...
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!』
俺達も
「二天龍がこの俺を倒すために共闘するというのか!!!こんな戦いができるのは我が初めてだろうな!!」
ロキが心底楽しそうに笑う。
「ヴァーリ!初手ぶっぱ頼むぞ!!」
『Transfer!』
俺はヴァーリに譲渡すると、すぐに倍化を取り戻してロキに突撃する。
バイデントはまだ使わない...
短期決戦なら使うが、フェンリルやらなんやら勢揃いの今、最初からガス欠になるわけにはいかない!!
「おおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
ロキが魔方陣で膨大な防御結界を作り出すと、すぐに攻撃用の魔方陣も生成して俺とヴァーリに光の玉を大量に発射してくる。
今の俺なら無視できる威力なのでそのまま突貫して、結界をぶん殴る。
「ぬおぉぉぉらぁぁぁ!!!」
バキリと音を立てて結界は崩れた。
「やるじゃないか」
そうヴァーリが呟くと、今だかつて見たことがないほどの大爆発が巻き起こった...
俺の全力のドラゴンショットの何倍なんだ...
俺もかなり巻き込まれた...
いきなりフェニックスの涙使う事に...しかもフレンドリーファイア...
煙が晴れると、割りとボロボロっぽいロキが出てきた...でもよく見たら体はそんなに傷ついてないのか...
あれ直撃で死なないの怖すぎるだろ...
「ふははは!!これが二天龍の共演!!恐ろしいほどの威力だ!!!笑いしか出てこない!!」
ロキは心底楽しそうだ...余裕だなちくしょう...
「そろそろこちらも動かせて貰おう!!行けフェンリル!!」
と言った瞬間に黒歌の力によって、異空間から取り出された魔法の鎖たるグレイプニルをタンニーンさんやらバラキエルさんやら皆でぶん投げて見事にフェンリルを捕らえていた。
やっぱ神格は逸話の弱点が抜群に効くなぁ...
まぁ俺も龍殺し食らったら死ねるから他人事じゃないけど。
ロキは若干不愉快そうにしていたが、すぐにフェンリルの子供を召喚した。
「スコル!ハティ!父を捕らえたかの者達を食い千切れ!!」
そうロキが叫び、二匹は動き出した。
タンニーンさんが火を吹くが、子フェンリルはそれを受けながらも怯まず動き回る...
ダメージは入ってるはずなのに止まらないな。
などと考えていると
「よそ見か!?赤龍帝!!」
とロキに魔力弾を放たれた。
「ぐおっ!!!」
なんとか避ける。
他を気にする余裕なんてなかった!今はこいつを!!
ヴァーリが魔力や覚えた北欧の術式を織り交ぜながら遠距離攻撃を繰り返す。
いいなぁ、俺もそろそろ遠距離考えないと...
そのうち、そこそこはロキが撃ち漏らして直撃するが、まぁダメージにはなってなさそうだ...
それでダメージになるならさっき死んでたもんな...
俺はヴァーリの攻撃が止むのを待たずにロキに突撃する。
一応ヴァーリと挟む形で動いている。流石に横からヴァーリの攻撃食らってたら攻撃どころじゃないし...
「らああああああ!!!」
再びロキの防御術式を砕いて肉薄する。
全力を込めて殴る蹴るを繰り返すが、ロキには受け止められる。
だがまぁそれでも構わない。その間ヴァーリの攻撃はロキに当たりまくる。俺にも当たるけど...
「ぐっっっ!!!やはり赤龍帝も侮れん!!!なかなかに重い一撃だっ!!」
「まだまだ行くぞ!!!」
俺は目の前でドラゴンショットを爆発させると、少し後ろに下がる。
思ってたより手応えあるし、やっぱり早めにロキを潰した方がいいな!
「ア──シア──!!!許可くれ──!!!」
俺が叫ぶと
「許可しま──す!!」
と可愛い声が聞こえてきた。可愛い。
「しゃああああ!!!!解き放たれろ!!迸る愛情!!!!
身体中に力が漲った後、俺の体から黄金のオーラが解放される。
「これは...!先の戦いよりもオーラが...!」
ロキが少々驚いた顔をしている。
理由はわからないがアーシニウムエネルギーはどんどんと量が増えてきている。アーシアといっぱいくっついてるからか?
まぁなんにせよ、今や俺の魔力体力に次ぐ第三のエネルギー源だ!!
『Change burst impact booster!!』
「
『Transfer!!』
下段から伸びる黄金の腕が、肘のブースターを爆ぜさせることでロキの腹に勢い良く突き刺さった。
「ぐおっ!!これはっっ!!」
「もう一発行くぞ!!!!」
『Transfer!!』
ドゴッッッッ!!!
鈍い音を立てて今度は顔面に一撃が入る。
しかし、ロキは強めに殴られたくらいの反応だ...!
「ぐっ!いいぞ!!素晴らしいパワーだ!!!」
ロキが俺に襲いかかろうとしたその時
「俺を忘れてもらっては困る」
そういってヴァーリがロキの背中に膝を突き刺した。
「ぐはっっ!!」
『Devide!!』
いける!!!
俺は再度肘を爆発させて横っ面を殴り抜く!!
『Transfer!!!』
確かな感触!!いい感じに入った!!
吹き飛んだロキはしばらく転がった後にむくりと立ち上がった...
「ぐっっっ!!流石は二天の龍....なかなかのダメージだぞ...!!」
『Change burst meteor booster!!』
「
俺が背中のブースターを起動し一瞬で加熱され、いざ爆発するというその瞬間
「まずっ!!」
いつの間にやら鎖を脱したフェンリルの牙が俺を噛み砕かんと迫っていた...!
突如後ろから強い衝撃を受けて吹き飛ぶ。
「がっっっっ!!」
すぐに振り返ればヴァーリが横腹を噛まれていた。
俺を庇ったんだ!!
「クハハ!まずは白龍皇を噛み砕いた!!」
「ヴァーリ!!!お前!!!」
俺は一瞬で方向転換して、ヴァーリを解放すべくフェンリルの横腹に全力で突き刺さる。
が、フェンリルは苦しそうにはしても口は一切開かない...
「くっそ!!もう一発!!!」
『Transfer!!』
背中が爆ぜて、再びフェンリルに突撃した。
「~~~~~~~!!」
やはり口は開いてくれない...!!
「くっそ!!」
三度目の突撃の前、ブースターに力を装填するまでの一瞬の隙を突かれて俺はフェンリルに蹴り飛ばされた。
「ガバッッッッグッッッ!!」
数十メートル吹き飛ばされる。
ついでとばかりに爪で腹を深く抉られた...
口と傷から血が噴き出す...!
タンニーンさんが火を吐いてフェンリルを攻撃してくれるが...
フェンリルが遠吠えをあげると無残にもブレスは掻き消され、高速で動くフェンリルに身体中を蹂躙されていた。
しかし、タンニーンさんにヘイトが向かったお陰で俺はフェニックスの涙を使用できた。
ボロボロに引っ掻かれたタンニーンさんもすぐにフェニックスの涙を使用して回復する。
アーシアの回復も飛んで来た...
ありがとうアーシア...
心も体も温かい!
「ついでだ!こいつらの相手もしてくれたまえ!」
ロキがそう叫ぶとミドガルズオルムの縮小版みたいなのが五匹くらい出てきた。全員で出て来て早々にブレスを放つ。
それらのブレスをタンニーンさんはブレスで迎え撃ち、返り討ちにしていた。
本物の怪獣大決戦...!!
子フェンリルも各々のチームで袋叩きにしている...
やはりフェンリルとロキをどうにかしないと...!
というか、そういえばそろそろヴァーリがフェンリルと飛んでくれるか?
「.....兵藤一誠、ロキやその他はキミと美猴に任せる。代わりにこのフェンリルは俺が確実に殺そう」
噛まれてプラプラしながらかっこいいことを言ってくれる。
そして
よし!後はヴァーリが転移するのを待って、ロキをミョルニルでぶっ叩く!!!
詠唱が終わり、光輝いているヴァーリが黒歌に転移させろと叫ぶ。
無事消えたようだ...
といった所で部長の声が聞こえた。
「朱乃!!」
振り替えると朱乃さんが子フェンリルに襲われそうになっていた。
まずい、朱乃さんが噛まれる!!
俺は背中を爆ぜさせて突っ込もうとするが...
『ガス欠だ...魔力、体力を温存するためにと例の力を使いすぎだ』
俺の黄金の装甲が解除される。
確かに大盤振る舞いだったけど!!!
アーシニウムエネルギーが一番多いからって比率かなり多めで使ったけど!!
「このタイミングでかよ!!!!」
思わず叫んでしまうが、ないものは仕方ない...
せめて間に合えとブースターを噴かせる。
「がら空きだ!!」
ロキが背中を狙って一撃を放つ。
「ぐっっっ!!」
俺はそれを振り返ってなんとか防御する、が致命的に体勢を崩した。
その後すぐにタンニーンさんとロスヴァイセさんの援護射撃が朱乃さんを狙うフェンリルに殺到するが、少し遅い...!朱乃さんに牙が届く...!
その瞬間朱乃さんがやさしく突き飛ばされる。
朱乃さんが噛まれる直前バラキエルさんが間に入って朱乃さんを守ったのだ。
流石バラキエルさん!!!子フェンリルはタンニーンさん達の攻撃にたまらず牙を抜く。
「アーシア!!回復を!!!」
「はい!!」
バラキエルさんがアーシアが投げたオーラで回復していく...
朱乃さんは困惑しているようだ。バラキエルさんが優しく語りかけている...
これで少しでも二人の関係が良くなればいいが...
いい場面なんだが...!今はとにかくアーシニウムエネルギーが欲しい!!!多分あれがないとミョルニルが起動できない!!
「すみません!!タンニーンさん!!ロスヴァイセさん!!!少しの間でいいのでロキを抑えてくれませんか!!」
「構わんが何をするつもりだ!!!」
「アーシアとイチャイチャしてきます!!!」
「は...?この非常時に何を言ってる!!!!」
「なんですって!!??こんな場所でも見せつけると言うんですか!!!??キィィィィィィ!!!」
ロスヴァイセさんがぶちギレだ!!!
「ごめんなさい!!!でも必要なんです!!!お願いします!!!」
俺は二人を置いてアーシアの元に飛んで行く。
「ぐっっっっ!!やるしかない!」
「この妬みそのままぶつけてやります!!!!」
背中から恐ろしいエネルギーを感じる...主にロスヴァイセさんの...!!
「ア──シアあああああ!!!」
「イッセーさん!!?」
突然目の前に飛んで来た俺にアーシアがびっくりする。
俺は
「アーシア!!キスするぞ!!」
俺はアーシアの顔を真剣に覗き込んでそう叫ぶ。
「へ...?あの...ふぇ!?」
アーシアが一気に紅潮していく。
...がそれどころじゃない...!すまんアーシア!!
「あっあの...!イッセーさ...!...んむ!」
俺はアーシアを抱きしめて、アーシアの口に強引に舌を入れる。
濃厚なディープキスを敢行する...!
「戦場のど真ん中で何してんだ!!!」
美猴に突っ込まれる。
「イッセー!!!何をしてるの!!?」
部長があまりにもあんまりな光景に叫ぶ。
「イッセーくん、ついにそこまで行ってしまったんだね...」
木場は諦観している...
ここにいる全ての存在が、子フェンリルですらこちらを見る...
時が止まっているようだ...
そらそうだ、こんなのわけわからん。
でもやるっ...!!
注目されているこの状況を恥ずかしがる事でよりアーシアは輝く!!
「じゅるちゅる...んむむ...!んはっ!...イッセーしゃ...!なにを...!」
アーシアが顔を真っ赤にして俺に抗議しようとする。
俺は再び口を塞ぐ...
少しすると、アーシアもスイッチが入ってきたみたいだ...
俺をぎゅっと抱きしめ返して、舌を絡めてくれる。
うおぉぉぉぉおお!!!高まってきた!!!!
可愛い...!愛おしい...!アーシア!アーシアアーシアアーシアアーシアアーシアアーシアアーシアアーシアアーシア...!!
『んおぉおおおおん!!せめて戦いだけは真面目にやってくれぇぇぇぇ!!そこは最後の砦だろうがぁぁぁぁぁあ!!!』
ドライグの叫び声だけが虚しく響く...
ごめんよドライグ...でも...必要なんだ...!
キスを終えて顔を離す。
戦いで口内が乾き気味だったからか、ねっとりとした唾液の糸が舌を繋ぐ...
アーシアは目尻に涙を溜め、顔をとろんと蕩けさせて...完全にスイッチが入った顔だ...!
可愛いすぎる...!エッチすぎる...!アーシアにこんな顔をさせることができるのは俺だけなんだ!!!
「イッセー...しゃぁん...」
アーシアは腰が抜けたように俺にもたれ掛かる。
上目遣いでこちらを見つめ、媚びた声で俺の名前を呼ぶ...
ぬぉおおお!!!
「ありがとうアーシア...俺は今、これ以上ないくらいに高まってる...」
「そうなんですか...?」
「あぁ、アーシアのお陰で力が漲ってるよ」
「なら、良かったです...」
俺はアーシアをゆっくりと地面に座らせる。
「おおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
俺は少し離れた所で再び
莫大な黄金のオーラが天を突く...!!
これでまだまだ戦えるぞ!!
といった所で突然黒い炎が巻き起こり、敵のみを包み込んだ...!
ヴリトラの炎!匙が帰って来たんだ!!!
すぐにグレゴリの副総督であるシェムハザさんから通信が入った。
匙にヴリトラの
「ドライグ頼むぞ...」
『ぐすっ...あぁ...任せてくれ相棒...うぅ...』
ごめんなさいドライグぅぅぅ!!!!
泣き疲れてる!!でも今はそれどころじゃないから後で話をゆっくり聞かせてください...!!
『匙!聞こえるか!?俺だ!兵藤一誠だ!!』
『うぅ...俺、今どうなってるんだ...?なんか...』
『今お前はヴリトラが暴走してる状態なんだ!だけど上手く敵だけを捕まえてる!!感覚がわかるか?』
『あぁ...なんとなく...』
『それを意地でも離すな!!後は皆がやってくれる!意識が消えそうになったら俺にすぐ言ってくれ!この回線は繋いだままにしておくからな!』
『うぐ...わかった!やってみせる...』
後は俺がロキをぶん殴るだけだ...!
俺はアーシアとのキスで補充したエネルギーを全てミョルニルに送り込んで譲渡する...!!
アーシアへの俺の愛という純度100%の感情が込められたオーラだ!!これならミョルニルもきちんと起動するはず!!!
ハンマーは巨大化し、恐ろしいほどの雷の蠢きを感じさせる...!
これを放てば絶対にロキを倒せると、そう確信できるだけのエネルギーだ...!
俺は残るオーラと魔力を背中のブースターに注ぎ込んでロキの元に突撃する...!!
ロキが黒炎から抜け出そうとするが...!
空から大量の雷光が降り注ぐ...!
上を見たら朱乃さんとバラキエルさんが雷光で同時攻撃をしたようだ...!
良かった!なんとか仲直りしたのかな...?
それにロキが対処している間に、匙が更に強固にロキを炎で包み込んでいく。流石!!
「食らえロキィィィィィィィィィィィ!!!!」
全力で振りかぶったハンマーがロキの脳天に直撃し...
突如全てを包み込むかと思わせんばかりの雷が解放された。
地面が崩壊する....あまりの閃光と爆音と衝撃で俺の五感はもれなく機能不全を起こす...
当たり前のように俺は反動でボロボロになって吹き飛んだ。これ武器として欠陥品では?
煙が晴れた時には、クレーターのど真ん中でボロッボロの炭と化したロキが立ち尽くしていた...
「...こんなふざけた男に...お...のれ...」
それを最後に気絶した。
本当にごめんなさい...
後ろを見れば、匙の炎で捕まってる子フェンリルを他のメンバーが倒していた。コピーミドガルズオルムもいつのまにかタンニーンさんとロスヴァイセさんで駆逐していた...
俺達の...勝利だ!