アーシアしか勝たん   作:min-can

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第46話。 仲間入りです、戦乙女!

 無事、戦いも終わり良かった良かった大団円と行きたい所なのだが、俺は今正座させられている。

 

 罪状は戦場のど真ん中でアーシアに無理矢理キスした件である。

 

 アーシア本人は

 

「イッセーさんの力になるのでしたら、私は何でもしたいですけど...その...あぁいう事はあらかじめ言っていただけると...はぅ...」

 

 と顔を赤くして供述していた。可愛い。

 本人がいいと言ってるのに何で怒られてるかと言われれば、ロスヴァイセさんが滅茶苦茶怒っているのだ...

 眷属の皆には俺の力の事は一応説明してるので、懇切丁寧にエネルギーが足りず、あのままではミョルニルが起動できなかったと言えば...まぁなんとか納得してもらえたのだが...

 それはそれとして、若干幻滅された節はある。

 悲しい...けど、俺が悪いので何も言えない。

 特に木場のなんとも言えない顔がなんとも言えない...

 ごめんよ木場...お前、俺の事ライバルと思ってるってこの前言ってくれたもんな...こんな男でごめんな?

 でも俺はこういう男です...

 なまじ今までそこそこ真面目に戦ってきたのが、ギャップとして俺の今回の行動を悪目立ちさせる...

 

 ロスヴァイセさんには、やれ不純だの、戦いの最中に前代未聞だの、そんなエネルギーなど信じられないだの、そんな力でミョルニルを起動するなど侮辱ではないかだの、滅茶苦茶色々言われてしまった。

 多分ここ数日で溜まっていた、オーディン様の事も俺の事も含めて一気に爆発してしまったのだろう...わりと自業自得である。

 にしても口うるさいけど...こりゃモテんわ...

 嘘ですごめんなさい何も考えていないので睨まないで下さい...

 俺は黙って話を全て受け入れる。

 こういうのは1反論すれば100返ってくるからな...

 

 結局罰として、この採掘場の修復作業を俺だけでやるという事で決定した。解せぬ。まじで意味わからん...

 まぁやるけど...

 

 一人寂しくえっちらおっちら作業していると、タンニーンさんがアーシアを乗せてやってきてくれた。

 流石に一人は物理的に無理だし、罰としては十分働いたからここからは手伝うとの事だ。

 

 やはりタンニーンさんは最高のドラゴンだ...好き...

 そしてアーシアは俺にお茶とお弁当を作ってくれたらしい。

 嬉しすぎる...滅茶苦茶旨かった...

 正直フェニックスの涙より効いている気がする。

 しかもアーシアも手伝ってくれたのだ。作業量そのもので言えば微々たるものだが、そういう事じゃない。

 アーシアが一緒に手伝ってくれることが何よりも嬉しいのだ...やる気100倍。

 

 終わる頃には次の日の昼になっていた...

 アーシアは随分前に帰したけど。

 流石に徹夜作業にアーシアを付き合わせるわけにはいかん...

 それに、こういう単純作業は得てして考え事に最適だからな。

 

 主にドライグへの謝罪と今後の新しい力についての話し合いに使われた。

 女王はなんとなく見えている。まぁ原作みたいな感じで今までの集大成って感じになると思う...

 だが、今プロモーションが一種類腐っているのだ。

 僧侶である。

 さっきの戦いでも思ったが、俺はそろそろ遠距離攻撃も欲しいのだ。今ドラゴンショットしかないし...

 ただまぁ、折角なら原作と全く一緒ってのも芸がないから、ロマンを追い求めたいと思ってしまった...

 

 そう!ファンネルみたいなのが欲しい!!

 背中にそれらしい物がぶっささってて、オーラを補充して、射出して、操って極太ビームをぶちこみたいのだ...!必然的に多少でかくなると思うが、それもまた一興。ソードビットみたいにも扱えてお得だ。

 

 操作については俺の魔力を費やして、物を自由に操作できる力を手に入れるのだ...!ドライグ結構器用だし、案外現実味があるのではないかと思っている。

 

 そうドライグに相談すると、ずっと文句を言ったり泣いたりしていたのに、突然機嫌を直した。

 

『なるほど...いや...待てよ?そうだな、できなくはないと思うぞ?いや、必ずやってやろう...クク...』

 

 なんか少し不穏な気配がするが、できると言うのならありがたい。

 俺は操作の魔力の修行を始める事にしよう。朱乃さんや部長にコツを聞かないとな...

 

 ────────────────────────

 

 次の日、当然のようにロスヴァイセさんがオーディン様に放置されていた。

 かわいそう...こうして目の前でこの人を見てるとちょっと真剣に可哀想に思えてきた。

 そして部長の圧倒的勧誘力もとい福利厚生によって見事に眷属にされていた。

 役割は戦車だ。これでようやっとグレモリー眷属フルメンバーが揃った。

 流石は保険のお姉さん。

 部長...それほどの福利厚生は、俺にはないのでしょうか?

 それとも大人になったら、諸々の福利厚生が始まるのだろうか?...そうっぽいな。

 というかよく考えたらもう土地貰ってたわ。

 厚かましすぎる...

 

「あの...あなたには昨日、少し言い過ぎましたね。必要な事だと頭では理解したのですが...どうにもちょっと...」

 

 突然ロスヴァイセさんが切り出してきた。

 

「あー...いえいえ!常識が欠如していた自覚くらいはあるので大丈夫ですよ?なんというか...ロスヴァイセさん苦労してそうですし...まぁ俺なんかを怒るくらいで少しでもストレス発散できたなら、問題ないですよ」

 

「そう言って貰えると助かるわ...にしても、あなた達は本当に仲睦まじいのね...羨ましい...私なんか...私だってぇぇぇぇ!!うぅぅぅぅぅ!!」

 

 うぉ...めんどくさい波動を感じる...

 

「大丈夫ですよ!ロスヴァイセさんにもすぐにいい人が見つかりますって!!ほら!顔は美人ですし!!」

 

「顔....は...?」

 

 あっ...

 

「性格ブスって言いたいんですか!!?うわぁぁぁあぁあん!!!」

 

「そんな事言ってないです!!!誓って言ってません!!!ストップストップ!!!」

 

「ううううぅぅぅぅぅ!!酷い!!」

 

「あああああ言ってねぇぇぇぇ!!!」

 

 二人して頭を抱えた...

 ダメだ...リア充云々以前に相性が悪そうだ...!

 俺は割りとうっかりとか、口が滑ってとかやりがち...

 ロスヴァイセさんはそういう細かい所に目が付く人...

 こりゃダメだな...

 

「アーシア...助けて...コミュニケーションが円滑に図れない」

 

「イッセーさん...今のはイッセーさんが悪いですよ?」

 

 ぐっ!アーシアにまで言われてしまった...

 

「ロスヴァイセさん、今のは失言でした...ただ決してそういう意図で言った訳ではないので...どうかそこはご了承を...」

 

「うぅ...はい...こちらこそ早とちりを...」

 

「あぁっと...では、これからよろしくと、仲直りの印と言うことで握手をしましょう...」

 

「はい?まぁ...はい」

 

 俺はロスヴァイセさんと握手した。

 よしよし、大体握手したら話は終わるのだ。

 これで終わり!閉廷!!

 

「では、これからよろしくお願いします!俺は...あーと...修行!行ってくるので失礼しますね?」

 

「え...えぇ...」

 

「では!」

 

 俺は逃げ出した。あんまり関わらないようにしよ...

 

 ────────────────────────

 

 ドライグに言われたので、今は冥界のトレーニングルームにいる。

 アーシアも連れてくるように言われた。

 

『相棒が少し前から言っていた遠距離タイプのプロモーションなんだがな...歴代にも働かせて、なんとかおおまかな形は完成したぞ』

 

「本当か!?仕事が早すぎないか!?俺の神器(セイクリッド・ギア)が有能すぎる件...」

 

『まぁ既に二種類の前例があるからな...今回も...くっ...例のエネルギーはふんだんに使う事になるが』

 

「そりゃあな、正直アーシニウムエネルギーの有無は俺の継戦能力に大きく関わってくるからな...」

 

『あぁ...そういう事だ。正直あるものはなんでも使わなければな。ではいくぞ?』

 

「アーシア、プロモーション許可ちょうだい!」

 

「はい!許可します!」

 

「よし!山吹に...」

 

『待て!相棒。今回のものはその系譜ではないのだ』

 

「ん?どういう事?」

 

『まぁ俺に任せてくれ相棒。うぬぬ...これをこうして...こうだ!!』

 

 俺の体から溢れる黄金のオーラが全て背中に集まりだす...

 

『完成だ』

 

 近くにある鏡を見る。

 普通の禁手化の背中に半径30cmくらいの円形っぽい赤いステーションがあって、そこに黄金のファンネルっぽい物が6つ刺さっている。

 なるほど...背中のステーションみたいな所でエネルギーを補充して、射出、適宜使用して回収するって感じか...いいよドライグ!!!

 かっこいい!!肝心のファンネルは大きさで言うと50cmほどの大きさで、筒状の発射装置を先端が尖った黄金でゴツゴツの装飾のような物が包んでいる。

 ソードビットみたいな感じでビームを発射しないでそのままこれをぶつけてもいい感じでダメージになりそうな形だ...!

 

「おぉ!いいな!すごいぞドライグ!!」

 

『肝心なのはここからだ。今のお前にはこれらを操作する力はないから、取り敢えず射出だけするぞ?』

 

「おう!」

 

 バシュンと音を立てて、6つのファンネルが各々の方向に射出され、地面に墜落した。

 

「ふんふん、これが落ちるまでに制御するんだな?」

 

『あぁそうだ。そしてよく見てみろ!!今のお前には黄金の部分が一つもない!!まさに赤龍帝!!この際射出されて離れる物にとやかくは言うまいよ!!どうだ相棒!!ちゃんと全身赤だぞ!!』

 

「ドライグ...お前....!」

 

 そこまで...そこまで悩んでたのか...!

 俺は涙が出そうになって左手を抱き抱えた...

 

「イッセーさん、あまりドライグさんをいじめちゃ駄目ですよ?」

 

「アーシア...そんなつもりはなかったんだけど...ちょっと予想以上に追い詰めていたのかもしれない...ごめんな...ドライグ...」

 

『気にするな。もう諦めたんだ俺は...どう考えてもあの力はお前に必要で...あれがお前の望みだったのだろう...だから、これは俺のささやかな最後の抵抗なんだ...俺は赤き龍だっていう...ささやかな...』

 

 ドライグ...達観してしまっている...

 

「すまないドライグ...!俺!すぐにこれを使いこなせるようになって!なるべくこのモードで戦うから!!」

 

『あぁ...この形態の名は、|六条の龍穿つ僧侶《ヘキサ・ドラゴニック・ブラスター・ビショップ》としてくれ...』

 

「ありがとうドライグ...この形態だけは大切にすると誓うよ...ドライグの要望通り、特別枠としてバイデントにも組み込まない!これ単体の形態として扱う!!」

 

『そうか...ありがとう相棒...』

 

 試しに一本打つと、なかなかにぶっとくてえぐい黄金に輝くオーラのビームが打ち出された...

 大爆発を起こす...

 なるほど...ファンネル作成と背中のステーションにアーシニウムエネルギーをほぼ全部といった勢いで装填してるのか...

 どうりで今俺から出てるオーラは純粋なドライグのオーラだと思った...

 

 そりゃ威力高いわ...

 ゴリゴリエネルギー使うなこれ。

 多用したら一瞬でガス欠になりそう。

 ごめんドライグ、使い道が狭まったよ...

 

 ────────────────────────

 

 次の日、俺は久しぶりに神器(セイクリッド・ギア)の中に潜ることにした。

 なぜ最近潜ってなかったかと言われれば単純に怖かったからである...あいつら何してるのかわからん...

 正直関わりたくない。ハイになってないとついて行けないんだよ...

 でも一切会わないのも何してるかわからなくて怖い。

 

「教祖様!!お久しぶりでございます!!」

 

「「「「「お久しぶりでございます!!」」」」

 

「お...お久しぶりです...」

 

「我々!教祖様がご帰還なさるのを今か今かと待ち構えておりましたのに!姿を現して頂けないとは...しかし!それでもなお一心に信仰を捧げるのが信徒の役目!我々一心不乱に祈っておりました!!」

 

「「「「「アーシアたん、バンザイ!!」」」」」

 

「ついに歴代はほぼ全て信徒と化しました!残るは神器(セイクリッド・ギア)の奥深くにいらっしゃるという、歴代最強と、女性歴代最強のお二方のみです!現在少数精鋭の捜索隊でしらみつぶしに神器(セイクリッド・ギア)内を捜索しており、発見次第アーシニウムエネルギーの直接注入による覚醒を成していただきます!!」

 

「アーシニウムエネルギーの直接注入...?それで信徒になるというのか...?」

 

 俺のアーシアへの愛情が精神に直接注入される...?

 それで覚醒...?何を言ってるんだ???

 

「あぁ!問題ありません!教祖様の生み出される純粋なるアーシニウムエネルギーは一切利用しておりません!注入しているのは我々の信仰で生み出された穢れあるアーシニウムエネルギーのみですから...」

 

 俺の知らない所で穢れだのなんだのと知らない概念が生まれてる...なんだそれは??なかなかアーシア教に染まらなかったメンツはそれで染めたって事か...?

 

「あー...その二人には、少し話したい事があるから...注入せず、丁重に扱ってくれ...下さい...」

 

 よくわからないけど、そんなの可哀想すぎる...

 

「はっ!かしこまりました!!」

 

 こいつらは一体どこに向かってるんだ...

 恐ろしすぎる...

 

「あーと、早速で悪いけど...色々とやることがあるからまたしばらくこれないと思う...おとなしくしててね...?」

 

「「「「「「アーシアたん、バンザイ!!!」」」」」」

 

 ────────────────────────

 

 神器(セイクリッド・ギア)の中から意識を浮上させる...

 

「なんなんだあれは...俺の内だけ世界観が違うんじゃないか...?そりゃ装甲の1つや2つ色も変わるわ...」

 

「んぅ......イッセーさん...?」

 

 おっとアーシアを起こしてしまったようだ...

 

「ごめんアーシア。なんでもないよ?」

 

「そうですか...?...おやすみなさい...」

 

 アーシアは俺を抱き直して寝入った。可愛い。

 

 俺は何も見なかった事にした。

 ドライグも何も見なかったことにしている。何も言わない。

 それで良いのだろう...だってあんなのシラフで関わりたくないし...

 

 今日もアーシアが可愛い平和な1日でした!

 終わり!!!

 

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