拙い作品ですが、これからもよろしくお願いします!
第51話。 前哨戦です、サイラオーグさん!
修学旅行を控える現在、部長に眷属がついに全員揃ったという事でグレモリー本邸に挨拶に来ている。ついでにイリナも付いてきた。
今はロスヴァイセさんが部長のお父さんに将来の展望について語っている。すごいなぁ...やっぱり色々考えてるんだな...しっかりしていらっしゃる。
俺はもう目先の事でいっぱいいっぱいで将来なんて全然考えれてないわ...
アーシアと結婚してずっと一緒に平和に暮らしたいなぁ...くらいのもんだ。
隣に座ってるアーシアが俺の手を握ってくれた。
同じような事を考えてるのだろうか?
なら嬉しい...
絶対幸せにしてやるからな...
まぁでも悪魔の寿命ってバカみたいに長いし、他の...それこそ寿命の大半を使えるくらいの目標がないと、最後には植物みたいな生き方になるらしいからな...おいおい考えないとだ。
一方部長のお母さんは、部長ほどではないが日本が好きみたいで京野菜のお漬け物がうんたらと喋っている。
お土産で欲しいなー誰か買ってきてくれないかなーみたいな波動を感じる....
「あ...あの、皆で買ってきましょうか...?お漬け物...」
「あら...そういうつもりで言ったのではないのだけれど...ごめんなさいね、気を遣わないでよろしいのよ?」
「いえ...グレモリー家の皆様には大変お世話になっておりますから...」
「そうかしら...あまりお断りするのも無粋ですね。お願いできますかしら?」
「はい、質の良いものを探して参りたいと思います...」
俺は部長の母親の無言の圧に負けた...
まぁグレモリー家には滅茶苦茶お世話になってるし普通にお土産は買うんだが...
となっては、そこらのお土産屋はまずいのかな...?
それとも学生として身の丈に合った場所でいいんだろうか...タンニーンさんにも贈りたいなぁ...
難しい...まぁ後で部長に聞くか。
お茶会は無事に終了し、いざ帰ろうという時にサーゼクス様が実家に戻ってきたとの知らせを受けたので、そちらにも挨拶をしようという事になった。
ミリキャス君も同行するらしい。パパだもんね。会いたいよね。
部長の先導で屋敷内を歩いていく...
にしても初日はあんなにあたふたしてたのに、この屋敷にも慣れたもんだわ。
メイドさんや執事さんが廊下の端でお辞儀してても気にせずに歩けるようになってきた。
アーシアもだいぶ落ち着いたもんだ...今は教会三人組で楽しそうにお話中だ。
目的地までまだ結構距離がある。
やべ...誰と喋ればいいんだ...?
教会三人組はクラス一緒だし結構気軽に話しかけられるんだが、今は三人で結界を作ってるし...
まだ話しかけやすい方の木場はロスヴァイセさんと喋ってるし...
ギャー助はたまにツッコむくらいしかしないし...
小猫ちゃんは逆に向こうからのツッコミくらう事が多いけど、雑談自体はそんなにしないし...
朱乃さんなんてまじであんまり接点ないし...今は部長と話してるし...
....あれれ?俺ってもしかしなくても眷属の皆とあんまり喋ってない...?例えるなら友達の友達くらいの距離感...
衝撃の事実に気付いてしまった。これは由々しき事態なのでは?
いやまぁ所詮同僚だと言われればそうなのだが...
グレモリーって情愛の深い眷属なんだよね?皆仲良しなんだよね?
よく考えたら俺はアーシアを除き、今まで話しかけられてそれに答えていただけだ...それは皆が優しくてコミュ強であるというだけの事。
こちらから話しかける機会があまりない事に気づいた...
アーシアや修行にかまけて、あまり積極的に会話をしてこなかったのだ...ぬおお...
あれ?あれあれ?俺まじで全然自発的に話しかけに行ってなくね?
こういう時どうしてたっけ?アーシアが居てくれたんだったね。アーシアが居なくなると途端に俺はこうなってしまうのか...
やばい...ちょっと心が辛くなってきた...
なんか...話しかけられたり、ハイになる事ができればある種何かを演じる感じですいすいおしゃべりできるんだが、ローテンションだと一気に陰気な本性が出るんだよな...
なんでだろ?
「イ...イッセー先輩どうしたんですか...?」
「ギャスパー...いや、眷属の仲間に話しかけるのですら、少し躊躇っている自分がいる事に気付いて少しな...」
「!...ぼ...僕もです!皆で歩いてるのに、誰に何を話せばいいのかなって...少しイッセー先輩の様子が変だったんで、これなら話題が作れるかもって...!!」
「ギャスパー...!お前も...そっか、仲間がこんな所に!!そうだよな!こういう団体移動って難しいよな!俺アーシア居なくなったらどうすればいいかわからないもん!」
「はい!難しいです!!わぁ、イッセー先輩もそういう事で悩むんですね!僕、てっきりイッセー先輩はそういうのに縁のない人だとばかり...!!」
「いやいや、ちょっと自分でもネジ飛んでるなと思う時はあるけど、根っこの部分で陰気な所もあるんだぞ?まぁあれだよ、初対面より下手に顔見知りの方が話しかけにくい理論だ...」
「わかりますわかります!!はぁ...すごく親近感が!」
「ギャスパー!!俺もだ!!」
俺達は漢の握手を交わした。
陰キャって二人居て、それが仲良くなったら無敵なんだよな...
これからはギャスパーに積極的に話しかけよう。共依存陰キャ同盟を結成するのだ...!
「イッセー...ギャスパー...」
部長に可哀想な子を見る目で見られた。
他の皆からも残念な子を見る視線が注がれる...
「うっ...へんだ!俺にはギャスパーがいるもんね!」
俺はギャスパーを抱きしめて陰キャ同盟を誇示する。
「ごはっっっ!」
「......ギャー君に変なこと吹き込まないで下さい」
小猫ちゃんに横腹を殴られた...
「イッセーさん!」
「ぬぉっ!」
殴られて怯んでいる俺にアーシアがタックルをかます...
「ア...アーシア?」
「イッセーさん...私だけじゃ満足できませんか...?」
涙目でそんな事を尋ねてくる。
どういう事...?あれですか?ギャスパーが見た目美少女だから、俺が取られるみたいな...?
なんだそれは可愛すぎか??
え...?尊死する。
「アーシア...!いえ!アーシアだけいれば満足です!!」
「イッセーさん!」
アーシアとぎゅっと抱きしめ合う。好き...
「僕はアーシアさんにも問題があると思うんだ...」
「なんというか、あそこまで行くと羨ましいとか以前ですね...いえ...でもやっぱり羨ましい...くっ!」
木場とロスヴァイセさんが語る。
「ちょっと!今からお兄様に会いに行くんだからそろそろ皆気を引き締めなさい!」
部長に怒られる事でようやくグダグダの空間が落ち着いた。
流石部長...なんか部長っていうより引率の先生みたいだな...ごめんなさい幼稚園児で...
部長に一瞬睨まれた...ひえっ...失礼な事考えてすみません...
「お姉様の眷属の皆さんは面白い方々ですね!」
ミリキャス君が楽しそうだからいいや。
...........
ようやくサーゼクス様のいらっしゃる場所に到着した...っと、サイラオーグさんも居る!
「お邪魔している。元気そうだな、リアス。っと、赤龍帝も居たのか、久しぶりじゃないか」
挨拶してくれる...嬉しい...
「お...お久しぶりです!!サイラオーグ様!!」
挨拶の後は、部長とサーゼクス様、サイラオーグさんで会話を交わしている。
やっぱりサイラオーグさんは強いな...
戦闘態勢じゃないのに、生命力が漲っている...
戦いになったらバイデント込みでトントンくらいかもな...
そして、サイラオーグさんにも
使われたらまず負けそうだけど、それ込みで勝ちたい...正直
それに女王の駒が覚醒するとしたら、やはり
今までの強敵は、大体油断してたり、俺が特効武器を持っていたりで、まともに勝ったことがないんだよな...
そういう意味でもサイラオーグさんは決して油断をしない。特効武器もない。初めてガチンコ勝負をする強敵...
そんなの勝ちたいに決まってる。
「軽くやってみたらいい。天龍の拳、その身で味わいたいのではないかな?」
へ?まずい聞いてなかった...
「魔王様がおっしゃるのでしたら、断る理由はありません。イッセー、いけるわね?」
「は...はい!」
俺はよくわからないがとりあえず答える。
「では、私に二人の拳を是非みせておくれ」
「存分にお見せいたしましょう、我が拳を!!」
サイラオーグさんが好戦的な笑みを浮かべる...
あああああこれ!!サイラオーグさんとの前哨戦か!!!...まぁいい!ちょっと心の準備ができてないけど、俺もサイラオーグさんと軽く手合わせしたい!
────────────────────────
いつものトレーニングルームで戦うようだ。
ここって、グレモリーだけの秘密の特訓場所じゃないの?いやいいんですけどね、別に見られて困るものはないし...
サイラオーグさんは上着を脱いで、アンダーウェアの戦闘モードだ...
普通の服の下にアンダーウェアって野球部みたいな人だな...
「ドライグ」『任せろ』
俺はカウントダウンを始める。
『One....!』
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』
紅蓮のオーラが体を包み、俺は鎧を纏った。
今回の戦い、俺はアーシニウムエネルギーは使うつもりがない。サイラオーグさんだって術式で体を縛ってるんだしお互い様だ...こんな場所で実力全ては見せられない。
というか俺がいつも使ってる術式ってサイラオーグさんが使ってるのと同じなんだろうか...?似てる気がする...
意外な事に気付いてしまったな...
「どうした、来ないのか?」
「すみません...行きます!!」
俺は紅蓮のオーラを解放する。
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』
「ほう...これが赤龍帝か...見違えるほどにオーラが増大したな」
俺はブースターを吹かせて突撃する。
サイラオーグさんは動かない。
くっそ!!初撃は受けてやるってか!!?
やってやる!!
「だらぁぁぁぁぁあ!!!」
サイラオーグさんの腹に拳をぶちこむ!!鈍い音が響く。
「ぐっっっっ!!....いい拳だ!」
サイラオーグさんが俺を殴りかえす。
俺は咄嗟に逆の腕を挟むが、圧倒的な威力によってそのまま吹き飛ばされた。
「ぐぉぉぉぉおお!!!」
少し転がってすぐに立ち上がる。
ぐっ...左腕が砕けそうだった...
鎧を砕いた所で衝撃はある程度削られたらしい...
すぐに鎧を修復する。
『恐ろしいほどの破壊力だな。これほど極端に破壊力を追求した拳...面白いじゃないか。なぁ、相棒』
面白くねぇけど気持ちはわかる!!
くそ...やっぱり素の俺では完全に劣勢だな...
「部長!許可ください!」
「許可するわ!」
「プロモーション、騎士!!」
普通のプロモーションもアーシアにしてもらった方が強くなれるけど、流石にここでやるのはいかんでしょ。
ほんとは戦車で攻防を上げたい所なんだが、サイラオーグさんの恐ろしいところはそのスピードだ。
見失ったら一瞬で致命的な一撃を入れられる。
それなら騎士で速度をあげて、ついていくしかない。
「騎士だと...?」
サイラオーグさんは怪訝そうな顔をする。
「行きます!!」
俺は再びサイラオーグさんに突撃して攻撃する。サイラオーグさんは避ける事無く真正面からの打ち合いになる。
腕で防御される。殴り返される。
もう片方の腕で防御する。
一発一発にやばいくらいの威力が込められていて、鎧が治りかける度に破壊される...腕ももうボロボロだが...!連打についていけてる!致命的な物はまだ受けていない!!
俺だって攻勢に出てる...今の所は俺が少し劣勢くらいだ...!
嵐のような攻防が続く...
お互いの顔面を殴って、一旦離れる。
やっべ...顔面の一発で視界が白く飛んだ...
腕もなんとか形を保っているし骨は無事だが、肉が結構ぐちゃぐちゃだな...
「なぜ、騎士になったんだ...?女王や戦車ならまだ理解が示せるんだが...」
サイラオーグさんが尋ねてくる。
「俺があなたに関して一番警戒してるのはそのスピードです。殴り合いならまともに受けなければなんとか戦える。現にあれだけの殴り合いを腕二本半壊で切り抜けられました...」
「なるほど...?ならば要望に答えて、俺のスピードも見せてやろう」
サイラオーグさんが俺の後ろに回り込もうとする。
ついていける!!
俺はブースターを吹かせて横を走るサイラオーグさんに蹴りかかる。
「ぬっっ!!」
普通に防御された。が関係ない!
『Transfer!!』
俺はドラゴンショットを生成して譲渡、発射する。
「ぬぉおおお!!!」
サイラオーグさんは至近距離にも関わらず、見事に対応して拳で俺のドラゴンショットを消しきった。
なんだそれは...
「なるほど...きちんと俺のスピードに対応したようだな。あながち騎士という選択も間違いではなかったらしい。カウンターも食らってしまった」
拳から煙が出てるだけにしか見えませんけど...
「ふむ...ここからが本番だ!と言いたい所だが...この勝負はレーティングゲームまでお預けにしよう。これ以上やっては最後まで楽しんでしまいそうだ」
「......そうですね...本番が楽しみです!」
「あぁ...俺も俄然楽しみになってきた。ついこの前とは見違えるようだ。それに、まだまだ隠している力があるんだろう?」
「サイラオーグさんも...ですよね?」
「当たり前だ...よし、次こそは本気で...最後まで殴り合おう!兵藤一誠」
「...はい!」
サイラオーグさんが俺に拳を向ける。俺はそれに拳を合わせた。
めっちゃ優しい...嬉しい...
これが陽キャパワー...
結果としては、俺が腕半壊、サイラオーグさんは特に怪我なし...
やっぱりサイラオーグさんが一歩先を行ってるな...
けど、今日殴りあってわかった。勝てない相手じゃない...
滅茶苦茶強いけど...希望はある。俺でも届く。
まぁ問題は
でも、やっぱり負けてもいいから全力の獅子王と戦いたいな。
アーシアがこちらに駆け寄って俺を治癒してくれる。ふう...やっぱりアーシアの治癒は極楽だ...
「うん、もう大丈夫。ありがとうアーシア」
「いえ!イッセーさんの為ですから!」
そうこうしているとサイラオーグさんが服を拾って着た。
「再び相見えよう、リアス、リアスの眷属達。次に会うのは夢をかけた舞台だ。来い、俺は全力でお前達を打ち倒す!」
サイラオーグさんはそう、かっこよく語ると去っていった。
かっこよすぎんか...?
でも、だからこそ勝つ!!
俺は決意を新たにした!サイラオーグさんとの闘い!何が何でも勝ってみせる!!サイラオーグさんの夢に俺の夢が負ける道理はねぇ!