アーシアしか勝たん   作:min-can

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第54話。 入ります、押し入れ!

 裏京都から帰って、食事風呂を済ませた俺は現在布団に寝転んでいる。

 風呂はめんどくさくなって自室の小さいので済ました。

 はぁ...一人で寝るの寂しすぎる...

 一人で眠るのが憂鬱すぎて、夜は一気に気分が暗くなってしまう...タンニーンさんとの修行はなんかもうそれどころじゃなかったし、泥のように眠れたから良かったんだが...

 アーシアの変わりに布団を抱いて寝てるけど虚しいだけだ...

 アーシアの体温が欲しい...

 アーシア来てくれないかな...でも、アーシアの友人関係だって大切だからな...というか女子は男子の方来れないし。

 今頃桐生にまた変な知識を植え付けられてるんだろうか?

 くっそ...あいつめ...といいたい所だがアーシアと俺の関係が深まっていく要因として、あいつのアーシアへの入れ知恵が大いにあるのが非常に腹立たしい...

 最近はアーシアも若干余裕が出てきて、色々と試してみる感じになってるからな...

 それもまた嬉しくて可愛くていっぱいしたくなっちゃうんだよなぁ...治まれ俺の劣情...

 

 などと考えていると部屋の扉がノックされた。

 誰だろ...松田達か?

 

「はーい」

 

「イッセーさん、遊びに来ました!」

 

 アーシアだ!!あれ?男女って先生が階段を封鎖して接触できないようになってなかったっけ?

 あぁ、そうだ、アザゼル先生とロスヴァイセさんがいつでもここに集まれるようにって、この部屋になら来れるように特殊な認識阻害の結界を張ってるんだった!

 

「どうぞ!!空いてます!」

 

 扉を開けてパジャマ姿のアーシアが入ってきた。

 

「えへへ、来ちゃいました...」

 

 アーシアがはにかみながら部屋に入ってくる。

 

「アーシア!ありがとう...俺寂しかったんだ...アーシアが来てくれて嬉しいよ...」

 

「私も少し寂しかったです...」

 

 そういってアーシアは俺の胸に身を寄せてきた

 あぁ...これ...アーシアの体温...

 シャンプーリンスボディーソープがいつものと違うから少し匂いが違うのもまたグッド...

 

 俺達がお互いの体温を味わっていると...

 

「イッセー!」「ついに見つけたんだ!!」

 

 松田と元浜の声が聞こえてきた。

 俺達はビクリとしてしまう。

 

「イ...イッセーさん!あちらに...!」

 

「ア...アーシア...?」

 

 アーシアに押されて俺は押し入れに逃げ込んだ。

 アーシアも入ってくる。

 うぉお狭いから密着感が...!体の逃げ場がない...!

 少しして扉を開ける音がした。

 

「イッセーいないな...」

 

「くっそ...イッセーにいつもの見張り兼用心棒を頼みたかったんだがな...ちくしょう!どうせアーシアちゃんのを見放題なんだから覗きくらい協力してくれてもいいだろ!!タイミング悪いな!」

 

「まぁ居ないなら仕方ない...俺達二人でやるしかない!」

 

「よし!善は急げだ!行くぞ!」

 

 二人が走り出す足音が聞こえた...

 あいつら俺の事用心棒扱いかよ...

 まぁ行ったとしても覗かないからそうなるだろうけど...

 今度俺達の関係について話し合いの場を設けないとな...

 

「イッセーさん急にすみません...」

 

「アーシア、いや全然大丈夫だけど...」

 

 うっ...この狭い密室に二人で入ってると、アーシアの吐息や体温がより熱く感じてしまう...

 

「その...今は二人きりの時間を邪魔されたくないなって...」

 

 アーシアがこちらを見つめる。

 やばい...さっきまで寂しかったのもあってめちゃくちゃ気分が高まってきた...

 

「アーシア...」

 

 俺とアーシアはキスをする。

 アーシアをぎゅっと抱き寄せながら、たっぷり舌を絡ませてキスをする。

 やばい...なんか背徳感がすごい...

 修学旅行で、隠れてこういうことをするというのが相まって興奮が加速する...

 

「んはっ...」

 

 顔を離すと、お互いの荒く熱い息が混じり合う...

 酸素が薄い...

 

「アーシア...その、してもいいか?」

 

「あぅ...はい、来てください...」

 

 ..........

 

 狭い密室での行為は、少々やりにくかったがそれもまたスパイスとなって、非常に興奮した...

 酸素も薄くて急激に上昇する温度によって思考が鈍くなり、興奮を加速させる...

 アーシアの口から漏れる嬌声は、キスで口を塞いで閉じ込めた。

 俺が動く事でギシリと鳴る木の音と水音だけが響く..

 

 今は全部終わって襖を開けた所だ。新鮮な空気が火照った体を急速に冷やしていく...思考もクリアになっていく...

 お互い汗でぐっちょぐちょだな...

 

「はふぅ...涼しいです...」

 

「あぁ...なんで押し入れの中で全部しちゃったんだろ...」

 

「でも...イケナイ事してるみたいで少し楽しかったですね」

 

「正真正銘イケナイ事だけどな...っと」

 

 アーシアを抱いて、押し入れから出した。

 その後しばらくピロートークを楽しみながら、一緒に風呂に入った。

 今は風呂から上がってゆったりタイムだ...

 

 はぁ幸せ...

 

 といった所で来客だ。

 臭いは...ファブりまくったから多分大丈夫!換気もしてる!後処理はしっかりできてるはず!

 問題があるとすればアーシアと俺が明らかに風呂上がりってくらいだ...

 

「は...はーい...」

 

「イッセー。アーシアはいるか?」

 

「ゼノヴィア?イリナも...」

 

 二人が現れた。アーシアに用事か...

 

「あ...あぁ、アーシアなら居るけど...」

 

「そうか、では失礼させてもらうぞ」

 

「お邪魔しまーす!」

 

「おぅ...」

 

 止める間も無く、二人が俺の横をスタスタと通っていった。

 

「やぁアーシア」

 

「ゼノヴィアさん、イリナさん?」

 

 アーシアがあれ?といった顔をしている。

 

「いや、アーシアが部屋に居なかったのでな。イッセーの部屋にいるのかなと思って来たんだ。少しホテル周辺を散歩しようと思っていたから誘おうと思ったのだが...その...まぁなんだ。お邪魔だったかな?」

 

 ゼノヴィアが少しだけ顔を赤くして言う。

 君達皆で一緒に風呂に入ったらしいのに、また俺とアーシアで風呂に入ったなんてどう考えてもそうだね。完全に事後だね!

 イリナもわぁ...しちゃったんだー!みたいな顔をしてる。

 

「い...いえ!そんなことは...」

 

 アーシアが顔を真っ赤っかにして答える。

 

「イッセー君!ちゃんと責任を取るのよ!高校生で子供ができちゃったら大変だわ!」

 

「言われなくても取るけど!わざわざ言わないで!!」

 

 頭を抱えてしまった...

 二人はその後少しだけ滞在すると、お邪魔しましたーお幸せにーなどと言いながら出ていってしまった。

 あいつら野次馬根性芽生えて来てないか...?

 最近は桐生だけでなく、あいつらもアーシアにそういう話を聞いてる時がある...

 まぁ年頃だもんね。間近にカップルが居たらそういう話になるのか...?

 なんでガールズトークを盗み聞いてるんだだって?松田達の話が糞どうでも良い時はアーシアの方に聞き耳を立てているからです。

 

「あの...イッセーさん。今日はこちらで眠ってもいいですか?」

 

「俺は良いけど、点呼とか大丈夫なのか?」

 

「はい、桐生さんには連絡しました!」

 

「そっか...ありがとう。正直俺もアーシアとまだ一緒に居たかった」

 

 そういえばわざわざ認識阻害の結界を張ろうと言ったのはアザゼル先生だったが...

 俺がこういうことをすると予想して張ってくれたのだろうか...

 ありがたかったけど、行動を完全に予想されている感じがちょっと辛い...

 

 

 

 ────────────────────────

 

 次の日、朝ごはんを食べるために集合する。

 

「おやおや兵藤さん、アーシアさんと朝帰りだなんてお二人で何をしていらしたのかな?」

 

 桐生がわざとらしく俺に話しかけてくる。

 

「やめてください桐生様...」

 

「何をかな~?」

 

「おい...イッセー!朝帰りってどういう事だよ!」

 

「まさかアーシアちゃんと...したのか!!大人への階段登っちゃったのか!!?」

 

「ノーコメントで」

 

「絶対したんじゃないか!!この裏切り者!!修学旅行で初体験なんて!滅茶苦茶羨ま死ね!!」

 

「お前なんかもう友達じゃねぇ!」

 

「うるせぇ!お前らどうせ女子風呂覗きに行ったんだろ!顔面パンパンに腫らしやがって!犯罪者に言われたくねぇよ!」

 

「これは名誉の負傷だ!!」

 

「名誉...?」

 

「疑問符付けてるんじゃねぇ!!」

 

「あーそうそう!兵藤とアーシアとっくにやることやってるわよ?」

 

 桐生が追加の火薬をぶちこむ。

 

「既に卒業していただと...!?お前...俺達に報告すらしなかったのか...?この薄情者!!いつ頃やったんだ!!」

 

「え...?やだよ言いたくない」

 

「二週間前くらいだったかしら?」

 

「言うなよ!!人様のプライベートを勝手に公開しやがって!」

 

「結構前じゃねぇか!!今度という今度は許せん...!!一発殴らせろ!!」

 

「そうだそうだ!!」

 

「....わかった、一発な。一発だけだぞ」

 

「やけに物わかりいいじゃないか...行くぞ元浜!」

 

「おう!」

 

 二人は俺の腹と胸をパンチする。まぁ、もうこんなので痛がるような体はしていない...

 

「よし!これでこの話はおしまいな!さっさと飯食って観光だ観光!!」

 

「畜生!全然効いてないぞ!!」

 

「卒業している者とそうでない者でこれほどの差が生まれるというのか...」

 

 二人が絶望していた。

 お前らももうちょっと真面目になればなんとかなると思うのにな...

 まぁ既に中学から少しは真人間にしてやろうと試みたが、諦めてアーシアが来るまで同調してた人間だからあんまり言えないんだけど...

 

 ────────────────────────

 

 あの後ホテルを出発して、天龍寺に到着した。

 そこで九重と合流する。

 

「おぉ、お主達、来たようじゃな!今日は約束通り、嵐山方面を案内するぞ!」

 

「おぉ!すっごく可愛い女の子じゃないか!またイッセーお前は美少女と交友関係を持ったのかちくしょう!」

 

「...ちいさくて可愛いね...ハァハァ...」

 

「やーん!可愛い!」

 

 チーム一般人は思い思いの反応をしている。

 特に桐生と元浜は大興奮だ。

 元浜いい加減にしておけよ...妖怪に殺されるぞ...?

 

 それから九重の案内で様々な観光名所を案内され、現在は湯豆腐屋で昼飯を食べている。

 

 うめぇ...

 

 教会三人組も美味しそうに食べている。

 皆で食事をしていると、木場の班に声をかけられた。

 

 木場の班もここで飯を食べるらしい。

 俺達も木場の班も食事を終えて、店を出ようとした所でアザゼル先生にも出会った。ロスヴァイセさんもいる。

 ロスヴァイセさんはアザゼル先生の昼酒に文句をつけたかと思うと、自分で飲んで、一瞬で酔っぱらってアザゼル先生にめっちゃくちゃうざ絡みしていた。

 酒入ったロスヴァイセさんには死んでも近づかねぇ...

 アザゼル先生も心底めんどくさそうだ...

 

 しかしご都合主義かってくらい全員集合したな...

 いよいよ渡月橋を渡ったら英雄派とバトルか...

 

「ロスヴァイセちゃんやばかったな...」

 

「ありゃ相当ひどい酒癖だぞ...」

 

 人気で可愛い教師の意外な一面に松田と元浜は困惑していた。

 俺も困惑したわ、あんなひどいのか...

 

 渡月橋に到着した。

 

「そういやアーシア!渡月橋で振り返ったらカップルは別れちゃうらしいわよー?」

 

 桐生が突然叫ぶ

 

「絶対振り向かないで下さいね...」

 

 アーシアが俺の腕をぎゅうっと抱きしめる。

 意地でも俺を振り向かせないという意思を感じる。

 可愛い。絶対振り向かないよアーシア。

 例え英雄派に背中から攻撃されても振り向かない。

 というか最早俺とアーシアの関係は迷信程度で邪魔できる物じゃないけどな!!

 

「クソ、こんだけ見せつけられるともう嫉妬どころじゃなくなってくるな...あぁ!彼女欲しい!!」

 

「イッセーに呪詛ばかり送っているから俺達の幸せは消えていくのかもしれん...ここは逆にこのバカップルを祝福することで幸せにあやかれるのでは...?」

 

「それはあるかもしれん。ここ京都だし、神様が見ているかも...」

 

「おーい!イッセー!アーシアちゃーん!末永くお幸せになー!」

 

「幸せを俺達にも分けてくれー!!」

 

「お前らに分ける幸せはねぇ!」

 

「なんだとイッセー!この野郎!」

 

「ちょっと迷惑だからやめなさいバカども...」

 

 桐生に怒られた。ごもっとも。

 

 無事に渡りきる事ができた。

 アーシアもほっとしているようだ...

 

「これでずっと一緒だな」「はい!」

 

 そうやってイチャイチャしていた所で、突然生温い奇妙な感覚が全身を襲った。

 

 ついに来た...英雄派...

 第一陣はまだ余裕があるが、それにしたって普通に危ない。

 気合い入れろよ...!

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