アーシアしか勝たん   作:min-can

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第55話。 来ました、英雄派!

 周囲にはオカ研のメンバーと九重しかいない。後でアザゼル先生と泥酔してるロスヴァイセさんが来てくれるはずだ...

 

 皆は周囲の警戒をしている。足元に霧が立ち込め出した。絶霧(ディメンション・ロスト)か...

 

「お前ら無事か?」

 

 アザゼル先生が飛んできた。

 よし、一旦これで曹操の事はスルーできるはず...

 後は...あーそうだ、魔獣造(アナイアレイション・メーカー)によるアンチ悪魔モンスターが出てくるんだ...そしてルフェイが次元の狭間のゴーレムを持ってきて、それが暴れたから一旦お開きって流れだったよな...?

 

「ここは恐らく絶霧(ディメンション・ロスト)を使って作り出された、レーティングゲームのフィールドのように渡月橋一帯を模している擬似フィールドだな。絶霧(ディメンション・ロスト)は霧で包み込んだ物を他の場所に転移させることができるからな...ほとんどアクション無しでこんな離れ業をしやがる。これだから神滅具(ロンギヌス)はよぉ...」

 

 先生が愚痴る。

 すると俺達とは反対側の霧から複数の気配が現れた。

 

「はじめまして、アザゼル総督、赤龍帝」

 

 曹操だ。手には既に黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)が握られている。嫌な気配だ...起動前からこれほどか...

 

「お前が英雄派を仕切ってるっていう男か」

 

「曹操と名乗っている。一応、三國志で有名な曹操の子孫さ...」

 

「...全員、あの曹操とか言う男の槍には気を付けろ。あれは最強の神滅具(ロンギヌス)黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)だ。冗談抜きで神を殺せる槍だぞ」

 

 教会メンバーが驚く。

 そりゃあな...ロンギヌスの槍なんて一般人でも聞き覚えあるもん...

 

「あれが聖槍...」

 

 アーシアが虚ろな目になっていた。

 

「アーシア!アーシア!」

 

 俺がアーシアの肩を揺らすと

 

「あれ...?私何を...」

 

「信仰のある者はあの槍を強く見るな!心を持っていかれるぞ!」

 

 アザゼル先生が叫ぶ。

 

「母上を拐ったのは貴様らか!」

 

 九重が怒りを露にする。

 

「左様で。少々我々の実験に付き合って頂いているのですよ...スポンサーの意向でしてね。無下にするわけにも...」

 

「オーフィスの事か...それで?急に俺達の前に現れたのはどういうつもりだ?」

 

「隠れる必要がなくなったのでね、実験の前に少しお手合わせをしておこうと思いまして...」

 

「なるほど、分かりやすくて結構。九尾の御大将は返して貰うぞ...」

 

 アザゼル先生から膨大なオーラが溢れ出る。

 俺もアスカロンを抜いて、ゼノヴィアに渡してすぐに禁手化(バランス・ブレイカー)の準備に入った。

 

『Ten!Nine!Eight!』

 

「レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む」

 

 曹操がそう言うと、少年の足元から影が漏れだしてだんだんと形を成していった。

 

 そして、百を優に越えるアンチモンスターが吐き出された。

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

 

「アーシア!許可頼む!」

 

「許可します!」

 

「よし、行くぞドライグ!!対軍戦闘だ!!」

 

『あれを使うのだな!!!』

 

 嬉しそうだなドライグ...

 

『Change Dragonic Funnel Blaster!!』

 

「|六条の龍穿つ僧侶《ヘキサ・ドラゴニック・ブラスター・ビショップ》!!!」

 

 背中に6つの黄金のファンネルが形成されて、背中に装着されている。

 ファンネルは俺のオーラで作られているので、マーキングせずとも操作可能だ。

 

 ばしゅんばしゅんとファンネルが発射されて、俺の後ろに待機する。

 

魔獣造(アナイアレイション・メーカー)...上位神滅具(ロンギヌス)4種中、3種が英雄派に集っているのか...ったく、魔獣造(アナイアレイション・メーカー)のガキはまだ未熟にしたって恐ろしい限りだぜ...」

 

「あららら。流石は堕天使の総督。この子が未熟なのもバレてしまいましたか。でもね、この子はひとつの方面に非常に優れておりまして...相手の弱点をつく魔物、アンチモンスターを生み出す力に特化しているのです」

 

「各陣営に刺客を送っていたのはアンチモンスター創造の為のデータを集める為か...?」

 

「半分正解ですね。禁手(バランス・ブレイカー)使いを増やしつつ、情報を集める...それが襲撃の目的ですよ」

 

「さ、戦闘だ。はじめよう!」

 

 曹操と言葉を合図に戦闘が始まった。

 前の方のアンチモンスターが光のブレスを発射する。

 

「させるか!!砲撃六門全力展開!!」

 

 俺はファンネルを上空に浮かせて、全ての砲門が黄金に光輝く。

 

「撃て!!」

 

 六条の膨大なオーラが各々の方向に発射される。

 アンチモンスターのブレスをも貫いてアンチモンスター達を蹂躙していく。

 およそ4割を削りきってやった。脆いなこいつら...

 結界に歪みが生まれる...はー気持ちいい...

 

「しゃあ!!これだよこれ!!ファンネルからのビーム!!!楽しい!色んな場所も狙えるしまじで使えるぞ!!」

 

「イッセーお前!!そんな力作ってやがったのか!!?不覚にもちょっとかっこいいじゃねぇか!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

「....赤龍帝...今代は異常な変化を見せているというが...これほどか...」

 

 曹操が驚いている...

 へっ!今のでアーシニウムエネルギーそこそこ失ったけどな!!

 

 木場とゼノヴィアも動きだし、アンチモンスターの残党を狩っていく。

 俺は現在ファンネルにエネルギーを再装填しながらアーシアと九重を守れるように移動する。

 

「生徒にあんなもん見せられちゃ、先生として黙ってるわけにはいかないな!!」

 

 アザゼル先生が人工神器(セイクリッド・ギア)を暴走させて黄金の鎧を装着し、曹操に突撃する

 

「赤龍帝も気になるが、やはりあなたの方がいいな!行くぞ!」

 

 曹操が神器(セイクリッド・ギア)を起動する。

 瞬間この空間に恐ろしいオーラが駆け巡った...

 アザゼル先生の光と黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)の光がぶつかり合いながら離れていく。

 アザゼル先生が誘導してくれてるのだろう。

 

 俺は装填途中の三門に譲渡のオーラをぶちこむ。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

「木場!ゼノヴィア!イリナ!受けとれ!!」

 

 赤いオーラが発射される。

 三人に無事当たった。

 

「全力で暴れてくれ!特にゼノヴィア!!」

 

「あぁ!!」

 

 ゼノヴィアはアスカロンの聖なるオーラを爆発させる。

 木場も地面から大量の聖魔剣を生成して攻撃。

 イリナも光力を増大させて恐ろしいほどの一撃を放つ。

 魔獣も英雄派の戦闘員も次々に倒されていく...

 レオナルドが頑張ってアンチモンスターを作ってはいるが、生成は追い付いていない。

 

「まずいドライグ...やりたかった事が綺麗に決まって予想以上に楽しい...力に溺れてしまいそう...」

 

『気持ちはわかるが、各門後2発くらいで例のエネルギーが尽きるぞ...?』

 

「魔力と体力だけでこの砲撃を維持するのは厳しいな。最後に一発を放ち次第、俺はゼノヴィアと交代で前線に行く」

 

『わかった...急いで装填しようか...』

 

 皆の倍化も解けて、再びアンチモンスターが増え出して来ている。

 

 だが!

 

「もういっぱぁぁぁぁつ!!!下がれ皆!!!」

 

 俺の叫びに前線三人が下がる。

 

「ファイヤァァァァ!!!」

 

 再び放たれる六条のエネルギーは敵陣営を蹂躙しつくす...

 ついでにレオナルドも狙ったけど、何かに防がれてしまった...

 

 俺は通常状態に戻る。

 一応バイデントを使えるだけのエネルギーは残しているが、ただの禁手(バランス・ブレイカー)でいけるならそれに越したことはない。

 

 といった所で膨大なエネルギーがこちらに飛んできた。

 俺は急いでアーシアと九重を抱いて飛び避ける。

 あっぶねぇ!!

 

 今のは...ジークフリートの攻撃か...あの野郎!!

 

 魔帝剣グラム...さっきレオナルドを守ったのもこいつだな...

 

「さて、僕も動こうかな。初めましてグレモリー眷属。僕は英雄シグルドの末裔、ジークフリート」

 

「お前は...魔帝(カオスエッジ)ジーク...悪魔祓いの我々の元同胞だ」

 

 ゼノヴィアが言う。

 

「ジークさん!あなた教会を裏切ったの!?」

 

 イリナが叫ぶ。

 

「そうなるかな。まぁいいじゃないか、僕が居なくたってまだ教会には最強の戦士が残っている。さて、やろうか、デュランダルのゼノヴィア、ミカエルのA(エース)紫藤イリナ、聖魔剣の木場祐斗」

 

 そういって三人に宣戦布告する。

 3対1の剣戟が始まった...ぶっ殺してやりたいけど、皆に任せよう...

 一見圧倒的有利だが、ジークは龍の手(トゥワイスクリティカル)の亜種を持ってるし、三本の手にそれぞれ伝説の魔剣を携えるからジークの方が優勢だ...

 

 くっそ...アンチモンスターだって増え出してる...そろそろ削りに行かないと一方的に光のブレスで蹂躙されるぞ...でもアーシア達を守れる面子が今居ない!

 くっそ...人員不足が響くな...

 ガス欠覚悟でもう一発砲撃撃つか...?

 一応剣士メンバーの戦いの余波でアンチモンスターがある程度削れてるのが不幸中の幸いだな...

 つーかいい加減バテてくれよレオナルド君...

 超獣鬼(ジャバウォック)作れるくらいだし無理か...

 

 といった所でアザゼル先生と曹操が帰って来た。

 ふと横を見るとおぞましいほどのクレーターの数々が出来上がっていた。

 一瞬調子に乗ってたけど俺の砲撃なんてまだまだだな...はぁ...悲しい...

 

『これから強くなればいいんだ相棒』

 

 ありがとうドライグ...

 

「いい眷属悪魔の集団だ。もう少し楽に戦えると思ったんだが、意外にやってくれる。特に君は警戒に値するよ、赤龍帝。そんな形態は一切データに存在しない。大体なんだあの黄金のオーラは。君は赤龍帝じゃなかったのか」

 

「クハハ!それがこいつの強みなんだよ!愛する女の色に神器(セイクリッド・ギア)を染めるほどの愛の力。それが今代の赤龍帝なのさ。愛の力ってなんなんだよククク...」

 

 笑わんといて下さいアザゼル先生。これでも真剣に戦ってるんです...

 

「ひとつ聞きたい。英雄派の目的はなんだ?」

 

「俺達の活動目的は非常にシンプルだ。人間としてどこまでいけるのか、知りたい。それだけさ」

 

「英雄になりたいって事か?」

 

「弱っちい人間のささやかな挑戦だよ」

 

 二人の登場で一度停止した戦況が再び動き出そうとする。

 

 すると戦場のど真ん中に魔方陣が現れた。

 現れたのは金髪に魔法使いの帽子を被る女の子。

 ルフェイだ。良かった、間に合った...

 

「初めまして!私はルフェイ・ペンドラゴンです。ヴァーリチームに属する魔法使いです。以後お見知りおきを!」

 

「ヴァーリの所の者か。それでどうしてここに来たんだ?」

 

 曹操が尋ねる。

 

「はい!ヴァーリ様から伝言です!『邪魔だけはするなと言ったはずだが?』...というわけで罰を与えちゃいます!」

 

 そう言ってすぐに地面が大きく揺れると、巨大なゴーレムが出てきた。

 

「ゴグマゴクじゃねぇか!!なんなんだ今日は...!二人の弟子がそれぞれロマン見せてくれやがって...!!よし!俺もこの件が終わったらロマンを作ってやるぞ!!」

 

 アザゼル先生がめちゃくちゃ高まってる...

 それもそのはずこのゴグマゴク、次元の狭間に遺棄されている古の神が創造したとされる破壊兵器ゴーレムなのだ。そんなのかっこいいに決まっている...

 

 ゴーレムがアンチモンスターを拳で一掃する。強えぇぇぇええ!!!

 

「ハハハ!ヴァーリはお冠か!いいぞ、伸びろ!」

 

 曹操は槍を伸ばしてゴーレムに襲いかかる。

 おいおい!曹操が一瞬でゴーレム倒してるじゃねぇか!使えねぇ!!

 アザゼル先生もゴグマゴクがぁ!と叫んでいる...

 おのれ曹操!よくもロマンを!!

 

 などと考えていると、後ろから気配を感じた。ロスヴァイセさんだ...目が据わっている...

 

「なんなんれすかうるさいれすね...全部ぶちこわしますよ?ったく...この...!静かにしなさぁぁああああい!!!」

 

 ロスヴァイセさんが大量の魔方陣を起動してあらゆる属性の大量の魔法が放たれていく...

 爆音が炸裂する。

 

 あああああうるせぇぇぇええ!!!

 ロスヴァイセさんの砲撃の方が絶対うるさいよ!!

 すわ英雄派は全滅かと思われたが、霧が英雄派戦闘員を包んでいた。

 

 ゲオルグか...

 

「これくらいで一旦引こうか...我々は今夜、この京都という特殊な力場と九尾の御大将を使い、二条城で大規模な実験をする!ぜひとも我らの祭りに参加してくれたまえ!!」

 

 ゲオルグがそう言うと、視界全体が霧に包まれた。

 

「お前ら!空間が元に戻るぞ!武装解除しておけ!!」

 

 先生が叫ぶので急いで鎧を解除する。

 霧が解除された頃には元の観光地である渡月橋付近に戻っていた。

 

 良かった...皆いる...

 とりあえず第一陣はなんとかなったな...

 

 うぅ...まずい...アーシニウムエネルギーを大量に使うと、禁断症状のようにアーシアとの接触を求めたくなってしまうのだ...

 

「アーシア...!」「きゃっ...イッセーさん?」

 

 俺はアーシアをぎゅっと抱きしめる。

 あー...柔らかい...何回抱きしめてもこのアーシアの柔らかさには飽きないな...でもぽっちゃりとかそういう事では一切なくて、本当に女の子としての黄金比率と言うべき感じでやわらかさとしなやかさを両立しているんだ...

 何が言いたいって最高...

 

「ごめんアーシア...しばらくこうさせてくれ...」

 

「...はい」

 

 アーシアも俺を抱きしめてくれる。

 

「見せつけてんじゃねぇよ!イッセー!!」

 

 松田にキレられる。

 

「違うんだ松田...理由は言えないが切実な理由でこうしてるんだ...」

 

「そうなのか...?いったいどういう理由だってんだよ...」

 

「アーシアに抱きつきたくて仕方なくなる症状が発症して...」

 

「見せつけてるだけじゃねぇか!バカップルめ!!ちくしょう!!!」

 

 松田は走り去っていった。帰って来た。Uターン早すぎ...

 

「....ふざけたことを言いやがって!京都で実験だと...?舐めるなよ若造が!」

 

 アザゼル先生がぶちギレだ...一瞬俺の事かと思って焦った...

 

 九重も泣きそうになっている。

 そうだよな...普通ここはシリアスな場面だよな...

 木場とゼノヴィアとイリナは心底呆れた顔をしている...ほっとけ...

 これでも真剣なんですよ...アーシニウムエネルギー急速充電しないと戦えない...

 

 あの後急遽二条城を観光して、ホテルに戻ることになった。一応二条城を確認しないとだからな...

 桐生達も特に反対ではなかったようなので行かせてもらった。特に収穫はなく二条城を楽しんだだけで終わったけど。

 今はホテルに戻って飯を食い終えて、観光メンバーで写真の鑑賞会をしている...

 

 松田、結構俺とアーシアがイチャイチャしてるのも撮ってくれてるんだな...そういう所が友人やめられないよ。

 まぁ基本的には教会三人組の写真だが...

 まぁ綺麗所だもんな...傍目に見ても見目麗しくて素晴らしい三人組だと思います。特にアーシア。

 後で現像してもらおう...

 

 次に桐生が私も写真があるんだと言って様々なショットを表示した。

 

 新幹線での俺とアーシアとで寝ている写真から始まり全編俺とアーシアの写真だった...

 お前はどんだけ俺達カップルが好きなんだ...

 

 うわ!誰もいないと思ってこっそりアーシアとキスしたの激写されてる!!こいつめ!!

 

「桐生お前!!どんだけ撮ってんだよ!!完全に盗撮じゃねぇかこれ!!」

 

 アーシアも顔を赤くしている...

 

「えー?隙を見せるのが悪いんだよー?あんた達は私の掌の上なんだから...もうさっさと諦めた方がいいわよ?私の趣味だもん」

 

「趣味にしてんじゃねぇよ!!」

 

 ったく...後で全部現像して貰わないと...

 

 それからもしばらく談笑したり殴られたりしながら時を過ごした...

 いよいよ決戦が近い...

 アーシニウムエネルギーもばっちり充電できた。

 後は作戦会議をして戦うだけだ...

 

 曹操...やってやる...

 修学旅行は無事で終わらせてみせる...!

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