まぁ、重要な部分は一緒なんですが...
俺達は会場の空中都市に向かうためにゴンドラに乗っている。
雄大な景色をアーシアと楽しんでいたら、アザゼル先生から無粋な話を聞かされた。
やれ会場をどこにするか現魔王派とバアル派で揉めに揉めてしまって間を取ってアガレス領になっただの、裏では魔王ルシファーと大王バアルの代理戦争だと思われているだの...
そして英雄派の攻撃があるかどうかについては、ヴァーリから「サイラオーグとグレモリー眷属の戦いは俺も注目している。兵藤一誠の邪魔はさせないさ」との伝言が届いていたから大丈夫じゃないかとの事だ。
ヴァーリ...ちょっと嬉しいのがむかつく...
ゴンドラを降りると出待ちが広がっていた。
大量のフラッシュを焚かれながら、あらかじめ用意されていたリムジンに乗り込む。
アーシアはあまりの人の多さとフラッシュの量にびっくりして俺にしがみついていた。可愛い。
会場であるアグレアス・ドームのすぐ横にあるホテルへと移動した。
試合開始は夜なので、それまでホテルで各チームに当てられた部屋で待機するのだ。
ボーイさんに案内されて通路を歩いていると、恐ろしい雰囲気を放つ集団が現れた。
先頭にいるのは骸骨だ...
これがハーデスか...バイデントってハーデスの槍なんだよなぁ...
ちょっと親近感沸くけど、この世界のハーデスはかなり糞なので関わりたくはないな。
『これはこれは紅髪のグレモリーに堕天使の総督』
「これはこれは。死を司る神ハーデス殿。
そこからは皮肉の応酬であまり聞くに堪えなかった。
アーシアが怖がっているので抱きしめる。
勘弁してくれよ...まじどっか行ってくれ...
『赤い龍か。白い龍と共に地獄の底で暴れまわっていた頃が懐かしい限りだ...』
俺を見ながらそう言ってきた...
おいドライグ!なにしたんだよ!
『いや...ちょっとな...』
ちょっとってなんだ...
『まぁ良いわ。今日は楽しみにさせてもらおうか。せいぜい死なぬようにな。今宵は貴様達の魂を連れに来たわけではないのだから』
そう言うと、俺達の元を通りすぎていった。
ふぅ...心臓に悪いわ...ったく...
「アーシア、大丈夫か?」
「は...はい...」
まだ少し震えてるな...ぎゅっと抱きしめると、落ち着いてくれた。
次にゼウスとポセイドンがやってきてアザゼル先生に絡んでいた。
他の神様もみんなこれくらい気さくだと安心できるのになぁ...
「来たぞお前達」
この声は...!
「タンニーンさん!こんにちわ!!」
その後タンニーンさんは俺達を激励してくれた。
よっしゃ!頑張るぞ...!
タンニーンさんからの応援がアーシアの応援の次に嬉しい...!
タンニーンさん好き...
などと考えていると、オーディン様が通りがかったので、ロスヴァイセさんがぶちギれて追いかけ回していた。
部長に止めるように言われたけど、多分あれは発散させた方が良いと思います...
待機部屋には、お茶お菓子付きのテーブルからトレーニング器具までなんでもござれだった。
俺はアーシアとイチャイチャしながら過ごす...
一応戦力的な意味でも重要だ。
アーシニウムエネルギーをギリギリまで貯めなくては...というのは建前でアーシアとイチャイチャしたいだけだ。
心を落ち着かせる意味でも、やる気を上げる意味でもね...
ロスヴァイセさんは俺達をガン見しながら、調整していた...多分リア充への怒りを溜めているのだろう...
途中でライザーがやってきて、部長に叱咤激励していた。そういう所は良い奴だと思うよ。
敗北も知ったし、しっかり精神的に成長できて、後は力を付ければ案外部長と釣り合うのではないだろうか。
流石にないか...?まぁどうでもいいや。
いよいよ試合の時が近づく...
────────────────────────
俺達は今、入場ゲートの通路で待機している。
基本的に皆は駒王学園の制服(防御力の高い特別製)なんだが、ゼノヴィアは戦闘服、ロスヴァイセさんはいつもの鎧、アーシアはシスター服だ...
俺もアーシアに合わせて神父の服にしようかなぁ...
でも信仰も糞もないのに、着てはいけないだろうな...
あー...あの時俺も祈って良いようにお願いしてれば今頃アーシアに教えを説かれながらイチャイチャできたのになぁ...
ミカエル様に怒られそう...
なんてアホな事を考えていると部長が口を開いた。
「....皆、これからは始まるのは実戦ではないわ。レーティングゲームよ。けれど実戦にも等しい重さと空気があるわ。観客に囲まれながらだけれど、臆さないようにね!」
その後すぐにサイラオーグさん達がアナウンスに従って入場した。
大歓声が巻き起こる...
「緊張しますぅぅぅ!!」
「大丈夫だギャスパー。俺とアーシアでギリギリまでお前の前でイチャイチャしてやる」
「ほんとですか...?ちょっと安心かも...」
「そんな事で安心しないでちょうだい...全く...どこに行ってもイッセーとアーシアは平常運転ね...」
「アーシアとイチャイチャする以上に大事な事はないですからね!」
「イッセーさん...」
アーシアがぴとりとくっついてくれる。可愛い。
「全く...これでも緊張してたのに貴方達のせいで台無しじゃない...フフッ。.....皆、改めてここまで私に着いてきてくれてありがとう。さぁ、行きましょう!やるからには勝つわよ!」
「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」
『リアス・グレモリーチームの入場です!!』
ゲートをくぐり抜けると大歓声が俺達を迎える...
イリナの声も聞こえるな...
結構特徴的な声だし...
あっ、あそこに居た!しっかり応援に来てくれたらしい。
流石は教会三人組の一角、ええ子や...
視界に写るのはだだっぴろいフィールドに浮かぶ二つの岩、岩の上部は人数分の椅子とダイス用の台、移動用の魔方陣があった。
どうやらルールは俺が知ってる物と変わらないみたいだな...
『ごきげんよう皆様!今夜の実況は私、元七十二柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送り致します!!更に、今夜のゲームの
『そして特別ゲスト!解説として堕天使の総督アザゼル様にお越し頂いております!どうも初めましてアザゼル総督!』
アザゼル先生が解説...なんか、三勢力の和議を目の当たりにした身からすると、ちょっと感慨深いよなぁ...いやまぁ別に和平前のいざこざとか実際には全然知らんからそんな気がするくらいだけど...
『更にもう一方お呼びしております!レーティングゲーム、ランキング第一位!現王者!皇帝!ディハウザー・ベリアルさんです!』
『ごきげんよう皆さん。ディハウザー・ベリアルです。今日はグレモリーとバアルの一戦を解説する事になりました。どうぞよろしくお願い致します』
ディハウザーさん...まぁ今考えることじゃないな。
それからルールが説明される。
今回のルールは「ダイス・フィギュア」。王二人がそれぞれのダイスで出した目の合計が持ち点となって、チェスにおける兵士を1とした駒の価値が眷属それぞれのコストになる。例えば女王である朱乃さんはコスト9だ。王であるサイラオーグさんや部長の価値は委員会が総合的に判断して決定したそうだ。そして、一戦するたびにダイスを振り直して最終的に王を取った方が勝ちだ。
ただし、同じ選手が連続出場する事は叶わない事に注意しなければならない。
こんなルールで戦略考えるとか無理ゲーでは?
少なくとも俺には無理だ...
ここでグレモリー眷属の価値を整理しておこう。
木場、ゼノヴィア、アーシア、ギャスパーは価値が3だ。
小猫ちゃんとロスヴァイセさんは価値が5。
俺と部長は価値が8。
朱乃さんが価値9。
兵士が俺しかいないので基本的に少数または一人で戦う事になる。
ちなみにサイラオーグさんは12。やばすぎ...
部長や木場曰く、レーティングゲームはパフォーマンスも求められるので序盤に最大値の12が出てもサイラオーグさんは出場しないと考えられるそうだ。
ワンマンチームは評価が下がるのだ。サイラオーグさんもただの脳筋マンパワー男とは思われたくないからなるべく終盤に自分を持ってくるはずらしい。
「アーシアを出すのは悪手になるわね。今回貴女にはここに残って皆の治療をしてもらうわ。試合に出してあげられなくてごめんなさいね?」
「いえ...」
アーシアは少しだけ寂しそうな顔をしていた。
俺も寂しいけど、このルールでアーシアを出すのは良くない事くらいわかる。それにアーシアの回復は大きなアドバンテージだ!
『それでは運命のゲームがスタートとなります!両陣営、準備はよろしいですね!?』
『これより、サイラオーグ・バアルチームとリアス・グレモリーチームのレーティングゲームを開始致します!ゲームスタート!!』
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最初のダイスは、合計が3となった。滅茶苦茶出目少ない...
『作戦タイムは5分です。その間に出場選手を選出してください。なお兵士のプロモーションはフィールドに到着後、昇格可能となります』
陣地が特殊な結界で覆われて、防音され口元にも魔方陣が展開されて読唇術も防がれる。
正直あまり覚えてない...
最終決戦では生き残ったメンバー全員出動って話になったことと、途中でサイラオーグさんが木場、ゼノヴィア、ロスヴァイセさんに腕を切られたことしか覚えてない...
まぁそれを知ってるだけでも充分すぎるわけだが...
というか同じ流れになるのだろうか?
うちの眷属は僧侶が二人ともサポートタイプなので、こういう時には木場かゼノヴィアしか選択肢がない。
「やはりここは祐斗で行きましょう。ゼノヴィア単体ではテクニックタイプにやられる可能性もあるし、勝てたとしてもエクス・デュランタルの仕様がバレてしまうかもしれないもの。序盤で切るには勿体ないわ」
「それじゃあ行ってくるよ」
木場は颯爽と魔方陣まで歩いていった。
頑張れよ木場...
木場が転移した先は緑の平野だった。
相手は青白い炎を撒き散らす馬に乗った甲冑の騎士だ。
『キャアアアアア!木場きゅううううん!!』
女性ファンが爆発した。流石は木場。グレモリーのイケメン担当だ!
ちなみにグレモリーチームの人気順は、部長がトップ、そのちょっと下くらいに朱乃さんと木場、更に少し下に小猫ちゃん。そこから結構差が空いてギャスパー、アーシア、俺、ゼノヴィア、ロスヴァイセさんだ...今まではダントツで下が俺だったのだが、ダークヒーロー云々でちょっと株が上がったらしい...
ロスヴァイセさんはそもそも眷属になったばかりなので今回の戦い如何でファンも増えるのではないだろうか...?
後アーシアのファンはもっと多くていいのに。でも増えないで欲しい。葛藤だ...
「私は主君サイラオーグ・バアル様に仕える騎士、ベルーガ・フールカス!」
相手は名乗りを上げる。流石騎士。
「僕はリアス・グレモリー様の騎士、木場祐斗です。どうぞよろしく」
アザゼル先生の解説で相手の乗っている馬が地獄の最下層、コキュートスの深部に生息するという高位の魔物であるとの解説があった。
『第一試合、開始して下さい!』
試合が始まると同時に、相手は突撃してくる。
恐るべきスピードだ...木場は着いていっているけど...
火花が散り、幾度となく斬り交わす。
木場が足場を封じる為に、大量の剣を生やした。
しかし馬は空を駆けてそれを避ける...
なんでもありだなあの馬...
木場はすかさず雷の聖魔剣で攻撃するが、相手は手持ちのランスを捨てて避雷針にする。
その後、空間から新しいランスを取り出す。
うぉお!初戦からすっげぇハイレベルな戦いだ!
しかも相手は大量に分身して皆で攻撃する!
しかもちゃんと一個一個が攻撃できるのか...!
木場は分身にじわじわと押されていく...
「...初手から手の内を見せるのは嫌だったんだけど、出し惜しみをしていたら逆にスタミナを消費してしまうそうだ...」
そう言った木場は聖剣を構えて呟いた。
「
地面から聖剣が出現して、どんどんと甲冑の形になっていく...
「
そう!見事に木場は
良かったな木場...俺もお前を殴ったかいがあった。
この龍騎士団は木場と同じスピードと技量を持っているのだ。恐ろしすぎる。
完成した後にいっぱい攻撃されちゃった...
木場も流石に鬱憤が少し溜まっていたのだろう。
自分でやれと言っておきながらそれはどうなのだろうか...
龍騎士団と幻影が衝突する。
木場はしっかりと敵本体を斬っていた。
見事と言う他ない。流石は木場。
『初戦を制したのはグレモリーチーム!さぁ次はどうなるのでしょうか!』
次の合計は6だった。
「さて...戦車のどちらか一人を出すか、ゼノヴィアとギャスパーに出てもらうか...相手はどう出てくるかしら...」
「ゼノヴィアとギャスパー君のコンビでいいんじゃないでしょうか?もし相手の戦車が出たならギャスパー君のサポートが光りますし、騎士、僧侶のコンビなら片方をギャスパー君が止めている間にゼノヴィアが高火力で攻められます」
木場が言う。説得力のある言葉だ...
「そうね...」
「いいものを見せてもらったからね、是非次は私に戦わせてくれよ」
ゼノヴィアが言う。好戦的だなぁゼノヴィアは...
「....わかったわ。ゼノヴィア、ギャスパー、頼んだわよ!」
「はいぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「頑張れよ!ギャスパー!ゼノヴィア!!」
俺はグッドサインをする。
「任せてくれイッセー」「頑張りますぅぅぅ!!」
ギャスパー大丈夫か...?
二人は魔方陣に乗って消えていった。
頑張れよ...二人とも!!