アーシアしか勝たん   作:min-can

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第61話。決まります、覚悟!

 相手はリーバン・クロセルという騎士と、コリアナ・アンドレアルフスという僧侶だ。

 

 第二試合が始まった。

 

「ギャスパー、騎士を止めなさい!」

 

「はぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 部長指示でギャスパーが騎士を神器(セイクリッド・ギア)で停止させようとするが...!

 

「キミも目を使うタイプの神器(セイクリッド・ギア)だろう?俺もさ!だからこそ弱点も知ってるよ!」

 

 そういって魔法で鏡を生み出す。

 これは不味い!!

 

「えっ...」

 

 ギャスパーが止まってしまった!

 すかさず相手の騎士はゼノヴィアを見る。

 あいつはギャスパーと同じ視覚を介した重力の神器(セイクリッド・ギア)を持ってるんだよな...

 

「ぐっ...!!おのれ...!」

 

 ゼノヴィアは重力に捕らわれ、抵抗しようとしてるけどなかなか動けないようだな...

 

 そのまま僧侶がギャスパーを攻撃して、ギャスパーはリタイアしてしまった...

 まさか鏡を生み出すとは...

 

「おのれっ!よくも後輩を...!」

 

 ゼノヴィアが激怒する。

 

「君はもう動けないだろう。このまま俺達にやられてくれたまえ」

 

 騎士は勝利が確定したといった様相だ。

 

「...例え動けなくとも、貴様くらいなら、倒せる...!はぁぁぁぁぁあああ!!!!」

 

 ゼノヴィアはデュランダルのオーラを解放する。

 そのまま射出した!振らなくてもそんな事もできるのか...

 

 油断している騎士に直撃して、騎士はリタイアした。

 

「後はキミだけだな...借りは返させて貰おう!」

 

 魔法が使えるだけの僧侶に勝ち目はなく、勝者はゼノヴィアとなった。

 ...しかしいきなりギャスパーがやられちまうとは...

 

「...すまなかった。私がギャスパーを守らなければならなかったのに」

 

「...いいえ、私の采配ミスよ。あの騎士が目の神器(セイクリッド・ギア)だというのはわかっていたのだから、光による目潰しに対処する術として鏡を持っていても全くおかしくなかったもの...ギャスパー...」

 

 部長は序盤で仲間を一人失ってしまって非常に悔しそうだ...

 眷属思いの部長はあまり見たくない光景だろう。

 とはいえ、そんなもの予想できる人がどれだけ居るというのか...居るんだろうなぁ、悪魔の世界には。

 

 畜生...ギャスパーだってすごい力を持ってるのに、やっぱり相性や対策は大事なんだな...

 とはいえ、ここで終わるわけじゃない...

 ギャスパーの無念を背負って次の戦いに繋げなければ...!

 

 ────────────────────────

 

『それでは、運命のダイスロール!三回目です!!』

 

 出た目の合計は9だった。

 

「9...序盤でこれは少し難しいわね...戦車二人のどちらかと祐斗が無難かしら...?」

 

「...私が行きますわ」

 

「朱乃...?まだ中盤にも差し掛かっていないのよ?少し早くないかしら...?」

 

「いいえ、恐らく相手は女王で来ますわ。既に三人も撃破(テイク)されている現状、あちらはこれ以上の駒の消費を押さえて一度こちらの戦力を削ぎたいはず...万一女王じゃなくても私なら広域攻撃が可能ですから、複数相手取るのも問題ありませんわ?」

 

「...そうね。貴女にならここを任せられるわ。ここで勝利できれば間違いなく大きなリードになる...」

 

「では、行ってきますわね?」

 

 朱乃さんはそう言って魔方陣へと向かった...

 かっけぇ...流石は朱乃さん...

 

 現れたのは、見立て通り女王のクイーシャ・アドバンさんだった...

 (ホール)という厄介な能力を使う人だ...

 この序盤で女王対決...結構な分かれ目だぞ...?

 

「あら、いきなり貴方が来るのね、雷光の巫女さん?」

 

「ええ、よろしくお願い致しますわ」

 

『それでは、第三試合開始して下さい!』

 

 開始と同時に大量の魔力の撃ち合いが始まった。

 今の所は両者互角だが...

 お互いまだ魔力攻撃以外を見せていない...!

 

 朱乃さんが雷光を放つと、相手の女王は穴を発生させて吸収していく。

 

「ここですわ!」

 

 朱乃さんは更に雷光の範囲を広げて、もはやフィールド全土を覆うほどに広げられた爆撃は...しかして大量の穴を作る敵女王に全て喰われてしまった!

 穴は何個でも色んな大きさで作れたのか...!

 

 そのまま、吸収した雷光から雷の要素を抜いた光の魔力が朱乃さんの後ろに生成された穴から放出され、朱乃さんはその威力にリタイアしてしまった...

 

 くっ...朱乃さんが短時間でやられてしまった。

 痛手だ...しかし、女王が何個でも穴を広げられるとか、カウンターに使えるって情報は知らなかったのでそれだけでも価千金の価値だ...!いや普通に朱乃さんをここで失ったのは痛い!!

 

「...気を取り直すわよ。朱乃が必死で私達に残してくれた情報、生かさない手はないわ!朱乃の為にもね...!」

 

 部長は無理やりといった感じで叫ぶ。

 自分の眷属が次々にやられる様は部長にかなり精神的なダメージを与えているんだろう...

 おまけに一番信頼している朱乃さんだからな...俺も内心ショックだ。なんだかんだ頼りになる先輩として見ていたからな...

 

 次のダイスは合計5だった。

 

「これは...戦車しか選択肢がないわね...相手戦車との単独での戦闘を考えるのなら...小猫、いけるかしら?」

 

「....はい、行けます」

 

 一言に十二分の闘志が含まれている...

 ギャスパーや朱乃さんの敵討ちだ...!頑張れ小猫ちゃん!

 

 小猫ちゃんは静かに魔方陣で飛んでいった。

 

「サイラオーグ様の戦車、ガンドマ・バラム」

 

「...リアス・グレモリー様の戦車、搭城小猫」

 

 二人は口数少なく名乗りを上げて、構える。

 

『それでは第4試合、開始して下さい!!』

 

「相手が相手なので初っぱなから行きます」

 

 そう言うと、小猫ちゃんは猫耳を生やして、尻尾が二本に別れる。

 

 小猫ちゃんの新技猫又モードレベル2!全身に纏った闘気でパワーと身体能力を底上げする!

 

 小猫ちゃんは俊敏な動きで肉薄し、相手の顔面を殴る。

 かなり鈍い音が響くが、いまいちダメージは入っていなさそうだ...

 

 バラムが反撃する。威力自体は高いがスピードはないので難なく小猫ちゃんも避ける。

 

 これは...長期戦になりそうだな...

 小猫ちゃんは仙術による防御無視の内部破壊で時間をかけるしかない。バラムは自分の体力が削られきる前に一撃でも入れられたら小猫ちゃんに大きなダメージを与えて、そこからは恐らく一方的な物になるだろう...

 更に言えば小猫ちゃんの体力勝負でもあるな。

 

 ただ、ここで小猫ちゃんを選んだのは正解だったな。

 ロスヴァイセさんでは、この防御を崩す策が出ないかもしれない...

 この前ヘラクレスにやられてたしな。

 

 そこからはまさに蜂VS熊といった様相だった...

 何度も何度も小猫ちゃんが仙術で攻撃して、バラムは撃ち落とそうとするが小猫ちゃんがひらりと回避する...

 遂にはバラムが口から血を流し始めた...自慢の防御力もかなり削られているようだが...

 

「....はぁ...はぁ...はぁ...」

 

 ただ、小猫ちゃんの疲弊もかなり酷くなってきた...

 更に言えば石礫などの攻撃の余波もじわじわと小猫ちゃんの体を蝕んでいる...

 このままでは猫又モード2が解けてしまいかねないな...

 猫又モード無しでこの戦車と戦うのはかなり厳しい物があるだろう。

 

 お互い後が無くなってきた。

 

「ぬぅぉおおおおお!!!!」

 

 相手の戦車が全力で地面を打ち付ける。

 小猫ちゃんは足元が急に崩れたせいで反応しきれていない。

 

「ぐっっっ!!」

 

「がぁぁぁぁ!!!!」

 

 バラムの蹴りが小猫ちゃんに当たった!!

 一応腕で防御はしていたようだが...壁に打ち付けられる。

 

「かはっ!!」

 

 小猫ちゃんは倒れてしまった...

 くっそ...でも、頑張ったよ小猫ちゃん...!

 もはやバラムは出すだけコストの無駄ってくらいには消耗してる!相手にはアーシアみたいな回復役がいない以上リタイアも同然だ...!

 

「小猫...!もう...大丈夫...貴女は充分に活躍したわ...だから...!だから...!」

 

 部長は泣きそうになりながら叫ぶ。俺はモニターの先にいる小猫ちゃんの目を見た。

 ...違う。小猫ちゃんの目はまだ死んでない。

 まだ動く...やるつもりなんだ...

 

「小猫ちゃんはまだ立ちますよ。貴女の為に立つんです部長、見てあげてください」

 

 俺はついそう言ってしまった。

 

 やはり小猫ちゃんは立ち上がる...フラフラと立ち上がる。

 俺だって見るに耐えないけど...俺は知ってる。

 小猫ちゃんの気持ちがわかる。

 どれだけ体が傷つこうとも、内蔵が破裂しようとも立ち上がるんだ。ただ守りたい物の為に...勝利をもぎ取る為に!

 

「.....まだ...やります...やれます...!」

 

「もう一発ぶちかませ!!小猫ちゃん!!!」

 

 俺はつい叫んでしまった。

 

「....はい!」

 

 小猫ちゃんは駆け出す。

 恐らく小猫ちゃんの残りの全てをこの一撃に込めているだろう。

 食らってみろバラム。今からの一撃は自慢の防御も関係ないぜ。意思の力が限界まで乗った渾身の一撃だ...!!

 

「ぬぉおおおお!!!」

 

 バラムも攻撃しようと振りかぶるが遅い。

 

「はぁぁぁあああ!!!」

 

 ドゴンと小猫ちゃんの拳が戦車の腹に突き刺さった。

 戦車は血反吐を吐きながら壁に突き刺さり、リタイアしていった...

 

「....やり...ました...」

 

 小猫ちゃんも倒れてリタイアする。

 

『第4試合の結果は引き分けです!!素晴らしいバトルでした!!しかーし!まだまだ勝負の行方はわかりませんよぉ!?それでは、第5試合のダイスをお願いします!』

 

「...小猫。それにギャスパー、朱乃...あなた達の覚悟、あなた達の思い、無念...しかと受け取ったわ...私はまだ覚悟が足りなかったみたいね。...いくわよ皆、三人の分も!私達は絶対に勝つんだから!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 部長はダイス台まで歩いていく。

 

「ほう、リアス。顔つきが変わったじゃないか」

 

 サイラオーグさんがリアスさんに話しかける。

 

「えぇそうね、情けない限りだわ。眷属皆の覚悟を見てようやく覚悟を決められただなんて...」

 

「それはお前の美点でもあろう。だが、覚悟を決めたというのなら全力で叩きのめす!それだけだ!」

 

「こちらのセリフよ!消し飛ばしてあげる...!!」

 

 部長とサイラオーグさんがバチバチしている...

 でも、部長の顔から悲しみや後悔は消えた。戦う者の顔だ。ここからが本番だぞ...

 

『ダイスの合計は8です...!それでは作戦タイムをどうぞ!!』

 

 ────────────────────────

 

「相手が出せるのは残っている僧侶と戦車だけだわ。兵士や女王の可能性も無くはないけれど、女王は私達のほとんどと相性が良い。迂闊には切れないはず...兵士も恐らくこちらのイッセーと同じように、最後の最後まで温存したいと見えるわ。駒7つの時点でまともではないもの。...となると生粋のサポートタイプと生粋のアタックタイプを相手取るには...」

 

「私に行かせてくれないか。皆がやられていく中で黙っていられるほど、私はできた人間じゃないのでね」

 

「ゼノヴィア...いえ、そうね。どちらにせよこちらもロスヴァイセと騎士二人のどちらかを合わせるしかないのだもの。ロスヴァイセの範囲攻撃と俊敏に動く祐斗では少しだけ相性が悪いわ。どうせならゼノヴィアとロスヴァイセ二人で火力に特化した方が消費も少ないかもしれない」

 

「そろそろ俺は出なくていいんですか?」

 

「イッセー、貴方にはまず何よりサイラオーグを倒して貰うわ。貴方がサイラオーグに負けるのでは、結局どう足掻いても私達に勝ちの目はない。それに、女王を倒す算段がついてるのも貴方くらいなの。ロスヴァイセ、ゼノヴィアは朱乃と同じようにやられるかもしれないし、祐斗も生粋のウィザード相手に立ち回るのは少し厳しい物があるわ。範囲攻撃を食らえばよけきれないかもしれない。そして恐らくあの女王はそれができるわ...となると、物理攻撃のみで穴を封じて、かつあの女王の魔力を正面から受けられるイッセーが適任なのよ」

 

「な...なるほど...」

 

 全然そんなに考えてなかったわ...

 

「本当ならサイラオーグだけに集中してもらいたかった所だけど、女王も貴方に倒してもらう事になるわ。更に言えば兵士だっていい加減出てくるかもしれない...だから、なるべく消耗は避けて欲しいの。貴方はいわば最終兵器よ。祐斗、ゼノヴィア、ロスヴァイセ...あなた達残りのメンバーで確実に次の僧侶と戦車を倒して、サイラオーグや兵士に対してイッセーが有利に立てるような傷跡を残すのよ!!」

 

「「「はい!!!」」」

 

 皆気合いっぱいだ...俺が最終兵器か...

 皆の覚悟を受け取って、その時が来たら俺も頑張らないとな...

 ...サイラオーグさんに、俺の拳は届くのだろうか...

 

 ふと、アーシアが俺の手を握りながら胸に抱く。

 

「イッセーさん...イッセーさんなら大丈夫です!それに、皆さんが...私だってイッセーさんの為に全力で頑張ります...!だから、安心してください!」

 

「アーシア...ありがとう、肩の力が抜けたよ」

 

 アーシアを抱き寄せる。好き...

 

「全く...私達がお前の為に頑張ろうという時にまでイチャイチャしてくれるとは...」

 

 ゼノヴィアが呆れたといった感じの顔をしている。

 

「だがまぁ、ギャスパーの気持ちもわからんでもない。お前達を見ていると、こう...少し心が落ち着くよ」

 

「私は心中穏やかではないですけどね...」

 

 可哀想なヴァルキリー...まじで誰か貰ってあげて...普通にめちゃ優良物件なので...まじで美人だし真面目だし...

 このままじゃ非リア思考に染まっていっちゃうよ!

 

「ゼノヴィア、ロスヴァイセさん!頑張って!二人なら余裕でボコボコにできる!!」

 

「任せろ!」

 

「ようやく出番ですからね、少しくらいは活躍しないとリアスさんに顔向けできないもの」

 

 二人は意気揚々と魔方陣へと向かっていく。頼もしい...

 

『それでは、第5試合開始です!!』

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