アーシアしか勝たん   作:min-can

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第62話。 激化します、戦闘!

 第5試合の会場に二人が転移した。

 相手はやはり僧侶と戦車だった。

 

「バアル眷属が僧侶、ミスティータ・サブノック」

 

「同じく戦車、ラードラ・ブネ」

 

「グレモリー眷属が騎士、ゼノヴィア」

 

「戦車、ロスヴァイセ」

 

 全員で手短に名乗りを上げる。

 

『それでは、第5試合開始です!!』

 

 アナウンスが流れると同時にゼノヴィアがデュランダルの一撃を放つ。

 

 相手は両者それを回避して僧侶は魔力を放つ。

 ロスヴァイセさんが相殺ついでに攻撃する為に大量の魔方陣で爆撃するが、僧侶の前に戦車が立つと体をボコボコと盛り上がらせて、ドラゴンへと変身した!壁役となる。

 更に僧侶は怪しげな力を高めていく...

 

「...ブネは悪魔でありながらドラゴンも司る一族...けれど変化できるのは家の血を引く者でも限られているはず。それに今まで彼にそんな情報はなかったわ...つまり、鍛え上げて覚醒させたといった所かしら...」

 

 ゼノヴィアは聖剣で斬りかかるが、なかなかダメージを与えられないようだ...

 ロスヴァイセさんの砲撃ももろともしない。

 ドラゴンの鱗って普通にやばいからな...フェンリルのガキとフェンリルが簡単にタンニーンさんの鱗破壊出来てたのはあいつらが特殊なだけだ。

 ゼノヴィアのデュランダルビームなら倒せるんだろうけど、溜めに時間がかかるからな...

 

 後は動きがない僧侶が怖い、何をしてるんだ?

 ゼノヴィアが溜めを始めると、僧侶が叫んだ。

 

「ここだ!聖剣よ、その力を閉じよ!!」

 

 僧侶の杖が不気味に光り、その光がゼノヴィアを包み込んでいく...

 ゼノヴィアは動かなくなり、ついには剣を地面に下ろしてしまった...

 

「...これは...デュランダルが反応しない!」

 

 僧侶は急激にやつれていた。

 

「僕は人間の血も引いていてね...神器(セイクリッド・ギア)異能の棺(トリック・バニッシュ)。僕の体力や精神力を極限まで費やすことで、特定の相手の能力を一定時間完全に封じるんだ」

 

「それでデュランダルの力を封じたと言うのですか!?」

 

 ロスヴァイセさんが叫ぶ。

 

 ドラゴンが動けなくなったゼノヴィアに襲いかかるが、ロスヴァイセさんの魔方陣をフルバーストさせた攻撃で少し怯む。

 その間にロスヴァイセさんがゼノヴィアを回収して飛び去った。

 

「.....すまない。私は役立たずになりそうだ」

 

「いいえ、私の魔法でなんとか解呪してみせます。その後存分に活躍してください」

 

「どこだぁ!!!」

 

 ドラゴンが暴れまわる。見つかるのは時間の問題だな...

 

「ロスヴァイセ、解呪できそうかしら?」

 

 部長が聞く。

 

「はい、これくらいならなんとかしてみせます」

 

 そう言ってロスヴァイセさんは複数の魔方陣を起動して、ゼノヴィアを包み込んでいく...

 

「....少し、時間がかかりそうですね。私はこの間にドラゴンの気を引きながら、僧侶も狙ってみます」

 

「...助かった。解呪され次第、私がデュランダルであのドラゴンを消し飛ばしてやろう」

 

「お願いしますね。では行ってきます」

 

 ロスヴァイセさんは飛び立つ。

 

「ほう、ヴァルキリー1人か。あの騎士を今のうちにやらねばならんので貴様に構っている暇はないのだがなぁ!!」

 

 ドラゴンがブレスを吐いて攻撃するが、ロスヴァイセさんは防御術式を使って逸らす、上手い!

 そのまま魔方陣をドラゴンに向けながら、数個だけ別の方向に動かす。

 

「まさか貴様!!」

 

 ドラゴンが叫ぶが遅い...

 魔方陣が輝きあらゆる属性の魔法が放たれる。

 

 魔力も体力も削りきった僧侶はそのまま抵抗できずにリタイアだ...

 

 ドラゴンも防御姿勢で動けない...

 

「流石ロスヴァイセさん!!そのままやっちゃって下さい!!」

 

「おのれぇぇぇぇぇええ!!!」

 

 ドラゴンはロスヴァイセさんに向けてブレスを吐く。

 ロスヴァイセさんは再び逸らそうとしたが、あまりの威力に逸らしきれなかった...

 

「ぐぅぅぅぅ!!」

 

 煙に包まれて墜落していく...

 とはいえ、リタイアではないようだ。

 ロスヴァイセさんの防御術式と戦車の防御力は伊達じゃない!!すぐに浮き上がってきた...

 

「流石はドラゴンといった所ですね...でも、あなた達の負けです」

 

「なんだと!?」

 

 ドラゴンの後ろには聖剣のオーラを充分に蓄えたゼノヴィア...!

 

「これで終わりだぁぁああああ!!!」

 

 大質量のオーラがドラゴンを包み込み、体力を削りきる。

 

『第5試合勝者!ゼノヴィア選手、ロスヴァイセ選手!!』

 

 ────────────────────────

 

「良くやったわ、二人とも。これで残るは女王とサイラオーグと兵士だけ...人数だけで言えばかなり追い詰めてるわ」

 

 ロスヴァイセさんはアーシアの治療を受けている。

 

「そろそろ俺の出番ですね...」

 

「まだ、僕達の出番も残っているよ?」

 

「あぁ...!わかってる!木場!ゼノヴィア!ロスヴァイセさん!!皆ならきっとサイラオーグさんにだって通用する!」

 

「そうだね...腕の一本や二本は頂くつもりだよ」

 

 そう言った木場の顔には一応笑顔が浮かんでいるが、それでもなお隠せない怒りを感じさせた。

 そりゃそうだな。ずっと一緒にいた眷属の仲間がやられてるんだ。

 

 ────────────────────────

 

『続いて第六試合のダイスです!』

 

 二人がダイスを投げる。合計は9!

 

「...いよいよね。イッセー!相手は女王か、兵士か...どちらでも貴方が倒すのよ!!」

 

「はい!...皆の思い、きっと背負ってみせます!!倒します!!」

 

「イッセーさん!頑張って下さい!!」

 

「あぁアーシア!!絶対に勝つぜ!!」

 

 俺は魔方陣に立った。かなり終盤でようやく俺の出番だ...!

 フィールドに立つとやはり女王が来ていた。

 

『それでは第6試合、開始して下さい!!』

 

『Count down! Ten!Nine!Eight!』

 

「リアス・グレモリー様が兵士、兵藤一誠」

 

「サイラオーグ・バアル様の女王、クイーシャ・アドバン」

 

 自己紹介も終わり、空白の時間が流れる...

 俺が禁手化(バランス・ブレイク)するまで待つつもりか?

 

『One!』

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

 

「あなたがどういうつもりで俺の禁手化(バランス・ブレイク)を待ったかは知らないですけど、行かせてもらいますよ?」

 

「えぇ、どうぞ」

 

 俺はブースターを噴かせて突撃する。

 最高速よりは少し下だ。ホールの能力が人間を吸い込む可能性もあるからな...!

 

 女王は俺に魔力をぶつけてくる。

 ...残念だけどロキの魔法に比べたら全然怖くない...

 無視して突貫だ!!

 

 そのまま肉薄して、腹に一撃を入れる。

 

「かはっっっっっっ!!!」

 

 女王は壁まで吹き飛んだ。

 

「....あなたはサイラオーグ様が必ず下すわ...」

 

 女王は消えていった。

 あの様子だと、穴は人間を取り込める訳じゃなさそうだな...

 弱点は純粋な物理攻撃だったってわけか...

 朱乃さんは完全に出すタイミングを間違っていたって訳だな...

 まぁゲームだ。そういう事もあるだろう。

 .....

 

「お疲れ様です!イッセーさん!」

 

「あぁ、アーシア!まぁ疲れてはないけど...」

 

 アーシアが念のためと回復してくれる。

 単純に体がぽかぽかするし、禁手化(バランス・ブレイカー)でつかったエネルギーも回復していく...

 

「ありがとうアーシア。これで一切消費無しで女王を下したのと一緒だ!」

 

「はい!」

 

「....話には聞いていたけどすごい力ね...あなた達は一体どこに向かっているの...?」

 

「アーシアと俺の愛のなせる技です!」「はい!」

 

 アーシアとぎゅっと抱き合う。

 

「.....まぁいいわ。お疲れ様、イッセー。これで残るは兵士かサイラオーグ...できるだけ削るわよ、皆!」

 

 部長が真剣な顔で呟く。

 そりゃそうだな。なるべく削ってこいなんてサクリファイスと何ら変わらない。

 でも、それを言えるだけの覚悟を今部長は持っている...

 眷属愛溢れる部長がここまで覚悟を決めているんだ。皆だって俺や部長のために...勝つために死ぬ覚悟だ。

 それに答えられないなら俺は今すぐにでも眷属をやめるべきだろう。

 気合いれろよ...俺...!

 

『では、ダイスを振って下さい...!』

 

 二人がダイスを投げる...

 

『おぉっと!!ここでまさかの12!!最大値です!!』

 

 ここで引いてくるか...流石サイラオーグさん。

 まぁもちろんサイラオーグさんが出てくるな...

 

「じゃあ、行ってくるよ」

 

「任せたぞイッセー」

 

「後は頼みます」

 

「任せてくれ...!必ず...必ず倒してみせる!!!」

 

 俺にはそう言う事しかできない。

 

 ────────────────────────

 

 フィールドには、仁王立ちするサイラオーグさんと、それを見上げる三人の姿があった。

 

「リアスの案か?」

 

「.....」

 

「そうか、やはりこのゲームで一皮むけたようだな。さて、お前らでは俺には勝てないが...いいんだな?」

 

「ただでは死にませんよ。最高の状態で貴方を赤龍帝に送り届けます」

 

「いい台詞だ!お前達はどこまで俺を高まらせてくれる...!?」

 

『第7試合、開始して下さい!』

 

 サイラオーグさんは体に術式の紋様を浮かべると、それを破壊した。

 その瞬間から溢れでてくるのは恐ろしいほどの闘気...!

 これがサイラオーグさんの本気...!!

 

「一切油断はしない!貴様らは覚悟を決めた戦士だッ!生半可な相手じゃない。ならば!俺も本気で立ち向かうのが礼儀だ!!!」

 

 そう言うとサイラオーグさんは駆け出す。

 

 ロスヴァイセさんが魔方陣で掃射する。

 しかし、サイラオーグさんは高速で動き回り、殴り付けて魔法を回避していく...!

 やがてロスヴァイセさんに接近すると、その腹部を殴りはるか後方まで吹き飛ばした...!!

 

 リタイアの光が見える...

 

 そうこうしているうちにゼノヴィアがサイラオーグさんに正面から斬りかかるが、サイラオーグさんは一瞬でゼノヴィアの背後に回るとゼノヴィアに蹴りを放った。

 ゼノヴィアはすんでの所で回避するが、蹴りの先の湖が裂ける...!

 

 木場がすぐにゼノヴィアとサイラオーグさんの間に聖魔剣で壁を作るが、ガラスのように砕かれしまった。

 木場は全力で逃げようとするが、サイラオーグさんはその速度についていってそのまま木場を聖魔剣の防御ごと打ち砕いた。

 ゼノヴィアが溜めの短いデュランダルの波動を放つと、それを真っ向から受け止めて闘気で消し飛ばす。

 

 ゼノヴィアと木場の同時攻撃も最小の動きで避け続ける。

 木場が聖剣に持ち変えて放った龍騎士団も、あっという間に砕き尽くされた...!

 瞬間サイラオーグさんは二人の間に体をねじ込んで拳をゼノヴィアの腹に、蹴りを木場の横腹にぶち込む。

 

 骨が砕ける音がして二人は吹き飛ぶ。

 しかし、まだ立ち上がる...

 

「まだ楽しませてくれるのか?」

 

「...あぁ!楽しませてやるさッ!」

 

 そう言った瞬間、サイラオーグさんの背後にロスヴァイセさんが現れた。

 

「油断しましたね!近距離からのフルバーストならどうですか!!」

 

 そういうと、ほぼ0距離から魔方陣を起動して大量の魔法が放たれる...!

 流石のサイラオーグさんも直撃にはそれなりのダメージを受けたようだ。体から煙が上がっているだけだけど...

 

 部長曰く、ゼノヴィアがエクス・デュランダルから切り離した擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)をロスヴァイセさんに預けて、サイラオーグさんに擬態したロスヴァイセさんを殴らせてリタイアと思わせた所で透明になって油断する瞬間を待っていたようだ。

 

 さらにはより騙す為に、擬態した物にリタイア演出っぽい物を出す魔法をつけたり、聖剣を持つために何重にもダメージを緩和する魔方陣を張っていたりなどといった工夫も、ロスヴァイセさんによって一瞬の間に行われていたらしい。流石はロスヴァイセさん!!

 真剣な戦いではめっぽう強いな!!

 

「....見事だお前達。俺は敬意を払うと共に、これを贈る事にしよう」

 

 そう言った瞬間に三人は後ろに飛び退く。

 サイラオーグさんの拳が放たれると、後ろに居たはずのロスヴァイセさんがリタイアの光に包まれていた。

 拳圧だけでロスヴァイセさんを倒したのか...!

 

 ロスヴァイセさんの最後をみることなく駆け出していたゼノヴィアがサイラオーグさんの右腕に斬りかかる!

 ....が、薄皮を斬るに留まった。

 しかし木場が加勢に入って、二刀流の聖魔剣でデュランダルを押し込む!

 二人の力によって、ついにサイラオーグさんの腕は切断された...!!

 

「....見事だ。右腕はお前達にくれてやろう。これで俺はフェニックスの涙を使わざるを得なくなった。万全の態勢で決戦に望みたいからな」

 

「かはっっっっ!!!」

 

 そう言うと、ゼノヴィアの腹に拳をぶちこんで一撃で意識を刈り取った。

 更には木場の所へ急接近すると、木場の横腹を蹴り抜く...!

 たってはいけないような音がして木場は吹き飛んだ...

 

「....見事としか言いようがない。お前達と戦えた事に感謝する」

 

 サイラオーグさんはそう言い残して帰って来た。

 

 ────────────────────────

 

「........」

 

 俺は何も言えない。皆は良くやってくれた。サイラオーグさんの腕を斬るなんて大金星だ。

 だけど...違う。

 サイラオーグさんは真剣に皆と対峙して、真剣に戦った。誠実な人だ。

 だけど...あぁ、京都の時と一緒だな...

 皆が無惨に痛め付けられている所を見ると、どうにも収まりがつかない...

 

「...サイラオーグ....」

 

 俺は奴を見つめる。

 あちらも俺を見返す。

 言葉はいらない。視線だけで充分だ。

 それだけで言いたいことは伝わる...

 

 今すぐにでもお前を地に伏せさせるッ...!!!

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