アーシアしか勝たん   作:min-can

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第69話。 契約です、ファーブニル!

 次の日、俺とアーシアはアザゼル先生にグレゴリの研究所へと呼ばれた。勿論オーフィスと一緒だ。....

 アザゼル先生、首が飛ぶ云々言ってたくせに結構アグレッシブにオーフィス連れて回しますね。

 

「悪かったなイッセー。余裕が出てきてると聞いたんでよ、お前にも一緒に来て貰ってちょっとアーシアに試して欲しい事があったんだ」

 

「私ですか?」

 

「あぁ。アーシア、お前は前から攻撃または自衛手段が欲しいって言ってただろ?イッセーの負担を軽くしたいって」

 

「はい...」

 

「アーシア...気にしなくて良かったのに」

 

「その...これからも戦いがあるかもしれないじゃないですか...そんな時に、イッセーさんの手助けが出来るような力が欲しいなって...」

 

「そっか...ありがとなアーシア」

 

「はい!」

 

 俺達は抱きしめ合う。

 

「はいはいごちそうさんっと。それでだ、本来ならもうちっと後の予定だったんだが、オーフィスとあっという間に仲良くなってる様子を見て、早めにやる事にした」

 

 まさか...

 

「アーシア、お前には俺の契約龍、ファーブニルと契約を結んでみて貰う」

 

「わ...私が五大龍王のファーブニルさんとですか!?」

 

 アーシアがびっくりしている。

 俺もびっくりだ...このタイミングでなのか...

 

「お前は蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)と契約を結んだな。その時点でかなりの契約...それもドラゴンとの契約の才能があると思っていた。イッセーと出会ったのも、イッセーとそこまで深い関係になったのも、その才能というか巡り合わせが働いていると俺は考えてる。そして極め付きにオーフィスだ。これだけの龍とあっという間に親交を深められるお前なら、きっとファーブニルとも契約が結べると思うんだ。もちろん無理でも構わないさ、チャンスはいくらでもあるからな」

 

「イッセーさん...どうしましょう...!」

 

 アーシアは非常に困惑しているようだ。確かに、突然こんなこと言われたら困惑するだろうな...

 

「受けてみようアーシア!もし何かあっても絶対俺が護るから!!きっとアーシアにとって大切な契約になると思う!」

 

「イッセーさん...わかりました!私、頑張ってみます!」

 

「アーシア、ファーブニルと契約する?」

 

「はい!やってみます!」

 

「なら、我、少し手伝う」

 

 オーフィスがそう言うと、アーシアを何かが包み込む。けど、嫌な感じではない。

 

「我の加護あげる、これで契約結びやすい」

 

「おいおいまじかアーシア...!オーフィスの加護なんて受けた人間今までほとんど居ないぞ!!?今度研究...」

 

「俺同伴でお願いします!!」

 

「わかってるよ...!お前にするみたいな非人道的な実験はしないっつの。今までもずっとアーシア呼ぶ時はお前も同伴だろ?」

 

「ならいいですけど...」

 

 いや良くないよ...アーシアにしない姿勢は認めるけど俺にも非人道的な事しないで?

 

「じゃ、早速呼ばせて貰うぜ...来い、ファーブニル!」

 

 アザゼル先生が叫ぶと、黄金の巨体が現れた。

 

「これが...ファーブニル...!」

 

 すごい...!やっぱり現役のドラゴンはガチで強いな...!!すげぇオーラだ!!タンニーンさんにも全然劣ってねぇ!むしろ...いや!タンニーンさんだってすごいんだもんね!!

 アーシアもすごいすごいと喜んでいる。わかるよ...ドラゴンってかっこいいんだよな!更に言えばファーブニルって金ピカで見た目もかっこいいもんね。

 

「イッセーさんと同じ金色です!かっこいいです!」

 

「そっ...そうか...ありがとう...」

 

 ちょっと恥ずかしくなっちゃった。

 

「アザゼル、なんで呼んだ?」

 

「あぁ、今日はな俺との契約を解除してもらって、新しい奴と契約してもらおうと思ってたんだ」

 

「なんで?めんどくさ....っ!!」

 

 ファーブニルは笑顔でファーブニルを見つめるアーシアを視界に入れると突然フリーズした。

 まさか...一目惚れか...?気持ちはすごくわかる。アーシアを見た時の衝撃ってすごいよね。でもアーシアは絶対にやらん!!アーシアは俺のもんだ!!

 

「君、名前は...」

 

 固まる事数十秒、ようやく動き出したファーブニルがアーシアに顔を近づけて尋ねる...

 

「アーシア・アルジェントです!」

 

「アーシア...アーシア...アーシアたん!」

 

「ファ...ファーブニル?」

 

 アザゼル先生がすっとんきょうな声をあげる。

 

「アザゼル、契約って、この子の事?」

 

「え?あ...あぁ、そこのアーシアと契約して欲しいと思ってな...」

 

「するする、するけど、代価は頂戴」

 

「えらく話が早いな...ほら、ここに宝石が...」

 

「そんなの要らない、俺様、アーシアたんのお宝が欲しい」

 

 まさか...!!言うつもりなのか...!?ドライグが死んでも知らないぞ!!

 

「アーシアたんのおパンツ頂戴?」

 

「パ...パンツですか!?」

 

「ファーブニル!?どうしたんだ!?」

 

 アザゼル先生も、アーシアも驚きの声を上げる。

 ああああ絶対言うと思った!!でも、俺はここでこいつにアーシアのパンツを渡すわけにはいかない!お互いの妥協点を見つけ出すんだ!!

 

「おい!ファーブニル!アーシアとの契約に乗り気なのはありがたいけど、アーシアのパンツは全部俺の物だ!!悪いがお前にはくれてやれない!!」

 

「イッセーさん...!」

 

 エッチの時、アーシアのパンツをゆっくりと下ろすのが俺の楽しみなんだ!!そこは譲れない!!

 アーシアの神の太ももと最高のシナジーなんだ!!ブラならギリギリ譲歩して諦められなくもなくもないけど!パンツはダメだ!!やっぱブラも嫌だ!!

 

「ん?あっ、ドライグ、それにオーフィスも!久しぶり」

 

「ファーブニル、久しい」

 

『おい...相棒!!ファーブニルはこんなのじゃなかったぞ!こいつまでお前の女か!!こいつまでアーシア教なのか!!?黄金を見るだけで辛いのに...!こんなの...!!はぁはぁ...く...くるちい...!!』

 

「ドライグ!!点滴を...!!」

 

 宝玉に急いでお薬を多めにぶちこむ。

 

『はぁ...はぁ...ふぅ...ふぅ...』

 

「ゆっくり深呼吸をするんだ...!ほら吸ってー吐いてー...吸ってー吐いてー...」

 

『スゥゥゥゥ──、フゥゥゥ──、スゥゥゥゥ──、フゥゥゥ──...うぅ...少し落ち着いたぞ...』

 

「ドライグの所有者、アーシアたんの何?なんでお宝お前の?」

 

 ファーブニルが俺に少し敵意を向けてくる。

 

「アーシア、赤龍帝の番」

 

「...!!?」

 

 オーフィスが言い放った。

 瞬間ファーブニルが揺れだす...

 

「アーシアたん...ドライグの...アーシアたんは他の男の番...アーシアたん...アーシアたん...はぁ...はぁ...頭が...脳が壊れる...!!」

 

 ファーブニルが自分の頭を抱えて呻きはじめた。

 

「おいイッセー!!お前は龍の精神殺しの術でも持ってんのか!!?ファーブニルがただでさえぶっ壊れてたのに、余計に壊れたぞ!!」

 

「まずい...!!そっちに行っちゃ駄目だ!ファーブニル!!話し合えばわかるから!!戻ってこい!!その先は地獄だぞ...!!」

 

 俺は必死で叫んだが既に遅かった...

 

「アーシアたんはドライグの所有者の番...なんだこの感覚...胸が苦しくて...なのに興奮する...!!うっ...はぁ...はぁ...!」

 

「ひっ...!」

 

 アーシアが怖がっている...

 

「大丈夫だアーシア!すぐになんとかなる!!」

 

 俺はアーシアを安心させようと咄嗟にアーシアに抱きついてしまった。それが決定打になるとも思わずに...

 

「アーシアたんが...番の男と抱き合ってる...はぁはぁ...これが...これが...!!NTR!!」

 

 厳密には「寝とれず」だ...それもちょっと違うか?しかし口には出さない。出せない...それにどうせNTRだし。

 

「おいイッセー。これはかなり不味いんじゃないのか?」

 

 アザゼル先生が俺に問いかける。

 

「不味いなんてもんじゃないでしょうこれは!!」

 

「ったく...夫婦でゴールデンドラゴンコンビ!とかやらせてぇなーくらいのつもりだったのによ...まさかこんな大惨事になるとは。お前をなめてたぜイッセー...いや、龍を誑かすアーシアが悪いのか?龍特化のやべぇフェロモンとか出してるんじゃないだろうな?」

 

「アーシアをそんな悪女やサキュバスみたいに言わないで下さい!!アーシアは最高に天使で聖女で最高なんですよ!!?いくら先生でも殴りますよマジで!?」

 

「冗談だろうが!ったくほんとアーシアに関しちゃ冗談通じねぇ奴だなお前は...」

 

「はぁはぁ...アーシアたんの番...名前...」

 

「え?...俺?...兵藤一誠...」

 

「イッセー...イッセーか...はぁはぁ...イッセー...アーシアたんと、その...はぁはぁ...番っぽいこと...してくれないかな...?それを見たら契約結ぶから...」

 

 まずい...俺はとんでもないモンスターを生んでしまったようだ。

 寝取られは一般性癖?ドラゴンが一般枠だと言うのか??まぁ正直パンツの時点で終わってるけどさ...

 

「イッセーさん...私...」

 

 アーシアが不安そうな目で見てくる。そりゃそうだ。こんな変態と契約なんておぞましすぎる...

 

「うぐ...正直もはや、ここまで壊れたファーブニルと契約を結ぼうとは言えない...」

 

「...いえ、結びます...!」

 

「アーシア?」

 

「少しでもイッセーさんのお役に立ちたいです!!龍王であるファーブニルさんの力をお貸し頂けるなら...!」

 

 アーシアが俺の唇を奪う...!

 ファーブニルは俺達の側に顔を近づけて、鼻息を荒げながらガン見している。

 アーシアは舌もしっかり絡ませる気合いの入れようだ...!

 アーシア...決意は堅いんだな!!なら俺もとことんやってやる...!!

 

 アーシアの背中に手を回してぎゅっと抱きしめながらキスを重ねる...

 唾液の水音とファーブニルの鼻息の音だけが響く...

 

「はぁ...はぁ...はぁ...!!」

 

 ファーブニルの荒い息が俺達にかかる...

 めっちゃ生温い...

 

 俺とアーシアがキスを止めると、ファーブニルは立ち上がった。

 

「....契約は成された。俺様、アーシアたんに貢ぐ...」

 

 ファーブニルはどこかすっきりしたような様子で語った。

 賢者タイムか...?

 

『教祖様!!そこにファーブニルがいらっしゃいますよね!!』

 

 教徒のリーダーに突然話しかけられた。

 

「え?い...いるけど...」

 

『ファーブニルにアーシニウムエネルギーを注入するのです!!おそらくかの龍王がアーシア教に入信すれば、無類のパワーと化すでしょう!なんたって金色ですし!!』

 

「バカ野郎!!なんてあやふやな理由なんだ!!これ以上ファーブニルが壊れたらどうしてくれるんだ!!やらないぞ俺は...!!」

 

「アーシア教...?イッセー、なにそれ」

 

 あああファーブニルが興味を持ってしまった...!!

 

「ア...アーシア教は...アーシアを信仰、または愛する集団の事だ...」

 

「....入る。俺様、それ入る!!」

 

 ファーブニルがフンフンと鼻息を荒くする。

 

『はぁ!はぁ!はぁ...!駄目だ!!やはり金は駄目なんだぁ!!金色は俺を殺すんだぁ!!』

 

「ドライグ!!一旦意識を飛ばすんだ!!もうお前の精神じゃ耐えられない...!!」

 

『きゅう.......』

 

 言わずとももう限界だったのだろうか...ドライグは物を言わなくなってしまった。

 

『教祖様!守護者のプロモーションの状態でファーブニルの頭に手をお乗せ下さい!!』

 

「え?えぇっと...あぁ!!もうどうにでもなれ!!アーシア!プロモーション許可をくれ!」

 

「....へ?...えっと...は、はい!許可どうぞ...」

 

 アーシアも意味不明すぎてトリップしていたようだ。

 

「我、目覚めるは愛の律にて理を蹂躙せし赤龍帝なり!」

 

『極点の愛を捧げ、無垢なる愛を纏いて、ただ平穏を望まん』

 

「我、仇なす一切に滅尽をもたらす者。唯一絶対たる我が聖女の守護者と成りて!」

 

「「「「汝を我等が安寧の礎へと沈めよう!!」」」」

 

 俺は全身金色の鎧を纏った。

 

「ドライグ、なんで金色?俺様と一緒?」

 

 ドライグは気絶しているので答えない。

 

「これは、アーシアの色なんだ。俺のアーシアへの愛の結晶なんだ...」

 

「...!イッセーも、金色。アーシアたんも、金色、俺様も、金色...これがアーシア教...!!」

 

「正解だ!!すごいぞファーブニル!!ほら、これでいいのか?」

 

 俺もわからないけどこういうのはノリだ!!

 

『それで大丈夫です!!行きます!!』

 

 黄金のオーラが俺からファーブニルへと行き渡り、ファーブニルからも莫大なオーラが立ち上ぼり混ざり合っていく...

 

「これが...アーシニウムエネルギー。俺様、完全に理解した....アーシアたん、バンザイ!!」

 

 ファーブニルがそう唱えた途端、恐ろしいほどのオーラが俺とアーシアを包みこんだ...!!

 

「こ...これは!?ファーブニルのオーラが俺達を包んで...!!」

 

 あり得ないほどの力が溢れ出す!!

 

「イッセー...いや、教祖様!アーシアたんの為なら、俺様、いっぱい力貸す。教祖様の物だけどアーシアたんを、守る!アーシアたん、バンザイ!!」

 

『教祖様!一部の信徒がファーブニルの元に行きたいと言い始めました!!なんでも同好の士と語り合いたい、共にありたいのだそうです!!』

 

『NTR...なんと甘美な響き...ハァハァ...』

 

「え?...えぇっと良いんじゃないでしょうか?」

 

 そんな奴らも居たのか...まぁガチ恋勢居たもんな...

 性癖歪む奴らも居て当然なのか?

 

『ありがとうございます!』

 

 数個の人型の赤いオーラがファーブニルの元へ飛んでいく...

 

「君達...同じ。仲間、ハァハァ...」

 

 ファーブニルが少し嬉しそうだ...歴代のオーラも嬉しそうに揺らめいている。

 良かったな、性癖を語り合える仲間が出来て。

 

「それじゃあ、アーシアたん、いつでも呼んでね。すぐ駆けつけるから...その代わり教祖様と...はぁはぁ...また...イチャイチャしてね...ハァハァ...」

 

「....は...はい...」

 

 そう言うと、ファーブニルは何処かへと消えていった。

 ファーブニルが消え去れば、恐ろしいほどの静寂が周囲を包む...

 

「赤龍帝、やはり理解不能。面白い」

 

 オーフィスが呟く...

 

「イ...イッセーさん。私...どうなるんでしょうか?もう何がなんだか...」

 

 アーシアが俺にすがり付いてくる。もう鎧は解除した。

 

「アーシア...多分アーシアだけは絶対に大丈夫だから安心してくれ。大丈夫じゃなくても絶対俺が守るし!」

 

「はい...イッセーさんがそう仰るなら、信じます」

 

「ありがとうアーシア。何も気にしなくていいからな?一言で言えば、俺含め皆アーシアが大好きって、それだけだから...」

 

「そ...そうですか...」

 

 アーシアを抱きしめる...

 

「なぁイッセー...俺はお前とアーシアの起こす摩訶不思議現象を笑っていたんだけどよ、今回はちょっと意味不明すぎるわ。なんか...すまんな。ほんの出来心と、アーシアの願いを叶えてやろうっていうそれだけの軽い気持ちだったんだが...」

 

「いえ...その、ある意味俺もアーシアも強力なパワーアップが出来たので...もう、考えるのは止めにしませんか?真剣に考えたらドライグみたいになりますよ?無心で素直にこのパワーアップを喜びましょう!!」

 

「....そうだな!結果だけ見れば大成功だ!よーしお前ら!!さっさと向こうに戻って勉強再開だぞ!!お前らのパワーアップ記念にケーキでも買ってやろう!!」

 

「はい!」「はい...」「ケーキ...美味しそう」

 

 みんなの精神(主にドライグ)に多大な負荷をかけて、ファーブニルとアーシアの契約は成ったのであった。ファーブニルさんはいったいどこまで堕ちていくのだろうか...?

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