アーシアしか勝たん   作:min-can

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第73話。 殲滅します、グリムリッパー!

 現在俺達は、休憩中のヴァーリと黒歌、黒歌の看病に小猫ちゃん、といったメンバーを除いた面子で作戦会議だ。

 小猫ちゃんは黒歌に庇われたのだそうだ。これで互いのわだかまりが少しは解消されればいいんだが...

 ちなみにアーシアはオーフィスと一緒に暮らす宣言していた辺りでだいぶ症状が回復した。

 良かった良かった...今は別室で休憩中だ、いっぱい治療して疲れただろうしゆっくり休んで欲しい。俺も添い寝しようかと思ったらアザゼル先生に引っ張られてこの部屋での作戦会議に参加させられている。解せん。

 

 最初にルフェイが切り出す。

 

「本部から正式に通達が来ました。砕いて説明しますと、ヴァーリチームはクーデターを企て、オーフィスを騙して組織を自分の物にしようとした。オーフィスは英雄派が無事救出。残ったヴァーリチームは見つけ次第始末せよ、との事です」

 

「そういう事になったか。英雄派に狙われていた上に、オーフィスの願いを叶えようとしたヴァーリチームの末路がこれか、難儀なもんだな」

 

 先生も嘆息する。

 ルフェイ曰く、英雄派にとって力を持ちながら好き勝手動くヴァーリチームは目障りだったらしい。

 

「オーフィス曰く、現在この空間はオーフィスが出られないようになっているらしい。まぁ力を逃がしてある程度残せたとは聞いたが、少なくとも有限になってしまったのは確実だからな...どうとでも対処出来てしまう」

 

 それでも俺より何倍も強いんだよなぁ...

 

「ルフェイ、お前は空間に関する魔法に秀でてたよな?どうにかして外に応援を呼んだり、少人数だけでも逃がす方法はないのか?」

 

「あることにはあるのですが、黒歌さんがダウンしている現状、私だけでは恐らく二人が限界ですね」

 

「あー...このメンバーで選ぶなら...イリナ、お前が先に行け。サーゼクスと天界に英雄派の真意とハーデスのクーデターを伝えるんだ。護衛としてゼノヴィアを連れていけ。お前にはこの場に残ってもらうよりも、天界に行ってエクス・デュランダルを修理してもらう方がありがたい。この戦いはこれだけで終わりそうにないしな」

 

「...了解した。イリナの護衛、やってみせよう」

 

 てなわけでルフェイが別室で術式を構築していく。なにやらその間にルフェイからゼノヴィアへと支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)の受け渡しなどもあったらしい。

 これでようやくエクス・デュランダルもひとまず完成か...

 

 その後は部長と先生と朱乃さんで作戦会議をするそうなので、各自警戒しながら自由行動との事だ。

 勿論俺はアーシアの休む部屋に直行だ。寝ていたら諦めるけど、起きているならもうちょっとイチャイチャしたい。

 

 音をたてないようにゆっくりとドアを開く。

 

「...イッセーさん?」

 

「アーシア...起こしちゃったか?」

 

「いえ、眠れなかっただけですよ」

 

「そっか、そっち行ってもいいか?」

 

「はい、どうぞ!」

 

 アーシアの寝ているベッドに入り込む。

 俺はアーシアを抱きしめた。

 今回の戦い、シャルバをあの時殺し切れなかった俺にも責任が少しはあると思っている。

 だからこそ俺は最後まで戦うつもりだが、それ故にまぁいつもの事と言えばいつもの事なのだが、冗談抜きで死にかねない。

 死ぬ気はさらさら無いが、もしもを考えると少し怖くなる。

 

「イッセーさん...不安ですか?」

 

「うん...こうしてアーシアの温もりを感じないと落ち着けないんだ」

 

「私も、イッセーさんの腕の中じゃないと安心できません...しばらくこうして居てもいいですよね?」

 

「あぁ、俺もこうしていたい」

 

 やっぱりアーシアと抱き合っていると自然と心が落ち着いて暖かくなっていく。

 うん、もう大丈夫だ。後はこうしてゆっくり本番まで休憩しよう..

 

 .........

 

「アーシア!イッセー!起きなさい!!」

 

 毛布が取り払われる。

 

「!?...あっ...部長?」「....んにゅ?...」

 

 んにゅ?ってそんなの初めて聞いたぞアーシア...可愛すぎか?

 

「あなた達ねぇ...これから戦いって時に...別にいいけれど、ハァ...平常運転にも程があるでしょう...」

 

 部長は頭が痛そうにしている。

 

「すみません...」「部長さん...?」

 

「もうすぐ作戦が始まるから、ちゃんと目を覚ましなさい?あなた達が作戦の要なんだから、きちんとしてもらわないと困るわよ?」

 

「大丈夫です!コンディションはバッチリですから!」

 

 俺は胸をバシンと叩く。アーシアもむんとやる気一杯だ!可愛い!

 

「ならいいわ。行くわよ二人とも!」

 

 俺達は部長に連れられて部屋を出た。

 

 ────────────────────────

 

 お外には死神(グリムリッパー)がたくさん居た。こいつら大量にぶっ倒さないといけないんだよな...

 

 先生が作戦の説明を始める。

 

「作戦は単純だ。まずはこの空間を維持している核を破壊する。何をどうしようとこれが成されなければ話にならん。それにイリナ達の脱出も不可能だ。現在核は三ヶ所に存在している。まずはイッセー、駐車場にある強固な核は後回しで他二つを破壊する。お前の砲撃が必要になる。頼むぞ...」

 

「はい!」

 

「アーシア。お前はイッセーが砲撃を放ち次第オーラを回復させてくれ。イッセーの火力が命綱だ。ヴァーリ、体調はどうなんだ?」

 

「魔力体力を使い尽くせば毒もかなり消せそうなんだが、この場でそれをするわけにもね。まぁそれなりには動けるよ」

 

「そうか...絶賛不調の中悪いが動けるならお前も対応してくれ」

 

「もちろんだ。俺は白龍皇だからね、赤龍帝に情けをかけられておきながら、むざむざ後方に居られるほどお利口じゃない」

 

「はっ、良く言うぜその体で...よし、それが終われば一気に殲滅戦だ。とにかく広域的な攻撃で死神を倒し続けろ。物量には面の攻撃で押し返せ!作戦開始だ!」

 

『はい!!』

 

 ────────────────────────

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

「イッセーさん、許可をどうぞ!」

 

「ありがとうアーシア!」

 

「|六条の龍穿つ僧侶《ヘキサ・ドラゴニック・ブラスター・ビショップ》!!!」

 

『Change Dragonic Funnel Blaster!!』

 

 よし...準備は整った。

 いや、そう言えばドライグはどうしたんだ?まだ帰ってきていないけれど...

 

『すまん相棒!!間に合ったか!?ちょっとアルビオンと話し込みすぎたのだ...!』

 

 ハイテンションのドライグが神器(セイクリッド・ギア)に滑り込みダイブしてきた。

 

「おっおう...いや、作戦には間に合ってるから大丈夫だけど...大丈夫なのか?」

 

『あぁ!薬など目ではないくらいにスッキリしている。金色だろうとなんだろうと、バッチ来いだ!!アーシア教!?受け入れてやろうとも!!それが天龍としての度量という物だ!!』

 

 えぇ...すごいけど、逆に大丈夫か?ドライグ...

 まぁいいか、こんなに生き生きしたドライグは久しぶりだ。良かったな...元気になって。

 正直俺はすごく嬉しいよ。

 

『今ならなんだって出来そうだぞ。死神ごときに遅れを取るわけもない、全て消し飛ばしてやろう相棒!!』

 

「おう!!ドライグが元気な戦いは久しぶりだけど!なんかこう...神器(セイクリッド・ギア)の調子が良いな!ホントになんでも出来そうだ!」

 

『任せてくれ』

 

 ドライグがこんなに頼りになるのは久しぶりだ...

 あっなんか感動してきた...

 

「....先輩、すみません。場所がわかったので聞いてください。特定できました。そっちとこっちです」

 

「っと、ごめん小猫ちゃん。あそこの方とあそこの方な?」

 

 俺は小さい魔力弾で跡を付ける。

 

「...そうです。ではよろしくお願いします、イッセー先輩、アーシア先輩」

 

「おう!」「はい!」

 

 小猫ちゃんはいつも通りっぽい雰囲気だけど、黒歌とはどうなったんだろう?ちょっとは関係が改善していると良いんだが...

 

「術式組み終わりました!」

 

 ルフェイの元気な声が聞こえる。

 

「イッセー、撃ちなさい!!」

 

 部長の合図で作戦が開始する。俺の一撃は狼煙だ!!

 背中のファンネルには既にパンパンにオーラが詰まっている。

 

 ファンネルを発射して、三門ずつ目標に向けて展開しておく。

 

「発射!!!」

 

 三門中、一門が結界の核を穿つように細く凝縮され、残りの二門が核周囲の死神も見据えて広めに発射される。

 

 ズガガガガガガと大音量の破壊音を撒き散らして結界の核と周囲を穿った。

 

「予定どおり、周囲の死神も結界も破壊されました!残るは駐車場の一つだけです!転移の準備も整いました!」

 

 俺はファンネルと背中のステーションに戻してオーラを急速充電する。アーシアのオーラによって溢れ出るオーラをそのままぶちこんでいく...

 

「皆、死ぬなよ」「必ず天界と魔王様に伝えてくるから!」

 

 ゼノヴィアとイリナがそう言い残し、消えていった。

 

「よし!これで後はあいつらと装置をぶっ壊すだけだ!!いくぞお前ら!俺が壁をぶち抜くと同時になるべく広域を消し飛ばせ!!」

 

『はい!!』

 

 俺は再びファンネルを発射して、乱雑に向ける。

 死神は空中も含めてそれこそどこにでもいるので、皆も手を向ける方向は様々だ。

 

「撃てぇぇえ!!」

 

 そう叫んでアザゼル先生が壁を巨大な光の槍でぶち抜く。

 俺達も各々死神達を消し飛ばす。オーフィスも撃ってくれたんだが、オーフィスのが一番やばいな...

 MVPはオーフィスです。

 

「...おかしい。加減、難しい」

 

「オーフィス!多分サマエルの影響で上手く力が使えなくなってるんだ。今からは攻撃するなよ!敵味方関係なく吹き飛んじまう!」

 

 アザゼル先生が言う。

 オーフィスは黙って体育座りした。

 

「よし...行くぞ者共!残党狩りじゃぁぁ!!」

 

 結構楽しそうなアザゼル先生の言葉を受けて俺達は戦場へと突入していく!

 

 後衛として、黒歌、小猫ちゃん、アーシア、部長、朱乃さんが残った。

 今回の戦いはひたすら俺がファンネルで暴れ回るので、俺のオーラをアーシアがサポート。

 部長と朱乃さんは空中の敵を中心に爆撃。

 俺や後衛の攻撃を避けたり耐えたりしながら戦える面子が前衛に立って各自殲滅する。

 

 俺は一応、皆が居なさそうで死神の多い所を狙って何度も撃ち込んでいく。

 

 ズオォオオオ!!と音が鳴って死神達を消し飛ばす。

 他の皆も死神をどんどん倒していく。あっと言う間に殲滅してしまった...

 なんだこの惨状は...駐車場がバッキバキのボロボロだ。

 ジークフリートはゲオルグの霧によって守られていた。

 ジークフリートは背中から四本の腕を生やしてこちらに近づいてくる。

 

「久しいね、赤龍帝...京都の時も思ってたけど、本当、勘弁してくれないかな?これでもかなりの数を用意したつもりだったんだけど...」

 

「これで足りるだなんて随分なめてるんだな、俺達を」

 

「あれでも中級悪魔くらいの実力はあるんだけどね...ヴァーリもサマエルの毒まともに食らったって聞いてたのに普通に動いているし、なんだかなぁ...どうせキミなんだろう?あの毒をどうにか出来るような術者は居ないはずだ。全く...曹操がキミに厳重注意しろって言ってたのもよくわかるよ」

 

「そりゃどうも...それで?ここからどうするつもりなんだ?」

 

「あぁごめんね?言ってなかったけど、おかわりはいくらでもあるんだ、それと特別ゲストもね」

 

 ジークフリートがそう言った瞬間、なにかが起こった。

 

『死神をなめてもらっては困りますね』

 

 不穏な声が聞こえた。空間に歪みが発生して、その中からそこらに転がってる死神より明らかに強者っぽい奴が現れた。

 

「お前はっ!」

 

 アザゼル先生がびっくりしている。

 

『初めまして、堕天使の総督殿。私はハーデス様ぶ仕える死神の一人、プルートと申します。あなた方はテロリストび首領オーフィスと結託して、同盟勢力との連携を陰から崩そうとしました。それは万死に値します。故にここで対処させていただきましょう』

 

「なるほど、今回はそういう事にするつもりか。そういう理由をでっち上げて俺達を消す気か!その為にテロリスト共と戦っていた俺達に襲いかかったと!どこまで話が進んでるんだ!この道化師どもが!!」

 

『いずれそんな理由づけも要らなくなりますが、今回は一応の理由を立てさせて頂いただけです。さて、それでは偽物という事になったオーフィスをいただきましょう』

 

 プルートがそう言った所でヴァーリが飛び込んできた。

 

「最上級死神プルート。コンディションは最悪だが、戦わない理由にはならないな!」

 

「ヴァーリ!無理するな!!」

 

 アザゼル先生も飛び出して共闘と相成った。

 すさましい戦闘音がなり響く。

 

「さて、君をフリーにしたら折角の増援もたちまち消されてしまうな。行かせてもらう!!」

 

 ジークフリートがこちらに魔剣を向けるが、木場が飛び出してきた。

 魔剣を木場の聖魔剣が逸らして受ける。

 

「悪いねイッセー君。彼は僕がやる!!」

 

「木場祐斗か!今はキミに構っている暇はっ!!」

 

「京都であなたに圧倒されたのが個人的に許せなくてね...リベンジさせて貰おう!」

 

「邪魔しないでくれないかな!!」

 

 二人の剣戟が始まる。

 ジークフリートは木場に任せて大丈夫だ。

 俺をフリーにしてくれているみんなの為に俺が今すべきはプルートと一緒に現れた死神どもを殲滅する事だ!!

 

 ファンネルを木場とジークフリートのいる場所以外に叩き込む!!

 俺はアーシアのオーラを受けながら何度も何度も砲撃を撃ち続ける。

 俺は定点砲台と化しているので、アーシアもオーラを送りやすそうだ!!

 まだまだ撃てるぞ!!死神どもは増えても増えても俺に消し飛ばされる...!!

 もはやゲオルグを狙う余裕すら生まれてきたぜ!!

 なんだ!?いくらアーシアのオーラがあるとはいえ、こんなに俺って強かったっけ??この後の戦いを考えた温存までできているぞ!?

 

『アーシニウムエネルギーを真に受け入れるとはつまりこういう事!!これこそが俺の相棒の真の力!!俺の心が今まで相棒を無意識に邪魔していたんだ!!いいぞ相棒!!俺の心はもう死なぬ!!死んでもアルビオンがいる!!無敵なのだ!!!』

 

「あぁドライグ!!二天龍の和解!そしてドライグの完全復活を記念した祝砲だあああああ!!!」

 

 俺は六門全てをゲオルグに向ける!

 

「待て!!これ以上はこの空間が!!!」

 

 俺の砲撃がゲオルグと維持装置を狙い撃つ...!!

 急遽ジークフリートが木場に背中の腕を2本切られても構わずに飛び込んできて、魔剣を放つ!!

 

 なんとか防御されてしまったらしい...

 だが、ゲオルグもジークフリートもボロボロだ。

 このままシャルバが来る前にぶっ倒して!!

 

 と思った所で、空間に再び穴が空いた。

 そこから現れたのはシャルバだ。

 噂をすればなんとやらだな...

 俺はフェンネルを戻して、もう一度エネルギーを装填する。出来るかわからないが、レオナルドに当てればもしかすれば超獣鬼(ジャバウォック)とかの登場を防げるかもしれないし。

 

「久しいな赤龍帝、それとヴァーリ...」

 

 気がつけばプルートはあちら側に、先生とヴァーリはこちら側に降りてきていた。

 

「シャルバ...報告は受けていたけど、まさか本当に独断で動いているとは」

 

 ジークフリートが一歩前に出る。

 

「それで?ここに来た理由は?」

 

「なに、宣戦布告をと思ってね」

 

 シャルバがマントを翻すと、レオナルドがいた。

 悪いが知ってる以上防がせて貰う!!

 多分死なないし!死にかけてもアーシアがいる!!

 

 全部にチャージャしきれていないので、終わった3本のファンネルを発射して一気に狙い撃つ。

 ...が、シャルバのハエに止められてしまった。

 

「全く貴様はつくづく腹立たしい...まるで知っているかのように対処してくれる。まぁ前例があったお陰で今回は防げたがね。これでも私は反省しているんだ。貴様のような雑魚に殴り倒されたという、拭おうにも拭いきれぬ人生の汚点をなぁ!!」

 

 シャルバが唾を撒き散らしながら激怒する。

 

「故にもう慢心はしない。速攻で決めさせて貰おう!!」

 

 自分とレオナルドを防御の為にハエで包むと、中からレオナルドの絶叫が聞こえる。

 

「ふはははははは!!現れろ!!怪物よ!!」

 

 ハエの塊の後ろから200メートルを越そうかという巨大な化物が現れた!!

 更にその後ろに100メートルを越す一回り小さい化物が生まれていく...

 

 ヴァーリとアザゼル先生がハエに向かって攻撃する。俺も残り3本を撃ち放つ...が、なかなかハエを消しきれない...!!

 なんだこの防御力は!!

 

「無駄無駄!!どうせ攻撃されるだろうとあらかじめ準備しておいた物だ!そのような攻撃で抜ける訳がなかろう!フハハハ!!今からこの魔獣達を冥界に転移させて暴れさせる!!これだけの規模のアンチモンスターだ!!さぞかし楽しい景色が見れるだろうよ!!」

 

 化物は転移の光に包まれていく。俺達はそちらにも追撃をかけるが、モンスターは全て消えてしまった...

 フィールドが崩壊していく...ゲオルグとジークフリートもレオナルドを連れて退却するそうだ。

 

「...くそっ!!」

 

 どうすれば良かったかと言われれば何も浮かばないけど!!何か出来たかもしれなかったのに!!

 俺は!!

 

『相棒、気にするな。お前にどうこう出来た問題じゃない』

 

 わかってるけど!!それでも俺は...俺が自己保身で知ってる知識を出さなかったから、こうなったんじゃないのか...

 

『お前がそう言うのなら俺も何も浮かばなかったし、何も言わなかった。同罪だよ相棒』

 

 ドライグ...

 

『存分に後で後悔すればいい。だが今は前を向け。お前が今すべき事は後悔か?下を向くことか?』

 

 違う...この場でシャルバを殺す事だ...

 

『そうだろう。ならば動け、力は貸してやる』

 

 うん...ありがとうドライグ。

 

「ヴァーリ!!赤龍帝!!いいや全ての悪魔ども!!全く...気に入らない物が多過ぎて困るな!!だからこそ私は呪いと化してやろう!!冥界全てを覆い尽くし、全てを滅ぼす呪いとなってやるのだ!!二天龍のクソ共!!貴様らには特に念入りに地獄を見せてやるからな!!」

 

 俺とヴァーリは突撃しようとする。

 ....が、ヴァーリが倒れた。

 っ!!いくらマシになったからって無理しすぎたんだ!!

 

「どうしたヴァーリ!!情けない姿を見せてくれるなよ!!」

 

 シャルバが魔力をヴァーリに撃ち出す!!

 

『Change burst impact booster!!』

 

 俺は金色の両腕でガードし、ヴァーリの壁になる...!

 シャルバは片手で俺達に攻撃しながらもう片方の手を後衛の方に向ける。

 

「私の欲しいものはまだあるのだ!!」

 

 シャルバの腕から高速で放たれた魔力はオーフィスを捕らえた。

 

「ほう!情報通りだ!!今のオーフィスならば私の力でも捕らえられる!!このオーフィスは真なる魔王の協力者への土産だ!!いただいていくぞ!!」

 

 シャルバはオーフィスを引き寄せると、俺達への攻撃をやめて後ろへ下がっていく。

 もうこれ以上この空間がもたないから、俺達が退却するとわかっているのだ。

 皆も退却準備をしている。ヴァーリは先生が引っ張った。

 

「イッセー!転移するわ!こっちへいらっしゃい!!」

 

 部長が叫ぶ。

 

「すみません。俺はここに残ってシャルバを殺します」

 

「何を言ってるの!!」

 

「オーフィスも助けないと。一緒に暮らすって決めたので、もう家族みたいなものですから」

 

「イッセーさん!だめです!!早くこっちに!!」

 

 アーシアが叫ぶ。

 

「ごめんアーシア、でも...行かないと。これだけは例えアーシアの頼みでも聞けない。俺がやらないといけないんだ」

 

「もう限界にゃん!今飛ばないと転移できなくなるわ!!」

 

 黒歌が叫ぶ。

 

「...お前ら、イッセーは置いていくぞ。後で龍門(ドラゴン・ゲート)を開いてお前とオーフィスを召喚する!それでいいんだな!!?」

 

「すみません先生。お願いします」

 

 俺がそう言うと同時に、転移の光が溢れて...一つだけ影を残して光は弾けた。

 そこに居たのは俺の愛しい人だった。

 

「.....アーシア...?」

 

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