後輩トレーナーの夢   作:紅月黒羽

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ウマ娘にはまり、数年間筆を置いていましたが勢いで書き始めました。
不定期更新になると思いますがよろしくお願いします。


いつもと違う?

『日本ウマ娘トレーニングセンター学園』

 通称トレセン学園。ここは国民的スポーツ・エンターテイメントとして位置付けられているトゥインクル・シリーズでの活躍を目指すウマ娘が集まる全寮制の中高一貫校である。

 今日も授業を終えたウマ娘たちがトラックで練習に取り組んでいる。

 

「オレの方が速かった!」

「アタシの方が速かったわよ!」

 

 トラックの横から賑やかな声が聞こえてくる。声の主は、今やトレセンで知らない者はいないチーム『スピカ』のダイワスカーレットとウオッカだった。お互い睨み合ったまま一歩も譲らないが、周りのウマ娘は「あーまたやってるよー」「ま、いつものことだよね」と慣れっこなのか大して気にしている様子はない。

 

「ふふーん、マックイーンもうバテちゃったの?僕はまだまだいけるんだけどなー」

「まだまだ、これからですわ!」

 

 現在トラックを走行しているのは同じくスピカ所属の、元気溌剌なトウカイテイオーとお嬢様育ちのメジロマックイーンである。スカーレットとウオッカの気にあてられてか二人の間にライバル意識が芽生えてきたように見える。

 最終コーナーからどんどん加速していく二人は先に走っていたウマ娘たちを置き去りにしていってしまうほどの速度に達していた。

 

 二人が鎬を削る前方で一人のウマ娘がいた。滑らかな橙色の髪を靡かせながら疾走するのはサイレンススズカである。後方からテイオーとマックイーンが追い上げてきている事に気づいたスズカは、一瞬踏み込んだと思いきや更に速度を上げていく。その姿を唖然とした表情で眺めるテイオーとマックイーンだったが、このままで終わる二人ではない。

 

「流石スズカだよ。でも目の前であんなの見せつけられたら黙っていられないよね!」

「ええ!スズカさんに負けてはいられませんわ!」

 

 トップスピードのまま二週目と入る二人。どこからそんな力が出てくるのかと、追い抜かれていくウマ娘たちが思う中さらに加速をしていく。

 逃げるスズカに追いつこうと更に速度を上げようとするが、後方を横目で見たスズカは息を入れると更に二人との距離を離す。

 

「「ム、ムリ~~!!」」

 

 流石にこれ以上ついていくのは難しかったようで独走状態となったスズカは大きく差をつけながらゴールラインを超える。その顔はとても満足そうで、唐突に行われたこのレースはスズカにとってもいい影響をあたえたようだった。

 

「うわー、すごいですスズカさん!!私も早くスズカさんのように走れるようになりたいです1」

「こらスぺ。アタシと練習してるってこと忘れてないよな」

「あっ、すみませんゴールドシップさん。どうしても走ってる皆の姿が気になって……」

 

 トラックの側でトレーニングをしていたのは北海道の田舎育ちのスペシャルウィークと何を考えているか分からないゴールドシップの二人だ。今はスペシャルウィークの集中力を上げるためゴールドシップと一緒にトレーニングを行っているのだが……

 

「それで、どうしてトランプが置いてあるんでしょうか……?」

「なんでってそりゃ、トランプタワーを作るからだろ」

「意味が分からないんですけど、ゴールドシップさん!?」

「考えるなスぺ。感じろ」

 

 ……まぁ、ゴールドシップは少し特殊なのでこうして戸惑うこともあるがやる時はしっかりとやるので信頼はある程度ある。

 一応トランプタワーも集中力を鍛えるには効果のあるやり方だが、わざわざ屋外でやる必要があるのかと聞かれればそれはゴールドシップにしかわからない。

 

「あぁっ!また崩れちゃいました……」

「貸してみなスぺ。こういうのはな、こういうふうに指先の感覚を頼りながら……ほらできた」

「早いっ!?そして何でできるんですか!?」

「なんでって言われてもなー。……できるから?」

「理由になってない!?」

 

 ……いや、本人も何も考えていないかもしれない。

 そうこうしているうちにトラックに近づいてくる人物がいた。

 

「はいはーい。スカーレットさんとウオッカさん痴話喧嘩はそこまでにしててください。テイオーさんとマックイーンさん、それにスズカさんは少し休憩を入れてください。スぺさんとゴールドシップさんは……うん、そのまま頑張ってください」

 

 全体に指示を出しながらドリンクを渡すトレーナー。だがそれは、いつも飴を加えている本来(・・)のチームスピカのトレーナーではなかった。

 

「ありがとうございます。水野(・・)トレーナー」

 

 礼を言いドリンクを口に含むスズカ。程なくして他のメンバーも水野からドリンクを受け取り休憩を取り始める。その様子を笑顔で見つめる水野。

 何故彼がスピカのトレーナーをしているのか、本来のトレーナーは一体どこに行ったのか?

 様々な疑問が残るが、それは今から数週間程前に遡る。

 

 

 




ご視聴していただきありがとうございます。
誤字脱字、アドバイスがありましたら報告をお願いします。

感想がありましたらどんどんいただけたら嬉しいです(貪欲)

一押しキャラはダイワスカーレットですが、うまぴょいのときの会長とエアグルーヴを見てかなり揺らいでいます。対戦よろしくお願いします。
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