ガールズバンドとのやかましい日常   作:紅葉064

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『レアキャラ男子オペレーター』とは別作書きました。
差し支えなければこちらもよろしくお願いします。


入学初日

花咲川学園高校。 旧称花咲川女子学園。 数年前に女子校から共学の高校となった。 俺は今日からこの高校に通うこととなる。 しかし…

 

「共学になったとはいえやっぱ女子の方が多いな。浮きそう。 胃も痛い…」

 

比喩とかそういう類じゃない。 マジで痛い。

 

「ほら、シャキッとしなさい」

 

「無茶言わないでよ母さん。 この男女比で」

 

「まったくこの子は…とりあえず自分の教室に行きなさい」

 

「はーい」

 

仕方ない。 とりあえず俺の教室は…あったあった。

 

「えーっと ? 1 - C か」

 

とりあえず教室へ向かう。中に入ると、

 

(うわー女子ばっか。 男子なんて両手で足りるような数しかいない)

 

本格的に胃が痛くなってきた。とりあえず自分の席を探して座ると、躊躇なく突っ伏した。すると後ろから声をかけられた。

 

「あのー…大丈夫ですか ? 胃薬とかいります ? 」

 

「大丈夫です。 こういうこと見越してそういうのは準備してありますから。でもありがとうございます。えーと…」

 

心配してくれたのは嬉しいが彼女の名前を知らないから言葉が続かない。すると彼女は

 

「あ、私は奥沢美咲って言います。美咲って呼んでもらって構いませんよ」

 

「いや、初対面で呼び捨てはちょっと抵抗あるんでとりあえず奥沢さんで」

 

「まぁそれでもいいです」

 

「ああ、俺も名乗らなきゃ行けませんね。俺は「新入生、そろそろ入学式始まるから適当に 1 列で並んで」

 

「……あの…俺の名前この後自己紹介でもいいですかね ? 」

 

「あ、はい。 大丈夫です」

 

すっごく変なタイミングで呼びにきたせいでちょっと気まずくなってしまった。 ただ先生も悪気があったわけじゃないだろうから何も言えないんだよなー。

 

『新入生入場』

 

正直俺は入学式とか好きじゃない。なぜかと言うと単純に暇、眠い。 中学の入学式とか寝かけたし。そう思わなかったのは小学校の入学式くらいだ。校長の話も来賓の話も新入生代表挨拶もすべて聞き流した。ただただ眠気と戦っていた。

 

入学式も終わり教室へ戻ってくると先生が

 

「自分の席に名前入った教材とか置いてあるからそこに座って」

そう言われたので探したら案の定最初に座った席だった。

 

「私より五十音早いんですね」

 

そう言われた振り返ると奥沢さんがいた。

 

「俺ら最初から自分の席座ってたんですね」

 

「そうですね」

 

すると先生が

 

「それじゃあそっちから自己紹介してもらうね」

 

そう言った。

 

順調に終わっていき俺の番。 と言っても 5 番目だから「順調に」とか言う必要絶対なかった。

 

「あー井戸原蓮(いどはられん)です。 水汲んだりするあの井戸に原、蓮は植物のはすって字を書きます。趣味はパソコンとあとは楽器…ですね。よろしくお願いします」

 

パチパチパチ

 

俺と奥沢さんの自己紹介が終わって他の人がやっているなか、彼女が話かけてきた。

 

「井戸原ってあんまり聞かない苗字ですね。なんか珍しい名前の人って他の人と話す時なんか楽しそう」

 

「俺も親戚とか以外会ったことないので珍しいのは否定しませんが楽しそうってのはあんま分かりませんよ」

 

自己紹介を聞きながらヒソヒソと会話をする。

 

「それはそれとして、一応席が近いのでこれからよろしくお願いします」

 

「こちらこそ」

 

「全員終わったね。それじゃあ軽くこの高校のことを説明したら校内を回るよ」

 

~~

「ほんとに軽かった」

 

「そうですね」

 

「要点だけまとめて話してくれたのはいいけどあそこまで簡単に終わるとは」

 

「でもその分多く校内回れるからいいじゃないですか」

 

「俺もう構造覚えたから別にいいんだけど」

 

「えっ ? 早っ」

 

すると先生が突然振り返って

 

「井戸原君と奥沢さんは知り合いなの ? 」

 

「え ? なんでそう思うんですか ? 」

 

「だって入学初日からそうやって会話してるとそうかなーって思うじゃん」

 

うんまぁ確かに。 俺でもそう思う。 でも

 

「「いえ。 今日が初対面です」」

 

「そうなの !? 」

 

「いやなんというか波長が合ったって感じですかね?」

 

「ふーんそうなんだ」

 

「先生が多分考えてるようなことはないですよ」

 

あとクラスメイト男子諸君そんな睨むな。別に俺が話しかけたわけじゃないから。 付き合ってるとかそういうのないから。

 

お昼の時間。 弁当を食べようとするとクラスメイトの男子の 1 人が話しかけてきた。

 

「なぁ井戸原、一緒に食わねえ ? 」

 

「いいよ」

 

「よっしゃ ! 俺高島鋼輝。 よろしく」

 

「知ってるよ。 聞いてたから」

 

お昼を食べ始める俺たち。 すると高島が

 

「なぁ蓮、お前なんでこの高校来たんだ ? 」

 

「早速かよ。お前他人との距離感が近いって言われねえか ? 」

 

「よく言われる」

 

「だろうと思ったよ。 お前それ女子にはやるなよ ? 近寄られなくなるぞ」

 

「身をもって知ってる」

 

「手遅れだったか。 逆に聞くが高島はなんでここに?」

 

「鋼輝でいいぜ」

 

「じゃあそうさせてもらおう。 改めて鋼輝はなんでここに来たんだ ? 」

 

「男女比で彼女できるんじゃないかと思って」

 

「それも女子の前で言うなよ」

 

「それくらい考える頭がなかったら自己紹介で言ってる」

 

「それもそうだな」

 

「それで蓮は ? 」

 

「確かに俺も少しくらい花がある方がいい。 でも 1 番の理由は通うのが楽な共学高校ここだったから。男子校は俺の性にあわん」

 

「なるほどね。 ところでさっきまで蓮と喋ってた奥沢さんがこっち見てるよ」

 

「え ? 」

 

そう言われた後ろを向くと確かにこっちを見ていた…ように見えたのだが気づけば別の方を向いていた。

 

 

~~奥沢side

お昼休みになりお昼を食べようと思ったら

 

「「おーくざーわさん。 一緒に食べない ? 」」

 

誘われたので

 

「はい、いいですよ」

 

了承した。

 

「敬語なんかじゃなくていいよー」

 

「うーん…分かった」

 

「奥沢さんってさー、ほんとにに井戸原君と初対面なの ? そんなようには見えなかったけど」

 

「本当だよ。 実際にあんまり話しにくくなかったし」

 

そう言って彼の方を見る。 なんか 2 人コソコソしてない ? ところで井戸原君は何話しているんだろう? そう思って聞き耳を立てていると、

 

「鋼輝でいいぜ」

 

「じゃあそうさせてもらおう」

 

と聞こえた。なんで !? 私の時は提案した通りに呼んでくれなかったのに…

 

「おやおやぁ ? 」

 

「これはぁ ? 」

 

何か不穏な影が動き出そうとしていた。

 

 

~~

「でもよー、入学初日から女子と喋ってるの蓮だけだぜ。その証拠に他の奴らちょっと睨んでるし」

 

「知ってて無視してんだから言うんじゃねぇよ」

 

「見た目の割に結構手が早いよな」

 

「人聞きの悪い言い方すんな」

 

「それに奥沢さんも」

 

「いやいやまさかまさか」

 

鋼輝とそんな会話をしながら俺はハンバーグを口に放り込む。

 

「いいなー。 どうやったらそんなすぐに女子と話せるんだよ」

 

「それまだ続いてんのかよ。だったらこの後クラス誘ってカラオケでも行けば ? 」

 

「それだ ! 」

 

何名案だみたいな顔してるんだよ。俺はそれくらいの結論にたどり着かないことにびっくりしてるわ。

 

「なぁ今日終わったらみんなでカラオケ行かねえ ? 」

 

『賛成 !! 』

 

「なんかもうクラスのリーダー見たくなってんな」

 

「蓮も行こうぜ」

 

「うーん、そうだなぁ…………………………………」

 

「………………………」

 

「……せっかくの機会だし、行くか」

 

「長いな ! 」

 

「盛り上がっているところ悪いけどこのあとは部活見学に行くよー」

 

昼休みの終わり頃になって先生が教室に来てそういった。

 

「先生それ昼休み突入する前に言ってくれません ? 」

 

 

~~

部活を見て回る。運動部は共学になったので増えたらしい。

野球部、サッカー部、バレー部、バスケ部、バドミントン部、卓球部、テニス部、剣道部、柔道部、弓道部。

文化部は

茶道部、吹奏楽部、科学部、将棋部

 

などがあった。 隣を歩く鋼輝が

 

「蓮は部活入るのか ? 」

 

「やるとしたらバスケ部だな。 中学の時も入ってたし。ほぼ幽霊部員だったのに何故か大会とかだとスターティングメンバーに入れられたし」

 

「お前中学どこだよ」

 

「ん ? 〇〇中」

 

「全国常連の超強豪じゃんか…」

 

「そういう鋼輝は ? 」

 

「俺はサッカーだよ」

 

「予想通りすぎて全然面白味がないな。 もうちょっと斜め上行けよ」

 

「おい ! 面白味がないって」

 

「 2 人とも静かに。 一応部活は来週から開始ね。 今日はやること全部終わったからこれで解散ね。帰るなりこのまま見学を続けるなり好きにしていいよ」

 

「よーしじゃあカラオケ行くか !! 」

 

「そうだな。あ」

 

「どうした ? 」

 

「あー、すぐ追いつくから先行っててくれ」

 

「分かった」

 

俺は準備をして職員室へ向かう。

 

「先生、アルバイト許可申請もらってもいいですか?」

 

「はいこれ」

 

「ありがとうございます」

 

職員室をでて玄関へ向かい靴を履き替えていると、

 

「アルバイトするんですか ? 」

 

「うわっ !! 」

 

声をかけられた。びっくりした~。 あれ ?

 

「奥沢さんカラオケは行かないんだっけ ? 」

 

「行きますよ」

 

「じゃあなんで」

 

「待ってたんですよ。道中 1 人は暇だと思うので」

 

「ありがとうございます」

 

2 人並んで皆がいるカラオケ店を目指して歩く。 なんか微妙に距離が近いのではとも思うが、他愛のない会話を繰り広げる。

 

「奥沢さんは何か部活やるんですか ? 」

 

「私はテニスをやろうと思ってます。井戸原君はバスケ部ですよね ? じゃあ時間があったら応援行きますね」

 

「ははは。 じゃあ俺も奥沢さんの応援行きますよ」

 

そんなことを話していると到着したので待ち合わせしている旨を定員に話部屋へ向かう。

 

「お待たせー」

 

「おーすってなんで 2 人で来てんの ? え ? 何 ? 先行ってろってそういうこと!?出会ったて初日なのに告ってきたの !? 」

 

俺はわざとらしく顔を背ける。

 

「え ? マジで ? 図星 ? 」

 

「先生にアルバイト許可申請もらってただけ」

 

「お前結構いい性格してるな」

 

「よく言われる」

 

ニヤニヤしながらそう返す。

 

「お前が 1 曲目歌え」

 

「あれ ? まだ誰も歌ってないの ? 」

 

「全員いなきゃ意味ないだろ」

 

なるほど。 そりゃそうか。 そう思いながら歌うものをを決める。まず最初はこれだろ。前奏が流れ俺は歌い出す。

 

 

~~奥沢side

井戸原君と高島君が話しているとお昼の 2 人が話しかけてきた。

 

「ねぇねぇなんで井戸原君待ってたの ? 」

 

「うーんなんでだろう。なんとなくって感じしかしないけど」

 

「ふーん。 でもなんか井戸原君てかっこいよね。なんか友達が井戸原君の中学の同級生から聞いたんだけどすごくモテたんだって。 校舎裏とか屋上とか呼び出せれて。

全部断ったらしいけど」

 

「奥沢さんもうかうかしてたら取られちゃうかもよ?」

 

「そんなんじゃないよ」

 

そんなことを言いながらも美咲の胸にはモヤモヤしたものがあった。

 

「あ、井戸原君歌うって」

 

彼が歌い出す。

 

(うわ上手 ! )

 

1 発目からものすごくハードルが上がってしまった。 クラス全員が聴き入っている。それほどの声だったのだ。 歌っている姿はすごくカッコイイとおもった。

 

 

~~

歌い終えてマイクを置く。

 

「なんでそんな上手いんだよ!」

 

「ハードルあげんなよ!」

 

「知るか !! 初手歌わせたのお前らだろ」

 

「絶対モテたろ!」

 

「確かに告白された回数とか覚えてねえや。 全員振ったのはたしかだけど」

 

主に男子からブーイングが飛んでいた。

 

その後はあの声を聞いた後だったので誰もパッとしなかった。

 

 

~~

「そろそろお開きだな」

 

「もうそんな時間か」

 

店を出て駅に向かう。その間とくに何もなかった。

 

「じゃあねー」「また明日」

 

電車通ではない人は駅前で別れる。

 

「あっち方面の奴いる ? 」

 

そう聞かれて俺は手を上げた。俺以外にもパラパラと見るみたいだ。

 

「そうか俺らこっちだからまたな」

 

「ああ」

 

同じ方面の奴らで電車に乗り話をするが、進むにつれ人が減っていった。 結局残ったのは俺と奥沢さんだけだった。

 

「奥沢さんどこで降りるんですか? 」

 

と聞くと「 2 つ先です」と帰ってきた。

 

「俺も同じです」

 

そう言うが俺は内心めちゃめちゃ焦っていた。なぜかと言うと彼女が少し不機嫌なようには思えたからだ。

 

駅に着いたので降りて、

 

「近くまで送って行きますよ」

 

と言うと

 

「大丈夫です」

 

と帰ってきた。 さすがに夜道で女性 1 人は危ないしそれで万が一何かあったら後悔しそうだからと言う理由で納得させた。その間、やはり機嫌は良くないままだった。

 

並んで歩いていると突然詰め寄られた。

 

「あの、どうして名前で呼んでくれないんですか ? 」

 

「え ? いや、だって初対面…」

 

「高島君は呼んでたじゃないですか」

 

「あー、そういうことですか ? そう言われるとなんででしょう」

 

「私のことも美咲って呼んでくださいよ」

 

「うーんそう言われましても」

 

「敬語もなしで。 私も止めるから」

 

「せめて奥沢。 これでいい ? 」

 

「はあ、仕方ないなー。 いいよ」

 

「ありがとう」

 

なんだろう。 さっきモヤモヤしていたのが少し晴れた気がする。 彼女自身はまだ気づいていない。

彼女の家が近づいたのでそこで別れる。

 

「じゃあね。 おやすみ」

 

「ああ、また明日」

 

そう交して俺は帰路を辿った。




呼んで頂いた皆さんからの評価が良ければ続きを書こうと思います。無ければただの読み切りになりますが。
ちなみに自分はバンドリやっていたのですがスマホのストレージ低すぎて一旦消す他無くなりました。ちゃんとバックアップはしてあります。機種変したら入れる予定です。
あとなぜこの話を美咲でやったかというと彼女自信がすごく安定してるからです。
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