ガールズバンドとのやかましい日常   作:紅葉064

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なんか終わりそうなタイトルだけど終わりません


やかましかった1年

3月中旬の終業式。俺たちは1年生を終える。終業式の校長の話は寝て聞き流した。

 

教室に戻ると俺は奥沢と1年間を思い返していた。

 

「色々あったねえ」

 

「ぶん回された記憶しかねえ」

 

「あはは、確かに」

 

「夏は海行って」

 

「井戸原君浜辺で寝るか走るしかしてなかったね」

 

「意地でも入りたくない」

 

「ハロウィンも仮装して」

 

「何故か瀬田先輩の怪盗ハロハッピーに対して俺は何故か探偵コスチュームだったし」

 

「うんでも結構似合ってたよ」

 

「やめてくれマジでホントに」

 

「クリスマスも喧嘩しちゃったけどいい思い出だよ」

 

「自分で言っときながら顔赤くしてるの気づいてるか?俺だって恥ずかしいんだよ」

 

「でもプレゼントしてくれた羊毛フェルトのキットは大事に使ってるよ。ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

俺は恥ずかしくなって話題を変える。

 

「そういや体育祭も結構やばかったな」

 

「主に井戸原君がね」

 

そう言って体育祭の出来事を思い出す。

 

 

 

~~

「だるい」

 

「まったくそんなこと言って」

 

「そうだよ!楽しまなくちゃ」

 

「戸山お前いつからいた」

 

今日は体育祭が行われる。これでもかという快晴の下で俺は日陰で座り込んで話していた。

 

「でもそろそろ始まるよ」

 

「隙を見て帰ろうか」

 

「いやダメでしょ」

 

 

~~

開会式では今市ヶ谷が選手宣誓を終え最初の競技までの休憩時間。

 

「ねえ、そういえば井戸原君も選手宣誓の候補じゃなかった?」

 

花園がそんなことを聞いてきた。

 

「授業中に寝てる俺より他には良い奴いますよと先生に進言しといた」

 

「サラッと押し付けてるし!」

 

俺は「何当然のことを」と言わんばかりの顔をする。みんな呆れていた。

 

その後徒競走が始まり北沢が圧倒的な速さを見せてきた。

 

「リレーやばいかもしれん」

 

「白組アンカーだもんね」

 

徒競走が終わり玉入れに入る。うちからは俺、奥沢、花園、牛込がいた。

 

「あたしと牛込さんが集めてそれを花園さんにパスして」

 

「それを私が·····並べるの?」

 

「台無し!」

 

何やってんだあいつら。

 

始まってうちの玉がドンドン入ってく。なんなんだ花園あいつ。メカか何かか。勝った後にそんなことを言ったら奥沢に。

 

「バスケのダンクみたいにやって一度に何個も入れてた井戸原君がそれを言っちゃいけない」

 

と言われた。疲れた。

 

 

~~

お昼

 

「うわ何それ」

 

俺の弁当の蓋を開けるといたのはミッシェルの頭のおにぎりだった。

 

「わーミッシェルだ!」

 

「かわいー」

 

「どゆこと?」

 

奥沢にそう聞かれ何故この弁当にいたったかを話し出す。

 

「いやなんか昨日の夜に弦巻から電話かかってきてミッシェルがミッシェルのミッシェルとミッシェルミッシェル言うからさ。その後次は北沢からもかかってきて同じようなこと言うもんでさ、今日起きて弁当作ってたらミッシェルが頭から離れなくて気づけばミッシェル弁当になってた」

 

「えーー?」

 

「すごい」

 

「お前のところのオっちゃんみたいなウインナーもあるぞ」

 

「ほんとに!?」

 

そんなこんなで談笑しながらお昼を食べ午後の部が始まる。

 

 

~~

「納得いかねぇ」

 

午後一のプログラムは一年のダンスなのだが知らないうちに俺1人によるブレイクが埋め込まれていた。どういうこっちゃ。

 

「まあまあ。ところで井戸原君次借りもの競争じゃないの?」

 

「そうだった。行ってくる」

 

『それでは借りもの競争を始めます。位置について、よーい』

 

パァン

 

始まった。箱から紙を出してお題を確認する。

 

『お世話になっている人』

 

ものって人の方かよ。どっちにしよう···

 

『おぉーと!白組の1人の動きが止まった!』

 

うーんでもこっちかなあ。俺は結論を出し再び走り出した。

 

『と思ったら自身の陣地へ走り出した!』

 

俺は目的の人を見つけて声をかける。

 

「白金先輩、一緒に来てもらっていいですか?」

 

「わ、私ですか?わかり···ました」

 

『連れてきたのは生徒会長!一体お題はなんなのか!』

 

「白金先輩大丈夫···じゃなさそうですね」

 

あまり運動は得意ではないのだと思う。仕方ない。やりたくないけど。そう思いつつも彼女の腕を握り浮かせて横抱きにする。この時点で4人目のお姫様抱っこである。よく聞けば周りの、主に女子から黄色い悲鳴が上がっている。

 

白金先輩もその白い肌では目立つほど顔を赤くしていた。

 

「すみません。ゴールするまで我慢していただけるとありがたいです。」

 

俺も恥ずかしがりながらそう言った。

 

『なんと会長をお姫様抱っこ!?なんと大胆な!イケメンかよ!!』

 

実況してる奴ノリノリだな。まあ俺はそのまま1着でゴールした。

 

 

「イケメンかよー」

 

帰って来るなり花園にそうからかわれた。

 

「やめい」

 

「イケメンカヨー」

 

怖い怖い。奥沢、お前はなんで棒読みなんだ。

 

 

~~

色々終わって残るはリレーのみ。俺は北沢と共にアンカーをやる。始まりは白組優勢。そのままアンカーへ渡る。

 

「行けー井戸原ー!」

 

応援は嬉しいけど今はやばい。玉入れで調子乗ったのが今更来てる。しかし北沢も迫ってる。数秒後にとうとう並ばれラストスパートに入る。

 

『さぁ赤組が白組に並んだがなかなか抜かせない!しかし白組も離せない!』

 

足が結構やばい状態で走り抜き結果は···

 

『えー只今の結果、ビデオ判定により···赤組の勝ち!!』

 

「だあああああ!!負けたー!」

 

「おつかれ」

 

「ほんとだよ」

 

こうして体育祭は幕を閉じた。

 

 

~~

「普通に悔しい」

 

「まあ来年がんばろうよ」

 

「うあー」と言って奥沢の膝に頭を乗せる。

 

「おいそこの夫婦」

 

「「誰が夫婦だ。それ以前に付き合ってすらいねえ(ない)よ」」

 

「息ピッタリじゃねえか」

 

ちなみに、体育祭で彼が白金さんをお姫様抱っこした時に私がちょっとモヤッとしたのは内緒だ。

 

 

 

~~

「あったねえそんなこと」

 

「2年生はどうなるのかねえ」

 

「知らねえ···けどまあ多分退屈はしないと思う」

 

「そうだね」

 

「今年と同じ行事に+で修学旅行あるしな」

 

「そういえば。どこ行くんだろう」

 

「んーまあ極論楽しけりゃいいけど」

 

俺は2年生もなんだかんだで楽しみにしている。




へーい次から2年生になるよー
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