「まったく、ギターを引いているときのあなたはどこへ行ったのですか」
「混同させないでください。あれはあれです」
俺は現在2度目のお説教を受けている。
「あなたもう少し発言に気をつけた方がいいわよ」
ええ全くもってその通りだとは思います。ですが撤回する気はありません。だって今まさにすごい怖いんだもんこの2人。·········というか何故氷川先輩はいるんだ。白鷺先輩はいつ呼んだ?俺この人が一瞬でもスマホ出したところ見てないぞ。
このまま2人からくどくどと説教を受けていると、
ゴロゴロゴロ
なんか聞こえ始めた。これあれでは?テンプレなやつでは?
ドカァーーーン!!!
「きゃっ」
あ、落ちた。そして今可愛い悲鳴あげたのどっちだ。と思って2人を見ると氷川先輩が羞恥に悶えて顔を赤くしていた。
「井戸原さん······」
そう言って睨んでくる。え?俺悪くなくない?そして彼女が1歩踏み出したその時、
バチン!
「え?」
やっぱりこうなったか。俺は立ち上がり
「氷川先輩、とりあえず本部に行きましょう」
「ですが日が雲に隠れて暗いので危険です···ってえ?」
ピカー
「何故懐中電灯を持っているのですか?」
「え?懐中電灯くらい普通は持ってるもんじゃないんですか?」
「普通は持っていません」
「って今はそんなのどうでもいいです。とりあえず行きましょう」
本部に戻ると俺はあるものを探し始める。
「えーとどこにあったっけ?」
「何をしているのですか?」
「盤探してます」
「盤?一体なんのこと」
「氷川さん!井戸原君!いたんですね」
「白金さん」
「あーブレーカー落ちてんな。あげてもすぐ落ちる。どっかショートしたな。まあ元のブレーカー落ちてないだけマシか」
「井戸原君どうしました?」
「今は予備電源起動してるんでいいですけど復旧させるなら業者に頼むしかないですね。それでも少なくとも1時間はかかると思いますが」
「お待たせおねーちゃん」
「揃ったわね。それじゃあスケジュールの組み直しをしましょう」
~~
バン!
扉が開き入ってきたのは戸山たちだった。
「紗夜先輩!燐子先輩!」
「戸山さん」
「あの!体育祭はどうなるんですか?」
「今業者の方が復旧作業をしてくれています。それまで一時中断としてスケジュールを組み直しています」
「中断···どうにかできませんか?」
「今は予備電源を使用しているのであまりできることは···」
「せっかく盛り上がってたのに···そうだ!」
「?」
「私たちでライブをやればいいんだよ!」
「ナイスアイデア!」
「いやいやアンプどうやって繋ぐんだよ」
「予備電源を貸してもらえれば···」
「気持ちは分かりますが実行委員も手一杯でライブの準備にさく人員はありません」
「だったらみんなの力を借りればいいんじゃない?」
「日菜」
「日菜先輩!」
「彩ちゃんとか蘭ちゃんに手伝って貰えばライブの他にいろんなことできるでしょ?」
「そうですね。私蘭ちゃんに連絡してみます!」
「おーつぐちゃんツグってる!」
「これが巷で噂の『ツグってる』か」
「巷で噂って何!?」
「まあ冗談はさておき」
「もー!」
「私も彩ちゃん達に連絡しよ!」
「私はこころんたちに連絡してみます!」
なんだかんだで全員お人好しだからOKするんだろうな。なんて失礼なことを考えながら俺は分電盤を調べていた。
数分後
「話は聞いたわ!体育祭が再開するまで私たちで盛り上げるわよ」
「準備はジブンに任せてください!」
「香澄ちゃん、それで私たちは何をすればいいの?」
「皆さんありがとうございます!それはですね······」
~~
「暇だねー」
体育祭が一時中断となったせいで観客席では生徒たちがざわめいていた。その時、
「やあ子猫ちゃんたち。突然訪れた空白の時間、どうお過ごしかな?」
「この声って」
「きゃああああああああああああああああ!!薫さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
うわやば。俺はあの観客席にいなくて良かったとすごく思った。言っちゃ悪いけどあんな黄色い悲鳴まじかで聞いたら絶対鼓膜破れるわ。
「ふふ、それではショーの始まりだ。最後まで楽しんでくれたまえ」
「みんな~!再開するまで、私たちがたーくさん笑顔にしてあげるわ!いくわよ美咲!」
「はぁ、まさかこんなところで一輪車に乗ることになるとは···すごい注目されてるし」
「さぁ美咲ジャグリングよ!まずはレベル1」
「へ?うわぁ!よっ、ほっ」
すごい。感心するレベルですごい。これもミッシェルとしての努力の賜物か。
「どんどん行くわよ!2!3!4!」
「ちょ、ちょっとこころ!」
「さぁいよいよレベル5よ!」
「え?それってまだ全然出来てないやつ!」
~~
「こころんたち盛り上がってるみたいだね!私達も頑張らないと!」
そう意気込んでギターを鳴らす戸山だが、
「うーん。やっぱり音が弱いなー」
「まあ予備じゃ仕方ないとは思うが、やっぱりやめるか?」
「ううん。やる」
「そう言うと思った」
なんだかんだでちゃんと芯はあるんだよな戸山のやつ。
「何かあれば私が責任とります。だからお願いします!」
「有咲ー。私たちがでしょ」
「お前ら」
「市ヶ谷お前なんだかんだ言って自分のバンド大好きじゃん」
「なんか言ったか?」
「なんだかんだ言って自分のバンド大好きじゃん」
「そこは普通誤魔化すとこだろ!」
「はっはっは」
~~
「さて、次はこのショーを提案してくれた子猫ちゃんたちだ。盛大な拍手で迎えてあげてくれ」
「こんにちはー!私たち「「「「Poppin’Partyです!」」」」」
「私たちライブをします!音は小さいけどまずは1曲目ーー」
「おっと子猫ちゃんたち、私からの提案だ。カウントダウンとともに演奏を始めてくれないか?」
「なんでだ?」
「いいじゃん。何かあるんだよ!」
「ふふ、それじゃあ行くよ。5、4、3、2、1」
「!!なったー!」
「電気もついたぞ」
「修理終わったんだ」
「そうみたいだね」
「よかった~」
「それでは聞いてください!」
~~
「みんなジュース持った?それじゃあカンパーイ!」
「それにしても早めに直って良かったですね」
「そうですね。おかけで最後まで行うことが出来ました。これも皆さんの協力があってこそです」
「それじゃあこの後は···」
「ええ、お説教の続きですね」
「ライブの準備は!?」
「冗談です」
「どこがですか」
「この後ではなくライブの後、ですね」
俺は絶望した。そうして始まるライブ。
ピロン♪
突然着信がした。内容を見て俺は笑みを浮かべた。
「お、そっか」
なんか最近すごい「次何書こう」って言ってる気がする。次は何を書こう。