ガールズバンドとのやかましい日常   作:紅葉064

30 / 83
あんなサブタイしときながら書き始めは終業式。


夏休み再び

「あーちぃ」

 

ある夏の朝、マジで暑い。ぐだぐだしながらも時計に目を向けると俺は飛び起きた。

 

「やっべやらかした」

 

寝坊である。夏休みではない。それは明日からなのでつまり今日は終業式だ。出来れば嫌だが今日遅刻したら間違いなく氷川先輩から嫌味がとぶ。そう確信してエネルギーゼリー飲料を10秒で流し込んだ俺はバイクを引っ張り出した。いざ行こうと思うと1人、焦りながら駅に向かう1人の少女を見つけた。俺は声を掛ける。

 

「へーいそこのお嬢さんお急ぎかい?お望みの場所まで乗せてくぜ。乗りな」

 

「何さその言い方。ありがたいからお言葉に甘えるけど」

 

「いやだって終業式と始業式に遅刻はまずいだろ。浮かれすぎだの気分が抜けてないだの言われるぞ」

 

中3でそれを実際に言われた。

 

「というわけでメットとこれ着ろ」

 

「なんで」

 

「職質受けてもいいなら着なくていいぞ」

 

「着る。でもこれで学校まで行くつもり?」

 

「怒られるわ。途中で止めて歩いてく。ほら行くぞ」

 

「あ、うん」

 

「捕まってろ。法定速度で飛ばすから」

 

そう言うと後ろから手を回してぎゅっと抱きしめてくる。うん、もうちょっと緩くても大丈夫だと思うけど今は一刻を争うからいいやもう。

そして途中のカフェでバイクを止めた。もちろん「マスター。バイク停めさせてもらうね」とことわっておいた。

 

「これなら間に合うな」

 

「いやーホントにありがとう」

 

「いいよ気にすんな」

 

「それにしてもバイクで学校行けるっていいね」

 

「ゴホン」

 

突然の咳払い。

 

「おはようございます」

 

「あ、氷川先輩おはようございます」

 

「ところで今聞き捨てのならない言葉が聞こえたような気がするのですが。バイクで登校したと。校則で禁じられているはずですが」

 

「何言ってるんですか。車はさすがに無理だからせめてバイクでも登校出来たらどれほど楽かって話ですよ」

 

「そういう事ですか」

 

「そうですよ」

 

あっぶね~。これバレたらさすがに怒られるどころの話じゃない。

 

 

 

~~

終業式後

「やったー!夏休みー!有咲ー今年はどこ行く?」

 

「戸山」

 

「なぁに?」

 

「課題もやれよ」

 

「うっ」

 

「市ヶ谷と同意して今年は手伝わんからな」

 

「そんな~~」

 

「おい······」

 

「そういうことだ香澄」

 

「奥沢はどこか行くのか?」

 

「ハロハピであたしのおばあちゃんの家に行くことになった」

 

「それはもう頑張れとしか言えんな」

 

こうして始まる夏休み。

 

 

 

~~

『もしもし?』

 

「もしもし、今時間ある?」

 

『あるけど』

 

「じゃあカレーの作り方教えて」

 

『うん要件はわかった。だがなぜそうなった?』

 

「実は······」

 

ようはこうらしい。収穫の手伝いをしたことでそれを使ってカレーを作ることになった。そして弦巻たちの暴走を事前に止められるようにと。

 

『メモの用意は?』

 

「できてる」

 

『それじゃあまずターメリック、カルダモン、クローブ、クミン······』

 

「ちょっと待って!」

 

『どうした?』

 

「どうしたじゃないよ。当然のように聞いたことないものが出てきてるんだけど」

 

『え?全部カレーに使うスパイス』

 

「なんでそんな本格的なものを作らせようとするのさ」

 

『だって弦巻いるからこの位と思って』

 

「いやカレー作ってるのあたしのおばあちゃんの家だから」

 

『ああ、カレールーの方か』

 

「普通はそっちが出てくると思うけど」

 

『俺たまに作るけど』

 

「うっそ」

 

『マジで』

 

「すごーって!こころ!ちょっと待って!」

 

楽しそうだねぇ。

 

 

 

~~

「カレー美味しかったね」

 

「はぐみ、またおばあちゃんたちにお礼言いたくなっちゃった」

 

「こんな心温まる体験をさせてくれたマダムたちに感謝したいね」

 

「感謝かぁ······ねえ、思ったんだけどみんなでライブをしない?」

 

「ライブ?」

 

「うん。お礼のライブを地域の人達にしたいなって」

 

「それはいいわね!」

 

「仕方ないなぁ。おばあちゃんに相談してみるね」

 

 

 

~~

「みんなーお待たせー」

 

「あーミッシェルだ!電車で来るの大変だったでしょ?」

 

「大丈夫だよ」

 

~昨日~

「奥沢様、お待たせしました」

 

「あれ?どうして···ってミッシェル?」

 

「実は昨日の夜に井戸原様よりこころ様たちが奥沢様のおばあ様のご自宅でライブをされるので届けてあげて欲しいと連絡を受けましたので」

 

「え?なんで井戸原君がそれを知っているんですか?」

 

「それにつきましては通話履歴を確認いただければわかるとおっしゃっていました」

 

「通話履歴?」

 

不思議に思いながらも確認すると驚いた。

 

「こころのことで切るの忘れてた···というか切れば良かったのに」

 

「何か面白いことがあるかもしれないからそのまま切らずに聞いていたともおっしゃっていました」

 

「まぁ助かったから良しとしよう」

 

 

 

~~

ピンポーン♪

 

「はーいって奥沢か」

 

「何か文句でも?」

 

「ないない。どうした?」

 

「はいこれ」

 

「これは···おお」

 

「うちのおばあちゃんのところの畑で取れた野菜のおすそ分け」

 

「サンキュー。いいもんばっかだな」

 

「喜んでもらえて良かったよ。あとありがとう。すごく助かった」

 

「どういたしまして」

 

「じゃあまたね」

 

夏休みはまだ続く。




さっきログインできなくてめちゃくちゃ焦りました。未完のまま終わるんじゃないかと思ったけど良かったぁε-(´∀`*)ホッ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。