「修学旅行も3日目···今日は食べ歩くぞー!」
「おーー!!」
朝からテンションが高いことで。まあかく言う俺も今日はちょっとわくわくしているのだが。
「飯は食べられるようにしとけよ」
「わかってるよ~」
「ほんとかなぁ」
正直戸山が1番心配だわ。
その後出発した俺たちはめぼしいものを片っ端から食べた。抹茶パフェとかめちゃめちゃ美味かった。約2名その量にちょっと青い顔してたのが面白かった。案の定食べられなかったので手伝ったが。
~~
午後3時を回り次はどこへ行こうかと考えていると、
「あ!星だー!」
「香澄!?どこ行く気だよ!」
そう言って走っていってしまった。
「はっすー」「蓮」「井戸原君」
「ん?」
「「「どうする?」」」
「どうって···追うしかないだろ。離れて何かあったとか言ったら怒られるぞ」
「だよねー」
そうして俺たちは2人を追いかけた。その30分後、
「完全に迷ったな」
「香澄お前な~」
「みんなごめぇん」
「市ヶ谷。気持ちはわからんでもないがそれは後にしろ。先に現状をどうにかするのが先だ」
「でも下手に動くと余計に迷うよね。マップ見ても訳わかんないし」
「そうなんだよな。近くにになんかないか?」
「ちょっと待って。···あー学校ある。京都天楼女学院」
「それって日本有数のお嬢様学校じゃねぇか」
「京都天楼···天女···」
「あれ?はっすーどうしたの?」
「いや、どっかで聞いたとあるような」
「そりゃ有名なんだからあるだろ」
「いや、そうじゃなくて···あ!」
「うお!びっくりした」
「思い出した。確かすみさんが行ったところだわ」
「え?すみさんここなの?」
「確か」
すみさんとは誰だと思った4人だったがもう知っている。蓮と葵の2人だけがわかるということは中学の同級生だということを。
「行くだけ行ってみるー?」
「時間が時間だから待ってれば会えるかもだしね」
「そうだな。じゃあ行くか」
~~
「来ないね」
「来ないな」
「もう帰ったのかな」
「かもな」
「ねぇ」
「ん?どした?」
「すみさんって誰?」
「ああ。紫音 すみれって言って中学の「すみません」はい」
突然声をかけられ振り向くと1人の女性が立っていた。
なんだろうと思ったが
「私、京都天楼女学院の教師なのですが」
と聞いて一瞬で理解した。
「先程から見知らぬ男女が入口でたむろをしていると相談を受けまして」
やっぱりかーと思った。
「すみません。ここの生徒の1人に用事があって先程電話をしたのですが繋がらなくて」
「それは、日中校内での使用を禁止しているからですね。よろしければ取り次ぎましょう。その生徒の名前を教えて頂けますか?」
「紫音 すみれと言います」
その名前を聞くと彼女は黙り込んでしまった。少しすると
「すみませんがそれはできません」
と言った。
「何故ですか?」
「今、紫音さんはストーカーの被害に遭われています。それが誰なのかも分かりません。彼女とのしっかりとした関係性を示すものを見せて頂かなくては···」
「すみさんにストーカってそりゃまた珍しい」
そう呟いき俺は振り返って聞いた。
「葵、今あれ持ってるか?」
「あれでしょ?あるよ」
「すみません。これを見たことありますか?」
俺たちはキーホルダーを取り出した。
「それは、確か紫音さんが持っているのを見たことがあります」
「これは中学の卒業の時にクラスで作ったものなんです」
「確かにそんなようなことを言っていましたね。わかりました。どうぞ着いてきてください」
「え?こういうのって普通男子禁制なのでは?」
「入学はできません。ですが許可があれば男性でも問題ありません」
なるほどと思っていると
「おいお前」
声が聞こえた。まあいいや気にしないどこ
「お前だお前!何無視してんだ!?」
「ああ、俺?」
「そうだ。お前、さっきからすみれちゃんの名前を何度も呼んでいたな。すみれちゃんは僕のものだ。お前はすみれちゃんのなんなんだ!どんな関係なんだ!?」
明らかにやばめのやつが出てきた。言葉を聞く限りこいつがすみさんのストーカーなのだろう。どうせなら煽ってやろうと思い
「お前が思っているよりも深い関係」
と答えた。すると男は黙り込んで静かに懐からナイフを取り出した。よく見ると目が血走っている。そして、
「すみれちゃんは誰にも渡さなあぁぁぁぁい!!!」
そう叫んで襲いかかってきた。いや沸点低。
「井戸原く···え?」
向かってくる男の頭に、俺は横から頭に蹴りを叩き込んだ。それをもろに受けてふらついた男の手からナイフを払って組み伏せた。当然暴れる。だが俺は力を強め、冷たい声でこういった。
「下手なことしたら全治半年はかかる折り方するよ」
さっきの教師が通報したのか、程なくして警察がやってきて男を連れていった。さすがのすみさんも被害届は出していたらしい。そんなひと悶着がありながらも、俺たちは応接室に通された。
「呼んで来ますのでしばらくお待ちください」
~~
放課後、私は教室で友達と話をしていた。最近誰かにつけられているのでお母さんが送迎をしてくれているけど今日は遅くなると言われた。少し話していると先生がやって来た。誰かに用かな?
「紫音さん。あなたにお客様です」
私だった。誰だろう。
「すみません失礼します」
友達にそう告げて先生のあとをついて行く。応接室に着き、扉を開くとそこには、
「やっほーすみさん」
「久しぶりすみさん」
見知った顔がいた。
「あー!はすさん、あおくん久しぶり!」
「「いえーい!」」
「「いえーい!」」
2人とハイタッチをすると
「ゴホン!」
あ、先生いたんだった。
「今だけですよ」
目をつむってくれた。
「でもどうしたの?こんなところまで」
「いやー実は今修学旅行中なんだけどさー」
「うん」
「迷った」
「うん。うん?迷った?はすさんが?珍しい」
「俺もそう思う。だから助けてもらおうと思って」
「うーん。そうしたいのは山々なんだけど私いまストーカーにあってるんだよね。巻き込んじゃうかもしれないし」
「それならさっきはっすーが蹴り飛ばしたよ。それで連れてかれた」
「あれ!?もう巻き込んでた!?ごめんね!」
「大丈夫大丈夫。そろそろ連絡来るんじゃない?」
「あ、ほんとだ来た」
どうやら正式に逮捕となったらしい。
「よし。じゃあ行こう」
「あざっす」
「で、どこまで行けばいいの?」
「ここまで行ければあとは大丈夫」
「はいはいりょうかーい」
そして京都を案内がてら連れてきてもらった。
「すみさんばいばーい」
「じゃあまた」
「うん」
そうして向かったのは夕食場所。外で食ってこいとかなんなんだようちの教師たちは。今回に限っては良しとするけど。
~~
で、着いたのは
「ここ?」
「ここ」
「超人気店じゃん。よく予約できたな」
そうその通り。いくら俺でもここの予約取るのは恐ろしく大変だったのだ。
店に入ると、いい感じの雰囲気だった。羽沢の家とは違ったよさ。まぁ比べるジャンルが違うけど。
席に通されると鋼輝と市ヶ谷だけ別席。市ヶ谷がすごい混乱している。まぁお膳立てはここまで。あとは頑張れ。
~~
「美味しい···!」
「うん。なんか蓮の教えてくれる店って外れないんだよね」
「何となくわかる気がする」
「蓮には感謝だな。好きな人とこうやってゆっくりご飯食べられるんだから」
「うん···え?今なんて···」
無意識に口にしてしまったらしい。こうなったらもう後戻りはできない。
「市ヶ谷さん」
「は、はい」
「好きです」
聞き間違いじゃなかった。だが、そんなことを考えているのもお構い無しに続ける。
「あなたと一緒にいたいです。俺と───」
彼は言おうとしている私が密かに待っていた言葉を。でも、そんなことはないと諦めていた言葉を。
「───付き合ってください」
「私···なんかでいいんですか?」
「市ヶ谷さんがいいんです」
「···よろしく···お願い···します」
パチパチパチ
ビクッ
突如沸き起こる拍手。そうだった。蓮が予約してくれただけで貸切なわけじゃないんだった。
~~
俺たちは2人の様子を固唾を飲んで見ていた。その後、一気に緊張が抜けた。俺はすぐに頼んでいたものを出してもらうことにした。っとその前に、あの二人をこっちに呼んでもらおう。数分後にやって来た。2人とも顔が真っ赤である。下を向いたまま席に座る。
「2人とも。何か言うことは?」
「つ、付き合うことになりました···」
「良かった良かった。お願いしまーす」
「「?」」
「お待たせ致しました」
「あの、これは?」
「詳しい事情は伺っていないのですが、成功したら出して欲しいと井戸原様に頼まれまして」
「2人ともおめでとう」
「蓮、ありが「ありさ~おめでと~!!」···とう」
「だーもう香澄!抱きつくな!」
締まらねぇな。
「えーいいじゃん」
「今だけだぞ」
「やったー!」
~~
そのあとはみんなでゆっくり食べた。
「それじゃあ鋼輝」
「どうした?」
「市ヶ谷とイチャつきたいと思ってるとこ悪いけど」
「はぁ!?」
「お土産の確認しよう。もう買う時間今しか残ってないから」
「そっかー。明日すぐ帰っちゃうもんね」
「というわけで葵、匠の」
「あるよー」
「市ヶ谷、生徒会のは?」
「一緒に選んだじゃねえか」
「確認だから。まあ大丈夫だな。じゃあ帰るか」
次回で修学旅行は終わりです。