ガールズバンドとのやかましい日常   作:紅葉064

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年末年始の井戸原

年末、俺は久々に父さんの実家に来ていた。最近会っていなかったためか爺ちゃんも婆ちゃんも快く迎え入れてくれた。だが、ここには父さんの兄弟の家族も来ていた。俺はあまりこの雰囲気が好きではない。全員が俺を睨んでくるのだ。理由はなんとなくわかるけど。そんな中でボーッと過ごしていると電話がかかってきた。奥沢だ。

 

「もしもし?」

 

『もしもし?今大丈夫?』

 

「ああ。どうした?」

 

『うん。初詣に行きたいなって』

 

「2人で?」

 

『2人で』

 

「それはいいけど俺今父さんの実家にいるから行くのは多分3日とかになるぞ」

 

『それは大丈夫だよ』

 

「じゃあそれで」

 

『うんまたね』

 

通話を終えて振り向くと母さんが俺を見てニヤニヤしている。

 

「なに」

 

「女の子?」

 

「大きなお世話だよ」

 

「彼女?」

 

「いないよ」

 

「あらそう。まだなのね」

 

「そうじゃなくて。わかってるだろ?彼女なんか作れるわけないじゃん」

 

「それは······」

 

「蓮」

 

「なあに爺ちゃん?」

 

「話があるから来なさい」

 

「はーい」

 

 

 

~~

日が過ぎまくって1月3日朝9時

 

「お待たせー」

 

「いや大丈夫」

 

「なら良かった。あ。あけましておめでとうございます」

 

「あけましておめでとう。今年もよろしく」

 

「うん。じゃあ行こ」

 

そう笑って促す彼女を見て、俺の顔に陰がかかった。

 

「そういや奥沢初詣なのに2回目じゃないのか?」

 

「うん。こころたちと行ったからね」

 

「やっぱりか」

 

「井戸原くんはお父さんの実家行ったんでしょ?」

 

「ああ。そもそも2年もろくに帰ってなかったからな。さすがに顔見せろって」

 

「あはは。言われてみれば確かに」

 

「まぁあんまし帰りたくはなかったからな」

 

「え?なんで?私たちといたいから?」

 

「それもそうなんだろうけど」

 

「認めたね」

 

「雰囲気が好きじゃないんだよな」

 

「ふーん」

 

 

 

~~

参拝を終えて境内を歩き回る。

 

くぅ~~~

 

「なに今の?お腹の音?」

 

「そういや今朝何も食ってない」

 

「そうだ。お昼からこころの家で新年会やるんだけど井戸原くんも来る?」

 

「ハロハピじゃない俺が行っていいのか?」

 

「いいよ。って言うかむしろ来て」

 

「止められる保証はないぞ」

 

「いてくれればいいよ」

 

「そうですか」

 

こうして俺は新年会に参加することとなった。

 

 

 

~~

うん。久しぶりに来たけどやっぱデカい方だよな。

 

「奥沢様、井戸原様。あけましておめでとうございます。本年もお嬢様をよろしくお願い致します」

 

「いえ、そんな。あたしたちも皆さんにはお世話になっていますし···」

 

「ありがとうございます。寒いのでお入りください。皆様お揃いです」

 

黒服さんに案内されたどり着いたのはかなり広い部屋。その中に4人いる。いくらなんでも会場とやることの規模が不相応だろ。

 

「あら?蓮も来たのね!!」

 

「悪いな突然」

 

「大丈夫よ!1人でも多い方が楽しいもの!」

 

「あ!蓮くんあけおめー!」

 

「あけおめ。フォーク持ってんだからあんまり暴れんな」

 

「あぁ、儚い」

 

「はいあけましておめでとうございます」

 

「ああ。今年もよろしく頼むよ」

 

「松原先輩あけましておめでとうございます」

 

「あけましておめでとうございます」

 

「今年もよろしくお願いします」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

「それじゃあ楽しむわよ!」

 

弦巻の声を皮切りに俺たちは大いに盛り上がった。




家族がコロナにかかって仕事行けませんでした。逆に考えればすごい時間ができた
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