ガールズバンドとのやかましい日常   作:紅葉064

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わすれもの -前編-

「うあーやだやだ。なんで寄りにもよって教室に置いてくるかな」

 

俺は放課後に1人で生徒会の仕事をしていたのだが、終わらせていざ帰ろうとした時、教室に忘れ物をしたことを思い出した。しかも今は1月半ばで日が落ちるのも早いため西はうっすらと明るい程度だ。それが余計に嫌だった。明日でもいいと思うかもしれないが放置していた明日提出の課題だからそうも行かない。なんでやってないんだとかそういう事は聞かないで欲しい。急ごうと階段を1つとばして降りていく。

 

「わーーーーーーーーー!!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

~~

「ほんとにごめんね!」

 

「もう···いいですよ。たいしたことないです」

 

階段を降りたところで脅かしてきたのは丸山先輩だった。どうやら彼女も忘れ物をしたらしい。さっきのごめんねは脅かしたことと忘れ物に付き合わせることへの二重の謝罪だった。

 

「たいしたことないなら良かったけど」

 

俺自身怖いので会話をしながら並んで階段を1つとばしで登っていく。こういうのってついやっちゃうよね。

 

「それにしても偉いね。こんな遅くまで仕事なんて」

 

「ええ。忘れ物して最悪だと思った矢先にあれですよ。ほんとに一瞬死のうかと思ったほどにビビりました」

 

「死んじゃダメだよ!?」

 

「冗談ですよ」

 

そんなことを言いながらこんな軽口をかわせるようになるほど仲良くなるなど最初は思ってもみなかっただろう。

 

「まったくさ、なんで井戸原くんはいつもいつもわたしをからかうのかな」

 

「なんとなくですかね」

 

「もー」

 

教室について机を漁れば課題はあった。

 

「あとは先輩のですね」

 

2人で3年の教室に向かうすると突然

 

「見て見て!星がすごっい綺麗だよ!」

 

脱線した。なんでだよ。まあたしかに冬は空気が澄んで星が綺麗に見えるのは確かだが。

 

ようやくたどり着いた。すると探し物をしながら話しかけてきた。

 

「それにしても井戸原くんがいて良かったよ。暗くてちょっと不安だったし」

 

「それは俺もですけど······ハッ!」

 

丸山先輩の方を見ると笑みを浮かべていた

 

「つまり寂しかったんだ」

 

「帰ります」

 

「照れ隠ししてもダメだよー」

 

「うるさいですよ!」

 

「けど寂しかったんでしょ?」

 

「ええそうですよ!俺は怖いの無理なんでね!」

 

「逆ギレされた···」

 

「もうなんでこうなるかな」

 

「てなわけで見つかったから帰ろ」

 

「どんなわけで!?」

 

教室を出ると蓮は異様な雰囲気を感じた。3年の教室に来ることはほとんどないのでかなり新鮮なのだしかも夜。せっかくなので全部の教室を通り過ぎて一番端まで行くと窓から見慣れないものを見た。

 

「なんだ?あれ」

 

「あれはね、ずっと昔からある今は使われてない倉庫なんだって。かなり前からあるらしいよ2、3階からじゃよく見えないもんね」

 

「へぇー。あれ?なんでそんなこと知って······」

 

不思議に思って振り向くが彼女はいなかった。

 

「え?丸山先輩?ほんとにやめてくださいよ」

 

さっきまでいた事が嘘のような静けさだった。

 

♪~~~

 

着信音がなる。見れば丸山先輩だった。

 

『もしもし?』

 

「丸山先輩どこにいるですか。ほんとにやめてくださいよ」

 

『?なんのこと?私授業終わってすぐ帰ってずっと家だよ』

 

「は?」

 

ガッ!

 

放心していると突然腕を掴まれスマホを落とした。

 

『え?何?どうしたの!?井戸原くーん!』

 

俺は振り向けないまま固まった。

 

すると後ろ存在が囁いてきた。

 

「どうして?なんで誰も...ワタシをミツケテくれないノ?」

 

俺の記憶はそこで途切れた。

 

 

 

~~

「はっ」

 

目を覚ますと日が登りはじめていた。

 

「夢だったのか?」

 

そこで腕を掴まれたのを思い出す。恐る恐る袖をめくるとそこには···

 

真っ赤な人の手型があった

 

俺は背筋が凍った。

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