ガールズバンドとのやかましい日常   作:紅葉064

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番外編5 ハプニング・デイ

雲ひとつない快晴の今日。俺たちエンドロールは休日だ。休むには最高の日だからこんな日は

 

「あえて部屋に籠るべきだよな」

 

「いやいやせめて朝ごはんは食べに来なよ」

 

どこから聞いていたのかリサさんが扉を開けてそう言ってきた。

 

「............それはそうですね」

 

そして食堂に行くため階段を降りようとしたその時

 

ドガァァァァン!!!

 

爆発音とともに揺れた。

 

「キャア!」

 

「おっと。大丈夫ですか?」

 

「うん。ありがとう」

 

揺れで倒れそうになったリサさんを助けて下を覗き込んだ。ちょっと黒い煙が見える。

 

「なにごと?」

 

 

 

~~

下へ降りると排煙装置のおかげで煙は全て外へ排出されていて、何が起きたのかはすぐにわかった。けど一応聞いておく。

 

「マヤさん、何があったんですか?」

 

「ケホッ。分かりません。朝ごはんの準備をしていたら突然マシンが爆発して」

 

「とりあえず着替えてきたらどう?」

 

「すみませんリサさん。そうするっス」

 

その後爆発音を聞きつけ続々と集まってきた。

 

「どうしたのかしら?昨日までは普通に動いていたのに...」

 

「みんな~!」

 

この声はカスミか。今度はなんだと思って振り返りその反動で元に戻した。

 

「シャワー浴びてたらお湯が止まらなくなっちゃったよー!」

 

「ちょ、カスミ!レン達いるのにタオル1枚で来てんじゃねぇ!服を着ろ!」

 

まぁそういうことだ。

 

「突然どうしたのかしら?不思議ね!」

 

「はいはい。その不思議なことの解決はいる人に任せてあたし達は仕事行くよココロ」ポチッ

 

「あれ?」ポチポチッ

 

ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ

 

「ミッシェルが...動かない...」

 

どうやらまだ終わらないらしい。あ、ミサキが膝から崩れ落ちた。

 

「じゃあミサキはこっち側だね」

 

「はい......」

 

 

 

~~

チカッ

 

「えーまぁ仕事組が出かけた以上今日休みの我々で何とかするしかないわけですが...」

 

そう言って天井を見上げる。

 

チカチカッ

 

とうとう灯りまで怪しく点滅し始めた。だがこんなのはまだいい方だ。現状のアジトの有様は、言うのも面倒なのだ。この建物よく分からんくらいの頻度で改装してるからどこもかしこも新しいはずなんだけどな。

 

「まずは原因の究明からね。私の指示に従いなさい」

 

「チユ、ステイ」

 

「チュチュと呼びなさい!」

 

そう怒るので適当にあしらっていると突如気配を感じ、辺りを見回す。

 

「レン?どうかしたの?」

 

「いや、何かいるような......あ」

 

止まった視線の先には全長30㎝程の蛇のような生き物がいた。だが次の瞬間、何もいなかったからのように視界から消えていた。俺は笑みを浮かべ、呟いた。

 

「ギャクテンだ」

 

次の瞬間、全員の目の色が変わった。

 

「捕獲開始だ」

 

 

 

~~

「そっちに行ったよ!」

 

「任せて!」

 

「しまった!すり抜けられた...」

 

現在、俺たちはギャクテンの捕獲で走り回っている。コイツがこれまたすばしっこいので捕まえるのがかなり難しい。だがその甲斐あってひとつの部屋に追い詰めた。だが興奮しすぎてアドレナリンが出まくり誰一人として気付いていなかった。

 

「追い詰めたぞ。ここは窓すらない角部屋。捕まえるには最高の条件だ」

 

ゆっくりと近づいていく。しかしあと数歩手前でギャクテンは素早く動いた。1匹が通れるほどあえて開けた扉へ。

 

バシュッ

 

当然そこには罠が待っている。かなり目の細かい網で待ち構え、とうとう捕まえた。

 

「あれ?」

 

「どうかしたの?」

 

人より早く冷静になったアリサが疑問を口にした。

 

「このギャクテン、なんかでかくないか?」

 

よく見ると捕まえたギャクテンは全長が1m程あった。

 

「レンが見たやつってこんなにでかかったか?」

 

「いや、俺が見たのは間違いなく普通のだった。ってことはまさかこれって、ダイギャクテンか?」

 

「じゃないか?」

 

からんからーん

 

その時、訪問者がきた。

 

「誰でしょう?ちょっと見て来るっス」

 

数十秒後

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

マヤさんの叫び声が聞こえてきた。と思ったら見たことの無いスピードで戻ってきた。

 

「大変です!!」

 

「マヤちゃん落ち着いて」

 

「す、すみません」

 

「それで?何があったの?」

 

「はい!なんと抽選販売で応募したマシンが当たりました!しかも今朝壊れたやつの完全上位機種でしゅ!!」

 

あ、噛んだ。でも気付いてないっぽい。

 

「いつの間にか色々直ってるね」

 

その声を聞いて周りを見渡すと、確かに色々治っていた。

 

「ただいまー!」

 

ん?誰か帰ってきたな。と思ったらココロ達だった。

 

「おかえり。なんかやけに嬉しそうだな」

 

「うふふ。じゃーん!」

 

「!!それ...」

 

俺の見たものは

 

「流星牛じゃねぇか!!」

 

俺の大好物だった。

 

「なんかいい事が次々と...もしかして!」ポチッ

 

ウィーン

 

「ミッシェルが動いたーー!!」

 

どうやらミッシェルも動いたらしい。

 

「流星牛を捕まえられるなんて本当に運が良かったねココロちゃん」

 

「ええ!あら?レン、それよく見せて?」

 

「ん?ああ」

 

俺は持っていたそれを見せる。

 

「それダイギャクテンね!それなら納得だわ!」

 

さすが公爵令嬢。よく1発でわかったな。

 

「「ただいまー!」」

 

すると続々と帰ってきた。みんな滅多に捕まらない獲物を持って。中には遺跡から見つけた宝石などもあった。

 

 

 

~~

「で、こいつどうするよ」

 

「気に入ったみたいだし、飼えばいいんじゃない?さっきマスターの許可も貰ってきたし」

 

「準備がいいな。そうだな。じゃあお前の名前はリターンだな」

 

「賛成」

 

「いいと思う」

 

こうしてひょんなことから仲間が1匹増えた。




唐突に出したモンスター紹介
・ギャクテン:近くにいるとあらゆるトラブルを引き起こす。だが、捕まえるとそれまでのトラブルが帳消しどころかお釣りが来るほどの幸運がやってくる。しかしまず見つかりすらしないため記録も少ない。

・ダイギャクテン:まず片手で足りる程しか記録のない実質伝説の生き物。ギャクテンと比べものにならないほどトラブルはやばいが、リターンはさらにやばい。

・流星牛:強者を目の当たりにすると流星のような速度で逃げていく牛。滅多に捕まらないため100gで20万はくだらない程。今回捕獲できたのはダイギャクテンを捕まえたレンが大好物を食べられるという幸運に直結したためである。
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