「蓮~」
面倒なのが来た。
「何しに来た」
「ちょっと話しない?」
「ふざけんな。もう寝るわ」
「......嘘つけ~。この状況で呑気に寝るわけないくせに~」
妙にテンション高めなのがこれまたウザイ。
「入れてくれないならここに居座るよ」
それはさすがに困るので扉に手をかけて
「開けた瞬間にズドンとかやめろよ」
「あっはっは。やったって避けるくせに」
扉を開けてやったが特に何もなかった。
~~
「お邪魔しまーす」
「で?話ってなんだよ。真一郎」
相模 真一郎。俺の父親の弟の息子で、はやい話俺のいとこである。
「蓮はさ、おじいちゃんが僕らを呼んだ理由ってなんだと思う?」
「本人から何も聞かされてないから絶対とは言えないが、おそらくじいちゃんが引退の目処を立てたんだろう。死んでからの遺言書だと偽装される可能性があるから今のうちに全員の前で後継を決めちまおうってことだろうと思ってる。っていうかお前だってそれくらいわかってんだろ」
「うん、さすが蓮だね。一言一句違わず僕と同じ意見だ。そこでおじいちゃんが誰を指名するか。僕は間違いなく蓮だと思ってる」
「いやそこは父親って言えよ」
「いやー、お父さんはあれだから絶対に無理でしょ」
「いやうん。まぁな」
そう。真一郎はまともなのだが、その父親である俺の叔父はかなり性格に問題があるのだ。正確に言えば目的のために手段を選ばない。
「あんな人だからそろそろ縁を切ろうとも思っててね」
あー、笑ってるけどこれ本気の目だ。
「つーか叔父さんは来てるのか?」
「うん。一緒に来たよ」
居るのか、あの人。
「そんなわけで協力してよ蓮」
出来れば嫌だと言いたいが、かなりいいことを思いついたので仕方なく了承した。
「しょうがない。貸しいちな」
「交渉成立。じゃ、そういうことで。寝ないんだろうけどおやすみ」
~~
「はぁ」
面倒事を引き受けたとも思っているが、それ以上の面倒を回避できるので良しとするかと無理やり納得した。
「そのためには......」
俺はスマホを手に取りとある人へ電話をかける。
『もしもし』
「夜分遅くにすみません。周りに人は居ませんか?」
『......少々お待ちください。場所を移します』
待つこと数分
『お待たせ致しました。ご用件はなんですか?』
「少し、お願いしたいことが」
『それは......』
「~~~~~~~~」
『~~~~~~~~』
~~
「......そんなわけでお願いします」
電話を切って一息つく
「ふぅ」
これで準備は整った。