学戦都市アスタリスクRTA 『星武祭を制し者』『孤毒を救う騎士』獲得ルート 作:ダイマダイソン
またしても設定ガバを起こしたのに気づいたので初投稿です。
「
「いえ、朝方トレーニングに出て行ったところは見たのでそんなことはないと思うのですが……」
「珍しいねー、基臣がこんな時間まで教室にいないなんて」
「お前ら、席に着けー。授業始めるぞー」
教師が教室に入ってきたため、
出席を確認するために教室を見回したが、一つだけ席が空いていることに気づく。
「基臣の奴は休みか。あいつの同室は……
「いえ、特に何も連絡は来てないですけど」
「そうか……。おっと、電話が来たからちょっと待ってくれ」
着信音が聞こえたため、教師は端末を確認すると生徒達に一言告げて教室から出て行く。
「え、今日は基臣は授業をサボるから?ちょっと師父――。…………はあ、全く師父も困ったものだな」
扉が開くと教師は疲れた顔で戻ってくるので、何があったのか虎峰は質問する。
「どうかしたんですか?」
「師父曰く、基臣は今日の授業は休むそうだ。基臣に修行をつけるとか言って勝手に切られたよ。全く……困ったものだ」
説明を聞いて教室からも苦笑がこぼれる。ただのサボりでは無いことは基臣の修行に対する真面目な姿勢から皆の知るところだったので、
「おい、
「基臣を連れてきます、元タッグパートナーの間違いを正すのも私の役目ですから」
「お、おう……。でも、師父もいるし無理に連れてこなくていいからな」
「いえ、絶対に連れてきますので安心してください」
――――――――――――――――――――――
教室でそんな事態になっていると露知らず、基臣は星露の元で授業をサボって鍛錬をしていた。
「儂が言うのもなんじゃが、おぬしも鍛錬鍛錬と飽きんものよのぉ」
「この前の
「ふむ、本来の実力といえばじゃが……おぬし、感情を出すようなことは無いくせに、剣を持ってる時はわざとかと言わんばかりに殺気を発するのよなぁ」
「殺気を?」
「何度も剣を受けて思ったことじゃが、剣術は誰かの模倣をしているな?」
「父の剣をそのまま模倣しているが……それがどうかしたのか」
「剣技自体は問題ないが、おぬしの父のやり方を模倣しているからか自身の強みを活かせておらぬ。見ておれ」
星露は星辰力を身に均一に纏うと、一切の揺らぎもなくそのまま基臣へと攻撃を繰り出す。第六感で察知しているためなんとか回避できるが、先ほどまでに比べ格段に攻撃を避けづらく感じる。
「これは……殺気を消しているのか……?」
「左様。人間が攻撃を繰り出す際に放出する殺気。これを消すことによって星辰力の揺らぎが消えて安定し、どこから攻撃をするか直前まで察知されなくなる。習得する者は限られるが、単純故に強力じゃ。おぬしの場合は何をするにも感情を出さんから殺気を隠すというより、そもそも発さない体質じゃろうからすぐ習得できるじゃろう」
「なるほど、その技術も習得が必要……っ!?」
言葉を途切らせて、一瞬固まった基臣に星露は首を傾げる。
「ん、どうしたかえ。基臣?」
「いや、
「基臣」
基臣の言う通り嫌な予感はすぐに的中する。扉が開くと同時に静かな、だが怒気を孕んだ声が基臣の鼓膜を震わせる。振り向くと、私、怒っていますと顔に書いている沈華がそこにはいた。
「授業をサボるなんてどういう了見なのかしら」
「
基臣の質問に答えず、詰め寄ると説教を始める。
「あなたはただでさえ転入生で学園のカリキュラムに追いつかないといけないのに、この前の
「まあまあ、ええじゃないか。基臣は物分かりも良い。後でまとめて勉強しておけばなんとかなるじゃろう」
「師父は黙っていてください」
「ヒェッ!?」
沈華から発せられるあまりにも強い圧力に普段の威厳を忘れたような悲鳴が
「我ら
「う、うむ。たしかにそうじゃが……なんか最近強かさに磨きがかかりすぎてないかのぉ……」
「何か言いました?」
「い、いや……なんでもないぞ」
「それでは授業も始まっていますので、失礼します」
沈華はすぐさま基臣に近づき、制服の襟を掴むとその勢いのまま引っ張り出していく。
「おい、
なんとか授業をサボるために説得しようと試みる基臣だったがその言葉は残念ながら届かない。
「バカな事を言ってないでさっさと教室に行くわよ」
沈華に引きずられていく基臣の姿を哀れみの目で見ながら星露は心の中で手を合わせた。
(強く生きるのじゃぞ、基臣よ……)
――――――――――――――――――――――
「まったく、散々な目に合ったな……」
結局、沈華に引きずられ強制的に授業を受けることになった基臣だったが、本人としてはそこまでやる気がなかったため教師にバレない程度にサボろうとしていたのだが、沈華に見破られたため再び彼女の説教を食らうというハメになった。
これ以上の説教は御免だと思って授業が終わると同時に界龍を抜け出し、ピューレを使いこなすためにいつもの場所で特訓しようと再開発エリアに足を踏み入れてしばらく。歩いていると普段とは違う気配を近くから感じた。
(この莫大な星辰力……)
朽ちてしまった白百合を基臣は拾うと、手に持った瞬間花弁から順に全て塵と化していき花の欠片もなくなる。その様子に気づいたのか少女は振り返る。
「誰……?」
その身は今にも消えそうな儚さと身の回りにあるものを貪り喰らうような貪欲さが同居したような薄気味悪い空気を纏っている。
「
「あなたが……そうなのね……」
質問に答えず、オーフェリアは基臣をジッと見つめているがしばらくすると顔を悲しく歪ませる。
「あなたの運命はかなり強大なのね……。でも、その程度ではダメだわ。それぐらいでは私の運命を変えられない」
「…………」
「近づいてこない方がいいわ、それ以上近づくと身の安全は保障しない」
「別にお前を取って食おうっていう訳ではないんだが……」
オーフェリアは基臣に端的に警告を発するが、彼はそれを無視してどんどん彼女に近づいていく。
「だめといっても、聞いてくれないのね。なら仕方ないわ――」
「――
瘴気が形を成し巨大な腕となって基臣へと襲い掛かる。ピューレを構えて振りぬくと、その巨腕を消滅させる。
「……そう、それが
第二波、第三波と次々に腕がオーフェリアの足元から伸びていき絶え間なく攻撃を仕掛けてくる。
「誉崎流奧伝、
誉崎流唯一の防御技で迫り来る多数の触手を一瞬にして切り落とす。続くように数十、数百もの腕が殺到するがその悉くを切っては捨てるを繰り返していく。今のところ瘴気の腕を全て切り落として防御できているものの、攻撃の勢いは全く衰えないためこのままではジリ貧になることは明白だった。
(通常ならばあんな大規模な能力、連続で使用すれば並みの《
通常の《
「……っ!?」
嫌な予感がしたため咄嗟にその場から離れると、立っていた場所は瘴気で腐食されていた。第六感で探ると、ガスのように瘴気が漂っており吸引してしまえば間違いなく致命傷を負うことになるのは容易に想像できる。
(瘴気を触手状、ガス状、様々な形に変形させて攻撃しているのか。特にガスは無味無臭、勘で回避するしか手はないか……)
「あなた、今の攻撃どうやって回避したの。見えていない筈なのに」
「……そんなことより攻撃を止めてくれないか。俺は別に敵意はない」
「残念だけどあなたが私に近づく以上、止める気はないわ。嫌ならここから立ち去って」
再び攻撃がやってきて、それを基臣が回避するという構図がしばらくの間続いた。ただ、基臣には彼女を攻撃するつもりが無いため、どうしたら落ち着いてもらえるものかと攻撃を回避しながら思案していると徐々に攻勢が落ち着いてくる。
その様子を訝しみながら少し距離を置いて様子を見ると、オーフェリアの攻撃が完全に止まった。
「……どうしてあなたから攻撃をしてこないの」
「どうしてと言われても、お前から悪意を感じない以上攻撃する理由が見当たらない」
服に付いた塵を払い落とし、ピューレを待機状態にして腰のホルダーに戻す。
――攻撃の意思がないことを分かりやすく示す。基臣にはこれが考えた中で一番の策だった。
「そもそも警告を無視してお前に近づいたのは俺だ。非があるのはこちらになるからな、文句の言いようがない」
基臣の行動に毒気を抜かれたのか彼女の周りにある
「あなた、不思議な人ね」
「お前に言われたくはないがな、ふぅ……」
基臣はオーフェリアに近づくと、地面へと座り込む。
「どうして私なんかと話がしたいなんて思ったのかしら」
「純粋に興味があっただけだ、レヴォルフ最強と噂で聞いていたからな」
「そう……」
「ほら、座れ」
顎で隣を指すと、彼女に座るように促す。
「別に、あなたとするような話なんて特に思いつかないのだけれど……」
「確かさっき俺に何か質問してきただろ、それでもいい」
促されるままに、オーフェリアは基臣の隣に座る。
「……それなら、さっきの攻撃を回避できたのは何故なの?目視で回避できるものでは無いのだけど」
「あぁ、あれか。あれなら《
「《魔女》や《魔術師》で
最初はぎこちなかったが、徐々に慣れていったのかお互いに質問し合ったりして会話が弾んでいく。そうこう二人が話をしている内に、日も沈む頃合いになる。
「む……、そろそろ時間か。また来る」
立ち上がり、そのままビルの山の中へと消えていった基臣を見てオーフェリアは思う。
「本当に、不思議な人……」
前書きにもありました通り勘違いしていた設定がまた一つ見つかりました、はい。
実はセシリーですが、鳳凰星武祭の時は星仙術をまだ学んでいなかったようです。(wiki情報)
こいつほんと懲りねえなと思われているかもしれませんが、これからは出来る限り設定ガバを起こさないように善処します。(確約はしない)
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