学戦都市アスタリスクRTA 『星武祭を制し者』『孤毒を救う騎士』獲得ルート   作:ダイマダイソン

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あとがきの方にアンケートがありますが、別に投票の結果でヒロインの今後が決まるわけでは無いのでご了承ください。

ハーレムを形成しつつあるホモ君が羨ましいので初投稿です。


裏話18 幽鬼の魔術師(ラダマンテュス)

 

 

「剣士くーん! やっほー」

 

「久しぶりだな。…………腕を離してくれないか」

 

「やーだよー」

 

 腕に絡みついてくるエルネスタにどうしたものかと少し思案するが、沈華もいないこともあり基臣は好きにさせることにした。

 

 周りからの視線を受けながらも、ある建物の前に着くと入口の前で一人、白衣を身に纏った職員らしき人物が立っていた。

 

「お待ちしておりました、誉崎様。そちらが……?」

 

「ああ、メールで送った通りだ」

 

「承知しました。では、中へ参りましょうか」

 

 職員の案内を受けて建物の中に入ると、統合企業財体同士で持ち寄っているウルム=マナダイトを多数保管しているからか非常に厳重な警備が敷かれていた。

 

(統合企業財体の連中の中から寄せ集めたのか、中々練度が高いな……)

 

 警備をしている人間を軽く流し見ながら進んでいき、エレベーターで下へと降りていく。何重ものセキュリティで隔離されている一室の前に来ると、基臣は近くに置かれている椅子に座る。

 

「俺は興味がないからここにいる。お前だけで行ってこい」

 

 基臣の言葉に職員は問いかける。

 

「良いのですか? ご覧にならなくて」

 

「別に俺はウルム=マナダイトに興味はない。こいつにだけ見せてやってくれ」

 

「……そういうことでしたら。では、どうぞこちらへ」

 

 少し困惑する職員だったが、本人が良いと言ったのでエルネスタを連れてそのまま中に入っていった。

 

 しばらく座ってイメージトレーニングをして時間を潰していると、ドアが開きエルネスタ達が戻ってくる。どうやら、望みの品が手に入ったのかその顔はどことなく嬉しそうだった。エルネスタが選んだウルム=マナダイトは後日発送されるようで、必要な情報をいくらか書き込んだ後二人は施設を後にしようと歩き出す。

 

「いやー、良い収穫だったよ」

 

「そうか、それならよかった」

 

 エレベーターに乗って上がっている間、基臣はエルネスタを呼び出したもう一つの目的を達成するために話しかける。

 

「そういえば、お前に一つ頼みがあるんだが……」

 

「ん、何かあったのかにゃ?」

 

「何も聞かず、この通話がどこから発信されていたかを特定してくれないか?」

 

 渡されてきた番号を見ると、パッと見ただけでもアスタリスクの外からの通話であることが察せられた。

 

「ふーん……。何やら変なことに巻き込まれてるみたいだけど。ま、いいよ」

 

「すまない、助かる。それで依頼の報酬だが……何が欲しい?」

 

「んー、別に報酬はいいかな。前、うちの派閥のゴタゴタで迷惑をかけたからそのお詫びということで」

 

「そうか」

 

「そうだ、今からでもお茶しない? 前行った喫茶店、結構気に入っててさ──」

 

「おやおや、見覚えのある顔だと思ったらまさかあなただったとは」

 

 突然、知らない声が割り込んできたため振り向くと手入れされていないボサボサの髪を適当に纏めた眼鏡の少女が立っていた。

 

「あんたは……ヒルダ……っ!」

 

 どこか親の仇を見るような目つきで睨むエルネスタにヒルダはその視線をどこ吹く風と言わんばかりに無視して、基臣の方をじっくりと眺めてくる。

 

「やはりあなたが目をつけただけのことはありますね。キシシ」

 

 一気に距離を詰めて観察してくるヒルダに基臣は思わず一歩後ずさってしまう。

 

「あの鳳凰星武祭で見せてくれた驚異的な身体能力、ぜひデータとして取ってみたいところですが……」

 

「剣士君、ちょっと早いけど解散しよっか」

 

「……分かった。でも、大丈夫か?」

 

 明らかに機嫌が悪くなったエルネスタの心中をなんとなく察して基臣も彼女の提案を受け入れるが、彼女に護身術の類の心得がないことから変な事に巻き込まれないか少し心配する。

 

「大丈夫。ちゃんと人通りが多い所を通って帰るから」

 

「そうか、分かった」

 

 そのまま、帰っていく基臣を尻目にアルルカント随一の頭脳と呼ばれる二人は対峙する。といっても、片や楽しそうに、片や不機嫌そうに、それぞれ向かい合っていた。

 

「あなたが色恋に興味を持つなんて何の冗談かと思っていましたが、実際に見てなんとなく分かった気がしますねぇ。あの者に抜きんでた才があるから近づいたのでしょう?」

 

 ニヤニヤと何が面白いのか笑うヒルダに苛立ちを覚える。

 

 基臣をこいつに関わらせたくない──そう勘が告げてくる。恋のライバルになるかもだとかそういう類のものでは無い。ヒルダが基臣を危険に巻き込んでしまうという類の予感だ。

 

「……それで? せっかくの時間を邪魔されて正直気が立ってるんだけど」

 

「まあまあそう怒らないでください。あたしはただ噂の真偽が知りたかったのと、彼の素質が如何ほどかを知りたかっただけですよ。キシシ」

 

「……」

 

「まあ、あなたが途中で帰してしまったので十分にとはいきませんでしたが……。そういえば、なぜあなたに嫌われているのか未だによく分からないんですよねぇ。あたし、人に向けられる感情に疎い所がありますから知らず知らずのうちに怒りを買ってしまう事があるんで、何か悪いことをしたのなら謝りますが……」

 

 黙ったままのエルネスタを見て、肩を竦めたヒルダはもうこれ以上話すことも無いのかそのまま立ち去ろうとする。

 

「あ、そうそう。言い忘れていたことがありました」

 

 思い出したかのように振り返ると、ヒルダはエルネスタに声を掛ける。

 

「あたしの直感ですが……彼、いつか壊れますよ。どういう経緯でそうなるかは知りませんが」

 

「……」

 

「もし、壊れて使い物にならなくなったらその時はあたしに寄越してもらえると助かりますねぇ。キシシ」

 

 嫌に耳障りな笑い声を上げながらヒルダはその場から立ち去って行った。

 

 

 

 ──────────────────────

 

 

 

「久しぶりだな」

 

「ええ、1か月とちょっとといったところかしら」

 

 オーフェリアが座っている隣に行くと、基臣は建物の壁に寄り掛かって座る。前と同じように他愛もない話をしていると、彼女が少し遠くに咲いている花を見ている時だけどことなく悲し気な雰囲気を漂わせていることに気づく。しかし、それは嫌いなものに対するそれではなく、愛するものに対するものに向けるような感情だった。

 

 その様子が少し気になった基臣は疑問を率直にぶつけることにした。

 

「花を見ていたみたいだが、もしかして好きなのか?」

 

「…………」

 

 どこか悲痛そうな表情を僅かに漂わせる彼女は微かに、だが確かに頷く。

 

「ええ、好き()()()わ」

 

 その表情は過去を懐かしむといったものではなく、過去の自分に嫉妬しているのか、それとも訪れるであろう未来に悲しんでいるのか。いずれにせよあまり芳しくない表情だった。

 

「私の能力は前に対峙した貴方なら薄々気づいているでしょう?」

 

「…………。何らかの原因で周りの物を腐食させる、といったところか?」

 

 基臣の予想が正しい事を首を縦に小さく振って示すと、どこか昔を思い出すかのように空を見上げる。

 

「色々あって私は好きだった花たちもこの能力によって枯らしてしまうようになった。これも強大な力を持ってしまったが為の運命なのでしょうね」

 

 諦めにも似た感情を曝け出しているオーフェリアはそのまま俯いてしまう。

 

 どこかその彼女の姿に同情してしまった基臣はどうにかできないものかと考える。

 

 しばらく考えた基臣はある事を思いつく。ピューレの柄に触れると、思念で彼女に呼びかける。

 

(ピューレ)

 

 その呼び出しに、ピューレは先ほどまで眠っていたのか目を擦りながら答える。

 

『ん、なあに?』

 

(お前の世界にオーフェリアを招いてもいいか?)

 

『……なんで私があの女のためなんかに』

 

(お願いだ、お前にだって彼女の孤独には共感できる所があるだろう?)

 

『……』

 

(頼む)

 

 しばらくすると、根負けしたのか溜息を吐く音が聞こえる。

 

『分かった。だけど私にも今度付き合ってよ。一人でここで過ごすのも暇だし』

 

(助かる)

 

 ピューレの許しを得た基臣はオーフェリアに声をかける。

 

「オーフェリア」

 

「何かしら」

 

「ちょっと手を貸せ」

 

 そう言って突然手を差し出してくる基臣の意図が理解できずオーフェリアは疑問符を浮かべる。

 

「あまり私に触れないほうが良いわ、貴方まで傷つけてしまう。それに──」

 

「いいから、ほら」

 

「あ……」

 

 オーフェリアは基臣に手を引かれるままにピューレへと手をかざす。それと同時に身体から力が抜けて精神だけがどこか別の場所へと連れていかれるような感覚に陥る。

 

 抵抗しようと思えばできたが、基臣が悪意を持っていなかったことからそのまま身を委ねる。

 

 連れていかれることしばらく。やがて、色とりどりの花が咲き乱れている場所へと降り立った。

 

「ここは……?」

 

「ここは、俺の相棒が作り出した精神世界だ」

 

 周囲には花があるが、いつものように瘴気で枯れる様子が一切なかった。

 

「花が……枯れない?」

 

「精神世界だからお前の瘴気もこの世界に自生する花たちには影響しない、ほら」

 

 いつの間に摘み取ったのか、基臣の手には花が一輪あった。それをオーフェリアへと差し出す。

 

「でも」

 

「いいから持ってみろ」

 

 本来なら触れてしまえば灰すら残さず消し去ってしまうため触ることに躊躇するオーフェリアに基臣は強引に花を持たせる。

 

「あ……」

 

 その茎に手が触れた時、朽ち果てることを覚悟してほんの少し目を逸らしてしまうが視界の端で百合の花が綺麗に咲いたままなのが見えて驚く。

 

「だから言っただろう。この世界ではお前の瘴気の影響を受けない」

 

「そう。そうなのね……」

 

 そっと優しく花を持つと、そのまま愛でるように触れる。その顔には再び花に触れることができた喜びが見えていた。

 

 オーフェリアの様子を見守っていた基臣だったが、しばらく一人で花を愛でていて満足したのかオーフェリアは基臣を連れて色々と花について教えてくれた。

 

「花も私達のように生きているの、だから慎重に扱ってあげないといけない」

 

 基臣の手を取ると花へと近づける。

 

「丁寧に摘み取ってあげないといけないわ。こんなふうに」

 

 花茎から綺麗に摘み取ると基臣へとそれを見せる。

 

「なるほど」

 

 花に詳しくない基臣だったが、オーフェリアのその仕草や慣れた手つきから本当に花が好きだったことが伺える。その楽しそうな様子からオーフェリアをここに連れてきてよかったと思った基臣だった。

 

 

 

 そうして時間は過ぎていき、そろそろ界龍(ジェロン)に帰る時間になる。

 

「またここに来てもいいかしら」

 

「ああ、構わない。……そろそろ時間だな、戻るか」

 

「ええ」

 

 指を鳴らすと世界は崩壊し、いつの間にか現実へと還ってくる。

 

「不思議な感覚ね」

 

「普通は経験することの無い体験だからな。まあ、身体に何か悪影響があるとかいう訳でもないし──っ!」

 

 喋っている途中でいきなり様子が変わった基臣にオーフェリアは問いかける。

 

「どうかしたかしら」

 

「誰か来る」

 

 基臣が警戒を解かず臨戦態勢を保っていると、やがてマフィアの集団が姿を現わす。その数は基臣が感じ取れるだけでも数百。明らかに相手も警戒していることが感じ取れた。

 

 その中から一人派手な格好をした男が現れる。

 

「おー! 孤毒の魔女(エレンシュキーガル)だけかと思って様子を見に来てみたら幽鬼の魔術師(ラダマンテュス)もいるじゃねーか!」

 

 前者の二つ名は兎も角、後者の聞き覚えの無い二つ名に基臣は首を傾げる。

 

「幽鬼の魔術師? 俺の事を言ってるのか?」

 

「ええ、あなたがこの前の鳳凰星武祭(フェニクス)で優勝してからついた二つ名よ」

 

 シルヴィアが《戦律の魔女(シグルドリーヴァ)》と呼ばれていたことを思い出して、なるほどこの前の優勝で大きく名を上げたから二つ名が付いたのかと合点する。

 

「で、何のつもりかは知らんが、集団で俺達を取り囲むとはな。良からぬ事を考えていると思われてもおかしくないぞ」

 

「別にお前らを取って食おうってわけじゃねぇよ。こいつらはただの連れだ、今はな」

 

 意味深な言葉に少し引っかかりを覚えるが、気にせずロドルフォとの話を続ける。

 

「それで、何の用だ」

 

「俺が望むのはただ一つ。()ろうぜ!」

 

「……拒否したら?」

 

「俺は自己中心主義のろくでなし野郎だからなぁ! お前には選択肢は無いって思ってもらっていいぜ!」

 

 周りをぐるりと一周眺めると、一層分厚くなった人の壁が基臣を取り囲んでいることが分かる。

 

「……分かった。ただし、条件がある」

 

「あン?」

 

「3分間、お前から一度も攻撃を受けなかったら、金輪際お前の配下を含めて全員俺達に関わるな」

 

「へえ……。3分も俺の攻撃を回避し続けるつもりとは大した自信じゃねーか! いいねぇ、その勝負乗ってやる!」

 

「オーフェリア、下がってろ」

 

「分かったわ」

 

 試合に関係ない2人以外は邪魔にならないように距離を取る。オーフェリアも距離を取るが、マフィアたちの距離の取り方の異常さに気づく。

 

(彼の()()()()のせいね)

 

「準備はできたか?」

 

「ああ」

 

「それじゃあ、行くぜぇ!」

 

「…………っ!」

 

 強く踏み込み、一気に近づくロドルフォに嫌な予感を覚えた基臣は即座に距離を離そうと動く。

 

「おいおい! 初見なら確実に飛ばせるって思ったんだがなぁ! 伊達に星武祭(フェスタ)を優勝してたわけじゃないな!」

 

(あいつの周りにいるのは不味い……)

 

 少しでも能力の範囲内に入れば身体を纏う星辰力を乱され、そのまま内側から爆発。第六感によって視えたロドルフォの能力の強力さに意識せず身体から冷や汗が出る。

 

 迫り来るロドルフォを上手い事ギリギリで回避して、能力の射程距離を測っていく。

 

(一メートル七十五から八十……といったところか。能力の外縁部数センチ程度なら能力発動までのラグで0.5秒ほどの余裕がある)

 

 第六感の助けもあって正確に能力の本質を掴んでいき、()()()()すればということもあって早くも安全な立ち回りができるようになりつつあった。

 

 その様子を感じ取ったのか、ロドルフォも獣のように獰猛な笑みを見せて基臣との試合を楽しんでいる。

 

 その笑みに嫌な物を感じ取った基臣だったが、直後、ロドルフォは予想外の行動を取る。

 

(武器を投げた……!?)

 

 第六感で事前に分かると云えど、予想外の動きをするロドルフォにワンテンポ行動が遅れた基臣は足をもつれさせる。

 

「っ!?」

 

 強引に回避行動を取るが、勢い余って地面に衝突してしまった。

 

 受け身を取ってなんとか体勢を立て直すが、強引に回避せず投擲した武器をそのまま受けていれば間違いなく接近を許して左足が吹き飛ぶ未来が待っていただろう。

 

(自身の能力をよく理解しているからこそ武器を手放して不意をついてきた、か……)

 

 ロドルフォの方を見ると、隠し持っていたのか新たに煌式武装を取り出していた。

 

「噂通り、勘は鋭いみたいだなぁ!」

 

「……」

 

「まあ、反応が薄いのが少し残念だが、それはそれでっ!」

 

「……っ!!」

 

「驚いた顔を見せてくれる楽しみがあるってもんだ!」

 

 型に囚われないアウトローらしい自由な戦闘スタイルにただひたすら驚かされる基臣だったが、上手い事避けていく。

 

「ハッハァ! ならこいつはどうだ!」

 

 落ちていた1つ目の煌式武装を基臣目掛けて正確に蹴り上げる。

 

「チッ!」

 

 最低限の動きでその煌式武装を払いのけると、即座に後ろへと退避しようとする。

 

「勘が良いから、そう動くよなぁ!」

 

 しかし、相手の方が一枚上手だったのか退避するよりも先にロドルフォが基臣を能力射程圏内に収めようとする。

 

「誉崎流中伝、断蒼(だんそう)

 

 バックステップによって後ろへ退避したと思い込んだのも束の間、瞬きした次の瞬間には目の前で基臣が下から斬り上げていた。

 

「うぉっ!?」

 

 そのまま攻撃を受けたロドルフォは思わぬ反撃に目を見開きながらも、攻撃を仕掛けてきた基臣に嬉しそうに口元を歪める。

 

「やるじゃねーか! まだまだこれから──」

 

「残念ながら、時間だ」

 

 ピピピピピピ……

 

 アラームの無機質な音声が響き渡り、終了の合図を両者へと伝える。その音を聞いたロドルフォは溜息を吐きながら床へ座り込んだ。

 

「はぁ、ったく。もっと楽しめると思ったのによぉ。お前、頭ン中で正確に時間を刻んでたな?」

 

 その問に首肯する基臣にロドルフォは軽く溜息を吐く。

 

「3分やってお前の手の内をほとんど晒すことが出来なかったとか、俺の面目は丸潰れだぜ、全く」

 

「回避だけならどうとでもなる。これが本当の闘いならもっと苦戦してただろう」

 

「そこで負けないと言わない辺り、大した自信家のようだなぁおい!」

 

「ともかく、勝負は俺の勝ちだ。約束を違えるなよ」

 

「当たり前だ! 俺は嘘は吐かねえからな」

 

 立ち上がると、ロドルフォはそのまま指で部下たちに帰るように指示を出す。

 

「おい! お前ら、帰るぞ!」

 

「はい!!」

 

 ゾロゾロと帰っていくマフィアたちに少し疲れを覚えながら、ピューレを待機状態にしてホルダーに収めると、離れたところで見ていたオーフェリアがやってくる。

 

「……なんで私を置いて逃げなかったの?」

 

「ん?」

 

「あの状況、あなただけなら十分逃げれる状況だった。私さえ置いていけばあなたは面倒なことにならずに済んだはず」

 

 オーフェリアの続く言葉で意味を理解した基臣は少し考えた後、話した。

 

「……上手く言葉には出来ないが、あの時お前を置いていったら後悔すると、そう思った」

 

「……分からないわ。わざわざ関係のない私なんかのために自分の身を危険に晒すなんて。もしかしたらさっきの戦いで死んだ可能性だってあるわ。そうなったら、後悔なんて言ってられない」

 

 そんな事を言ってくるオーフェリアに基臣は少し苦笑した後、言葉を発する。

 

「お前、優しいやつだな」

 

「私が、優しい?」

 

「優しくなかったらわざわざ俺に対してそんな忠告、そもそもしないだろう?」

 

 ──オーフェリアは優しいんだな

 

「っ!?」

 

「……? どうかしたか」

 

「いえ……。なんでもないわ」

 

 様子が少しおかしいことに気づいた基臣に軽く顔を振って誤魔化す。

 

(なんで、昔のことを今更になって……)

 

本作の中であなたが一番好きなヒロインは?

  • シルヴィア・リューネハイム
  • オーフェリア・ランドルーフェン
  • ミルシェ
  • エルネスタ・キューネ
  • 黎沈華
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