虎杖悠仁……やると言ったらやる男だ。
だが、そんな彼でも、
そんな、重質量の兵器を片手で軽々と持ち上げていた。
「なぁ、伏黒。人間、呪力で強化すればアレに耐えられると思うか?」
「それができたら、呪術師じゃなくてX-MENにでも入れて貰え。東洋のハルクになれるぞ」
だが、あんな大物であれば懐に入れば問題無いと考える虎杖悠仁。
『貴方の事は聞いているわ。近接用にロングブレードにもなるのよ』
ガコン
「か、かっけーーー!! 今の見たか、伏黒。一瞬で大剣に変わったぞ。スラッシュアックスみたいで超かっこいい」
「虎杖も分かっているな。アレはロマン兵器だ……世の中、あんな呪具があるなんて。誰だよ作った天才は」
男達が、小学生みたいに騒ぐ。
釘崎野薔薇だけは理解できなかった。重い、でかい、壊れやすそう。火力だけは高そうだが、メリットよりデメリットがある兵器など欠陥品だと彼女は思っている。金槌と釘だけという、隠匿性、利便性、汎用性、整備性などを考えればどちらに軍配があがるかは言うまでも出ない。
だが、それがいいのだ。
「男って、ばっかじゃないの。あんなの使いづらいだけじゃん。って、虎杖!!」
虎杖悠仁が
釘崎野薔薇のかけ声のおかげでギリギリ捕食を回避した虎杖悠仁。
『外れましたか』
「あ、あぶねーーー。助かったわ、釘崎」
「次は助けねーーからな。しっかり、殺れ」
ロマン兵器を持っていても敵。痴女であっても敵。虎杖悠仁は、スイッチをいれる。ここで倒れたら、仲間が危ない。確実に戦闘不能にすると集中力を高める。
………
……
…
虎杖悠仁は、確実に相手の体力を削っていった。人型というからには、急所も人体と同じである。
『強いわ。あまり、楽しくないわね』
一方的に殴られるばかりの
その展開に、伏黒恵と釘崎野薔薇は安堵した。懸念事項であった特級呪霊クラスの乱入者。実力不明で場合によっては撤退すら必要であった。だが、蓋を開けてみれば虎杖悠仁の圧勝。
モグラの処理が終わって加勢に行けば、そこでチェックメイトだ。
油断した一瞬の隙、壁から手が伸びて釘崎野薔薇をがっしりと掴む。そして領域の外へと引きずり出し始めた。その様子に伏黒恵は、あいつよく吸い込まれるなとしみじみ思っていた。
「釘崎!!」
「問題無い。アンタはモグラを叩け」
男前の台詞と一緒に領域外に出された釘崎野薔薇。
………
……
…
釘崎野薔薇は、自分を引きずり出した相手を見て、信じられないと思った。先ほどの痴女に勝るとも劣らない痴女がもう一人現れたのだ。一丁前に呪具の槍を持っているが、服装からポールダンサーと言われた方がまだ納得できる。
槍を胸の谷間に埋めるとか、そう思われても仕方が無い仕草。
「へ、変態だぁぁぁぁぁぁーーーー」
『失礼です。私の何処が変態だって言うんです』
IQ53万の釘崎野薔薇。変態から感じる呪力は、先ほどの痴女同様に特級呪霊クラス。彼女が知る特級とは――コッコロ、
知ってはいけない真実を知ってしまう釘崎野薔薇……昇級の話があれば断ろうかと考えるようになった。
この間、僅か0.01秒。