痴女の定義は様々だ。
だが、100人に聞いても100人が痴女と認める
しかし、男―虎杖悠仁が領域の外に出たとき、待ち受けていたのは
『あ、姉者』
「うわ~、尻みえてるんだけど」
思わず思っていた事を正直に伝える虎杖悠仁。彼は悪くない。誰だって、言いたくなる。デリケートな事でもあり、昨今であれば即セクハラ事案で訴えられる。しかも、それが相手が気にしているコンプレックスならば尚更だ。
『見たなーーー!!』
元男として、横乳や半ケツ姿を見られるなど恥じでしか無かった。だったら、そんな服を着るなと言いたいが、用意された衣装が痴女コスだったのだ。こう見えて、アラミド繊維で作られている特注品だ。
『悪かったわ、わざとじゃないのよ』
「また、このパターンかよ!? 見せたくないなら、そんな服着るなよ!! 」
その発言に、リアルタイム配信されている動画視聴者達は、良く言ったと虎杖悠仁を褒め称えた。だが、本当に何処でそんな前衛的な服が売っているんだと、ネット界隈では痴女コスの検索がトレンドにあがる事になる。
「じゃあ、なんでそんな格好してんだよ」
『あいつらに用意されたのよ。それに、ムレるのよ』
先ほどから周囲には、シトラス系の良い匂いがする。自称元男である人物から漂ってきて良い匂いではない。
痴女とは、服の面積と同じ位に堪忍袋も小さかった。
現代社会で他人のコンプレックスを刺激してはいけないという常識を逸脱した煽り攻撃を受け、
『もう殺します。蝕爛腐術……走りなさい、背を向けて』
背中から蝶のような赤い羽が現れる。それは全て血液でできており、人体に有毒。地面にしたたり落ちる血液を確認し、危ない術式であると判断した虎杖悠仁。今までの経験から、呪術への基本的対策を学んでいた。
それは、とりあえず様子見だ。相手の術式が判明すれば対処も可能。無敵の術式など存在しないのだから。
□□□
そんな死闘の様子を大画面で楽しむ夏油一派と「呪霊GO」の開発運営メンバー達。彼等にしてみれば、我ながら傑作を作ったなという程度の感想であった。
「偶然って、恐いね。宿儺の指を回収に行かせたら、宿儺の器と遭遇とか。運命を感じるね」
「おや?私は、てっきり夏油様がご存じの上で向かわせたと思っていましたよ。まぁ、どちらも構いませんか。今は、彼女達の無事な帰還を願いましょう。まだまだ、彼女達のデータ取りは終わっていませんので」
『貴様、俺の妹達をオモチャ扱いしたら殺す』
呪術業界側の人間がこの場を見たら、間違いなく悪の結社だと勘違いするだろう。だが、この場に居る誰もが自身を悪だとは微塵にも思っていない。寧ろ、正義であると信じて疑っていない。
「
人や呪霊としての運用など考えていないと、言う言葉をオブラートに包んで伝える。
「危なくなったら逃げれば良いし。宿儺の指は呪術高専に回収して貰っても、行き着くところは同じさ。だから、彼女達も引き際を見誤らないだろう」
『当然だ。俺の妹だぞ。寧ろ、宿儺の器を殺さないかと心配だ……どうやら、妹達の術式が決まった。これで、アイツラは間もなく死ぬ』
妹達の勝利を確信する
………
……
…
『馬鹿な!! なぜ、術式を解いた妹よぉぉぉ。義善!! 今すぐヘリを出せ。俺が現場に急行する』
「分かりました。3番エレベータで屋上に向かってください。常駐させているヘリを飛ばす手配をしましょう」
まさかの大逆転。
釘崎野薔薇の胆力が素晴らしい。相手の術式との繋がりを逆に利用し、自らの肉体を使って「芻霊呪法共鳴り」による攻撃。数分後に死ぬとしても、自らの腕に釘を何本も刺せる人間がどれだけ居るだろうか。
「止めときなよ、
夏油傑が最期を見取ってやれという。
黒閃も決められて、既に勝敗は決していた。現状、体力的に
大事な事だが、この映像はリアルタイムで動画配信されている。痴女の乱れたコスチュームやそれを金槌で滅多打ちにしたり釘を刺したり、殴ったりするなど。
-----
『死ぬな、妹よ。死ぬな……』
片腕を失っても妹に寄り添いに行く
だが、現実は無情である。
釘崎野薔薇を背後から襲いかかる
「まだ、こっちは見せてなかったわね【簪】。心配しなくてもいいわ、すぐに姉貴も送ってやるわ」
パチン
釘崎野薔薇が指を鳴らすと頭部に刺さっていた釘が銃弾のような勢いを得る。そして、無慈悲にも、絶世の痴女を肉塊へと変えてしまう。今まで、エロ動画だったのがいつのまにかグロ動画になってしまった。
-----
大画面のテレビの前に崩れ落ちる
『
150年もの間、懸命に生きながらえた兄妹。その二人を同日になくした長男の心境は想像を絶する。彼女達の未来はこれからであった。
その未来の一つとして、彼女達が街を歩き手に入れたスカウトマンから数々の名刺……ムーディーズ、プレステージなど日本人なら誰もが知っている会社に入社。そして、男達に明るい未来を照らしたかも知れない存在が消えて無くなった。
これは人類の損失と言っても過言ではないだろう。
短編……なのだが、どこまでやるべきか。
とりあえず、閑話を挟もう!!
これって、過去編はいらなかったら次で渋谷編なのかしら。