都心郊外にて、世界最強の呪術師である五条悟がその力の一端を振るう。
軽く相手を撫でるだけで、触れられた方は大木を何本もなぎ倒す程に吹き飛ばされ、大地を大きく抉る。そんな攻撃を食らって形を保っている特級呪霊も大概であった。
倒れたところに、何度も追い打ちを掛ける五条悟。タダの物理攻撃が、全て必殺の威力。
「いや~、粘るね。並みの特級呪霊なら二回は殺している筈だけど」
『主さまに勝利を約束しました。だから、わたくしは負けられません』
「うんうん、いいね。そういう人間らしい所は嫌いじゃない」
ドラゴンボールみたいな戦闘を繰り広げる連中を、一般人である男は必死に追いかけていた。そして、片腕を失い、今にも倒れそうなコッコロを眼にして五条悟に飛びかかろうとした。だが、その程度で止まる相手でもない事は、この惨状をみれば明らかだ。
だからこそ、僅かでも時間を稼ぐ事に注力する。
「一つだけ教えてくれ、一体私達が誰に迷惑をかけたというんだ」
「えっ!? それ聞いちゃう? 君さ~、呪霊から貰ったお金を使ったでしょう。あれは、呪力で作られた完璧な偽札って言われる程精巧な物だよ。造幣局の人達も真っ青だったよ」
「……あ、そっちなんだ」
男は、コッコロから貰ったお小遣いを思い出した。それが偽札だったから、こんな事態になったのも納得した。
男の予想では、寝室でコッコロとオムツを履いたプレイをしている真っ最中を目撃し、出て行った妻からの依頼だと思っていたのだ。勿論、妻は見えないコッコロの存在などしらない。だから、夫が寝室で一人でオムツをはいて赤ちゃんプレイしている、としか見えていない。
そんな状況だから、何かに憑かれていると思われて除霊を頼まれたと今の今まで思っていた。だが、常識的に考えて、除霊しても復縁など考えるほど女性は温かくない。何処の世の中に、そんなど変態プレイを見せ付けた夫を助けるため、高額な除霊費用を払うのか。むしろ、慰謝料物である。
「偽札が流通するとマズイでしょう。幸い、除霊すればお金も消えるのは調べて分かっているから……諦めてね」
世にも珍しい美少女呪霊が五条悟の手によって、頭部が粉砕された。その様子を目視した男の心はポッキリ折られる。男は、その場に崩れ落ち、後から駆けつけた呪術高専に確保された。
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特級呪霊コッコロ……その誕生は、「呪霊GO」のイベント配信を始めて僅か2週間で誕生した。その全てを把握し、観察していた者達――衛星からの映像をモニターしている「呪霊GO」の運営陣。
そして、五条悟の戦闘力の高さに脱帽していた。なぜ、現実世界にドラゴンボールに登場しても遜色無いような男が居るんだと。日本人はいつから戦闘民族になったのだと。同じ人類だとはとても思えないと。
義善聖徳は、特級呪霊に
「ですが、問題ありません。別に、我々と呪術高専は敵対勢力でもありません。それはさておき、今回の実験は概ね成功です。人間は失敗から学ぶ物。それは、呪霊も同様。そうですよね、コッコロ」
『分かりました。主さまに、お小遣いを渡せないのは残念ですが……次は上手くやって見せます!!』
会議室の場に当然のようにいる特級呪霊コッコロ。今し方、遙か遠くの地で五条悟に討伐されたものは、分霊にすぎなかった。オリジナルが無事ならば、分霊など幾らでも作れる。
これが新時代の呪霊だ。オールドタイプとは違う。
勿論、特級呪霊になるまで、それ相応のパワーが必要になるが既に500万ダウンロードを超えた人気アプリだ。その課金力によるブーストを持ってすれば長い時間は掛からない。
「同士義善、私に一つ提案がある。今回の一件、日本政府が偽札に過剰な反応をしたのが原因なのだろう。経済的効果がある事が証明されれば、除霊対象にならないと考えられる。つまり、コッコロの持ち味を活かしてニートを社会復帰させる。他にも介護老人の面倒などをさせるのはどうだろうか」
その発言に会議の場が荒れる。
確かに、コッコロとの生活を守るためならば、ニートと言えどもコンビニバイトなどを始める者達が増えるだろう。さらに、万年人手不足の介護……人経費0の神人材改め神呪霊が登場したとなれば、両手を挙げて歓迎するだろう。
まさに、呪霊の社会進出だ。
「なるほど、素晴らしいアイディアだ。喜べ、コッコロ。社会不適合者の介護と介護老人の面倒だ。気の済むまで介護していいぞ、但し……社会復帰をさせる事が条件だ。後、分霊の力はセーブをわすれるな。呪術師が五月蠅いから4級より力を上げないようにする事」
『はい!! 義善様。誠心誠意、お仕えして参ります!!』
呪霊が共存のための第一歩を踏み出した。
共存……その為には、選挙で票を持つ者達を味方に付けないとね!!
これで勝てる@@
次回は、特級呪霊カシマ~有明の女王~ でいこうかな。
みんながお世話になったあの方です。