呪霊GO   作:新グロモント

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36.渋谷事変(6)

 五条悟の秘密に気がついた特級呪霊花御(カシマ)は、口封じされてしまう。対五条悟の為、訓練を積み、呪力を高めたにも関わらず本気の五条悟の前ではパワーアップした後でも誤差の範囲でしかない。

 

 当初の計画通り、封印目的でヒットアンドウェイ作戦で時間を稼ぐ呪霊側。人間とライザリン・シュタウトの分霊を盾に時間を稼ぐ。だが、夏油傑は動かない。五条悟の注意が完全に引きつけられていないからだ。

 

 次第に、五条悟の周囲から人間が逃げるようになってきた。呪霊が見えずとも、五条悟の周囲にいるだけで人が大量に死んでいる異常事態。非呪術師であっても流石にヤバすぎる事態に危機感を覚える。

 

 特級呪霊漏瑚(シノブ)も限界が近かった。捕まれば祓われるという命がけの攻防。だが、渋谷駅ホームに特級呪霊真人と改造人間を大量に乗せた列車が到着する。一般人はそんな状況など知るはずもなく、電車に乗ってこの場から離れる事だけを考えていた。

 

 列車の扉が開いた瞬間、改造人間達が扉付近にいた人間達を襲い始める。

 

「なぜだ」

 

 五条悟は、この状況で壁となる人間が減って困るのは呪霊側だと困惑していた。確かに、ライザリン・シュタウトの分霊は邪魔だ。だが、ホームを埋め尽くす程いるわけでもない。壁となる人間は一定数は必要の筈だと。

 

『人間のキショい所一つおしえてやるよ。いっぱいいる所』

 

 ホームの人間が減ったなら上の階層から補充すればよい。実に簡単な答えであった。

 

 五条悟が少しでも改造人間から非呪術師を助けるために行動すれば御の字であるという呪霊側の作戦だ。僅かでも時間を稼げれば良いと。

 

 ここがターニングポイント。

 

 犠牲者の数が増え続ける。それを止めるためには、呪霊や改造人間を一気に祓う必要があった。最初にいたホーム内の人間を必要な犠牲だと考えて、領域展開をしていれば被害は最小限で済んでいた。それができなかったばかりに、この大惨事になっている。

 

 故に、五条悟は覚悟を決めた。人間が廃人にならず、分霊が死なないギリギリのライン……0.2秒の領域展開!

 

『マジか』

 

 非呪術師を巻き込む環境下で領域展開する可能性は99%無いと言われていたが、それが覆った瞬間だ。

 

 呪霊も人間も圧倒的な情報量が脳に流れ込んできて、フリーズする。そのすきに、五条悟は全ての改造人間達を鏖殺する。1000体はいた改造人間が僅か5分足らずで殺しつくされた。

 

 その一瞬の隙を狙いホームに「呪霊GO」トッププレイヤー達が突入し、分霊を拉致って逃げていく様子を五条悟は目撃する。何故かむかついた五条悟は、プレイヤーをボコって、落とし物(・・・・)を回収する。

 

 有能なプレイヤーは、すでに渋谷駅ホームまで辿り着いていた。

 

………

……

 

 改造人間の次は、特級呪霊の番だと殺す相手を定めていると、足下に不思議な箱がある事に五条悟は気がついた。

 

「開門」

 

 獄門疆が開き、五条悟に狙いを定める。直感的にヤバイと感じた彼は、すぐさま距離を取る行動にでた。だが、思わぬ伏兵…夏油傑の登場により動きを止めてしまった。

 

「やぁ、悟」

 

「は?」

 

 1年前に死んだはずのかつての親友が元気に歩いている。誰だって、一瞬思考が停止する。

 

「久しいね。学生時代に借りてた女教師のAVを返しにきたよ」

 

 五条悟の脳内時間が学生時代に戻る。そして、夏油傑と過ごした青春時代が回想される。この時点ですでに脳内時間1分はとうに過ぎ去っていた。

 

 獄門疆が五条悟に纏わり付いた。呪力も封じられ、体に力すら入らなくなる。チェックメイトであった。

 

「っーーー!」

 

「ダメじゃないか、悟。戦闘中に考え事なんてして」

 

 五条悟、親友の肉体を乗っ取っている存在を知る事になる。

 

 そして、敵の手中に落ちた。

 




渋谷編…ながいね。
原作だと約一年くらいやっていたんだっけ?

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