呪霊GO   作:新グロモント

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38.渋谷事変(8)

 世の中、完璧という物は存在しない。

 

 それは、封印において類を見ない性能を誇る獄門疆でも同じである。獄門疆の特性は、何でも封印できる。内部は時間的な概念が存在しない。外部から開門するか、封印されている物が自死しない限り開かないとされている。

 

 それ以外に、強引に開門する方法と裏口を使う方法が存在する。

 

 だが、もう一つ開門方法が存在している。それは、想定外のエラーを発生させる事だ。獄門疆の定員一名(・・・・)。つまり、二人は中に居られないという事だ。

 

□□□

 

 五条悟は、封印された獄門疆の中で「呪霊GO」のプレイヤーから巻き上げた落とし物…モンスターホールを手の中でクルクル回していた。

 

「確か、このボールの中に呪霊が取り込まれてた。まったく、僕が知らない間に面白い道具を作るよね。あの企業は」

 

 ゴクリ

 

 五条悟の喉がなる。

 

 つまりだ。何もない閉鎖空間。敵側の言葉が本当なら数百年後には解放してくれる。孤独というのは人間辛いものだ。世界最強の呪術師とはいえ、精神は人間の域を出ない。

 

 だが、不幸中の幸いな事に手元にあるボールの中には、特級呪霊ライザリン・シュタウトの分霊が納められている。よって、ここで解放すれば、二人っきりという事だ。何か間違いが起こったとしても誰も責める人もいない。

 

「開けるべきか、開けないべきか」

 

 船が沈没し、無人島に流れ着いた一組の男女が居たとしよう。

 

 無人島なら生き残る為、生活基盤を必死に整える必要がある。だが、時間的な概念が存在していない獄門疆の内部では、空腹などの心配は無い。よって、このような状況で一組の男女が居た場合、ナニ(・・)が発生するか、誰も分からない。

 

「ここは、世界最強の呪術師として、経験しておく必要があるね。今後の為にも」

 

 五条悟…好きな女性のタイプは、安産型のムチムチした女教師が似合う美少女。

 

 性癖が特別曲がっているわけではない。現実にライザリン・シュタウトのような存在がいたとする。100人の男性がいたら何割かは好みのタイプと答えるだろう。

 

「外のことは心配だけど。まぁ、何とかなるでしょ。では、ポチっとな」

 

………

……

 

 五条悟、モンスターホールのボタンを押した瞬間、獄門疆の外に押し出される。

 

 そして、元親友、特級呪霊漏瑚(シノブ)、特級呪霊真人、脹相(ちょうそう)を目の前にし、お互いが何が起こったか理解できないでいた。そして、こそこそと後ずさりをして距離を取る特級呪霊ライザリン・シュタウト。

 

 特級呪霊ライザリン・シュタウトだけは、こうなるだろうな~と薄々思っていた。五条悟が住んでいる賃貸の一室を無償で借りて、同棲している身の彼女。理不尽な存在である五条悟がこの程度で終わるはずが無いと思っていた。

 

 結果、その予想通り。

 

『ふ、ふざけるな!この何処が獄門疆の封印が完璧だというんじゃ』

 

『こりゃ、全滅かな~。勝ったと思ったんだけどな~』

 

「ちっ、これだから貴様等に手を貸すのは嫌だったんだ」

 

「いやいや、封印は間違いなく完璧だった。悟、どうやってでてきたんだい?」

 

 五条悟の封印に成功したと思っていた特級呪霊側。だが、封印されたと思った五条悟が目の前にいる。しかも、超至近距離だ。どう考えても領域展開で全滅する未来しか残っていない。

 

 会話で時間を稼いだとしても、絶望的であった。

 

『悟さん、何でもしますから許してください』

 

「僕を裏切っておいて都合が良いこというね。でも、何でもするなら許してあげるよ。ちょっと、こいつ等全員祓うから待ってなよ。特にメロンパン野郎は念入りに殺す」

 

 五条悟の封印失敗時点で、呪霊側の勝利はなくなった。特級呪霊ライザリン・シュタウトは、セカンドプランの実行を決意する。

 

「酷いな~。まぁ、中々楽しめたし、こんな終わりもあっていいか。で、最後にどうやって獄門疆を出てきたか教えてくれないかな。それが気になって死んでも死にきれないよ」

 

「中で、呪霊が封じられたボールを開いたら出られた。じゃあ、後は地獄で後悔しろ―領域展開」

 

 夏油傑は、理解した、

 

 あの頭の良い馬鹿達が作り上げたモンスターホールという人造呪具。まさか、定員一人という特性を使って出てくるなど想定外だった。人間と手を組むことでスムーズに進んだ計画だが、最後の最後で人間が作った道具で全てが瓦解する。

 

………

……

 

 義善聖徳は、冥冥を引き入れたため、夏油傑が居る場所まで戻ろうとしていた。

 

 だが、想定外の事態が発生する。

 

 特級呪霊の分霊達から、本体が死んだと報告が上がった。五条悟が封印された状態で、あれほどの戦力を殲滅出来る存在など同じ特級呪術師しか不可能だ。

 

 だが、その特級呪術師達も渋谷事変発生時の位置は彼も確認している。どう頑張ってもこの時間に間に合うはずはなかった。

 

「つまり、五条悟が自力で出てきたと。いや~、全く規格外ですな。ライザの本体が死んでいない事をみるに、交渉の余地はあると思って宜しいですか?五条悟さん」

 

 義善聖徳が進む線路の先から、五条悟と特級呪霊ライザリン・シュタウトが現れた。

 

「五条悟?知らない人だな。僕は、五条(すぐる)というんだよ。喜べ、僕がお前達に雇われてやる」

 

「……条件は?」

 

 五条悟、自身が封印されたという情報が呪術業界に伝わったことを良いことに姿をくらます予定でいた。もう、呪術業界は下火となった。乗り換えるなら今しかない。

 

「五条家の保護、呪術業界の腐った蜜柑掃討、特級呪霊ライザリン・シュタウトの完全譲渡が最低条件だ。後は、ライザにも2B同様に受肉体にしてもらおう。出来るんだろう?」

 

「お安いご用です。全ての条件を飲みましょう。肉体は、アンブレラ・コーポレーションに用意して貰わないといけないので少し時間をください。しかし、五条さ…いいえ、優さんが、呪術業界を見限るとはね」

 

「上は腐っているし、業界的に下火だったからね。良くも悪くも君達のおかげで、呪霊と人間の関係が変わった今、数十年も先がない業界だ。それに、僕だって男で当主だよ。家や後継者の事も考えないといけない」

 

 呪霊達のバックアップも結果的に100年後の荒野で呪霊が人間として立っていればいいと思っているので、五条悟と闘わずして済むならそれで良しとした。そもそも、五条悟がこんな簡単に味方になるなら、最初からソッチ路線で攻めるべきだったのではと後悔する。

 

 




原作と異なりますけど、ご容赦を。


五条悟も移籍する。

そして、呪術業界を綺麗にして、住みやすくするんだ^-^
上層部が死ねば、生徒の死刑も取り消されるし良いことづくめ。

呪霊を祓うのだって、企業に属していても出来る。


閑話を挟んで、男性呪霊をだすぞ~!!
平和な世界の到来だ。
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