呪霊GO   作:新グロモント

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リアルが少し落ち着いてきたので…執筆する体力も少し出来たので投稿をがんばる。


40.特級呪霊藍染惣右介~一体いつから妊娠しないと錯覚していた~(2)

 婚期を逃し、後がない喪女呪術師達。サイバーダインシステムズを親の敵の如く恨んでいたが、今となっては華麗な手のひら返し。少しでも好印象を持たれようと、無駄にため込んでいたお金をアプリに散財する。

 

 彼女達は決戦に挑む。

 

 彼女達が集結したのが京都。歴史あるその場所は、呪術師達にとっても馴染みのある場所だ。つまり、職業柄、京都という場所は女性呪術師達にとっても庭みたいな場所であった。よって、目的の男性呪霊を確保するのはスピード勝負。

 

 今の喪女呪術師達のやる気から考えても、男性呪霊が拉致監禁されるまで三日と掛からないだろう。早ければ、二四時間以内に決着が付く。

 

『お客様にご連絡致します。変電施設にてトラブルがあり、復旧するまで今暫くお待ちください。なお、復旧の目処は現在未定となっております。お客様には、大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません』

 

 3級の女性呪術師は、朝一番の新幹線で目的地に向かっていたが足止めを食らう。そして、理解する。日本において、新幹線が遅延するなど珍しい事だ。それに、タイミングが良すぎる。

 

「ちっ!ここまでやるか、普通」

 

 思わず舌打ちし、頭を抱える女性呪術師。

 

 このトラブルは、人災。

 

 彼女としては、到着してからのゴタゴタは想定していた。だが、相手の方が一枚上手であった。移動手段を妨害し、現地での争いを回避する輩がいるとは考えてなかった。

 

 あの渋谷事変以来、政府はアンブレラ・コーポレーションとサイバーダインシステムズの二社に国の重要設備の物理的及び霊的な防衛を依頼した。二度と同じような被害を出さないため、国家の威信を掛けている。その度合いと言えば、防衛に際し二社に対して超法的措置が認められており、殺人についても黙認される事になった。

 

 だから、余程の馬鹿でも無い限り手を出そうとは思わない。手を出せば、人権が保証される事はないのだから。

 

 恐い物見たさの馬鹿な呪詛師や呪術師が何人も闇に葬られている。彼女が知る噂話だけでも、アンブレラ・コーポレーションが新開発した呪霊にも対応可能な生物兵器タイラントモデルの材料にされているとの事だ。

 

 つまり、命を賭けてこの戦いに挑んでいる呪術師がいるという事実が判明する。まさに覚悟が違った。そんなガチ勢に対抗する為には、持てる札を切るしかない。

 

 コレは戦争だ。

 

 喪女である以上、馴染みの呪術師は信用できない。いつ寝首を掻かれる不安を背負うならば、いない方が安全だ。

 

 だから、頼るのは信頼がおけて裏切らない人物だ。彼女が選んだのは、最善の選択肢…身内だ。見知った番号に、彼女は電話をする。

 

『ワタシワタシ。アンタのホームグラウンドは、奈良だったでしょ?ちょっと、手伝いなさい』

 

『姉貴か。時期的に考えて、アレだよな。正直、巻き込まれたくないんだけど。男より女の方がこう言う場合、陰湿でこえーから』

 

 彼女も弟の言う事は十分理解していた。だが、それでも巻き込むと心に決める。

 

『ギブアンドテイクよ。私の術式を使ってあげるわ。それに、アンタにはジャンヌダルク・オルタもいるんだし、そうそうやられないでしょう。危なくなったら逃げても良いわ』

 

『姉貴の術式か、その話のった!! 頼りになる仲間も連れて行ってもいいか?そいつ等なら俺と同じ報酬で多分動く』

 

 彼女が持つ術式、糞ほど役に立たない術式であった。だが、近年その利用価値が大きく変わっていた。『○○しないと出られない部屋』を作る事ができる彼女。価値が分かる人間が聞けば、絶対に保護下に入れるだろう。

 

 彼女の弟は、数年前まで二級呪術師を燻(くすぶ)っていたが、女性型の呪霊と巡り会う事で全国を回り救われない子供達を救う業界の有名人にまで成長した。何より、ジャンヌダルク・オルタを業界最速で手に入れて、美少女呪霊と世直しの旅をするとかロマン過ぎる。更には、『感度100倍』にする術式も保有している事が公になり、羨ましすぎて何度暗殺されかけたか分からない男であった。

 

 

◇◇◇

 

 『○○しないと出られない部屋』の術式を持つ姉、『感度100倍』の術式を持つ弟。こんな姉弟に恩が売れる機会があって、動かない男性呪術師は少ない。それも、美少女呪霊を既に手にしている男達ならば、言うまでも無い。

 

 彼女の元に、電話をして僅か20分後に謎の迎えが新幹線に現れた。最寄りの駅すらない立ち往生している新幹線に迎えが到着するなど彼女は想像できなかった。おまけに、来た人物が想像の遙か斜め上を行く人物であれば、驚くのは当然。

 

 弟の人脈がちょっとばかり恐ろしいと感じでしまう程だ。

 

「はーい!!弟君からの依頼で来た優っていう呪術師だよ」

 

「……あの、渋谷の一件で封印されたとか有名な人じゃ~」

 

「良い質問だね。世の中、似ている人間が三人はいるんだよ。いいね? 僕の事は、五条優と呼んでね。なーに、僕は最強だから、確実に男性呪霊を手に入れるまでサポートするよ。京都には、君に恩を売りたいって人達が待っているから大船に乗ったつもりで良いよ」

 

 この日、五条家、禪院家、加茂家の当主ソックリさんが、京都で目撃される。渋谷事変に迫る大事件が発生するのではと、勘違いされる戦力が揃った。

 




肉食獣達から逃げる男性呪霊…恐ろしいな。
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