神様になった右腕様 作:きまぐれ
八坂様、洩矢様が幻想郷へ行かれてから数か月がたった。あれから試してみたところ、自分でも神酒を造れることが分かった。信者達にも大人気で、信仰力が上がっているようだ。
「よし完成だ。これぞ私の神酒!」
今まで醸造の神様として扱われてはいたものの、神酒を造れないと思っていたので、神々の飲み会へは酒をもっていっていなかった。神酒を造れる醸造の神様になったことが分かった以上、そんなことはできない。神様は鬼と同じくらい酒好きなのだ。
「ただ、時間の関係上大量には造れなかったけど。」
まあ、初めて作った神酒だし、量がなくても問題ないだろう。別に神酒を造れることが分かったので持っていきますなんて宣伝はしていない。それに神様は一般的に量より質だ。きっと大丈夫だ。
「茨木殿。これ強くていいの~。」
「そうじゃそうじゃ。」
「あ~神格に染み渡る。いい酒じゃ。」
「こら!貴様らはさっき一杯ずつ飲んだだろうが!俺の分をとるんじゃない!」
「うるさいのう。こちとら神格が下がって大変なんじゃ。少しくらい分けてくれてもいいじゃろが。」
「ならもういいだろ。酒瓶返せ。」
「仕方ないのう。ほれ。」
「空じゃねえか!何が少しだ!」
そう思っていた時期が私にもあった。披露した瞬間神々による奪い合いが発生し、飲み会会場は混乱の渦に包まれた。なんでも、かなりの神力が含まれているため、飲むだけで力が湧くそうだ。なんだそのチート酒は。
「ふむ。まさかこれほどまでの神酒を造れるとは。あの時飲ませたのは大正解だったのかもしれん。」
「八坂様。お戻りになったのですか?」
「ああ。たまには顔くらいは見せとかなきゃまずいだろうと思ってね。賢者に無理言って、私だけ結界を抜けさせてもらったのさ。ところで茨木。」
「はい。何でしょうか。」
「こいつを知っているかい?」
八坂様に手渡された写真を見る。そこに写っていたのは大鷲と・・・
「これ、私の本体ですね。幻想郷にいたんですか?」
まさかの本体である。
「ああ。なんでも失った腕を探しているらしくてな。一応茨木に教えておこうと思ってな。」
「私をですか。」
なんだろう。今更探されても困る。探す理由としては、完全体に戻りたいとか?なんにせよ非常に厄介だ。鬼は非常に執念深い。下手をすると私の信者に手を出してまで私を取り戻そうとするかもしれない。神様としてそんなことさせてなるものか!
「八坂様。私を幻想郷へ連れて行ってはくださいませんか?」
「別にいいが、何をするつもりだ?」
「場合によっては鬼退治です。」