月夜に閃く二振りの野太刀   作:刀馬鹿

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ソロモンよ……私は帰ってきた!!!!


わ~いにじファンの方の消さなくても投稿が可能になった~!



日常
???


「いたいた、じいさん」

「ん? どうした?」

 

日が高く登っている。

気温は暖かく、そんな晴れやかな午後の風景。

縁側に腰を掛けている老人に話しかける男がいた。

 

「いや、特にないけども……あいつを見かけないのですが知りませんか? そろそろ帰ってもいいころだと思うんですが」

 

老人へと疑問をぶつける男。

その問いに対して、老人の返事は実に簡潔だった。

 

「あぁ、あいつなら今行ってるよ」

 

たった一言……。

それだけだ。

だがそれだけで全てを理解したらしい男は……

 

「……あ~もうそんな時期でしたか。隣座っても?」

「あぁ」

 

老人の許可を貰い、男は老人の隣に腰掛ける。

腰掛けてから、老人は隣にあった急須から湯飲みへとお茶を注いで男に渡す。

それに礼を受け取って男は茶をすすった。

 

「いやぁ~。時間が経つのは早いですね~。まさかあいつもそんな時期とは」

「お前の時は何処へ行ったんだったか?」

「いやぁすごい所って言うか……すごい状況でしたよ? 何せ迷い込んだ世界に魔王がいて、そいつを倒せばすむと思っていたらそいつの上に……っていうか下? に大魔王とかいうのがいて……はっきり言ってあの時死ななかったのが不思議でした。いやぁ彼らがいなかったら俺はきっと今ここにいなかったでしょうね」

 

笑いながら話す男。

だがその笑みには深い感情が刻まれていた……。

 

【友よ……】

 

そこで、二人に掛けられる言葉……。

だがその言葉は耳に聞こえるものではない。

しかし二人は明敏にそれを感じ取っていた……。

 

【感謝する……。お主のおかげで我の世界はとりあえず難を逃れた】

「何の何の。こちらこそ感謝する。修行の場を与えてもらって……」

 

それと会話をする老人。

親しげに会話をするその姿は、間違いなく友人との会話だった。

 

【今そちらに送っているところだ。重々礼を……】

「待て」

 

言葉を遮る老人。

その反応に訝しむ見えない相手と隣の男。

それを気づきながらも、老人は何か考え事をする仕草をして……顔を上げた。

 

「済まないが軌跡を送ってもらってもいいか?」

【……わかった】

 

老人のその言葉に素直に頷く相手。

そして少しの間顔をうつむけて目を閉じる。

深く瞑想しているその姿は……どこか浮世離れしたものを見ている感じだった……。

 

「……だめだな」

 

しばらく……といっても十数秒にも満たないであろう時間目を閉じていた老人が突然そう言いながら顔を上げた。

その言葉に、男が反応した。

 

「……そんなにだめでしたか?」

「落第ではないが……お粗末な点が多い」

「見せてもらっても?」

「構わぬよ。これだ」

 

当たり前のように、意味のわからない会話を繰り広げる二人。

先ほどの老人と同じように、男が目を閉じる。

そしてしばらく経って目を開けて一言……。

 

「これは確かに……」

「救えたから良かったがそれでも色々とだめなところが多い。友よ、頼みがある」

【なんだ?】

 

 

 

「奴の操作を、私に回してくれ」

 

 

 

【わかった】

 

戸惑いながらも、見えない何かは老人の言葉に反応する。

そして老人と男は言った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「修行が足りん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「同感だ。もう一件行ってこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、それだけを言って、二人は再び茶をすすった。

 

 

【……いいのか?】

「構わぬよ。もともと修行のために送り出したのだ。この程度で帰ってきては意味がない」

【……そ、そうか】

「ではな友よ。また今度会おう」

【あぁ。またな】

 

そうして消える見えない存在。

それを確認し、二人は再び茶をすすった。

 

「今度はどこへおくったんですか?」

「あいつにはちょうどいい場所だ」

 

二人で意味深な会話を繰り広げる。

そこへ……

 

「お父さん、おじいちゃん」

 

黒い髪をした少女が、二人に歩み寄ってきた。

 

「ん? どうした?」

「お兄ちゃん、まだ帰ってこないの? そろそろ帰ってくる予定だよね?」

 

 

 

「「さぁな~」」

 

 

 

「知らないの?」

「またぞろ寄り道しているのかもしれないぞ?」

「え~。まだ帰ってこないの? 勉強教えてもらおうと思ったのに~」

 

父、祖父と呼んだ人物に頭を下げて、その少女はぶつぶつと文句を言いながら去っていく。

その様子を父と呼ばれていたほうが心配そうに見つめていた。

 

「あの子もそろそろ兄離れしてもいいと思うのですが……」

「いいんじゃないか? 私の知り合いでは親兄弟で結婚するのは普通だよ?」

 

老人のそのあまりにもすごい言葉に、男は深い溜息を吐いていた……。

 

「あのねぇ……人間は近親相姦はしちゃいけないんですよ?」

「しかしだな。それはあくまでも法律が駄目と言っているだけだろう? しかし人の愛の形は千差万別であってだな……」

「あのね! あなたの感覚ではそれでもいいかもしれませんけど、私たちは人間なんですよ? いい加減人間としての感性を身につけて下さいよ」

 

ぎゃーぎゃーと、騒ぎながら、二人は縁側でくだらない話を繰り広げていく。

 

 

 

そんなとある家の……昼下がりの午後……。

 

 

 

 

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