月夜に閃く二振りの野太刀   作:刀馬鹿

15 / 69
士郎メインは継続中……
いかん……社会人という立場がまさかここまで物語の介入を邪魔するものだとは予想外だった!?
料理人として金を稼いで雷画に返さないといけないからそんなに休日を作ることが出来ない!
刃夜がね!!

今回もそう言うわけで士郎がメインだ。
今回はそうね……タッグを組む話?
誰と誰かって? それは本編読んでのお楽しみw


またわからない人向けに書いたつもりですがわかりにくかったりおかしかったらご一報願います







収集

「え? 営業時間の縮小……ですか?」

「うむ。最近物騒だしな」

 

私がそれを聞いたのは、いつものように朝のランニングで鉄さんのお店に寄ったときのことだった。

入り口の引き戸に紙を張り出そうとしている鉄さんに何を張り出しているのか聞いて、返ってきた答えがこれだった。

 

「確かにそうかもしれませんけど……っていうか何読んでるんですか?」

 

私と会話しながら鉄さんは何か分厚い本を手にとってそれを流し読みしていた。

 

「西洋英雄辞典」

「西洋英雄辞典?」

「成り行きで必要になってな」

 

成り行きで……なんで西洋英雄辞典?

 

よくわからないけど……別段本を読むのが悪いわけでもないので不思議に思いつつも、私はそれについては聞かなかった。

そんな私を気遣ってか、パタンと本を閉じて鉄さんが、私に微笑を向ける。

 

「営業時間を短くするのは少々痛いが……まぁやむなしだ。俺の店の帰り道に襲われても気分が悪いからな。実際にあんなニュースも流れているしな」

 

そう言って指さした先はお店にある備え付けのテレビ。

早朝からやっているニュースには、冬木市郊外の住宅街で起きた殺人事件の報道が流れていた。

 

「結構近くだからな。美綴も気をつけろよ」

「私は大丈夫ですって」

 

大丈夫という意味にはいくつかの意味があった。

一つは体外の暴漢なら返り討ちに出来ること。

そして私は襲われると思っていないからだ。

 

「油断大敵……というだろう、美綴よ。まだ咲かせていない可憐な花弁が傷ついては大事だ。十分に注意するといい」

 

そんな私に随分と時代がかった言葉を掛けてくるのは、先日から鉄さんの店で見るようになった小次郎さんだった。

いつもビシッと袴を着こなしてて、しかも仕草から相当できるのがわかるのだけど、ある意味でよくわからない人だった。

 

「え、えっと、別に私はそんなに大層な物じゃ……」

「だぁほ。もちっと鏡を見ろ。十分かわいいんだから夜道には気をつけろよ? 仲のいい奴が痛い目に遭うなんてのはごめんだぞ」

「……!? 鉄さんって、結構自然に口説きますよね?」

「口説いてない。事実を言ったまでだ」

 

若干顔が赤くなったのを自覚しながらそう言って反撃するのだけれど……全く慌てずに返されてしまった。

 

これを「私のことなんてどうでもいい」と取るべきか「本当のことを言っているのは本当」と取るべきか……

 

「なに、もしもの時は私が夜道を送ろう。私も少しは武道に心得がある故に、きちんと送り届けよう」

「お前は仕事があるし、送り狼になりそうだからだめだ」

「……嫉妬か、刃夜よ?」

「違うわ」

「……違うんですか?」

「……え?」

 

……思わずすごいこと口走っちゃった

 

というよりもよもや聞こえるとは思っていなかった。

口の中で呟いたと言っていいほどに小声だったのに……。

 

「ふむ……若いというのはいい物だな」

 

そんな私たち二人を見て、小次郎さんがおかしそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

……やっちまった

 

先ほどの会話で、またやってしまった自分を俺は呪った。

心配しているのも事実だし、かわいいとも思っている。

不幸な目にあって欲しくないというのも紛れもなく本当なのだが……言い方が悪いというのか何というか……。

 

「いやいや、なかなかの口説き方だったぞ刃夜。出来うるならあのまま逢い引きの約束を取り付けたら満点であったと思うぞ?」

「だから、俺は別世界の住人だからここで永住するつもりはないんだって」

『何というか……仕手も大変だな』

「お前に慰められてもなぁ」

 

美綴が帰って三人でくだらない話を繰り広げる。

だがそれも直ぐにやめて、俺は本題へと入った。

 

「さて、本題だが……今後の聖杯戦争における俺たちの方針を決めよう」

 

俺のその言葉に、小次郎と封絶が言葉をやめて思案をする。

とりあえずまず確認しなければいけないのが、小次郎の気持ちだった。

 

「小次郎。聖杯には望みを叶えることが出来るという力があるんだが……お前に願いはないのか?」

 

 

 

「あるわけがない。元々この戦争が終われば霞のごとく消ゆるが定め……。私が生涯でやり残したことはただ一つ……全力での果たし合い。これだけだ。それさえ叶うのならば私に願うことなどない……」

 

 

 

……本当に生粋の剣客だな

 

間違いなく……いっぺんの曇りもない想いだった。

それこそ蒼穹の空のような、それほど透き通っているかのような想い。

純粋無垢に限りなく近い、恐ろしく……綺麗な想いだった。

 

……すげぇな

 

ここまで剣の道まっしぐらというのは一種の才能だろう。

こいつがどんな一生を送ったのか……興味が湧いた。

が聞くのもなんかアレだし、しかも今は話の場が違うのでとりあえずは放置。

 

「封絶は俺と一緒に帰る……でいいんだよな?」

『無論だ仕手よ。お主の行く末を見せて欲しい』

 

実に嬉しいことを言ってくれる封絶だった。

となるとこの聖杯戦争に望むのはほとんど俺のためと言っても過言ではなさそうだったが……それでもやらなければいけない理由がある。

 

「一応強者と戦えるとはいえ、ほとんど俺のために命を賭けてもらうことになるが……いいんだな?」

「愚問だ、刃夜」

『随意に……我が仕手よ』

 

一瞬の遅滞もないその言葉に嬉しくて一瞬目頭が熱くなったが、俺はそれをこらえて宣言した。

 

 

 

 

 

 

「では今日この日、この瞬間を持って、俺たちも聖杯戦争へと挑む。聖杯の力で俺が故郷へと帰るために、力を貸して欲しい」

 

 

 

 

 

 

俺の宣言に、二人は沈黙で答えた。

だが二人ともそれが拒絶の意志ではないと言うことは聞かなくてもわかった。

それを頼もしく思いつつも……俺の胸から疑念が消えることはなかった。

 

 

 

本当にこれでいいのか……という疑念が……。

 

 

 

これで本当に帰れるのか?

 

 

 

 

今でも飲み込み切れてない疑問だった。

前回のモンスターワールドと同じような状況になった。

神秘が渦巻くこの状況で戦うことは、間違いなくあの二人の差し金だろう。

だがこの闘争に勝利し、聖杯というのを手に入れて願って……それで本当に帰れるとは思えなかった。

余りにも図式が簡単すぎるからだ……。

 

なんかあるんかなぁ……

 

またぞろ面倒事に巻き込まれそうな予感がした。

だがそれでも僅かでも意味があるのならば……俺はそれを信じて進むしかないのだ。

目を閉じて瞑想し、思考を切り替えた。

 

「よし、店開く準備するぞ~」

「了解した」

 

結局、社会人である俺には仕事をしないわけにはいかないので昼間の探索は絶望的だ。

その分終了時間を早めたが……他の連中に後れを取っているのは否めないだろう。

 

……俺の口座があれば

 

俺の世界にある俺の口座さえあれば問題なかったのだが……どうしようもないので意味がない。

とりあえず雑念が料理に出るのを阻止するために完全に思考を切り替えて、俺は仕込みを行うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「なるほど、シロウが使えるのは強化の魔術だけということですね」

「そうなんだ。といっても滅多に成功しないんだけど」

 

衛宮家。

早朝であるにもかかわらず、衛宮士郎とセイバーは起床し、今後の作戦を練っていた。

といってもほとんど互いの戦力確認が主である。

普通ならば召喚して直ぐに行うのだが、二人は昨夜色々とそれどころではなかったので今行っていた。

 

「俺は、魔術師だった親父に頼み込んで半ば無理矢理弟子入りさせてもらったから、本当に半人前もいい所なんだ。強化だってまだまだ失敗ばかりだ」

 

実際、士郎は魔術師としてはかなりの半人前だった。

だがそれもある種仕方がないといえる。

師である衛宮切嗣は士郎を養子として引き取りながらも、海外によく出かけていたのだ。

大事な大事な……用事のために。

だがそれもいつしかなくなり、家にいることが多くなったとき……。

切嗣は士郎を引き取って五年の月日で……逝ってしまったのだ。

 

 

 

ただ一言の言葉を遺して……

 

 

 

 

 

 

あぁ――安心した……

 

 

 

 

 

 

それより士郎はただひたすらに独学で魔術の鍛錬を行った。

誰も導いてくれる存在がいなくとも、士郎はそれを毎日欠かさず続けた。

その継続力は驚嘆に値するが……しかし正しきやり方ではない上に導いてくれる師がいない鍛錬では、未熟なのも致し方のないことだった。

 

「それでも俺はこの聖杯戦争を戦わないといけないんだ。だからこんな未熟なマスターで済まないけど、力を貸してくれ」

「はい。私の剣はあなたと供にあるのですから、私はマスター……シロウを勝利へと導きます」

 

その言葉と供に笑みを浮かべたセイバーに、士郎がぼっと顔を赤くする。

それも無理からぬことであった。

セイバーは十分に可憐であり、美少女なのだから、そんな存在に微笑まれては初な士郎が緊張しないはずがなかった。

 

「シロウ。今のうちに相談しておきたいことが二つあります」

 

それに気づかぬセイバーが話を続ける。

そんな相方に士郎は若干戸惑いつつも、とりあえず真面目な話しであるので一旦咳払いをして答えた。

 

「ん? 何をだ?」

「本来であればサーヴァントはマスターに自分の真名を明かすのですが……あなたには私の真名を明かさずにおきたいのです」

「えっと……なんでだ?」

 

真名とはサーヴァントの生前の名前。

己のサーヴァントが何の英霊であるかを知って初めてサーヴァントの能力を知ることが出来る。

だがそれを士郎には明かしたくないというセイバー。

これではセイバーにどのような能力があり、どれほどの力をもつのかわからないので戦略を立てることが出来ない。

しかし、これには当然のように明確な理由があった。

 

「真名を敵に知られてしまえば弱点を知られてしまうからです。ですがシロウは魔術師として未熟なために、精神魔術を使用され操られてしまうかもしれない」

「あぁなるほど。つまり俺が真名を知らなければ……」

「はい。シロウが知らないことを引き出すのは不可能ですから。ですからあなたに真名を明かさないことを許して下さい」

 

魔術とは何も物理的効果の物だけではない。

精神に干渉し人を操ったり、その人の記憶を探るような魔術もあるのだ。

未熟なシロウにそれを防ぐ術はない。

だがセイバーの言うように最初から知らなければ引き出しようがない。

 

「わかった。俺も賛成だ」

「はい、次に……」

 

ギラリ

 

このとき、士郎はセイバーの目が一瞬細まったのを見逃さなかった。

 

(……嫌な予感が)

 

「あなたが学校に行くという件についてです」

 

(……やっぱり)

 

予想通り過ぎた話でシロウは内心で笑うしかなかった。

いつも通り学校に行くというシロウと、それに賛成できないというセイバーで昨夜、刃夜と凜が帰った後に一悶着起こったのだ。

だが夜も更けていると言うことで一旦その会話は持ち越しになったのだが……心構えをする前に持ち込まれてしまった士郎だった。

 

(どうしようかなぁ……)

 

どうしてセイバーを言いくるめるのか考えるのに……士郎は桜と大河が来る寸前まで頭を悩ませる羽目になった。

 

 

 

 

 

 

(やれやれ……まだ納得してないみたいだったけど、何とか言いくるめたか……)

 

穂群原学園に登校した士郎は内心でそうこぼした。

頑なに学園まで着いてこようとするセイバーを、士郎が懐柔した手段はこうだった。

 

魔術とは秘匿される物である……。

 

これは魔術師に置いては暗黙の了解であり、これを破った物には魔術協会から暗殺者を差し向けられることもある。

つまり人が集まる学園という一種の閉鎖空間で魔術を行使した戦闘……つまりは聖杯戦争には発展しないと言い張って、士郎はセイバーを言いくるめて学園へとセイバーがいない状態で登校した。

確かに無理からぬことでもあった。

何せセイバーには霊体……つまり実体を解いて浮遊霊として士郎のそばにいることが出来ないのだ。

故に付いてくるとしたら普通に人間としてそばに寄り添うことしかできないのだ。

部外者を入れることが出来ないので不可能なのは当然だった。

 

 

 

だが……これははっきり言って「甘い」と言わざるを得なかった。

 

危機感が足りないと言ってもいいかもしれない。

 

何せ今この場……冬木市という舞台で戦争が行われているのだ。

 

確かに魔術とは神秘であり秘匿される物だが、それでもやりいようはいくらでもある。

 

であるにも関わらず普通に……心構えはしていようとも……登校したのは愚かであると言うしかなかった。

 

 

 

(うん……? な……なんだいまの?)

 

校門……正しく言えば学園の正門を通り抜けたとき、士郎は違和感を覚えた。

昨日まで感じられなかった、違和感。

突然正門で突っ立つ士郎に訝しい目を向けつつも、他の生徒は何も感じていないように通り過ぎていく。

だが士郎は確かに感じていた。

 

(この甘ったるい……感じは、一体……)

 

だが感じたのは一瞬だった。

他の生徒が何も感じていないこともあり、士郎は自身が疲れていたから感じただけだと、納得させた。

 

「どうしたんだ衛宮? ぼ~っと突っ立て」

 

そんな士郎へと後ろから声が掛けられる。

士郎とほとんど身長差がない、青年。

間桐慎二。

士郎とは中学二年生の頃より付き合いがある友人だった。

 

「あぁ、慎二。イヤ、ちょっと立ちくらみが」

「へ~。そうなんだ? 顔色悪いぜ?」

「いや、大丈夫だ」

「心配させんなよ……。今にも死にそうな顔してるぜ?」

 

ふっと、微笑みながら歩き、士郎よりも先に玄関へと向かっていく。

そして通り過ぎたその時……彼が邪悪に顔を歪めたのを、士郎は見ることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

人は……脅威に鈍感である……

 

長く平和な時間を生きてきた人間というのは得てしてそう言う物だ……

 

故にそれを感じても、鈍ってしまった感覚が危険はないと麻痺してしまうのだ……

 

サーヴァントもつれず出歩く愚かさ、悪意にも鈍感であること……

 

 

 

 

 

 

それを士郎は……身近な人物から教えられることになる。

 

 

 

 

 

 

放課後……。

殺人事件が起きた穂群原学園では対策として、部活動を短縮しグループでの下校を推奨した。

学園側としては当然の処置だろう。

普通の教師であれば自分の学校へと通う若者を、危険な目になど遭わせるのは本意ではない。

 

(そうか……こうなるのも当然だよな……)

 

自分にとって保護者のような担任、藤村大河の説明を聞きながら、士郎は最近の己の現状を振り返った。

ランサーに襲われたことにより始まった、聖杯戦争。

それのことで慌ただしく、また余りにも現実離れした状況で日常を感じることが出来なくなっていたのだ。

それ故の弛緩なのか……士郎は最大に近い失態をした。

いや、失態と言うよりは義務感なのだろう。

 

(俺みたいに巻き込まれたら災難だから見回りでもして帰ろう……)

 

正義の味方として、人が死ぬことは看過できない。

故に見回りを初めた。

 

 

 

人気がほとんどなくなった……校舎内を……単身で……。

 

 

 

「……呆れたわ。まさかここまでバカだと思わなかった。サーヴァントもつれずに出歩くなんて」

 

 

 

士郎が階段へと差し掛かったとき、そんな声が上から掛けられた。

そちらへと目を向けると……夕日が差し込む階段踊り場の窓のそばに佇む凜がいた。

逆光のため士郎にはその表情を伺うことは出来ないが……その顔に表情はなかった。

 

「む、バカってなにさ。遠坂だって知っているだろう? セイバーは霊体化できないんだから」

「そうね、確かにセイバーは霊体化できないわ。だからあなたは学校になんて来ないで家にいれば良かったのよ。他のマスターから見たら、自分がどれだけ無防備に見えるか理解してる?」

 

サーヴァントがそばにいない。

それは聖杯戦争に参加している者であれば、目を疑うかもしれない。

人間であれば対抗できないサーヴァントを相手に生身でぶつかることなど、普通の人間には出来るはずがないのだから。

つまり、今の士郎は丸裸も同然なのだ。

 

「そうは言うけど、魔術師は人目のあるところで騒ぎを起こすことは出来ないだろ? だったら学園で仕掛けてくることなんて出来ないさ」

「そうね……その人気があればね。衛宮君……今、この学園に何人の生徒が残っているのかしらね?」

 

(え……?)

 

その言葉で士郎はようやく気づいた……。

校舎にほとんど人が残っていないことを……。

がらんとした教室、人影が全くない廊下、静まりかえった校庭。

確かに探せばいるだろう。

だが今この学園にいる人間の数は、最も多い昼休みなどと比べれば、雲泥の差なのは明白だった。

 

「あなたを教会へと連れて行ったのは自覚して欲しかったからなの。確かにあなたは望んでこの戦争に参加したんじゃないと思う。けどそれでも自分の現状を把握しないと、あなたは直ぐに死んでしまいそうだったから……。けど、それも無駄だったようね」

 

 

 

コッ コッ コッ

 

 

 

凜が階段を下りる。

静かに……ゆったりと仕草で。

人気のない校舎でのその行動は……静けさもあってひどく士郎の耳に響く。

 

 

 

「あの男、鉄刃夜が言ったはずよね? あなたの家を出たら敵だって……。私はそれに同意したわ。そしてあなたもそれに同意は示さないまでも何も言わなかった」

 

 

 

凜が左腕の袖をまくり上げた。

その腕は、夕日を浴びてひどく綺麗に見えた。

もしもそれが今のように張り詰めた空気でなければ……士郎も頬を赤くしたかもしれない。

だがそれはそんな微笑ましい行為では断じてない。

その無表情な顔を見ればわかる。

 

 

 

今から行われることが……何であるかを……。

 

 

 

ブゥン

 

鈍い音がした……。

その音と供に凜のまくった左腕の前腕が薄緑色の模様が走った。

 

「他の奴に苦しめられる前に……私が引導を渡して上げる。苦しまないようにね!」

 

その言葉と供に……凜の左腕が光り輝いた。

 

(!?)

 

さすがに明確な殺意を向けられては、士郎も気づかないわけがなかった。

咄嗟に回避したその瞬間に……つい先ほどまで士郎がいた場所に、魔力の塊が飛来する。

 

ガンッ!

 

鈍い音を響かせて、廊下にそれが激突した。

それを見て士郎が絶句する。

いくら半人前とはいえ、今のが濃密な魔力を纏っているとわかったからだ。

 

「待て遠坂! お前本気か!? 俺はお前と戦う気なんて……」

「……あなたになくても、私にはあるのよ!」

 

ブゥン

 

右手の人差し指を士郎へと向けた。

奇っ怪な音を響かせながら、凜の指先に黒い球体が生まれる。

そしてそれは拳ほどの大きさになると、高速で目標……士郎へと向かった。

 

「く!」

 

咄嗟に身を翻しつつ、士郎がそれを避けて駆けだした。

黒い球体は目標物から外れ、教室のドアへとぶつかり……それの一部を破損させた。

 

凜が使用した魔術は北欧のもので、「ガンド」といった。

この魔術は呪術であり、相手を指さすことで身体活動を低下させて体調を崩させるという間接的な呪いであり、しかも対象を視界に収めなければいけないという欠点もありそこまで実践的とは言えない。

だが凜のそれは違う。

本来ならば相手を呪うことしか出来ないガンドが、高密度な魔力を纏ったことで物理的な破壊を伴っているのだ。

普通に拳銃以上の威力を誇っていた。

 

しかもそれが……。

 

 

 

ドドドドドドドド!!!!

 

 

 

もはや拳銃ではない、ガトリングのごとく士郎へと襲いかかっていた。

これを見ただけでも、遠坂凜の魔術師としての才能は別格だった。

 

同調開始(トレースオン)!)

 

それを食らってはひとたまりもない士郎は、ひとまず手にした鞄に強化の魔術を掛けて文字通り盾と化した。

それによって辛うじて防ぐが……劣勢なのは明らかだった。

 

(くっそ!)

 

強化を掛けた鞄を放り捨てて、士郎は走った。

戦う気はないが、このままやられるわけにもいかない。

体勢を立て直すために、駆け出すが……。

 

「逃がすとでも思ってるの!」

 

それを凜が追う。

しかもかなりの速度だった。

 

「くっ!」

 

即座に追いつかれてしまった士郎が慌てるが、それで手を緩めるほど凜は甘くない。

今の状況だけを見ても、凜と士郎との技量差は明白だった。

それこそ大人と子供ほどの差があった。

 

普通なら、諦めて降参して命乞いした方がまだ生きることが出来そうだった。

 

引導を渡すと言っていても、凜に本当に殺す気はない。

 

無論殺すつもりがないということはなく、言葉その物が全て嘘と言うことはない。

 

それでも……凜の奥底には殺したくないという思いが確かにあった。

 

なぜなら本当に……それこそ完膚無きまでに殺すのならば何も凜が手を出す必要はない。

 

そばにいるサーヴァント、アーチャーを実体化させて士郎を殺させればいい。

 

それこそ刹那の時間で決着が付く。

 

それをしないのは、己の手で殺すことによって士郎に辛い思いをさせないようにしていると同時に、自身をも納得させるためだった。

 

 

 

だが……相手が普通ではないのだ……

 

 

 

凜の相手は……正義の味方を目指す、青年なのだ……

 

 

 

 

 

 

正義の味方になると誓った青年……衛宮士郎だった……

 

 

 

 

 

 

(くっ……何とか振り切れた……)

 

まさに文字通り死ぬ気で走って何とか凜を撒いた。

だがしかし逃げることに成功しただけで、何の解決にもなっていない。

だが士郎にとって相手を倒すという考えはなかった。

 

(何とかして……遠坂を止めないと……)

 

彼はどこまで行っても正義の味方なのだ。

士郎の聖杯戦争のスタンスは単純明快で、「無意味な犠牲者を出さない」ことである。

故に必要とあれば戦うが、必要がなければとことん戦うつもりはないのだ。

そして今回の遠坂との戦闘は後者に該当される。

 

 

 

故に、士郎がすることは遠坂凜の打倒ではなく、説得だった……。

 

 

 

(だが……話を聞いてくれる状況じゃない……どうすればいい?)

 

 

 

当然だが、話し合いとは対等の立場、ないしそれに近い形でなければ成立しない。

だが今の士郎の状況は格下だ。

士郎には見えないし、感じることも出来ないが、アーチャーが凜のそばに付いているのだ。

さすがにそれくらいは士郎もわかった。

となると、凜に完全に敗北と認めさせなければこれは終わらない。

 

(どうする!?)

 

だがそれを考える時間を……今の状況は与えてはくれなかった……。

 

 

 

「っ~~~~!!!!」

 

 

 

「っ!? 今の声は!?」

 

へたり込んでいた士郎の耳に届いたのは遠くより木霊した……誰かの断末魔のような悲鳴。

それを聞いた瞬間に……士郎は何も考えずにただ走り出した。

 

(どこだ!?)

 

今の状況……聖杯戦争のただ中であるこの状況では考えて考えすぎと言うことにはなり得ない。

それでも士郎としては無事であって欲しかった。

誰かは知らないが……そんなことは士郎にとっては関係ない。

人を救うと決めたのだから、己の状況も顧みずに士郎は駆けた。

一階の外へと通じるドアのそばで……一人の女子生徒が倒れていた。

士郎は慌てて外傷を確認する。

だが見たところ、特に傷は見られなかった。

 

「よかった、気を失っているだけか」

「そんなわけないでしょう! その子、今のままだったら危ないわ」

「へ?」

 

突然自分の後ろから声が上がって士郎は驚いた。

振り返ることによってさらに驚愕した。

そこには険しい表情をした凜がそこにいた。

 

「と、遠坂!?」

「その子、魔力の源とも言える生命力をギリギリまで抜き取られているわ。ちょっとどいて」

「ど、どうする気だ!?」

「警戒してどうするの! 治療するのよ! それとも何? 衛宮君が代わりにこの子を治療してくれるの?」

「い、いや。頼む」

 

先ほどまで自身を殺すと息巻いていた相手を前にして警戒してしまう士郎だったが、今はそんな場合ではない。

士郎は直ぐに場所を譲った。

そして凜がそこに座り、呪文を唱えた。

 

フォン

 

音が鳴り、凜の左腕が淡く発光する。

その左腕を倒れた少女の顔に色が戻ってきた。

その事でほっと息を吐く二人だったが、他にも犠牲者がいるのでは?と考えて探索してみたら他にも複数人数の生徒が襲われて生命力を奪われていた。

幸い凜の治療が間に合って大事には至らなかったが……士郎と凜は憤慨した。

 

「一体誰が……何だってこんなことを……」

「サーヴァントに人の霊魂を食わせているんだわ。サーヴァントは霊体だから餌である霊魂を食べればそれだけ力が増すの」

「……そ!? そんなことをしたのか。……じゃ、じゃあまさか」

「えぇ。どうやらいるみたいね。この学校の関係者で、もう一人のマスターが」

 

士郎は無関係な人間を襲うようなことをしない、無論それは凜も一緒である。

ならばこの二人以外のマスターがこの学校で暗躍していると見て間違いないのだ。

無関係な人間から力をもらうという行為を行う……人間が。

 

 

 

 

 

 

「……良いのですかマスター? こんな杜撰(ずさん)とも言える行為を行ってしまっては、相手に気づかれるのも時間の問題ですよ?」

 

遠くより、生徒を治療して回っている士郎と凜を見つめながら……そんな言葉を発する存在がいた。

そいつを見た瞬間に、誰もが普通ではないとわかるだろう。

何せ格好が普通じゃない。

ぴっちりと……黒いレザースーツのような物を着込んでいるが、ぴったりと肌に張り付くような服であるにも関わらず、その身体の起伏を隠すことは出来ていない。

肩もほとんど露出している。

頭髪も凄まじく長く、直立しても地に着いてしまうかと言うほどの長さだ。

また何よりも、両目をバイザーのような物で覆っており、その下にある目を見ることは出来ない。

 

「構わないさ。これであいつら二人を足止めすることが出来た」

 

そしてもう一人。

その女性に偉そうに言葉を発するのは士郎と同じ穂群原学園の制服を身につけた青年だった。

愉快そうに笑むその表情は、負の感情が露骨ににじみ出ていて、見る物を不快にさせるような笑い方だった。

名を間桐慎二。

付き従う女性のサーヴァント、ライダーのマスターとして、聖杯戦争に参加している青年だった。

 

「どうだ? 少しは力が溜まったか?」

「はい。ですが気休め程度です、マスター」

 

マスター。

もしもこの場に第三者がいれば気づいたかもしれない。

彼女……ライダーがマスターと言ったその言葉に、何の感情も込められていないことに。

だがそのマスター、間桐慎二はそれに気づかない。

傍目にも浮かれているのが目に見えた。

 

「ちっ。気休め程度か。なら夜も行うぞ」

「……わかりました」

「それと、今衛宮のそばにサーヴァントはいないんだろう?」

「えぇ。霊体になっているのはアーチャーのサーヴァントだけです」

 

それを聞いて、慎二はニヤリと……ものすごく歪んだ笑みを浮かべる。

そこに刻まれているのは憎悪と……嫉妬にも近い妄執だった。

 

「ならあいつにちょっかいかけてこい。でも殺すなよ? あいつをいたぶる楽しみがなくなっちゃうしさ」

「……わかりました」

その言葉と供にライダーが姿を消した。

霊体になったのだろう。

そして慎二は何もなかったとでもいうように、颯爽と歩いていった。

その顔に、愉悦に歪んだ笑みを浮かべて……。

 

 

 

自分が指示したこと……無関係の人間を傷つけたことなど何も感じてないようだった。

 

 

 

 

 

 

「間違いないわ……。これは魂食いね」

「……今まで治療してきた人みんなか?」

 

士郎と凜は、怒りを露わに言葉を交わしてた。

一通り見回ってすでに犠牲者がいないことは確認したが、魂食いの犠牲者の数は二桁近くにまで登った。

しかも生きるか死ぬかのギリギリの瀬戸際だったのだ。

これを見て、何も感じないのはある意味で普通ではない証拠だった。

 

「結界が張ってあるから、まだ動かないものと思っていたのに……油断してたわ」

「結界だって?」

「えぇ。この学園に張り巡らされた悪趣味な結界よ。気づかなかった?」

「そう言えば、今朝なんか甘ったるい感じを正門で感じたが……」

「どこの敵か知らないけど学園に張った結界は悪趣味よ。中にいる人間をどろどろに溶かして吸収しようっていうえげつない代物だから」

「な、何だって!?」

 

凜の言葉に士郎は激昂した。

中にいる人間……つまりは学生達を皆殺しにしてサーヴァントを強化しようとする、そのマスターの考えが許せなかったからだ。

 

「とりあえずこの子が最後ね……。ったく、ほとんど魔力使っちゃったじゃない」

 

苛立たしげに言葉を吐き捨てているが、ただ文句を言っただけで決して目の前で倒れている生徒の治療を渋っているわけではなかった。

士郎もそれを感じ取ったのだろう。

 

(やっぱり……いいやつなんだな……)

 

そう思った。

その時だった……。

 

 

 

ジャララララ

 

 

 

そんな場違いとも言える、金属の音が聞こえたのは。

その音が……凜の方へと迫っていることに気づき、そばのドアから何かが放り込まれたのを見た瞬間に、士郎は動いていた。

 

(間に合え!)

 

右手を咄嗟にその何かの軌道上に出したのだ。

その瞬間に……。

 

 

 

ドッ

 

 

 

鈍く、不快な音が響いて士郎の腕に突き刺さった。

 

「ぐあぁぁぁぁ!」

「!? 衛宮君!?」

 

治療していた凜もその声で何かが起こったことに気づいて上げたその先に……腕に何か鎖の付いた杭のような物が刺さっている士郎の右腕があった。

 

(私を庇ったの!?)

 

先ほどまで自分のことを殺そうとしていた相手を、何の躊躇もなく救ったのだ。

凜が驚くのも無理はなかった。

その事で一瞬驚くが……そんな場合ではないことは直ぐにわかる。

 

「衛宮君その腕!」

「大丈夫だ! 遠坂、その子を頼む!」

 

ただ一言だけ残して、士郎は自らの腕を突き刺した何かを投げた存在へと向かっていく。

明らかに普通の得物ではないというのに、その動作に全くためらいはなかった。

それを勇気と見るべきか……蛮勇と見るべきなのか……。

 

「ちょ、ちょっと衛宮君!?」

 

凜も咄嗟に追おうとするが、しかし目の前の生徒を放っておく訳にはいかない。

なぜならば放っておけば確実に死ぬからだ。

一瞬だけ迷い、優先度の高い方を凜は選択した。

すなわち倒れた生徒の治療だった。

しかし優先度の高さは僅差でしかない。

 

 

 

放っておけば、どちらも死ぬことは明白なのだから……。

 

 

 

凛が治療したのを確認して、士郎は外へと向かっていく。

 

(この武器を投げた奴が……魂食いのサーヴァントか!?)

 

多くの人間を食らい、あげくに凜に杭を投げて殺そうとした相手を、士郎は許すつもりはなかった。

その怒り故に、サーヴァント相手に生身で刃向かうということを行っている……訳ではない。

なぜなら士郎は正義の味方だから……。

弱気を助け強きをくじく……まさに典型的な正義の味方。

例え己に力がなくても、今この場でその相手を打倒しなければ犠牲者が増えてしまうと言う……強迫観念に近い感情が、士郎を駆り立てていることに彼は気づいているのだろうか?

 

「どこだ! 出てこい!」

 

人気のない校舎裏に、士郎の声が響く。

そして辺りを見渡して、士郎は何かがすごい速度で走っていくのを見つけた。

 

「逃がすか!」

 

それは弓道場裏にある、林へと向かっていく。

腕の痛みに葉を食いしばりながら、士郎はそれを追って走った。

その時……士郎の鼻が何かをかぎ取った。

 

「? これは……?」

 

林に入って直ぐに、士郎は奇妙な匂いを鼻がかぎ取っていた。

今朝も感じた、妙に甘ったるい感じに酷似した匂い。

その匂いの元を辿っていくと……何か見えない力が込められた物を見つけた。

物と言っても目に見えている訳じゃない。

だが確かに何か異質な物があると、士郎は感じ取った。

それは結界の魔法陣。

結界を発動させるための、発動器具の起点。

 

 

 

「驚いた。マスターに言われたからちょっかいを出しただけだったのに、まさか結界の起点を見つけるなんて。それも念入りに隠した起点をこうもあっさりと」

 

 

 

「誰だ!?」

 

裏からした声……。

そしてその声と同時に……ふっ、何もなかったはずの虚空に人が現れた。

 

 

 

長い長い髪の女の騎乗兵……ライダーが……。

 

 

 

「そのご褒美に、あなたは優しく殺して上げましょう……」

 

 

 

ゾクリ

 

 

 

士郎の背に悪寒が走った。

突然出現したことで、それがただの人間でないことは士郎にも直ぐにわかる。

何よりもその巨大すぎる殺意……先ほどの凜の物とは比べものにならないそれが、ただの人間でないことを教えてくれる。

止まっていてはまずいと、動くが……右手に刺さった杭の鎖が引っ張られた。

 

「ぐあっ!?」

 

激痛と供に、地面へと転倒し士郎が痛みに悲鳴を上げた。

だがそれで手を抜くはずもなく……ライダーはさらに鎖付きの杭を引っ張り、士郎を宙へと浮かせる。

 

「っぁぁ!?」

 

腕に刺さった杭で全体重を支えた激痛に、士郎は声にならぬ悲鳴を上げる。

宙にぶら下げられた士郎になすすべもなく……ただぶら下がるしかなかった。

 

(く、くそっ!!)

 

痛みに顔をしかめつつも、何とか腕から杭を抜こうとするが……その力んだ身体で抜けるはずもなかった。

その滑稽な様を見て、ライダーが笑う。

 

「マスターからちょっかいを出せと言われて出したのですが……起点を発見されたのは予想外でした。いっそここで殺しておく方がいいでしょうか……?」

「そうはさせないわ!」

「!?」

 

ライダーの言葉に反応したのは当然士郎ではない。

その声がした方へと、二人して顔を向けると、凜が全力で走り寄ってきている。

そして右腕からガンドを放ち、鎖を断ち切った。

当然ぶら下がっている士郎は支えていた鎖がなくなって地面へと落下した。

 

「あ、ありがとう遠坂」

「やれやれ。面倒なことになってしまったようですね。引き上げるとしましょう」

 

そんな言葉を残して、ライダーが木々の上から上へと移っていって遙か遠くへと消えていった。

まだ襲ってくるかもしれないと臨戦態勢を解かなかった凜が、完全にライダーが去ったことでようやく警戒を解いた。

 

「アーチャー? いるんでしょ?」

『何かな凜?』

「今すぐ追って。マスターを突き止められたら突き止めてきて」

『了解した』

 

姿は見えないが、アーチャーの声が響いた。

アーチャーが偵察に行くのを確認してから直ぐに、士郎の腕の治療を始めた。

前腕を貫かんばかりに突き刺さった傷跡は、見た目にも痛々しく、出血もひどかった。

 

「治療したけど……応急処置みたいな物だから帰ったらきちんと治療しなさい」

「あ、あぁ。ありがとう助かった」

「お礼を言うのはこっちよ。さっきの……庇ってくれたんでしょ?」

 

そう笑いかける凜の顔に険はなかった。

どうやら二回戦を行うつもりはないらしい。

それを感じ取って士郎はほっとした。

そして直ぐに先ほど自分が見つけた物を、凜に教えた。

 

「遠坂、これなんだけど……」

「? これ……って?」

 

士郎が案内したその場所に巧妙に隠された物を見抜いて、凜は目を見開いた。

 

(これは……結界発動のための魔法陣?)

 

余りにも高度なそれは一体どんな術式なのかさすがの凜も完全に見抜くことは出来なかったが、それでもそれ自体が何であるのかは直ぐに見抜けた。

今朝からそれとなく休み時間に結界の起点やそれを補助する魔法陣を探していたというのに一向に見つかっていなかったのだ。

だが士郎は至極あっさりとそれを見つけて見せたのだ。

 

(……半人前だけど使えることは使えるのね)

 

自分には見つけることの出来なかった魔法陣を意図も容易く見つけたその能力は、この結界を阻止したい凜としては得難い能力だった。

敵が強くなるのを指をくわえてみていることなど性に合わない上に、無関係ない人間を殺してまで強くなろうとするその根性が気にくわなかったのだ。

 

「衛宮君、相談なんだけど共闘しない?」

「……へ?」

 

突然の申し出に、士郎は首を傾げる。

だが直ぐに凜から説明があった。

 

魔法陣は破壊できるが起点を見つけられない凜が、士郎の能力をほしがる。

 

魔法陣などは発見できるが、破壊する術を持たない士郎は凜の力が頼りになる。

 

そして当然、互いにこの結界を張った相手が許せない。

 

結界を発動させないために敵を妨害する……そのための共闘だった。

 

しかし凜にはそれだけではなく、他にも二つ理由があった……。

 

「とりあえず一旦解散しましょう。もう被害者もいないみたいだし……後で衛宮君の家にお邪魔させてもらうわ。色々と面倒見るのもかねてね」

「あぁ、わかった」

 

 

 

ちなみにこの台詞……特に最後の言葉……を士郎は単に少し話をするために自分の家に来るのだと思っていたのだが、実際は違ったりする。

 

 

 

 

 

 

そして互いに学校の正門で別れ、自分の家へと帰ってきた士郎だったのだが……。

 

(……どう説明すべきだ?)

 

家にいる自分の秘密の同居人……やらしい意味ではない……セイバーに何の相談もせずに凜との共闘を決めたことをどう説明すべきか何も考えていなかった。

加えて言うのならば右腕の傷のこともある。

 

そのため……

 

 

 

「だから言ったではないですか!? サーヴァントもつれずに街を出歩くなど言語道断だと! 魔術とは確かに秘匿される物かもしれませんがそれでもやろうと思えばいくらでも手段はあるのですよ!? しかも敵のマスターとの共闘など……どうして私に一言も相談せずに決めるのですか!?」

 

 

 

このように……セイバーが怒り狂うのも無理のないことだった。

 

(……失敗した)

 

「落ち着いてくれセイバー。互いに利害が一致したから共闘って形になったんだ」

「しかしそれでも敵であることに代わりはないのですよ!? あくまでも共闘だ! いつ寝首をかかれるかもしれないというのに!」

「む。それは遠坂に失礼だぞセイバー。確かに最終的には敵かもしれないけど、今まで共闘関係だった遠坂が、いきなり俺たちの裏をかくなんてことはしないさ」

 

その言葉に、セイバーは一瞬口を閉じて考える仕草をする。

凜がどのような人間であるかを思い出しているのだ。

半日も供に活動をしていない相手ではあるが、それでもある程度の人となりは昨夜に入手しているのだから、考えるのに問題はなかった。

 

「……そうですね、彼女は信用できるかもしれません。ですがサーヴァントも同じとは限らない」

「確かにそうだけど、それを言ってしまったら可能性の話になってしまってきりがないだろう? そうだな……とりあえず万一遠坂達が仕掛けてきたら応戦しよう。これでいいだろう?」

「……そうですね。その覚悟があれば構いません」

 

まだ完全に納得はしていない様子だったが、それでもセイバーは頷いた。

確かに戦力不足なことはセイバー自身も自覚していたからだ。

自身が弱いと思ってはいないセイバーだが、それでもあのバーサーカーは圧倒的だった。

まさに暴力の塊であるといってもいいとセイバー自身思っていた。

故に共闘自体に反対する要素はそこまでなかった。

 

「それで……敵のサーヴァントの情報は……」

「それは私から説明するわ、セイバー」

「へ?」

 

突然の第三者の声に……士郎は飛び上がるほど驚いた。

その声のした方……廊下へと繋がる引き戸へと目を向けると、私服姿で大きなボストンバックを持った凜がそこにいた。

 

「と、遠坂!?」

「ごめんなさい。呼び鈴鳴らしたんだけど返事がなかったから勝手に上がらせてもらったわ」

「そ、それはまぁ構わないけど……その荷物は?」

「? さっき言ったでしょ? 後で行くって」

「そ、それはそうだけど……」

 

ちょっと話をしに来ただけと思っていた。

そう思っていたがそれは士郎の大きな誤解である。

凜はちょっと話をするために来た程度ではないのだ。

 

 

 

なぜなら……同居する気満々だったのだから……。

 

 

 

 

 

 

「今日からここでお世話になるから……よろしくね衛宮君?」

 

 

 

 

 

 

「……!!!!?????」

 

 

 

「同居まですることになっていたのですか?」

 

 

 

そんな士郎に対して、きょとんと不思議そうにセイバーが問いかけるが……脳がフリーズしてしまった士郎には応えることは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました~」

 

夜九時にお客様を見送って俺はようやく一息を付いた。

ちなみに営業時間を一時間短くした。

さらには明日から昼休みをかねてPM2:00~PM5:00まで中休みを設けることにした。

つまりAM10:00~PM2:00、PM5:00~PM09:00 が営業時間となる。

そうしないと全くと言っていいほど調査なんかが行えないからだ。

店員が増えたにもかかわらずどうして休み時間を設けたのか? と何人かのお得意様に聞かれたが、何とか納得してもらった。

 

まぁ事情は言えないからな……

 

聖杯戦争の情報収集のために営業時間を短くしました。

こんなこと言えもしなければ言ったところで誰が信じる?

とりあえず俺は自身をそう納得させて戦闘準備を行う。

 

狩竜は……街中だと目立ちすぎるか。水月と夜月……後は封絶かな?

 

封絶も目立つと言えば目立つが……狩竜に比べたら遙かに目立たない。

本日は戦闘ではなく探索、情報収集なので戦闘の選択肢はそこまで多くなくても構わない。

それにシースに入れるので遠目で見れば普通の荷物に見える。

 

「む。今宵はあの野太刀は持って行かないのか?」

「あぁ。探索には不向きだろ、あの武器は?」

 

背中にシースを結びつけながら、俺は小次郎にそう返した。

得物を装備したことを確認し、立ち上がる。

 

「では今宵より本格的に行動を開始しよう~」

「……何をするのだ?」

「とりあえず偵察だな。まだ俺たちは七人のマスターが誰であるのか? そしてそのサーヴァントがどのような力を持っているのか知らない」

「ふむ……」

 

戦場に置いてもっとも大切なのは正しい情報だ。

まずはそれを入手することを大前提として動くことにした。

 

剣使い(セイバー)槍使い(ランサー)弓使い(アーチャー)、狂戦士《バーサーカー》はすでに対峙している。残った知らないサーヴァントは騎乗兵(ライダー)魔法使い(キャスター)だな』

「そう言うことになる。キャスターという名前から魔法とかを使ってくるのは予想でき、ライダーはなんかに乗っているのだろう。だがどこにいるかもわからないのでは攻めようがない」

「確かに」

「だからとりあえずそれぞれのサーヴァントの偵察を行う。ついでにマスターも知ることが出来たら御の字だ。ランサーのマスターもわかっていないしな」

 

最も効率的なのはマスターを殺すことだが……それは俺には出来ない。

自身につけた枷……不殺を貫かねばならないからだ。

 

まぁ不殺と言ってもあくまでも別世界の場合はだけどな……

 

今更人殺しが怖くなったなんて事は言わないが……人を殺して恨みの連鎖を作ることは阻止しなければならない。

そうでなければ、俺はあの子に嘘を吐いたことになり、しかも彼女の信頼を裏切ることになる。

 

「あまり動くのも得策ではないのだが……とりあえず情報収集に向かおう。聖杯戦争が起こってから何か状況が変わっているかもしれない」

 

聖杯戦争で何か地形にも変化が起こっているかもしれないからだ。

見た目に変化はなくても何かが変わっているかもしれない。

 

「足下を固めるために、とりあえずこの深山町辺りから探索を開始するぞ~」

「了解した」

「お前の力も頼りにしてるぞ封絶」

『了解した』

 

こうして二人と剣が夜闇へととけ込む。

と言っても小次郎は有事以外は霊体化して俺のそばにいるので事実上俺一人だが……。

 

とりあえず……ぐるりと回るか……

 

見た目は一人で出歩く不審者として、俺は深山町をぐるりと回り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「へぇ~。おうちが全面改装? しかもそんな忙しいときに外国から親類がきちゃったの? 大変だったのね、遠坂さん」

「しばらく休学をして、ホテル住まいをするつもりでしたが……つい衛宮君のご厚意に甘えてしまって……」

 

衛宮家夕食時の会話……。

普段ならば士郎、桜、大河の三人の食事風景なのだが、本日は二人の異分子とも言える存在がいた。

アーチャーのマスター遠坂凜と、士郎のサーヴァント、セイバーである。

凜は大河に事情を説明がてらに「優等生」として談笑、セイバーは一切言葉を話さず、黙々と料理を口に運んでいた。

見た目には無表情なのでわかりづらいが、士郎と桜の作った料理がおいしいので、丁寧に味わいながら食していたりする。

 

(……なんなんだこの状況は?)

 

それが士郎の正直な感想だった。

ちなみに現在時刻は午後八時である。

七時頃よりいつものように桜と大河がやってきた衛宮家は……文字通り修羅場と化した。

それはそうだろう。

いつの間にか同じ年頃の娘が二人も同居することになってしまったことは……教師でなくとも説明が欲しくなる。

忘れているかもしれないが、大河の職業は教師である。

普通であれば同棲に近い形の同居……しかも年頃の男女が住まうなど許されるはずもないのだが、そこは優等生である遠坂凜と、幼少より見てきた衛宮士郎の人柄を知っている大河だからこそ許可が出せたのだった。

また凜の説明もうまかった。

 

自宅の全面改装のため……実際アーチャー召喚の際に起こった自宅崩壊の修理を行うので嘘ではない……それによって家に住めない。

そしてセイバーを凜の親類にすることで、士郎が大河や桜にセイバーのことを説明することもなくなった。

そして幸か不幸か……腕の傷は……。

 

 

 

 

 

 

~一時間ほど前~

 

「嘘……傷が治ってる?」

「……そう言えば痛みがなかったな」

 

全治一ヶ月以上かかりそうだった、サーヴァントの杭を刺された右腕が、凜が再度治療を行おうとした時にはすでに全快していたのだ。

 

 

 

まるで……最初からその傷などなかったかのように……

 

 

 

はっきり言って異常である。

それを喜ぶべきかは微妙だったが……それでも今後とも戦闘を行う上で傷がないことはメリットしかなく、また謎を解明できそうにもなかったので放置するしかなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

~現在~

 

そのため、腕の傷に関しては言及されること……そもそもすでになくなっているのだから言及しようがないが……もなく、問題は凜とセイバーの処遇というか立場をどう説明した物かと士郎が思案したのだが、凜があっさりと片付けてしまったのだ。

 

 

 

家主である士郎には一言も相談しないままに……である……。

 

 

 

(……遠坂って……何というか……優秀なんだろうけど……「猫の皮をかぶった悪魔」だったんだな)

 

実際優等生を学園では演じている凜と、素の凜というのは結構……優秀であるという面では一緒だが……違う。

先日も気づいたことではあったが……憧れだった清楚な遠坂が遙か遠くへと逝く(・・)のを完全に自覚した士郎だった。

 

 

 

「さて、それじゃ作戦会議を始めるけど……」

 

夕食後に、大河と桜が帰宅した後、残された三人で……アーチャーもいるが、見張りに立っているので居間にいない……の作戦会議が始まった。

 

「まず確認するわ。私たちは学園の結界をどうにかするために共闘することになったんだけど、それ以外でも共闘した方がいいと思うの」

「それ以外?」

 

凜の言葉の意味がわからず士郎が疑問の声を上げたが、それに頷いて凜が言葉を続けた。

 

「まずはバーサーカー。あれをどうにかしないと私たちが聖杯を手に入れるのは難しいわ」

「勝算ならあります。私にはまだ奥の手がありますので」

 

凜の言葉を遮ったのは、サーヴァントであるセイバーだ。

実際彼女には最強クラスの秘めた力を有しているのだが……。

 

「それでも手強い相手に代わりはないわ。一人よりも二人、二人よりもより多くの人間がいても損はないわ」

 

その言葉には士郎は当然として、セイバーも頷かざるを得なかった。

イリヤスフィールのサーヴァント、バーサーカー。

まさに狂戦士の名にふさわしい戦い振りを見せたあの巨人は、完全に別格だった。

確かにサーヴァントと言うだけ合ってサーヴァントは全てが上位の存在であることは間違いないが……それでもその強さはサーヴァントの中でも異質である。

まだバーサーカーの宝具もわかっていないので、隠し球がある可能性だってぬぐい去れない。

 

「それに……あの鉄刃夜とそのサーヴァント。あいつらも相当やばいわ」

「……刃夜か」

 

刃夜という言葉に、士郎は複雑な思いの表情を浮かべた。

知り合ってまだ一年経っていないとはいえ、大河より紹介された刃夜とは知り合いであり友人と言っても言い関係だったからだ。

刃夜も士郎のことを憎からず思っているし、仲もいいと思っていた。

 

「生身の人間がバーサーカーに立ち向かえるなんて普通に考えてあり得ないわ。確かにあいつの攻撃はあまり効いていなかったみたいだし、サーヴァントのおかげもあったことは確かだけど……人間が相手にそんなこと関係ない。あの二人組と出会ったときに、私たち……私と衛宮君だけではあいつに対抗できない」

 

攻撃が通用しなかったとはいえバーサーカーの剣を見切り、あまつさえサーヴァントと協力して立ち回りをした刃夜が普通ではないことなど、あの光景を見た者であれば誰しもが理解できることだ。

バーサーカーとの立ち回りしか見ていないために、他のサーヴァントとの対戦はどうなるのかは二人にとっては未知数だが、士郎と凜の二人が力を合わせても刃夜に対抗するのは難しいと考えが至るのにさして時間はかからなかった。

故にあの二人組には自分たちのサーヴァント、セイバーにアーチャーを差し向けるのが一番の安全策なのである。

 

「あいつのサーヴァントの真名が割れているけど……佐々木小次郎ってあまり目立った弱点がない上に、それがあのサーヴァントに当てはまるかどうかも謎だから、ぶっちゃけそこまで明確な弱点はなさそうだから、真名がわかってても意味はない」

「……でも刃夜なら話し合えば」

「甘い。あいつはきっぱりと自分の願いを言ったのよ。まさか私も平行世界の住人だとは思わなかったけど」

 

明確な願いがある以上、どんなに話し合ったところで最終目的が一緒な以上、和解すると言うことはあり得ない。

この聖杯戦争で士郎とは違い、聖杯を求める理由があると言った以上……単純にして明快な答えしか出てこないのだ……。

 

 

 

相手を倒すしかないという……答えが。

 

 

 

「だから当面はライダーのことだけじゃなく、共同戦線になるからよろしく頼むわね」

 

にっこりと笑うその笑顔には、よろしく以外にも以下の意図が含まれていた。

 

反論は認めず、逆らうことは許さない

 

である。

それを感じ取ったのかどうかは不明だが……士郎は力なく笑うしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「くっそ! 何だっての!?」

 

私は、必死になって走りながらそうこぼしていた。

弓道部の後輩で学校で倒れていた子の見舞いに行った帰り道に、私は何か得体の知れない何かに終われてしまった。

姿を見た時は、何かとても浮いた格好をした人だと思った。

地面に付くのではないかと言うほどの長い髪と、何か……ライダースーツのようなもので身を包み、目を何かバイザーのような物で隠している……。

けど直ぐにそんなことを考えている場合じゃないと……本能が察した。

 

目の前にいる人物は……普通ではないと。

 

ゾクリと……身体に恐怖が走った瞬間に私は走り出していた。

これでも武術をならっていたから腕に少しは自信があったのだけれど……そんな生やさしい相手じゃないことを身体が理解したのだ。

絶対に勝てそうにない。

それどころか逃げ切れるかも怪しかった。

実際先ほどから全力で逃げているというのに、全く振り切れる気がしない。

 

ジャララララ!!!!

 

「あっ!?」

 

そんな恐怖に満ちた私の足に、何かが絡まって転倒する。

鞄が飛び跳ねて少し先に転がってしまった。

だけどそれを気にしている場合じゃない。

 

「……な、何者よあんた!」

「……」

 

その私の言葉にも……その女は無反応だった。

暗くてよく見えないけど……私より少し年上に見える。

でも背が高いからそう見えるだけかもしれない。

そしてそんなことは関係ないほどに……何もかもが普通じゃなかった。

格好も……雰囲気も……何もかもが……。

 

「な、何とか言っ……!?」

 

全てを言い切る前に、私の身体は鎖に絡め取られてしまい、壁へと叩きつけられる。

衝撃に先ほど転倒したときにどこかすりむいたのかそこら中が痛かった。

 

「ふふ……気丈ですね」

「……」

 

その声は……妖艶とも取れたけど……今の私にそれを気に掛けている余裕なんてなくって……。

 

「恐怖に怯えながらも必死に抵抗するその心。実に気丈でかわいらしい。しかも、私好みの顔と……身体です……」

 

すっと……私の下腹部に手をやる相手……。

その仕草が気色悪いと供に……すごく怖かった。

 

!?

 

さらにそれだけじゃなく……私の首に相手の口が……。

 

 

 

「綺麗な赤い血ですね……」

 

 

 

「ひっ!?」

 

 

 

や……やめて……

 

 

 

声が出ない……

 

 

 

あまりの恐怖で……身体が麻痺して……言うことを効かない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたのその身体に宿す魂の象徴……その血を捧げていただきます……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

それを感じ取ったのは探索を初めてしばらく経ってからだった。

 

『どうした刃夜?』

「これは……お守りの反応?」

 

俺は小次郎の言葉に帰すこともせずに……独白のように言葉を呟いていた。

 

 

 

お守り。

俺が美綴に弓道の大会の時に渡した、自作の木の板に気を込めながら「勝」と彫った奴だ。

もしもの時のために、本人が危機的状況に陥ったときに、それを俺に知らせるだけの機能しかない物体。

 

 

 

それが……反応したのを俺は感じ取ったのだ……

 

 

 

「ちっ! 小次郎付いてこい!」

『了解した』

 

俺のただならぬ雰囲気を感じ取ってか、小次郎が何も聞かずに実体化し俺へと追随する。

あのお守りは本当に……それこそ「命の危機」に直面する位の状況にならなければ発動しないはずなのだ。

つまり今美綴は……かなり危機的な状況になっているのだ。

 

まさか……聖杯戦争がらみか?

 

ただの事故かもしれないが……それでもどちらにしろ危ない事に直面しているのは間違いない。

急がなければ命が危ないかもしれない。

そう考えると俺は気が急いてしまう。

 

 

 

間に合え!

 

 

 

俺は祈るような気持ちで、そう念じた。

 

もうあんな思いはごめんだったからだ……。

 

力を手にしても、間に合わなければ何の意味もない。

 

だから全ての力を駆使して……俺は走り抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ライダー
筋力C
耐久E
敏捷B
魔力B
幸運D
宝具A+

保有スキル
対魔力B
詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。
騎乗A+
獣であるならば幻獣・神獣まで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。

単独行動C
マスター不在でも1日だけ存命出来る。

怪力B
一時的に筋力を1ランク上昇させる。







ライダー!!!!

この人結構人気あるよ
かくいう作者も好きなキャラですね
ちなみにレズであるwww ←本当

あ~長い長い……
自分の文章もそうだが先が長い……


いつ終わるんでしょうねこれ?w


自問自答してもわからない日々……
頑張るけど……刃夜の出番が少ない上に原作をわかるようにアレンジして書くから結構大変だったりする……

がんばりま~す




っていうか親知らず抜いてそれが痛くてマジデ書く気力が……


みんなの元気《感想》を、オラに分けてくれ!


半ば切実に……お願いしたいです……




ハーメルンにて追記
親知らずは今年(2012)の三月中盤に抜いたなぁ・・・・・・
仕事始まると抜きに逝くのも大変だろうから結構あわてていったんだよねwww
懐かしいw

ぶっちゃけ感想ないと、二次創作作家とかネット小説家って生きていけない(執筆が続かない)生き物ですから、まじめに感想とかいただけるとうれしいです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。