月夜に閃く二振りの野太刀   作:刀馬鹿

23 / 69
お久しぶりです
半年以上も開けてしまいまして、続きを執筆いたしました。
社会人となって、やっと少しは役に立ってきたかなぁと思いつつも、自分のくだらないミスで日々凹む毎日であります。
だがそれでも……俺はがんばって書かねばいけないのだ!!!!

何故か!?

書きたいからだ!!!!

そしてその反応なんかがみたい!

後は四次聖杯とそれの番外編!

さらには刃夜の旅の終着点である(刃夜話が一応完結する)第三作品目を書きたいのです!!!!

だから書きたいです!!!!

先生、小説が書きたいです……・

まぁそんなこと言いながらも時間もなければ暇もなく、ネタもないんだけどね~www



あ、重要事項ですが



今回で原作においてどのルートに行くのかわかりますが(まぁ結構露骨な複線引いてたんでわかる人にはわかったでしょうが……)



原作をやってないと、もうこれ以上ないほどにネタバレになります



それをご承知でお読みいただけると嬉しいです……

ちなみに本文短めで14000なので~


2018/5/14 追記
S(人格16人)様 誤字報告ありがとうございました!
修正しました!


黒化
正義の味方


 

 

 

体■剣■■■ている……

 

 

 

血潮■鉄■、■は■■……

 

 

 

それは幾た■の戦■を越■て■敗……

 

 

 

■だ■一度も■■は■く……

 

 

 

た■の一■も■■され■い……

 

 

 

■の者■■に■人……

 

 

 

剣の■で■■に■う……

 

 

 

故■その生涯■意■は■■……

 

 

 

その■はきっと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【■い■■で出来■い■……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い、暗い……。

 

それしかないと思えるほどに光のない空間。

 

ずるずると……不快な音がする。

 

鳴き声なのか、何かがはいずり回る音なのか……どちらか判別は出来ない。

 

だが、それが精神的にも生理的にも、不快感を催す物だと言うことは考えるまでもなかった。

 

腐食しながら蠢き、はいずり回る。

 

それを見れば、誰もが悲鳴を上げる……もしくは絶句する……それほどの物だった。

 

それだけじゃなく、その部屋を構成する物全てが腐食していた。

 

堅牢な石畳も、頑健なはずの石の階段も。

 

壁には無数の……まるで人が一人、収まりそうな……穴が、整然と壁一面に並んでいた。

 

まるで、という仮定ではないかのように……その穴には不思議な重みがあった。

 

呪いが凝り固まったかのように。

 

その穴に存在はしていないが……まるでその穴は墓穴のようだった。

 

そして当然のように……物体だけではなく、気体である空気もひどく腐っていた。

 

空気はそれから()分泌された液が蒸発でもしているのか、ひどく湿り、ぬめり……そして甘かった。

 

そしてそれ故か……もしくはそれ以外に原因があるのか……

 

 

 

 

 

 

その空気はひどく……重かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ。しばらく留守にしておる間に随分と愉快なことになったようじゃな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、誰もがこの場にいることを不快と思う場所に……一人の老人が立っていた……

 

この場に余りにも不釣り合いな老人だった……

 

部屋の作りが洋風と言うのに和服を着込み、そして枯れ木の杖を手にしている……

 

着物から出ている手と首、そして顔には、その老人の年月を刻んだ皺が存在していた……

 

それはごく当たり前の事なのかもしれない……

 

だがその皺はあまりに異常すぎた……

 

 

 

自らうごめく皺が……どこにあるというのか?

 

 

 

否、皺が蠢いているのではない……

 

体そのものが、蠢いているのだ……

 

 

 

まるで、生きた蟲が内部からはいずり回っているかのように……

 

 

 

 

 

 

「今回の状況はあまりにも不条理であり、不平等じゃ。よもやサーヴァントと生身で斬り合うバカがおろうとは……」

 

 

 

 

 

 

それが当たり前のように、何の興味も持たず、老人はさらに口を開く……

 

いくら自分の体であろうと……これほど泰然としているのは異常だった……

 

何の感慨も持たず、何の興味も持たない……

 

否、もしかすればそれをすでに通り越してしまったのかもしれない……

 

あるいは……

 

 

 

その老人は……|それ(・・)と同じ|物(・)であるのかもしれない……

 

 

 

 

 

 

「それを加えても、あまり状況はよくはない……」

 

 

 

 

 

 

それは冷静に……分析していた……

 

まるで、全てを知り得ているかのように……

 

全ての状況を……マスターとサーヴァントを、知っていた……

 

その上で、老人は思案する……

 

 

 

 

 

 

「本来であれば静観すべきなのだろうが……困ったことに手駒が適しておる……」

 

 

 

 

 

 

ニヤリと……まるで壊れた人形のようにその老人は笑った……

 

醜く……醜悪に……

 

 

 

それは人間が出すことの出来る……表情なのか?

 

 

 

それは生物が出すことの出来る……感情なのか?

 

 

 

 

 

 

もしもこの場に第三者が……まっとうな精神を持つ人間がいれば思わず漏らしたかもしれない……

 

 

 

 

 

 

老人(アレ)は、人間ではないと……

 

 

 

 

 

 

「さて……どうした物か?」

 

 

 

 

 

 

その表情のまま、老人(ソレ)は笑った……

 

実に愉快そうに……

 

今から行うことを……

 

 

 

少女を壊すと言うことを……

 

 

 

 

 

 

少女の意志を壊すことを……

 

 

 

 

 

 

それは心の底から楽しんでいた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「こんなもんかな?」

 

深山町、商店街にそんな声が上げられる。

だがその声は直ぐに買い物客で溢れているこの場の雑踏にかき消される。

穂群原学園の制服に身を包んだ青年。

名を衛宮士郎と言った。

魔術使いとして、この冬木市を舞台にして行われている聖杯戦争に参加している青年だ。

 

 

 

聖杯戦争。

何でも願いが叶うという、万能の願望機を巡って繰り広げられる殺し合い。

七人の魔術師(マスター)が、聖杯を媒介にして召喚した、過去の英霊達(サーヴァント)を使役し、戦わせて最後の一人を選定する。

 

 

 

だが士郎にそれで叶えたい願いがあるわけではない。

ただ、己の願いと信念を……正義の味方としてあるために、彼はこの聖杯戦争に参加していた。

だがそれも先日の柳洞寺の戦闘を境に小休止のような状態となっていた。

故に、暗殺されても不思議ではないほどに無防備に、買い物を行っている。

指折り数えながら、士郎は買い物袋の中身をざっと見つめていた。

夕飯の買い出しを終えて、脳内にある買い物リストと照らし合わせているのだ。

買い物に買い漏らしが無いと判断したのか、満足そうに頷いて、青年は帰路へと付こうとした。

が……

 

クイ、クイ

 

(? 何だ?)

 

己が着ている服の裾を引かれている感覚。

不思議に思いつつ士郎は後ろへと振り向いた。

そこに……

 

「こんにちは、お兄ちゃん」

 

銀髪の少女が笑みを浮かべて士郎を見上げていた。

 

「な、えぇ!?」

 

突然の事で半ば反射的に、士郎は飛び退いていた。

いくら外国人とはいえ、自分よりも遙かに小さな少女から、青年が飛び引く様は非常に滑稽だったが……そんなことに構っている余裕は士郎になかった。

 

(何でここに!?)

 

疑念が士郎の胸中を渦巻いていく。

少女……イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、士郎と同じマスターだった。

本来であれば殺し合う存在であるはずのその少女は……飛び退いた士郎に不思議そうな目を向けているだけだった。

 

(?)

 

それに気づいて、士郎も不思議そう眉をひそめた。

それに気づいていないのか…………少女はにこやかな笑みを浮かべた。

そこにはみじんも殺気はなく、それどころか敵意すらもなかった。

 

「よかった。生きてたんだね、お兄ちゃん」

 

頬をゆるめ、見た目のかわいらしさ、そして銀髪の美しさと相まって、非常に浮世離れしたといえてしまうほどの笑顔だった。

先日……あの夜見せた冷酷ともいえる笑みとは正反対な笑みだ。

そのあまりのギャップに……士郎は半ば思考が停止しそうになってしまう。

しかしここで思考を停止するのはあまりにも危険だということは、戦闘に置いて素人である士郎にもわかることだった。

 

……どうする!?

 

今の状況を再確認する士郎。

場所は深山の商店街であり、当然のように買い物客にあふれている。

ここで開戦された場合のことを……士郎は考えたくもなかった。

しかも都合の悪いことに士郎に相手の攻撃を防ぐすべは一切ないのだ。

 

 

 

つまりは……セイバーがいない。

 

 

 

これは士郎の油断しているところだと言わざるを得ない。

人数規模が二人組の七組しかいないと言うことで、麻痺してしまうのは無理からぬことなのかもしれないが、それでも殺し合いをしているのだ。

であるにも関わらず……単身で買い物など愚の骨頂だった。

自分のみを自分で守れるのであれば話は別かもしれないが……サーヴァンとというのは、人間が少し力を得た程度でどうにかなる存在ではないのだ。

それに対抗しうるのは当然のように、サーヴァンとのみだ。

セイバーが霊体化できないが故に、つれて回るのを躊躇するのはわかるが、それでもとてつもなく無防備であることに代わりはない。

 

「……まさかここでやるつもりなのか?」

 

声を押し殺して……周りの人間が注目しない程度に士郎はそう問うた。

命の危機を感じているという理由も確かにある。

仮にこの場にバーサーカーが出現すれば……それこそ士郎は瞬殺されるだろう。

 

しかし……悪運が強いと言うべきなのだろうか?……その心配は杞憂に終わった。

 

 

 

「? おかしなことを言うのね? お日様が出ているうちは戦っちゃいけないんだから」

 

 

 

むーと不満そうに口をとがらせて……少女、イリヤス・フィール・フォン・アインツベルンはそういった。

その年相応の幼い少女の仕草に……士郎は思わず面を食らってしまった。

 

「……えっと?」

 

目の前の少女から殺気が感じ取れない、その口から出た言葉から、士郎もイリヤがこの場で戦うことを望んでいないことはすぐにわかった。

 

「イリヤだよ」

「は?」

「イリヤス・フィール・フォン・アインツベルンだよ。長いからイリヤって呼んでいいよ。それでお兄ちゃんはなんて名前?」

 

士郎が言いよどんだのが、名前を知らないからだと感じたのか、イリヤは先に名乗った。

先に名乗られ、さらには名前を聞かれれば、それに答えない士郎ではなかった。

とまどいつつも、士郎は名乗る。

 

「俺? 俺は衛宮士郎だけど?」

「エミヤシロ? なんか言いにくい名前だね? まるでジンヤみたい」

「刃夜だって?」

 

少女の口から、自分の知り合いの名前が出ると思っていなかった士郎は、思わず聞き返してしまった。

その問いに、イリヤはこくりと小さくうなずいた。

 

「定食屋のお兄さんだよ。エミヤシロは知り合いじゃなかった?」

「あ、あぁそうだけど……というかその呼び方はやめてほしい。すっごい違和感が」

 

もはや戦闘に発展しそうにない空気になりかけていることに、安堵すべきなのか、とまどうべきなのかわからないが、それでも士郎にとっては都合がいいのでこのまま話を続けることにした。

 

「覚えにくいのなら士郎でいい。そっちが名前だ」

「シロウ? 何だ、思ったより簡単な名前なんだね。でも孤高な感じがするし、響きもいいから合格ってことにしてあげる」

 

腰をかがめて見つめてくるその視線に、士郎はとっさにいつでも動けるように腰を落としていた。

だがそれを見て、イリヤがクスクスと、おかしそうに笑った。

 

「そんなに身構えなくても大丈夫だよシロウ。バーサーカーはおいてきたから」

「? そう……なのか?」

 

それが本当かどうかを確かめるすべがないというのに、士郎はそれを素直に信じた。

人を助けたいという願いはあっても、血なまぐさいことや争いごとを好まない士郎ならばそれも無理からぬことだが……それでも甘いだろう。

しかし実際にイリヤのそばにバーサーカーはおらず、イリヤにも戦う気はなかった。

 

「だから安心していいよ」

「そ、そうか。それで刃夜とはどういう経緯で知り合ったんだ?」

 

それが士郎には気になるところだった。

鉄刃夜。

大河の紹介によって知り合った、不思議な男。

それが士郎の認識だった。

そして先日、柳洞寺にてほぼ完全に敵対することになってしまった人間だった。

 

 

 

柳洞寺のキャスターと手を組むこと。

それが士郎にとっては許されざることだった。

聖杯戦争とは無関係な人間から魔力を吸い上げているキャスターを、正義の味方たる士郎が許せるはずもなかった。

だが様々なハプニングを経て、結局は敗北してしまった士郎と凜、それにセイバーにアーチャー。

それでもなお、納得がいかなかった士郎に、刃夜がこういったのだ。

 

 

 

『お前は大河と桜ちゃんをも否定していることになるんだぞ?』

 

 

 

この言葉はかなり強引だったことは、言った本人である刃夜だけでなく、その場にいた誰もが思えるほど強引だった。

魂食い。

人の生命力を吸収してしまうこの行為で、霊体であるサーヴァンとの強化が行える。

それを行う原因が、己の強化ならばそれは悪となりうるが……もしもそれがただ生きる、霊体であるサーヴァントならば存在するために、行っていたとすればどうなのか?

人が食物を摂取して生きているのと……何ら代わりがなかったというかなり強引な言葉を刃夜は口にしたのだ。

確かに理屈ではその通りなのかもしれない。

だがそれでも、無辜の民から搾取していることに代わりはない以上、士郎は戦わなければならなかった。

 

 

 

正義の味方を目指している青年であれば、それはなおさらだった……。

 

 

 

例えそれが生きるための……存在するための行為だとはいえ、人に害なすものであるのならばそれを止めなければいけないはずだ。

確かに存在するために、人の生命力を吸収している。

だがそれを吸収しているのが誰なのか?

遙か昔に死んだはずの存在である、霊体が吸収しているのだ。

死んでいるから……すでにそれが存在してはいないから、魂食いが許せないと言うわけではないだろう。

だがそれでも……それを看過していい問題ではない。

 

 

 

 

 

 

それでも士郎は、刃夜の言葉を言い返すことができなかった。

 

 

 

 

 

 

できなかったのだ……

 

 

 

 

 

 

「? どうしたのシロウ? 考え事?」

「!? い、いや……」

 

イリヤに声をかけられて思考の海から引き戻される士郎。

いぶかしい視線を向けられながらも、士郎はとりあえず思考を切り替える。

 

「それで、戦うためじゃなかったのならどうして声をかけてきたんだ?」

「お話したいことがいっぱいあったんだ! だからお話ししよう!」

「へ!?」

 

そういって、イリヤは士郎の腕に抱きついた。

まるで、小さな子供が父親に甘えているかのように……。

その行動に士郎はあわてた。

 

「待て待て! 本当にどういうつもりだ!?」

「どういうつもりって……だからお話だよ?」

「いやそうかもしれないが俺とお前は敵同士だぞ!?」

 

マスターとして聖杯戦争に赴いている青年と少女。

共闘関係すらも結んでいないのであれば敵であると考えるのが必然だ。

だが、少女は違った。

 

「それは違うわ。私のバーサーカーは無敵だもの。ほかのマスターはただの害虫。ジンヤは害虫じゃないし、手こずりそうだけど、バーサーカーが本気を出したら誰も勝てないもの。それはシロウのセイバーだって同じことだよ?」

 

相手を馬鹿にしているわけでもなく、挑発しているわけでもない。

心の底からそう思っており、そして己のサーヴァントを信じているのだ。

狂化によって底上げされた能力値による圧倒的な性能と、その宝具による恩恵による防御力で、間違いなく今回召喚されたサーヴァントの中で最強だった。

その圧倒的な力を目の当たりにしながらも、己の大事な相方を馬鹿にされて一瞬かちんとする士郎だったが……それでも少女の邪気のない笑顔を見ると、そんな気分はそがれてしまっていた。

 

「ジンヤは私と友達だし、シロウも友達になってくれるのなら見逃してあげてもいいよ?」

 

その言葉にも当然のように殺意もなければ邪気もなく……士郎は思わず溜息をついてしまった。

 

「友達になれるかどうかはわからないけど……ともかく話をするんだろう? なら行こう」

「うん! あのね、あっちの方に公園があるからいこっ! 見てきたんだけどね、ちょうど誰もいなかったんだよ」

 

笑顔でそう言って、少女は踊るようにしながら先導していく。

うれしくて仕方がないと……体全体で顕していた。

 

「ほ~ら! 早くして! 早く来ないとおいていっちゃうんだからね!」

 

くるくると、まるで妖精のようなその銀髪をたなびかせてイリヤはかけていった。

それを士郎は、呆然と見送ってしまっていた。

 

……俺が逃げると考えないのか?

 

名門であるが故に、イリヤにも当然のように魔術が使用できる。

それを何となく感じ取っていたが故に、特に抵抗のそぶりも見せなかった士郎だったが……それでもここまで何もされないとびっくりしてしまうのも無理はなかった。

逃げるのではなく、もしも士郎に悪意があるのならばその首を掻き切ることも不可能ではないのだ。

そうなると商店街のために目撃者が多い状況になってしまうが、凜レベルの魔術が使用できるのならばそれも隠蔽できなくもない。

当然のように凜はそんな姑息な手段を使うこともなければ、士郎にはそれほどの魔術を使用する腕もないわけではあるのだが……。

 

「……何なんだあの子?」

 

それが士郎のこれ以上ないほどに素直な感想である。

何度も言うようだが聖杯戦争は、殺し合いという戦争を行っているのである。

この無防備さは士郎、そしてイリヤともに致命的であったと言ってもいい。

正直な話、この場でセイバーを令呪による力で召喚してイリヤを殺したとしても、それは戦略であり、隙を見せたイリヤが問題だったと言ってしまって何ら問題はない。

だがそれでも……

 

だけどもまぁ……

 

士郎は当然のようにそんなことはしなかった。

凜ならばプライドのために、士郎はイリヤのために……。

これほど……それこそ少女の銀髪のように真っ白な信頼を裏切るほど、士郎は外道ではなかったからだ……。

 

 

 

 

 

 

「刃夜よ、追加注文だ。ホイコーロとやらだ」

「回鍋肉ね。了解した」

 

小次郎からのオーダーを受けて、俺はさらに鍋の振る力によりいっそう勢いをつける。

「和食屋(二号店)」は、本日もずいぶんとお客様でにぎわっていた。

実に喜ばしいことである。

 

『まぁその分忙しさは半端がないわけだが……』

『確かに……』

 

念話にて愚痴を言い合いながら、俺と小次郎は必死になって働いていた。

ちなみに役割分担だが、俺は当然のようにもっぱら料理と食器洗い、小次郎はフロアの接客全般……注文取り、食膳運び、レジ、後片付け、等々……である。

ほぼ完全に厨房とフロアで役割分担がなされている感じだ。

 

「ほい、野菜塩炒めあがったぞ」

「了解した」

 

俺が作り終えた料理を、小次郎が持って行く。

小次郎がフロア担当をするようになってから女性客もずいぶんと増えた。

小次郎が普通に美形であり、しかも仕草も様になっているから結構人気があるようである。

そのために、女性客も手軽に入れてカロリー低めの料理を作ったりもした。

 

というよりも栄養バランスのいい食事だな……

 

ダイエット中でも手軽に食べられるように超低カロリー食事などを作ったらそれが偉く大ヒットした。

 

まぁ低カロリー料理だけじゃないけどね……。秘密メニューは……

 

うれしいのだが……こう女性だらけだと……。

 

「小次郎さんってかっこいいですよね! 何というか、すごく流麗で」

「ありがたくその賛辞、いただいておこう。小鳥よ。だいえっととやらもいいがきちんと食べねば体をこわすぞ。食べるのを我慢するのではなく運動をすればいい。して、どうかな? 今宵にでも私とともに月を愛でつつ散歩など」

「え、それって……ナンパですか?」

「ふむ、軟派なつもりはないのだがな……。美しき花たちが、私を狂わせてしまうのだよ」

「仕事しろ~」

 

という具合に小次郎が軟派というか……まぁ声をかけまくってて精神的にも疲れてしまう。

小次郎とて疲れていないわけではないだろうに、女子高生達を目にすると偉く元気になる。

何というか……

 

『困った武人だな……』

『お前もそう思うか……封絶』

 

もはや思念体として剣に宿っている魔剣、封龍剣【超絶一門】とともに、心の中で深々と溜息をつきながらも、俺は必死になって鍋を振るい、菜箸を動かしていた。

 

「こんにちわ~」

 

そうこうしていると、引き戸がひかれ、新たな客が入ってくるが、気配に声で俺はすでに誰がきたのかわかっていた。

中身がこぼれないように注意しつつ、俺は顔を出入り口の方へと向ける。

 

「いらっしゃい、美綴」

「鉄さんこんにちわ。小次郎さんもお疲れ様です」

「ふむ、これはまた綺麗な華がきたな。喜ばしいことだな? 刃夜?」

「いいからマジで仕事しろ!」

 

悩ましいとでも言うように大げさに顔に手をやっている阿呆に渇を入れつつ、俺は美綴に対して苦笑した。

美綴も小次郎のこの軟派なことは知っているで、苦笑いしていた。

 

「今日は両親がいないんで食事をとらせてもらいに来ましたよ」

「おなご一人での夜歩きは危険だぞ。私が送ってゆこう」

 

 

 

「仕事しろ!」

 

 

 

 

手元の菜箸を棒手裏剣で投げつけてやりたかったが、ここは飯屋。

客商売であるこの空間で、物を投げるなどということは当然のごとくできるはずもなく、俺は檄を飛ばす。

そんな俺たちのやりとりに苦笑しつつ、美綴はいつもの席へと腰掛けた。

 

「忙しかったら手伝ってまた裏メニューでも食べさせてもらおうと思ったんですけど……そこまでではないみたいですね」

「そうだな」

 

冗談交じりにそんなことを言ってくる美綴に苦笑しつつ、俺は美綴の注文を聞き、調理へと取りかかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い、空間の中でずるずると蟲がうごめいている。

それはとある魔術師が作った、この世に存在しないはずの蟲だった。

男の骨髄と脳髄を喰らい、女の子宮と精神を蝕み喰らう、腐肉の蟲。

腐った空気に、腐った壁、腐った床……腐った蟲。

ここはすべてが腐っている。

そう形容してもいいほどの空間だ。

誰も入りたがらないようなそんな空間に、一組の男女が降りてきた。

男の形相は険しく、引きずられる女の表情は……暗かった。

その形相にふさわしいと言うべきなのか……男は引きずってきた女をその腐った蟲のただ中へと放り投げた。

 

 

 

「……始めろよ」

 

 

 

その声は荒い。

怒りの感情も、如実にあふれ出ていた。

 

 

 

「本を作れ。まだ残っているはずだ」

 

 

 

周りの蟲がうごめく。

まるでその命令が正しいとでも言うように……。

意志という物が感じられないはずのその蟲には……どこか薄暗い意志のような物があった。

 

 

 

「さっさとしろよ! お前が戦いたくないから、僕が代わりにしてやるっていってるんだ! お前だってその方が楽だろう!?」

 

 

 

半ば狂気じみたその表情から言葉を発する。

彼は半ば錯乱しているような様子だった。

実際に錯乱している。

己の願いのために……目的のためならば例え相手が誰であろうとも敵と見なして攻撃する。

そんな危なっかしさがあった。

一瞬口を開こうと女がしたが……しかしそれが無意味だと判断したのか、少女はさらにうつむいて、口を小さく動かした。

 

 

 

それは呪いの言葉なのか?

 

 

 

それとも祝福の言葉なのか?

 

 

 

前者であればこの上もなく適切ともいえるが、後者であればあまりにも場違いな言葉だった。

 

そしてその言葉とともに、この腐った部屋に変化が生まれる。

一瞬の閃光とともに、人影が少女の眼前へと……まるで少女を守るかのように……出現した。

それと同時に蟲たちが我先にと、その人影から遠のいていく。

腐った蟲でさえも、それがどれほど恐ろしい物であるのかわかるほど、強大な何かをそれは秘めていた。

 

 

 

「……お前は俺の言うことを聞いていればいいんだよ」

 

 

 

吐き捨てるように、青年はそうつぶやいた。

まるで汚物でも見るかのような目を少女へと向けて……。

 

 

 

「今一度聞きましょう。私を使役するのは、自らの身を守るためですね?」

 

 

 

「あぁ。近頃この街は物騒だろ? 聖杯戦争なんてことが起きてるんだからそれも当たり前だけどさ。だからほしかったんだよ、頼りになる護衛がね……」

 

 

 

暗い笑みを浮かべながらそう言葉を返しているが……男の心には黒い歓喜が渦巻いていた。

 

 

 

これでようやくまた目指せる……!

 

 

 

薄暗い空間の中で、青年は陰湿に笑った。

そしてそれと同時に歓喜が彼を満たしていた。

 

 

 

再び……特別(マスター)となり、特別な存在(魔術師)へとなりうるための儀式が……

 

 

 

嘘で塗り固めた言葉と態度を見せて……青年は薄暗い部屋で、静かに笑っていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「ごちそうさまでした。というかこんなに長居してしまってすいません」

 

そういいながら笑顔で席を立つ美綴。

本日の業務が終了し、それでもカウンターの席でのんびりと会話をしていたのだが、さすがに遅くなってきたので、帰ることにしたのだ。

 

「お粗末様でした。別に構わぬよ。こちらこそ試食につきあわせてしまってすまない」

「というか……あんなにいただいてしまってよかったんですか?」

「女性客が多くなったのでな。学園も近いことだからより女の子とかにも受ける料理がどんな物か聞けて俺としてもいい取材になった」

 

実際、年頃の女の子の気持ちというのはいかんせんよくわからない。

 

妹によく怒られた物だ……

 

「お、女の子って……私はそこまでそういうのに気を遣ってないですよ?」

「美綴も十分に女の子だぞ? しかも美人の。自信を持て」

 

どうしてこうこの子は自分のことを卑下するのか。

まぁ男勝りの女の子だからそういうことを言われなれてないのかもしれない。

そのため俺は半ば強引にだが、話を先へと進めた。

 

「それに老若男女に対応できる料理も作れないのでは、料理人失格だ。料理にて人を幸せにするのが料理人の仕事だからな」

「そういえば結構カロリーに気を使ったの多かったですね?」

「客の心をつかむように努力しているだけだ」

 

どれほど豪華で豪勢な料理でも、肩肘張っていたり、雰囲気がまずければ、そこらの人情あふれる屋台の料理にすらも劣る……と俺は思っている。

食物を調理し、「料理」となして、人を喜ばせるのが料理の原点なのだ。

故に俺は仮にこの道を極めて、高級料理店などにも入れるような腕になったとしても、こういったお店を開く。

 

まぁ……今のところ「生涯の仕事」として、料理を選択する予定はないが……

 

「ともかくありがとうな。遅くなってしまったから送っていこうか?」

「大丈夫……とは言い切れないですけど、今度こそ大丈夫です」

「その自信はどこから出てくるやら? 油断大敵の言葉の意味を身をもって知ったばかりだろう?」

「う、それを言われたら何も言い返せないですけど……」

 

実際、夜になってしまったこの状況で、美綴を一人で返すのは少し抵抗があった。

ならば美綴に気づかれないようにストーキングのように護衛することも可能ではあったが……いくら護衛のためとはいえ、それをするのはちょっといやだった。

 

「やはりここは武芸に覚えのある私が送るべきだろう。私も今宵の月を見ながら散歩でもしたいと思っていたからちょうどいい」

「送り狼になるつもりか? いいからお前は仕事をしておいてくれ」

「ならばどうする? この(・・)月夜に可憐な小鳥だけで返すと?」

 

……たしかになぁ

 

「この」を強調した小次郎の意図は、当然と言うべきか俺にはわかった。

聖杯戦争が未だ集結していない冬木の街。

おそらくもうないとは思うが……以前にも美綴は襲われたことがある。

超常の存在であるサーヴァント、ライダーに……。

 

まぁ一応セイバーが宝具で吹っ飛ばしていたから、大丈夫だと思うが……

 

残ったマスター&サーヴァントのコンビを考えると、ライダーが行っていた魂食いの行為を行いそうな奴らはいない。

俺&小次郎は当然のようにしない。

士郎&セイバー、遠坂凜&アーチャー組もしないだろう。

ランサーは未だマスターが不明だが、あの実直ともいえる性格のランサーがそんなことをするとは思えない。

イリヤはそもそも魂食いの必要性すらも感じていないだろう。

そしてもっとも行う可能性が強いであろうキャスターは……

 

まぁ……俺がさせないしな……

 

同盟と言いつつ、一応牽制となるような立ち位置にいるようにしている。

そこまで狂人な感じはしなかったが、人間というのは追い詰められたり、気が触れてしまえば何でもしてしまうようになるのだ……。

 

良くも悪くも、人間というのは感情的な生物なのだ……

 

今のところそういった気配もないので安心しているが。

現にここ数日は平和な日々が続いているが、以前と変わらない程度の魔力しか、俺は関知していなかった。

 

 

 

しかし、そうであるにも関わらず何故か俺の左腕がうずいていた。

 

 

 

魔力(マナ)の力を宿している老山龍の力がうずいているのをはっきりと感じ取れていた。

キャスターの魔力吸収とは違った何かを感じ取っているのだ。

何故かはわからない。

今自分で否定したにもかかわらず、魔力食いを行う存在がいるのかもしれない。

そう考えるがそれは少々考えにくいことだった。

何せ今この冬木市には化け物が6体以上存在しているのである。

それらが戦争を行っているところにわざわざ魔力食いを行いにくるような、命知らずがいるとは思えない。

しかし現に、左腕はうずきを発し続けていた……。

 

 

 

これはいったい……

 

 

 

「本当に大丈夫ですって。今度こそ……」

「そうはいってもやはりおなごが一人夜道でいるというのはな。やはり私が送っていこう」

 

考えに没頭していたら、さすがに帰る状況へとなっていた。

そして俺は思考を中断せざるを得なくなった。

軟派な相棒のおかげで……。

 

「だからお前は……」

「本当に大丈夫ですよ小次郎さん。それじゃ鉄さん。ごちそうさまでした」

 

そういって俺たちに笑顔で別れの挨拶を交わして、美綴は夜道を歩いていった。

実際のところ、例え聖杯戦争がらみでなくとも、女の子の夜道一人歩きは非常に危ないのだが……あまりしつこく言っても仕方がないことなので美綴を信じておくことにする。

 

お守りも渡したから、まぁ最悪な状況だけは何とかなるだろう……

 

一応ライダーに襲われたときに渡しておいた手製のお守りもあるので、一般人の男相手ならば十分に時間を稼いでくれるだろう。

その間に俺が救いに行けばいい。

 

「さて、最後の仕事に戻るか?」

「そうさな。店じまいをするかな」

 

とりあえず営業時間が終了したことを簡素に伝えるために、狩竜にかかっている暖簾(二号)をしまう。

そして皿洗いや店の衛生管理、最後に明日の仕込みを行いながらも、俺は……俺たちはそれを敏感に感じ取っていた。

 

 

 

……何か変だな

 

 

 

冬木市の夜。

店を閉め、俺が夜の見回りのための準備をしている間も、それをずっと感じていた。

その名にふさわしいほどの冷気を感じさせる、実に冬らしい冬なのだが……それにしてもここ最近の寒さは異常だった。

 

いや……気候的に寒いのではなく、これは魂がそう感じているのだ。

 

 

 

この心が恐怖する感覚が……寒いと認識しているだけなんだ……

 

 

 

漠然だが、俺はそう感じていた。

ここ最近、どうも夜になるとどこかで……もしくは冬木市全域で……弱々しくも恐ろしい波動を感じるようになっていた。

俺自身は恐怖を感じるほどのものではないのだが、しかし多少なりとはいえ驚異と感じてしまうものだった。

この波動に似ているものを……俺は知っていた。

 

……煌黒邪神の、負の力

 

煌黒邪神。

モンスターワールドにて俺が最後に相手をした、文字通りの邪神。

そいつ以外にも様々な化け物と相対し、死闘を繰り広げたが……やつとの戦いは正直死ななかった方が不思議なくらいだった。

俺が今生きているのはひとえに「魔」の力のおかげだが……。

 

まぁそれはともかく……

 

この負の感情はとてつもなく煌黒邪神のそれと似ていた。

むろん似ているだけで、とてもではないが出力というか……規模と純度が段違いなのは間違いない。

だがそれはあくまでも俺が異常なだけなのだ。

 

まぎれもない邪神と相対したことのある生身の人間ってのは……おそらく俺だけだろうしな

 

間違いなく、煌黒邪神は最強の敵だった。

この経験を得ている俺は……幸福なのだろうか?

それとも不幸なのか?

 

よくわからんし、どうでもいいな……

 

「どうした刃夜? まだ見回りには行かぬのか?」

 

ぼけっとしていた俺の背後から小次郎が声をかけてくる。

その小次郎に振り向かずに……俺は質問に質問で返答した。

 

「どう思う小次郎?」

「……ふむ」

 

令呪でつながっているからか……。

はたまた相棒としての何かか?

 

 

 

それとも……剣士としての直感なのか……

 

 

 

明確な質問をしなくとも、小次郎は俺の質問の意図を正確に読み取っていた。

 

「何かよくない感じがするな……」

「……やはりか?」

「うむ。明確に何かまでは私にはわからぬが、よからぬものがこの街に満ちている……あるいは満ちようとしているのは間違いないだろうよ」

 

その鋭き視線を、闇夜に沈んでいる冬木市へと向けていた。

腕を組み、睨むその気迫は……見えない敵へと向けているほどに、すさまじいものだった。

その殺気を体に浴びつつ、俺は自分の思い過ごしでないことを確認した。

 

「……何が起きているんだろうな?」

「おぬしがわからない以上、私にはわかりかねる。だが……確かに刃夜の言うとおり何かが起きていることは間違いあるまい」

 

小次郎にそういったことが……まぁそれを言えばこいつは剣技以外興味ないからな……わかるわけがない。

だからこうして毎晩見回りをしているのだが……これといった変化の出所かとが全く掴めていなかった。

俺には確かに、小次郎とは比べものにならないほど魔術的のようなものを感じ取る力はあるのだが……俺自身もそこまでできる訳じゃない。

 

俺も小次郎ほどではないにしろ……剣技とか体術とか料理とかに力を注いでいたからな……

 

しかも俺が使える魔術的なものといえばせいぜい認識阻害の術程度……。

魔術合戦を行えば俺は間違いなく遠坂凜に敗北するだろう。

 

まぁ負ける戦をする趣味はないが……

 

しかし実際に単独での戦闘をすれば俺は遠坂凜を圧倒できる。

それに魔術みたいなものを極めようと思っている訳じゃない。

俺の目的はあくまでも剣技を極めることと、俺の世界に帰ることだ。

 

そのために……がんばるとするか

 

自分の世界に帰るためにやらなければならないことは……間違いなくこの聖杯戦争にある。

この聖杯戦争を勝ち取るだけで終わるような簡単なものではないだろうが……それでもなさねばならない理由が俺にはある。

 

「……では行くか。いつも通りとりあえず柳洞寺から行くとしようか」

 

キャスターと共同戦線を張って以来、まず最初に状況に異常がないか確認しに行くのが俺の日課となっていた。

キャスターがどれほどの実力を有しているのか、実際に見ていないのでわからないが、ほかのサーヴァンと達がどれも常軌を逸しているところから鑑みて、少なくともそれ相応の実力を有していたもおかしくはない。

 

まぁ何事にも例外があるが故に……実は使えない可能性がなきにしもあらずだが……

 

しかしそれを否定する材料もあるにはある。

龍脈を利用したとはいえ、誰にも気づかれずに密かに魔力(オド)を蓄えていたことだ。

おそらく龍脈そのものの力を有している俺でなければ気づかれることはなかっただろう。

それはつまりそれだけキャスターの実力を裏付けていることになる。

しかも俺が最初に侵入したときに放ってきた魔力玉は結構な威力があった。

あれが最大と言うことはないだろうから間違いなく相当な巨砲であるはずだ。

残念ながら(魔力)がないのだが……。

 

「さて……それではいきますか」

「うむ」

 

見回りと行っているが、正直たいした戦果を上げているわけではない。

逆に言うとそれが少し違和感を感じるのだ。

 

なぜ誰も行動しない?

 

俺と小次郎、そして士郎にセイバー、遠坂凜にアーチャー、葛木先生にキャスターが動かないのはわからないでもない。

イリヤもまぁ……わからんでもないと言っていいだろう。

 

だがあのランサーが全く動かないというのは……どういうことだ?

 

俺たちとイリヤのバーサーカーをのぞけば、残るクラスはランサーのみ。

未だにマスターも判明していない、ある意味で一番やっかいな相手だが、あの好戦的なランサーをあの日……俺が小次郎を召喚したあの夜……以来全く目にしていない。

俺が強制的に休戦協定を結ばせたことで確かに大きな動きが発生していないのは事実だが……それにしても静かすぎた。

ランサーだけじゃなく……この町も。

 

どう考えても嵐の前の静けさ……なんだろうな……

 

この聖杯戦争を片付けなければ俺は帰ることができない。

これはほぼ確定事項だろう。

この異様な寒さ、そして左腕のうずき。

確実に何かが起こる。

 

それがわかっていても……

 

それでも……起きてほしくないと思う自分がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

そう思っていたからだろうか……?

 

それとも単に腑抜けていたのか……?

 

考えてみるが理由はわからない……

 

そのとき俺は見逃していたのだ……

 

この暗き夜に隠された黒き鼓動を……

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

それに呼応するかのように……

 

 

 

 

 

 

芽生え、脈動していた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狩竜の存在に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ほっとんど進みませんでしたがいかがでしたでしょうか?
わかっていたことかもしれませんがあえて言いましょう

ぶっちゃけた話、原作でも、そして二次創作においてもほっとんど人気のない「桜ルート」へと、この物語は進んでいきますw

何でこのルートに進んだかって?

逆に言うとこのルートしか行けなかったんですよねwww
まだ煮詰められてないところもありますが、がんばります!!!!



最後の話で書きたいところがてんこ盛りだぜ!!!



がんばります!


追伸
無駄に休日いろいろと予定があって、四話ほっとんどかけなかったよ・・・・・・
がんばる、おいらがんばる
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