月夜に閃く二振りの野太刀   作:刀馬鹿

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番外編だよ番外編
戦闘シーンを全然書いてないのと気分転換を兼ねて書きたかっただけ
後はリハビリですかね
このままだと現実に殺されそうなので、まぁ現実逃避しようかと
if物語ですのでつっこみはなしでお願いします
あと、物によってはデッドエンドも十分あり得ますのでw

デッドエンドねぇ……

生きるってなんだろうねぇ……






番外編
if 柳洞寺でのセイバーとの戦闘が小次郎ではなく刃夜なら?


二人は静かに対峙した。

セイバーは山門を背にし、刃夜の後ろにいるのはキャスター。

キャスターの魂食い。

それを止めるためにセイバーは単身ここにやってきていた。

しかしセイバーより先に柳洞寺へと来ていた先客が、セイバーの妨害を行っていた。

 

「ふむ。予期せぬ来客よな。可憐な小鳥が単身で来るとは」

 

西洋の騎士との斬り合いを望んでいるのか、小次郎が悠然と佇み柔らかく笑みを浮かべながらも、その目線は鋭くセイバーを見つめていた。

刃夜と小次郎。

二対一の状況下で、セイバーは歯がみする。

アサシンでありがなら己と互角以上の実力を有する小次郎。

そして人間でありながらサーヴァントと生身で対抗できる刃夜。

更に全力が出せないとはいえ魔術師であるキャスターまでいた。

いかに最優と言われるセイバーとはいえ、この状況は好ましくなかった。

 

「まて、小次郎」

 

好戦的な笑みを浮かべる小次郎の前に手を出し、刃夜は小次郎を止めた。

圧倒的に優位なこの状況下で何をするのか? そう不思議に思うセイバーに対して……

 

「この状況では、さすがにお前も不利だろう? しかしこちらとしてもお前とやり合うつもりはない。今夜の目的はあくまでもキャスターと同盟を結ぶことだ。このまま引き下がってはくれないか?」

「なっ!?」

 

戦意がないことを伝えるためか、右手に狩竜は持ったままだったが両手を上げて手を開き、降参のポーズを取る。

刃夜としてはセイバーは失いたくない戦力だった。

今の状況ではさすがに引くだろう。

そう思われたが……この対応は率直に言って失敗だった。

 

「貴様……わたしを愚弄するのか?」

 

……あ

 

この一言で刃夜も己の失策を悟った。

騎士道を重んじているセイバーに対して「見逃してやるから帰れば?」と言われて侮辱と取らないはずがない。

更に言えばセイバーは無辜の民を苦しめることを行っているキャスターの討伐に来たのだ。

それを妨害すると言うことは、つまりは一般民を蔑ろにするということにもつながる。

おまけに念のために狩竜を完全に手放さないのも悪かった。

セイバーの性格上不意打ちなどしてくるはずもないのだが。

しかしそこは刃夜も剣士と言うべきなのだろう……さすがに敵前で己の得物を手放すことは出来なかった。

 

……しょうがない

 

「小次郎、すまんが俺がいく」

「ふむ」

 

ことここに至ってはもはや衝突は避けられない。

故に刃夜は挑発をしてしまった責任として、自らが前に出ることを望んだ。

小次郎としてもそれに異を唱えることはしなかった。

本心としてはセイバーと斬り結びたい気持ちが山々だったが、刃夜がそれに気付きながらも自らの失態を注ぐために前に出ると言っているとわかった。

一度目を閉じて意識を変え、小次郎は微笑んだ。

 

「最優のサーヴァントにどこまで拮抗できるのか、見物よな?」

「からかうな」

 

刃夜は狩竜を手放し、鞘のまま地面へと突き立てる。

長い得物は一見して間合いが広くなるために優位に見えるが、セイバーほどの機動力と機動性を有している相手では話が別だった。

故に刃夜はもっとも得意とする打刀での戦闘を選択する。

スローイングナイフもいったん外し、腰回りと背中に装備した得物、夜月、花月、雷月、蒼月、封絶にてセイバーに勝負を挑む構えだった。

そして、刃夜は静かに夜月の鯉口を切る。

 

「……本当に貴様が闘うのか?」

 

確認の意味もかねて、セイバーが口にした疑問。

それは当然の疑問であり、いくつかの確認を込めた問いだった。

先ほども言ったとおり、今の状況はセイバーにとって圧倒的に不利。

同盟はまだ結び終えていないといえども、事実上4対1。

この状況を楽観視できるような愚か者ではない。

だが、刃夜は先ほどセイバーと敵対する気はないといった。

それを証明するかのように小次郎と同時にではなく、刃夜のみで闘おうとしている。

サーヴァントである、(セイバー)と。

それは普通に考えれば無謀以外の何者でもない。

だが、それが常識外れであっても無謀ではないのだ。

刃夜ならば。

 

「闘う気満々で来たんだろ? ならそれでいいだろう? それに……」

「?」

「実際に生きてその道を極めた西洋の騎士と差しの勝負。そう経験できることではない!」

 

その言葉とともに、刃夜はセイバーに向かって突貫した。

鯉口を切ってそのまま抜刀せずにいたその狙いは……一撃目を最速の攻撃、抜刀術へと移行するため。

一瞬にして間合いを詰めて、刃夜は己の間合いにセイバーを捉える。

鞘で刀身を走らせて、加速した刃で宵闇を斬る。

 

「!」

 

当然セイバーもただそれを受けることはない。

体を後ろへと流して刃夜の初撃を躱し、体を戻す反動を利用して聖剣を振り下ろす。

刃夜は振り切った刀の勢いそのままに半歩右前にでて体を反転させて、セイバーに背を向ける。

そしてその勢いを右足に乗せてセイバーへと蹴りを放つ。

 

っ!?

 

振り下ろした剣の軌跡から体を逃がしつつ、刃夜は後ろ回し蹴りを放ってきた。

セイバーは剣の柄でその蹴りを受ける。

一瞬だけ受け、その力に逆らうことなく、セイバーは蹴りを受け流す。

受け流す際に柄の下方で流すことで、刃夜の力を利用しながら剣の向きを変えて、剣先を刃夜へと向ける。

後ろ回し蹴りの姿勢は体を回し、体そのものを振り子にして蹴りを放つ。

それによって上半身が後方へと移動するため、剣を振り下ろしたのでは有効なダメージを与えることは出来ない。

下方より迫る蹴りの方が剣よりも先に攻撃できるからだ。

気力と魔力を用いる刃夜が相手ではなおのこと。

だが……

 

「―――だぁっ!」

 

刺突ならば十分なダメージを与えられる。

セイバーの膨大な魔力を使用しての刺突は普通の攻撃ではない。

破城槌そのものだ。

その高速にして轟撃の一撃を、刃夜はセイバーと同じように柄で受ける。

だがセイバーの一撃はあまりにも強力すぎて受け流すことが出来ず、両手でしっかりと握った柄で受けた。

片足で踏ん張ることが出来ないため、刃夜は不利な体勢になるとわかりつつも跳び、セイバーの力で後方へと自身を逃がした。

ほぼ地面と水平になりながらとんでいく刃夜を、セイバーが追う。

魔力を使用しての加速で一瞬にして刃夜に追いつき、がら空きの胴体に向けて剣を振り下ろす。

 

くっ!?

 

刃夜は心で舌打ちをしながら足を振り上げて自ら空中で回転し、セイバーの剣を躱す。

振り下ろした剣を返し、セイバーは下からの切り上げを放つが、その剣を左手を峰に添えて刃夜は両手で受ける。

そしてセイバーの力と自身の腕の力を用いて、刃夜は高く跳びあがった。

それを追うセイバー。

刃夜同様高く舞い上がり、体ごと剣を回転させて再度剛剣を振るう。

 

ったく! なんて奴だ!

 

悪態を吐きながらも笑みを浮かべながら、刃夜はそれを再度夜月で受けた。

しかし今度は両手ではなく右手のみだった。

片手で受け止められるような生半可な攻撃ではない。

故に先ほどとは違い気力にて空中に足場を形成し、脚力も用いて強引にセイバーの一撃を受け止める。

 

「なっ!?」

 

よもや空中で受け止められるとは思いもよらなかったセイバーの顔に驚きが走る。

自らの強力な一撃をまさか空中で強引に受け取られるとは、セイバー自身思ってもみなかったのだ。

空中で少しだけ二人は停滞し、互いをにらみ据える。

 

「お返しだ!」

 

今度は力を込めて体幹で、刃夜がセイバーを地面へとたたきつけるように刀を振るう。

剣で受けていたためただ押されただけであり、セイバーにダメージはないが刃夜の攻撃はそれだけでは終わらない。

なんと、普通ならばあるまじき行為……刃夜は夜月をセイバーに向かって投げつけたのだ。

 

「!? 自らの得物を!?」

 

夜月の刃が、セイバーの視界を覆うように回転しながら飛来する。

咄嗟に手にした聖剣で打ち払おうとするが、セイバーの直感が悪寒を知らせる。

強引に体を動かして投げつけられた夜月を躱した。

その夜月に隠れるようにして封絶を振りかぶっている刃夜が視界に広がる。

夜月でセイバーを押しながら空いた左手を背中へとのばして、封絶を抜いていたのだ。

そして魔力の足場を形成し、セイバーへと突進。

夜月を投げつけたのは視界を悪くし、不意を突くためだった。

 

「食らえ!」

「ぐっ!」

 

振るわれた封絶を、セイバーは空中で受け止める。

魔力の足場にて加速した力をなんの力場もないまま受け止めることは出来ず、セイバーは刃夜の剣戟で吹き飛ばされる。

再度体をひねり、セイバーは足から地面に着地する。

刃夜も地面に突き刺さった夜月のそばに着地した。

互いに距離が離れたために、一度仕切り直しになると思われた。

しかし、刃夜の予想を裏切り、今までよりも遙かに速い速度でセイバーが刃夜へと迫ったのだ。

 

なぁっ!?

 

今度は刃夜が驚く番だった。

今までの突進が遅く思えるほどの超速度で迫ったのだ。

確かに地面にひざまずくようにして着地したために、溜めを作るのにそう苦労はしなかっただろう。

しかしそれでももはや突進ですら生ぬるいその速度はどうして生まれたのか?

その答えは鎧にあった。

 

鎧がない!?

 

魔力によって形成されたセイバーの鎧。

鎧を形成している分の魔力を推進力へと変換、魔力放出によって神速の突進を行ってきたのだ。

 

「だぁぁぁぁ!!」

 

セイバーの咆吼。

その咆吼に応えるように振るわれた勇ましい剣が、刃夜に迫る。

咄嗟に夜月を取ろうとする自分の意思を押しとどめて、刃夜は右手を背中に回して封絶を両手に持つ。

気力と魔力で強化されている夜月は確かに信頼出来る一番の得物であったが、刀の細い線で受け止めては夜月がおれることがなくとも、力を受け止めきれず押し負けて強引に切られるおそれがあったためだった。

故に、封絶を交差させてセイバーの剣を受ける。

しかし受け止め切れずに、柳洞寺の堅牢な壁まで吹き飛ばされてしまう。

 

なんつー馬鹿力!

 

セイバーの突進力に刃夜は舌を巻いた。

だが、感心している場合ではない。

再度空中で体を回転させて、刃夜は壁に着地した。

そして気力によって強化した脚力で、お返しとばかりにセイバーへと再度突撃。

セイバーも予想していたのだろう、体勢を立て直して刃夜を迎え撃つ。

そのセイバーへ向けて、刃夜は再度得物を手放す。

 

「封絶! よろしく!」

『よかろう』

 

投げられることを嫌っていた封絶だったが、優勢とは言えない状況下で不満を言うことはなかった。

手にした双剣を再度投擲。

左右から緩い弧を描きながら迫り来る双剣。

刃夜は更に後ろ腰に装備している水月を抜刀し、最短距離を貫くようにセイバーへと投擲した。

 

同時攻撃か!?

 

微妙に投げる時間を調整されたその攻撃は、セイバーの動きを封じるために投げられた。

それぞれの封絶を弾くか、または避けるか?

セイバーのあらゆる回避に対応して投げられた攻撃の真意は、別にあった。

セイバーが封絶をエクスカリバーで弾こうとしたその瞬間に、再度悪寒を感じ取った。

その悪寒が現実になる。

なんと、封絶がまるでエクスカリバーを避けるようにして、軌道を変えたのだ。

 

奇怪なことを!?

 

だが封絶が魔力を帯びていることはわかっていたため、何かしら搦め手が来ることはセイバーも感じ取っていた。

刃夜の次の行動を予測してセイバーは封絶と水月、三つの攻撃全てを危うげなく躱し、打ち払い、最後の攻撃に備えた。

しかし……

 

「甘い!」

 

そんなセイバーの対応を見ながら突貫していた刃夜が更に加速したのだ。

それは気力を用いての二段階の突貫。

気力の突貫で再度勢いを増した刃夜は、空中で何度も回転しながらセイバーへと迫る。

 

速い!?

 

二段構えの突撃とは思いもよらず、セイバーの対応に若干の遅れが生じる。

しかしあくまでも若干であり、防御するのが遅れるわけもない。

剣にて、刃夜の右の蹴りを受け止める。

力で断ち切ることを前提としている西洋の剣のため、刀ほど斬れ味がいいわけではない。

それでも脚甲を身につけてもいない生身の足を切れないはずはない。

だが切るためではなく、受け止めるために構えた剣だったため、気力と魔力で強化された刃夜の足を切るには至らなかった。

さらに……

 

「再度……お返しさせてもらう!」

 

拮抗した状況を打開するため、刃夜は更に魔力による足場を形成。

それによって力場で十分に力を溜めて、右蹴りに上乗せする。

 

「ぐっ!」

 

今度はセイバーが受け止めきれずに吹き飛ばされる。

刃夜同様セイバーも壁に激突するような事はなかった。

勢いを殺しながら地面に着地する。

そして直ぐに体勢を立て直す。

セイバーが着地するより前に地面に着地した刃夜は、直ぐそばに突き刺さっている夜月を右手に持って地面から抜き、再度セイバーに突貫。

それを待ちかまえるように剣を構えて、セイバーは迫り来る刃夜をにらみつける。

 

「づぁっ!」

 

勢いを乗せた袈裟斬り。

それを受けるのではなく、軌道に聖剣を上乗せし流すことによって刃夜の夜月を押さえつけるようにして剣を躱す。

押さえつけた姿勢のまま剣を返し、左切上げによって敵の攻撃を抑えながら刃夜へと剣戟を振るう。

顔と体を傾けて刃夜は聖剣から逃れる。

そのまま側転し、左手を蒼月の柄へとのばして抜刀。

回転し、頭が地面に向いた瞬間に再度抜刀術にてセイバーを攻撃。

 

足払いか!?

 

二刀流にて攻撃されたセイバーは慌てることなく、後方に飛ぶことで回避した。

回避と同時に反射するように前へと飛び出し、剣を振るう。

セイバーが来る前に体勢を立て直していた刃夜は迎え撃つ。

蒼月にてセイバーの剣を受け流す。

蒼月とエクスカリバーで火花が散った。

そのとき……

 

!!!

 

なに!?

 

刀身より炎が巻き上がり、宵闇を照らした。

火花ではとうていあり得ない火力だった。

蒼月を鍛造するときに練り込まれた火炎袋と、魔力を用いる蒼火竜の鱗や甲殻が、刃夜の注がれた魔力によって火炎を巻き起こしたのだ。

火力そのものに攻撃力はない。

無論攻撃のために出した火炎であれば話は違った。

しかし今の炎をあくまでも牽制と脅しのため。

当然セイバーも蒼月がただの刀ではないとわかっていた。

しかしなんの魔力の流動も感じさせずに発動したことは、魔術を用いた騎士であるセイバーにとっては驚きだった。

それが隙となる。

 

「っ!」

 

その隙を逃さずに刃夜は夜月を振った。

二刀流の利点である二つの剣戟でセイバーを攻める。

気力と魔力を用いた剣戟にて刃夜はセイバーを追い詰める。

 

「はっ!」

「ちぃ!」

 

一件優位に見えている刃夜だが、刃夜も驚きを隠せなかった。

全力での二刀流。

それも一番練度の高い打刀の剣戟だ。

二刀流による全力攻撃。

刃渡りは確かにエクスカリバーの方が長い。

しかし二刀による同時攻撃は、エクスカリバーしか持っていないセイバーに防戦を強いている。

鎧は再度纏われているため、鎧以外の箇所を攻撃しているので、確かに一撃必殺にはなり得ない箇所も攻撃している。

だが、それでも全てを完全に受けられ、流され、躱されている。

セイバーを殺すつもりで刀を振るっている刃夜の全力の攻撃をだ。

 

さすがは英霊。それも最優と言われるセイバーだけはあると言うことか!

 

斬りつけては避け、避けては反撃に切り返す。

刃夜が二刀流で何度も斬りかかるが、セイバーも何度も弾き、避ける、反撃に切り返す。

埒が明かない状況、膠着状態に陥ってしまった。

 

「だぁぁぁぁ!」

「づぁぁぁぁ!」

 

それを破るように、二人は全力で手にした夜月とエクスカリバーを振りかぶり、互いに向けて振るう。

が、両手でエクスカリバーを振るうセイバーと夜月を右手でのみ振るっている刃夜では、力負けしてしまうのは当然の帰結だった。

 

「だぁぁぁ!」

「っぐ!」

 

力負けし夜月を手放しそうになるが、何とか手に力を込めることで耐える。

しかしそれでも右腕は吹き飛ばされると思うほどに、後方へとはじき飛ばされてしまう。

 

ぐっ! 本当にこの小さな体でよくぞまぁ!?

 

膨大な魔力による身体能力強化とわかっていながらも、刃夜は心で驚きと感心を隠すことは出来なかった。

右手が吹き飛ばされたことで、右肩から体勢が崩れ落ちていく。

右肩から倒れていく姿勢をそのままに、勢いを乗せて左蹴り上げにて、セイバーの右側頭部を狙う。

 

!? 体勢を崩しながらも攻撃を!?

 

剣戟による勝負で敗北したにもかかわらず、そのまま攻撃へと移行してきた刃夜に、セイバーも驚く。

体勢を崩した刃夜に追い打ちを掛けようとしていた体勢を中止し、セイバーは頭をかがめるようにして蹴りを回避する。

躱された蹴りの勢いを利用して刃夜はそのままバク転を行って、セイバーから距離を離した。

そうしてある程度の距離が離れたことで、一度仕切り直しとなる。

 

さすがにそう簡単には勝てないか……

 

二刀流を持ってしてもセイバーを追い詰めきることに至らないことが、今の二人の実力を物語っている。

人の身でありながらサーヴァントに拮抗できる刃夜だが、以前己でも分析していたように攻め手に欠けることもあり、セイバーに勝利するのは難しいと言わざるを得なかった。

されどそれは当然といえる。

相手は人類を超越した存在。

世界によって死後、英霊の座へと招かれた傑物達。

その内の一人。

それも、騎士としては随一の実力を有しているアーサー王が相手なのだ。

いくら普通ではないとはいえ、刃夜の今の実力ではそう簡単に勝てる相手ではない。

 

「さすがは後世に名高い騎士様だな。さすがにそう簡単には勝たせてくれないか」

 

大仰に肩をすくめながら、しかし隙は一切見せずに刃夜はおどけてみせる。

しかしその目は一切笑っていなかった。

故にセイバーもこれを好機と見て斬りかかるような愚かなまねはしない。

 

「本当にただならぬ人間だな。貴様は」

 

そして驚いているのは刃夜だけではなかった。

確かに相手が普通ではないことはセイバーも理解していた。

しかし生身の人間にこうまで拮抗されるとは思っていなかったのだ。

それも己自身が得意な白兵戦で。

 

 

互いに皮肉を言い合いながらも、互いに心の奥底で喜びを感じていたのも事実。

 

 

 

実力が近しい物同士の斬り合いは、この上のない喜びだった。

 

 

 

「くっくっく、本当におもしろい男よな刃夜。さすがといっておこうか」

「……セイバーと互角にやり合うなんて」

 

完全に外野として二人の斬り合いを愉しんでいる小次郎と、二人のあり得ないやりとりを見てキャスターは唖然としていた。

しかし刃夜もセイバーも、周りの事はほとんど知覚していなかった。

そんな隙が生じてしまいそうな事はしない。

二人が今考えているのは相手をどう切り伏せるかの一点のみ。

 

二人はほぼ同時に構えた。

 

刃夜は、夜月、蒼月を納刀して、雷月を抜刀し構える。

最初と同じように打刀一刀流の構えである。

対してセイバーは変わらずエクスカリバーを構える。

そして互いに突貫……しようとしたが……

 

 

 

ダダダダダ

 

 

 

「……!?」

「――!」

 

階段を駆け上る音と同時に、なにやら話し声が聞こえてくる。

それによってこの場にいる全員に新たな来客が訪れたことを告げてくれる。

この状況下で深夜の柳洞寺に訪ねてくる人間などそう多くない。

刃夜もセイバーも当然誰がきたのかわかっていた。

それでも二人は互いに向かって突進しようとした。

しかし予想よりも速く士郎が石段を登り切り、柳洞寺へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長い割には実際に戦闘したら一瞬でしょうね
文章って難しいわぁ
ちなみにこのルートはとりあえずただの分岐ですね
デッドエンドはどれで書こうかなw
ランサーか、それともライダー!?
う~ん
戦闘って書いてて愉しいわw


これはあくまで番外編なので後で章の追加しますので
後は誰かこうかなぁ
ランサーとライダーは書くとして……
キャスターは自分の話だと話にならないくらいに弱いからいっそ原作レベルで魂食い行っている状態のと戦わせるか……
真アサシンなんかも書いてて楽しそうだな

またあげますので気が向いたら読んでください
本編も書けって話ですがw
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