ピザとかはあるけど、ラーメンとか中華とかはないな……
ちなみにワカメ君は欠席です。
デートでもしてるんじゃないんですかねwww汗
「ライバル?」
「はい。とある賭をしてるんですよ。いわゆる宿敵みたいな感じです」
遠坂凜が俺の店へとやってきた次の日。
俺は早速とばかりに早朝ランニングの寄り道で、俺の店へとよってくれた美綴に、遠坂凜の話を聞いていた。
「私が遠坂と知り合ったのは、弓道部の練習をあいつが覗いてたのがきっかけで……なんか見た瞬間にわかっちゃったんですよね。こいつは私のライバルだって。それこそ殺す殺さないまでの関係にまでいきそう……だって」
「……それはすごいな」
その時のことを思い出しながら話しているのか、美綴が興奮気味に話していている。
話している言葉の端々にも感情がこもっていて、さらには言った言葉が過激的。
しかもその表情には不敵な笑みとでも言うべき者が浮かんでおり、肩に掛かるか掛からない位で切られている髪の毛の長さとあわさって……すごく少年のように見えてしまった。
美少女といっても差し支えない美綴がすごく少年のような感じになっていたのは……結構面白かった。
「? 何で笑ってるんですか?」
それが顔に出ていたらしい。
俺が突然笑みを浮かべたことに美綴が不思議そうにしている。
それに対してこう答えた。
「いや、なんか子供みたいだなって思ってさ」
「? 私がですか?」
「いや、どっちもかな?」
「?」
俺のその言葉にあまり納得していないようだったが、かといってそこまで不機嫌になっていないのか、不思議そうにしているだけだった。
「ところで賭ってのは? 金品……なわけがないか。二人の性格上」
「二人? ってことは遠坂が猫かぶってるの知ってるんですか?」
「知ってるというか……昨日の昼間見ただろう? あれと美綴の仕草で何となくね」
一瞬昨夜の事を話しそうになったが、すぐに方向転換した。
昨日話したことを美綴が知っているのかどうかは謎だが……この子にはあまり身体に違和感がないので恐らく普通の人間だろう。
といっても、違和感を覚えたのは今のところたった三人しかいないわけだが。
衛宮士郎、間桐桜、遠坂凜……
この三人……遠坂凜は確定だから二人になるが……は間違いなく一般人ではない。
魔術回路なるものが在るか否かはわからないが、体内の気……この世界では
だが……遠坂凜をのぞいた二人には……何か特殊なものを感じたが……。
『闘ってみたいのか?』
『……どうだろうな? というか人がいるときは極力話しかけないでくれ』
突然思念で話しかけてきた封龍剣【超絶一門】に文句を言うが……悪びれる様子もなかった。
それどころか嬉々として俺に話しかけてくる。
『実力的には間違いなく仕手の方が上だろう。何せ古龍を相手してきた仕手だ。いくら奇妙な術が使えるとは普通の人間に負ける要素はないからな。だがそれでも未知の世界、未知の相手を見つけて、闘いたいのだろう?』
『……否定はしないが進んでしたいとも思えないな』
封龍剣【超絶一門】の言うとおりで、闘ってみたいという欲求はない、とは言えなかった。
正直な話、遠坂凜とやらも魔術だけでなく何かしらの体術を身につけているのは間違いなかったが……だからといって「魔術+体術」程度の力がモンスターワールドにいた古龍種関係に勝るとは思えない。
俺自身も、龍刀【朧火】が使えないという欠点と、ほかの古龍種の力を使用できないという欠点があるが……それらがなくても勝てる自信は大いにあった。
ほぼ勝つ事はわかっていたが……この世界の裏の力、魔術という物を触れてみたいという欲求は抑えようがなかった。
……いつから戦闘狂になったんだか
だが欲求の赴くまま戦うほどバカでもない。
と言うか、俺は何とかして自分の世界に帰りたいので別に戦う必要性もないのだ。
「そういえば今日は定休日ですね。何かするんですか?」
「少し昼寝することしか考えてないな」
本日土曜日は我が「和食屋」の定休日。
俺だけで回している店なので別に年中無休にしてもよかったのだが……さすが疲れるので一週間に一度は休みをもうけていた。
まぁそれも、食材仕入れ先への挨拶とかでだいたいつぶれるのだが……。
しかし今回はさすがに休もうとしていたのだ。
が……それは一人の女性によって儚くも崩れ去ってしまうのだった……。
「なら今日は鉄さんの料理食べられないですね」
「奢ってやるよ。何がいい?」
残念そうに言う美綴に、俺はそう問うた。
美綴としてはそんな意図は全くなかったのだろうが、俺はいぢわるでそんなことを言ってみる。
それに美綴が慌てた。
「え!? そ、そんなつもりでいったんじゃないでしゅよ!」
「でしゅ?」
目の前の美少女から放たれる……驚愕の言葉。
一瞬沈黙が店内に降りるが……すぐに美綴が慌てた。
「いっ!? 今のは!」
「わかってるって。噛んだだけだろ?」
真っ赤になりながら訂正する美綴に俺は苦笑しながら返した。
さすがにこれをからかったらかわいそうだったので、追求しなかった。
「バイト代みたいなもんだ。定休日だから大したものは出せないが」
「……この前頂いたトマトと卵の炒めもので」
「そんなんでいいのか? 原価恐ろしく安いぞ?」
「いえ、このあと部活もあるんで、あまり重たいもの食べてもよくないので」
弓道とはいえ運動するからいいんじゃないか?
と思うが、そこは悩み大きな十代乙女。
食事には色々気を使うのだろう。
「了解」
俺は笑顔で頷き鍋を振るった。
「えぇ~! 士朗……お弁当作ってきてくれなかったの?」
「作れって……言ってたか? 聞いた覚えないぞ俺は?」
「うそ~。じゃあお姉ちゃんは今日のお昼どうすればいいの!?」
「知らないよ。っていうか昼飯までたからないでくれよ」
「う、うぅ~。じゃあ士郎食べる」
「なんでさ!」
今日は土曜日。
弓道部の練習があるから今朝士郎にお弁当作って持って来てって頼んだのに……。
作ってくれるかわからなかったけど、士郎がこうして弓道部近くに来たので捕獲したって言うのに……。
「……実は作ってきたりしてない?」
「だから、作ってないって」
「おぉぅ……」
一縷の望みを掛けて最後に聞いても士郎からの答えは変わらなかった。
がっくりと大きく肩を落としたけど……それでおなかが膨れるわけもない。
最後の希望が断たれて、私は地面に突っ伏した。
わ、わたしの生きる糧が
「大げさだなぁ。コンビニにでもいってくればいいじゃないか」
「あ! 士郎ひどい! お姉ちゃんに冷えたご飯を食べろっていうの!?」
「コンビニ弁当は刑務所のご飯かよ」
昼飯抜くのがデフォ(大学時代は)な作者ですが(金なくて、というか昼飯代を漫画にまわす)コンビニ当結構好きです。決してバカにしたつもりはない!
By作者
私の言葉に呆れる士郎。
後方では桜ちゃんがこちらを心配そうに見つめている。
お弁当を手にしているのを見ると、私に半分くれるのか考えてくれているのかもしれない。
が、さすがにそれをもらうわけにはいかなかった。
朝、二人でご飯作ってたしね
そう思うと桜ちゃんの好意に甘えるわけにはいかなかった。
ちなみに桜ちゃんは弓道部に所属している。
結構頑張り屋さんでめきめきと上達していた。
う~どうしよう。食べないとお腹空……はっ!?
そこで私は一つの事実に気がついた!
「今日何曜日!?」
「土曜日ですよ藤村先生」
突然吼えた私に半ば呆れながら美綴ちゃんが答えてくれた。
だが今の私にそんなことは瑣末なことだった!
更衣室へと急いで言って、自分の荷物をあさり携帯電話を取り出す。
携帯を取り出し番号プッシュァァァァ!
かつてないほどの高速で押された番号キー。
プルルルルガチャ
『はい、も……』
「穂郡原学園弓道場まで出前お願い! 大至急!」
それだけいうと私は有無を言わさず携帯を切った。
電話を終えて意気揚々としながら、私は更衣室を出てくる。
その様子を士郎や桜ちゃんが不思議そうに見ていた。
「……いきなり更衣室に駆け込んだと思ったらどうしたんだ?」
「あの……私のお弁当半分あげますよ?」
「いやいや桜ちゃん。桜ちゃんのお弁当はもらえないよ。それに、もう頼んだし」
「頼んだ?」
私の台詞に士郎が首を傾げるけど……明言はしなかった。
ただどれぐらいで出前が来るのかわからないので……ちょっと心配だったのだけれど……色んな意味で。
ちなみに士郎は桜ちゃんに拘束されて弓の整備や、
そして電話より数十分後……
コンコン
「は~い?」
入り口がノックされて、身近にいた桜ちゃんが声を上げてドアを開けた……。
そこには白い板前の衣装を着ている鉄刃夜さんの姿があった。
「こんにちは。出前を届けに参りました」
「く、鉄さん!?」
「刃夜!?」
「鉄さん!? 今日は休みだって……」
そんな刃夜さんの来訪に桜ちゃんと士郎……そして意外な事に美綴ちゃんが驚いていた。
でも今の私には……そんなことどうでもよかった!
「待ってたよ~! ごはん!」
「あのねぇ大河。俺の店は出前はやってないんだぞ?」
「いいじゃない別に! こうしてきてくれたんだから感謝感激雨あられ! ともかくお腹減って死にそうなの! はやく出して!」
「いや、だから……はぁ。もういいわ」
俺はこの猛獣にも等しい存在に、諭すというか……説得するのを諦めて、渋々と出前の箱から作ってきた料理を取りだした。
ちなみにこの料理……
俺の昼飯なんだけどな……
定休日だったので、大した物を仕込んでいなかったのだが……新メニュー開発というか……まぁ試しに料理を作っていたら大河から電話がかかってきたわけで……。
断る暇もなく切りやがったので、仕方なく追加分を調理して持ってきたのだが……。
「全く。俺は大河の料理人じゃないんだぞ? 出前なんかはこれっきりにしてくれ。俺一人で出前までこなせない」
「だって今日は定休日でしょ? だったらいいじゃない!」
「……もう何も言う気になれん」
料理を出しながら会話をしていると、その大河の言い分に俺は呆れざるを得なかった。
だが……
「いっただっきま~す♪」
まぁここまで嬉しそうに食ってくれたら料理人としては嬉しいが……
食すその姿は野獣その物だったが……、満面の笑みで食べてくれるのだから俺としては嬉しい物だった。
まぁ金輪際ごめんだがな
「刃夜お疲れ」
そうして俺が苦笑していると士郎が俺に話しかけてくる。
大河を横目に見つつ、俺は士郎へと向き直った。
「まぁ……これだけ喜んでくれたらいいさ。後でちゃんと料金はもらうが」
「っていうか、量多くないか?」
「あぁ。弓道部って事で人が多いだろうから多めに作ってきたんだ。みなさん」
そこで俺は士郎と会話を区切って、弓道部全体に聞こえるように声を上げた。
突然の来訪者で奇妙な目を向けられていたので大きな声を出す必要性もなかったかもしれないが……まぁそこは気分で。
「深山町で「和食屋」という定食の店を営んでいる鉄刃夜と申します。皆さんの分も作ってきたので、よろしかったらどうぞ」
俺のその言葉におそるおそる、弓道部の人間達が大河の周りに群がる。
「これは私のお昼だぁぁぁぁ!!!!」
「独り占めはよくないですよ、藤村先生」
「私が出前を頼んだんだから私に食べる権利がある!」
「なら俺は料理を作った人間として、料理を大河以外の人間に提供する権利があるぞ?」
「料理人にそんな権利はない!」
「なんでだよ?」
「っていうか作ってきてくれた人が食べていいって言ってるんだから意地でも食うぞ! うまそうだし!」
「そうだぞタイガー。っていうかそんなに食ったら太るぞ?」
「タイガーいうなぁぁぁぁぁ!!!!!」
「太るという単語よりもそっちに切れた!?」
「……さすがだ大河先生」
「藤村先生って呼ばなきゃ先生本気で怒るよ!!!!」
……なんかすごい状況に
餌に群がる……何だろうね?……ともかくなんかすごい状況になってしまった。
これで少しはお客さんが増えるといいのだが。
そう願いつつ、俺はこの場で唯一の男の知り合い、衛宮士郎に声を掛ける。
「っていうか士郎。お前弓道部だったのか? でも……何で格好が制服?」
「元だな。一年前に怪我してしまって、それで退部したんだ」
「そんなにひどい怪我したのか?」
「大したことは無いんだけど。弓道で礼射っていう……和服で上半身をはだけさせるのがあるんだが、その時火傷痕が見えるからさ。見苦しかったし、バイトも忙しかったからやめたんだ」
そういいながら右肩をさする。
どうやらそこが負傷した箇所のようだった。
「? なら何故ここに?」
「今日は一成……俺の友人に頼まれて雑用してたんだ。その帰り道に藤ねえに捕まった」
「雑用か。随分とまぁ。弓道はうまかったのか?」
「すごいうまかったですよ」
俺と士郎が会話をしていると、俺の料理に群がっていない数少ない人間の一人……美綴が俺たちへと近づいてきた。
「こいつ、文字通り百発百中の腕前を持っているのに、それだけでやめちゃったんですよ。もったいなくって」
「いや美綴。別に惜しくはないだろ?」
「あんたにまけっぱなしてのがイヤなんだよ私は。というか鉄さんと知り合い……藤村先生?」
「そう言うことだ」
美綴からの疑問に、俺は苦笑しながら頷いた。
意外……学園が一緒だからそうでもないかもしれないが……如何せん自分の知り合いが、互いに知り合っていると出会い方が気になる物だが……まぁ俺の場合大河で片付いてしまう。
「そう言えば藤ねえから聞いたけど、刃夜って剣術やってるんだろ? 弓も出来るのか?」
「弓は出来るな。弓道はあまり出来ないが」
「弓道は? ってことは当てることは出来るんですか?」
「まぁ確率は半々って所だが」
日本の弓というのは無駄に長い。
長ければ長いほど威力が高くなる……と思う人も多いかもしれないが、逆なのだ。
弓は短い方が威力が出やすい。
何故かというと短い方がより引き絞ることが出来て、張力が強くなるからだ。
また短いと弓を引いたとき矢全体を見ることは出来るが、日本の弓だと矢の中間から的を狙うことになるので命中率が極端に下がる。
拳銃で例えるならばリアサイトがあるかないかといっていいほどの違いがある。
簡単に言ってしまえば短い弓はフロントサイト……銃口の上にあるサイト……とリアサイト……撃鉄近くのサイト……を使って照準を合わせるが、日本の弓だと片方のサイトのみで狙いを定めることになるのだ。
要するに……欠点だらけとも言えるのだ。
まぁ長いので一種の長物の打撃武器として使えなくもないが……大して効果はないだろう。
これだけ長いのはいわゆる「日本の美徳」的な考えに起因しているのだが……。
こういった諸々の事情から、弓道は
「当たればうまい」
と言われる。
といっても本当にうまい奴は九割九分とか……化け物じみた的中率をたたき出すのだが……
閑話休題
「射法八節も知っている程度だから少なくとも型は綺麗じゃない」
※
弓を構えてから射って、弓を納めるまでの動作の総称
そう言いながら射法八節のまねごとをする鉄さん。
だけど見る限りそこまで下手な物でもなかった。
けど本人の言うとおり型に少し変なところがあるので私はそれを指摘する。
「鉄さん、
※
矢と
「ん? こうか?」
そう言いながら変えてみるんだけど……それでもやっぱりおかしいので私は後ろに立って矯正していく。
「こんなのです」
「ほぉ。確かに肘の先で引くんじゃないんだな」
私が解説すると鉄さんは納得したように、何度も頷いていた。
そして触れてみると、改めてこの人のすごさが分かった。
うわ……すごい筋肉
無駄にある訳じゃなく、きちんと絞り込まれた……まさに運動するための理想的な筋肉だった。
上腕しか触れてないから何とも言えないけど腕でこれなのだから、他の箇所もきっと同じような筋肉であるに違いない。
剣術やってるって衛宮も言ってたしね
どれほどの腕なのかわからないけど、店の立ち回り……っていうか動きがおかしいし……を見る限りでは、相当の実力を持っているのだろうけど。
そうして鉄さんに弓道の指導をすこし行った。
「どうせだったらすこし見学していきます?」
「いいのか?」
「あ、でも、疲れているんだったらいいですよ?」
つい嬉しくて、お店がお休みのせっかくの休日だと言うことを忘れて、そんなことを言ってしまう。
慌ててそういったのだけれど、鉄さんがその気になってしまった。
「そうだな。折角だしすこし弓道の方も学んでおくか」
と言って、すこしの間見学することになったのだった。
見知った人に……しかも尊敬している人の前で弓を引くのは少し緊張したけど、いつも通り引けたと思う。
ちなみに
「出前も行ったらさらに儲かるんじゃない?」
「いやだから俺しかいないから不可能だって……」
「土曜日の休日だけ行えばいいじゃない! 試験として学園だけ出前してみたら!?」
「……そう言いながら自分の食い扶持確保しようとしてるだろ…………?」
「そ、そ~んなことないって~。疑り深いなぁ!」
「……ならしない」
「!? せっかくのおいしいご飯が!」
「……お前おだてればいいと思ってるだろ?」
その間鉄さんは、もっぱら藤村先生の相手をすることになったので、ゆっくり見学することも出来なかったのだけれど……。
刀馬鹿にしては珍しく、かなり短めの……っていうか文字が二万字に定着してからこんなにきっかり自分でも納得できた短いのってこれが始めてかもしれんwww
日常編結構短めを連続で行って速く戦闘に行きたいですね~
というか久しぶりに弓を引きたくなってきた。
元々弓道部なんですよね~段位は取得してないけど
弓買っておけばよかったなぁ……
次はウェイター○○さんとデートとなりま~す
2018.5.28 追記
N-N-N様 誤字報告ありがとうございました!