黒崎一護は、倒れていた
河川敷で虚空を見つめる
(あいつら、今頃虚退治でもしてんのかな・・・。)
死神の力を無くし、半年が経つ頃、彼は現れた。
「元死神代行、黒崎一護。」
頭の方からした声に反応し、瞬時に振り返り、それを見て飛び退く。
死覇装と、虚の物ではないが、目の周囲だけを覆う、ベネチアンマスクのような物を付けた男がいた。
「誰だテメェ・・・。」
知らない顔だ、死覇装を着てる事から死神であると推測するが、それは早計だ。
(なら、何故俺に見える?)
(そして何故顔を隠す?あれは隠すために付けた物だ。)
(しかし表情を隠す為ならば、口元を隠していないのも謎だ)
(聞き出すのは名前と、その身なり、そして腰に刺した二本・・・?の斬魄刀だ。)
「お前は、死神の力を取り戻したいか?」
「誰だって聞いてんだ・・・答えろッ!!」
皺一つ無い顔で、表情が読み取るのは難しい。
「今すぐに力を取り戻したければ、私達と共に過去へ来い。」
突拍子もない、胡散臭い話しだ、とても信じられない。
だが、もし力が戻れば
この男の言う事が真実かどうか
「なんだよそれ・・・意味分かんねえよ!」
「分かった、まずお前の信頼を得る為に俺の力を見せてやる。」
一本の斬魄刀を抜き出す、すると二本と思われていた刀は一本の刀だった。
先程までは確かに、その腰に提げていたはずなのだが・・・。
それに力の誇示が、証明になるのだろうか。
柄だと思っていた部分は護拳で、サーベルのような刀だった。
しかし、よく見るとその刀は始解しているような・・・。
「この刀は、死神の斬魄刀ではない。そして、私は虚だ。破面とも言うな。」
「ストラーテジア、斬魄刀であり、斬魄刀でない物だ。」
刀を鋒だけ僅かに振り降ろす、彼はそれだけして微動だにしない。
「くだらねえ、俺は帰るぜ。」
制服についてる草を払い落とし、視線を少し傾ける。
「なん・・・だと・・・。」
目の前に数メートル程の氷柱が、迸るように連なっていく。
「これは剣圧に触れた大気に水を集め凍らせた。」
そしてもう一度、振り降ろすと、その氷が昇華したかのように、一瞬で蒸発した。
「これは先程凍らせた水を、高温で再び液体に戻し、蒸発させた。」
「お前も知っているかもしれないが、斬魄刀は複数の能力を持てない。そう錯覚させる事は出来ても、持てる能力は一つだけだ。」
「だけどテメェ、今やったのって氷雪系と炎熱系だろ。どういう事だよ。」
「この刀は、崩玉によって生み出された双極の矛にも劣らない戦略兵器だ。」
やっぱりわからねえ、崩玉は藍染が持っているはず・・・
「わりいけど、お前の言ってるこ事、やっぱわからねえ。それに力を取り戻す方法なんてあるわけ・・・最初はその内戻ってくるかもと思ってたけど、もう終わりなんだよ。今ならわかる、あの頃の感覚がもうないんだ、完全に。」
「そうか、今日はこの辺で引かせてもらう。機会があればまた来よう。そしていつでも、お前の力を取り戻してやる、その気になるのを、私は待つ。」
そして、力を失ってから17ヶ月後に、時は移る・・・。
※崩玉の斬魄刀、男の目的は今後の展開で。
XCUTIONは次から出ます。