五等分の護衛 〜1人で5人なんて守れるわけねえだろ〜 作:無限夢幻
色々と忙しいのに加えてモチベーションが全然湧かなくて、執筆がほとんど進みませんでした。申し訳ないです。
気づいている方はほとんどいないと思いますが、実は最近本作を一から見直して「下手だなぁ〜」と感じたので少しずつ書き直しておりました。
なんか話の展開が広げすぎてぐちゃぐちゃになっていたので、恐らくこの後大幅に変更いたします。
変更が終了した後にお知らせは致しますのでその時はよろしくお願いします。
時を遡ることおよそ十年。日本から遠く離れたある地域で小国同士の紛争が勃発した。だが、小国同士の争いと言っても互いに全勢力を賭けた国同士の
戦争は泥沼化し、互いに隙を窺い合う拮抗状態に達した。国境ではお互いに砦を建設し、睨み合うまま大きな戦いが起きない日々が長く続いた。
多くの博識人はその拮抗がこれからも続き、お互いの怨恨が忘れられた頃には和解するだろうと予測していた。
だが現実は違った。
片方の国がもう片方の国をたったの3日で滅したのだった。
滅したと言っても国を焼き払ったのではない。抵抗しなかったものは皆、命も資産も奪われなかった。
逆に抵抗したものの行く末については言うに及ばないだろう。
何故二国間の拮抗がいとも容易く瓦解したのか。
大国が参戦したのか? ーーいや、違う。
病でも流行ったのか? ーーそれも違う。
内側から反乱が起こったわけでも、地震などの災害が起こったわけでも、食糧危機になったわけでもない。
一つの国を終わらせたのは、たった一人の少年であった。
その少年が戦争に直接参加したのはたった一晩のみ。その一夜にして前線の砦を崩落させ、国から抵抗する力を奪い取った少年はとある傭兵団の一員だったという。
十年前のこの出来事がきっかけとなり、少年はとある
その名を『狂戦士』という。
尚、狂った戦士というなんとも言い難い異名を聞かされた当の本人は苦虫を噛み潰したような表情をしており、その名を広めた人物はとても満足気に頷いていたそうだ。
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花火大会開始直後。とあるビルの屋上にて二人の男女が祭りに似合わない表情で佇んでいた。
「⋯⋯どうしてあんたなんかと花火を見ないといけないのよ!」
「それについては是非とも俺にお聞かせ願いたいな。どうして他の姉妹にここの場所を伝えていなかったんだ?」
「ぐっ⋯⋯悪かったわよ。でもそういうあんたも役に立ってないくせに! 同級生で持ってる連絡先がアイツだけってどういうことよ! おまけにアイツは全然電話に出ないし!」
「ぐっ⋯⋯、夢宮が電話に出れないのは俺が原因じゃないだろ!」
「フンッ、どうせアイツも祭りを楽しんでて電話に気付いてないんでしょ!」
二乃はイラつき混じりに言い放つと腕を組んでそっぽを向いた。風太郎はその様子にため息を吐きつつも、零が電話に出ないことを不思議に思う。
(夢宮が祭りを楽しむ事は無いと思うが⋯⋯仮に他の姉妹を探していたとしても電話に気づかないなんて事があり得るか? あの夢宮だぞ?)
風太郎の中で零はTHE・仕事人という感じのイメージで、電話に気づかないなどという初歩的なミスをする人間では無い。
のっぴきならない事情があるのでは? と様々に推測するもののどれも推測の枠を超えず、風太郎は諦めて現状の打開を目指すことにした。
「さっきの電話だと四葉たちは時計台の前に居るんだな? ならそこまで俺が迎えに行ってくる」
「⋯⋯癪に障るけどそれが最善ね。あの子達をお願い」
「ああ、任せろ」
どこか心細そうなニ乃に自信に満ちた笑みで返すと、風太郎は階段へ向かって走り出した。
そして階段を降りようとすると誰かにぶつかりそうになり、慌てて横に避けようとするも相手も風太郎を邪魔するかのように立ち塞がる。
怪訝に思って自分より身長の高い相手を見上げると、明らかに関わってはいけなさそうな顔をしたガタイのいい男がニヤニヤと風太郎を見下ろしていた。
男の後ろには仲間と思われる男が十人ほど。ほぼ全員が金属バットや鉄パイプ(何処から持ってきたのだろうと風太郎は思った)などで武装している。
男達は風太郎の背後にいる二乃に目を付けると、互いに頷き合った。男達は風太郎を軽く押しのけると二乃の方へズカズカと足を進める。
「な、何よアンタ達」
「間違ありません。この女です」
「ふーん、ちなみに何番目だ?」
「流石にそこまでは⋯⋯」
大男の背後に控えていた小男が手持ちのスマホと二乃を見比べて断言する。だが二乃が五つ子の中の誰かまでは特定出来なかったようだ。
いつもの気勢は何処へ行ったのか、大勢の輩に近づかれて青ざめる二乃は逃げるように後退るが柵にぶつかって止まる。
怯えたニ乃の様子を見た男達はますます興に乗り、下卑た笑い声と共に二乃へと近づく。
「よう、お嬢ちゃん。悪いが俺達と一緒に来てもらうぜ。なーに、ちょっとお兄さん達と良い事するだけさ」
「い、嫌に決まってるでしょ!」
「あ〜、悪いが拒否権はねえんだよ⋯⋯ってなんか用か坊主?」
二乃を捕まえようと伸ばした大男の腕を風太郎が掴んで止める。大男から殺気と共に向けられた鋭い視線に一瞬体を硬直させるが、直ぐに負けじと睨み返す。
(アイツ⋯⋯怖くないの?)
その
「それはこっちのセリフだ。アンタ達は二乃に何の用があるんだ?」
「二乃ねぇ⋯⋯それじゃあ次女ってことだな。おい、次女は
「二十万ですね。生死及び状態は問わないとのことです」
「要は好きにして良いってことか。へぇー、そりゃ太っ腹だぜ。」
風太郎の腕を軽く振り払った大男は、風太郎を無視して仲間内で話し合いを始めた。時折耳に入ってくる物騒な言葉に、二乃はますます顔を青ざめさせ、風太郎は男達から二乃を守るようにそっと前に立ち塞がる。
「おい、邪魔だ坊主。どけ」
「⋯悪いがそれは出来ないな」
「あ? なんだ坊主? この人数とやり合うつもりか?」
「⋯⋯」
(クソッ、夢宮がここに居てくれたら⋯⋯)
この大人数を相手にして勝てる訳がない。それ以前に一対一で余裕で敗北するような
「チッ! もういい、邪魔だからそこで寝てろ!」
そう言うが早いか、大男は手に持った凶器を頭上へ振り上げる。頭部に直撃したら最悪命を落としかねない威力だが、大男は荒事に慣れているのか気兼ねなく振り下ろそうとした。
その時ーー
「何してんのよアンタ達」
声が聞こえた。
その聞き覚えのある声にニ乃も、風太郎も、あろうことか大男達まで動きを止める。
風太郎は後ろのニ乃にサッと目をやるが、後ろのニ乃の視線はある一点に釘付けになっていた。
「大勢で一人を虐めるなんていい度胸ね」
早まる動悸と腹の底深くから押し寄せてくる恐怖に動かないでいる風太郎の耳に、再び
それを聞いて風太郎は確信した。間違いなく、
大男達と風太郎は、信じられない物を見たかの様に動かないニ乃の視線の先へと恐る恐る目を向ける。
そして全員が言葉にならない音を口から漏らしながら凍りついた。
風太郎は自分の眼を疑い、首が千切れ飛びそうな勢いで背後に目をやりって、そこにちゃんと
間違いない。二乃は風太郎の背後にいる。それは不変であって疑いようもない事実だ。
しかし、だと言うのならばーー
「………誰だ?」
風太郎の目の前にいる
もう一人の二乃の正体は誰なのでしょうか?
ヒントは『二つ名』です。
聡明な貴方ならもうお分かりですよね?
ではまた次話でお会いしましょう。
〈筆者からのお願い〉
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