【完結】とある再起の四月馬鹿(メガロマニア) Ⅱ   作:家葉 テイク

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scene 3

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 ふと気が付くと、そこは放課後の職員室だった。

 ……視線を巡らせなくても周辺に人がおらず、窓から西日が差していることが分かる。静かで、穏やかな時間だった。

 視線を落とすと、そこには書きかけの書類が。……どうやら、この時代の俺達は教職員をやっているらしい。そこで初めて肩の力を抜くと、俺は辺りを見渡した。

 

 

「……ええと、突然申し訳ありません。わたくし過去のアナタ達ですわ」

 

「……なんだ、そうだったのか」

 

 

 思っていたよりもすぐ近くで声が聞こえて、俺は思わずぎょっとした。視線を落とすと、座っている俺のすぐ横で何故か屈みこんだ体勢の『この時代の俺』がいた。

 すぐに立ち上がって何でもないような顔で取り繕っているが……俺はその手に何やら光の短剣のようなものがあったのを見逃さなかった。何あれ。『亀裂』じゃないよねたぶん。そもそもレイシアちゃんの本来の身体の持ち主じゃない、外付けで能力をブーストするだけの俺が幽体離脱した後も能力を使えるとは思えないし……。

 

 

「ちょっとシレン! 今アナタ、身体を壊そうとしましたわよね!?」

 

 

 今度は少し離れた席の陰から、この時代のレイシアちゃんの声。

 振り返ってみると、いつの間にそこまで移動したのか、教頭先生の机と思しき机からこの時代のレイシアちゃんがスタスタと歩いてきているところだった。

 苦笑しながら、この時代の俺は言い返す。

 

 

「……いやほら、突然身体を追い出されたからさ。好き勝手される前に壊して追い出して、冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)先生に治してもらえばいいかなって……」

 

「はぁ~~……仮にも嫁入り前の身体なんですのよ? もう少し自分を労わりなさいな。結果的に、誤解だったのですし」

 

「うんまぁ……ちょっと剣呑すぎたか。というか、『昔の俺達』もごめん。危ないところだったもんな」

 

 

 ……なんかこの時代の俺はこれまでに輪をかけておかしいなあ。

 

 

「その様子だと、似たような経験を何回かしてるのかな? じゃあまぁ、状況確認がてら自己紹介しておこう。俺はシレン=ブラックガード。この高校で警備員(アンチスキル)をやってるよ」

 

「同じく、レイシア=ブラックガードですわ。ちなみに教員免許をとったのはわたくしの方なので正確には警備員(アンチスキル)をやっているのはわたくしでしてよ」

 

「一応俺も一緒に解いたじゃんか~」

 

「えーと、中学二年生のシレンです」

 

「…………、」

 

 

 …………というか。

 何となく流していたが……この二人、なんか他の時代よりも……透けてないね? これまでの時代の俺達は浮遊霊然としていたというか、実際にふわふわと浮かんでいたのだが……この時代の俺達はしっかりと地面に立っているように見える。影もあるし、きちんと実体があるようだ。……どうやってるんだろう。

 

 

「……? どうかしたか?」

 

「シレン、口調は内心のものと合わせたんですのね」

 

「ああ! これね……。色々あってな、俺も昔は身体の性別に合わせた方がいいんじゃとか思ったこともあったけど、レイシアちゃんが『アナタはアナタなんですから』って言ってくれてね。吹っ切れることができたんだ」

 

 

 レイシアちゃんの言葉に、この時代の俺は懐かしむような口調でそう返した。

 レイシアちゃんがそんなことを……いや、レイシアちゃんは基本的に俺の幸せのことを考えてくれてるわけだから、そうした方が俺が幸せになれると判断したらなそう言ってくれるのかな。

 

 

「……ちょっと、ちょっと」

 

 

 感じ入る俺だったが、レイシアちゃんの方は違う感想を持ったらしく。

 この時代のレイシアちゃんをちょいちょいと手招きして、耳元に口を近づける。

 

 

「(どういうことですの!? アレでは当麻ルートなど夢のまた夢ではありませんの! むしろ童貞力が今より肥大化していましてよ!? 殆ど内面は男性と言って差し支えないのでは!?)」

 

「(アレはアレでいいのですわ。シレンの幸せの形は一つとは限らないのです。()の『一番』は……、……、ま、アナタも時が経てば分かりますわよ)」

 

「(ぬぐぐ……)」

 

 

 ここからだとよく聞き取れないが、どうやらレイシアちゃんとこの時代のレイシアちゃんの舌戦はこの時代のレイシアちゃんに軍配が上がったようだ。レイシアちゃんが何か釈然としない表情で黙っているし。

 

 

「昔の俺も昔の俺で、苦労してたんだなぁ。いやいや、お疲れ様、俺。改めて労ってやりたいよ、自分を」

 

 

 言っているうちに、この時代の俺は俺の頭をぽんぽんと撫でる。まるで甥っ子か何かに接するような態度に、俺はなんとも言えない気持ちになってしまった。

 

 ……しかし改めてこうして見ると、しっかり成人しているからか、随分今の俺達とは違うなあ……。

 まず、体つきが違う。胸が大きいのは変わらないが、肩や腕、それに腰回りの筋肉の付き方が違う。基礎的な筋力量でいえばまるで別人だ。思えば最初に『誰もいない』とすぐ理解できたのも、能力による感知とかではなく普通の五感からくる判断だったような気がする。

 ……口調も相まって、なんだかとっても『プロの戦闘者』ってカンジだ。俺なのに……。

 

 

「…………なんだか調子が狂いますわ」

 

 

 レイシアちゃんは『内面に合わせた』って言っていたが……いや、これはなんか違う気がする。今までの時代の俺達も大概『特化した分岐先』だったが……こういうのもあるのか。

 少し気になった俺は、ちょっと踏み込んだ質問をしてみることにした。

 

 

「……あの、アナタ、第三次世界大戦でファーストキスは経験しまして?」

 

「ぶっ!! ……突然ぶっこむなぁ、昔の俺。あの頃の俺はあんな感じだったか?」

 

 

 この時代の俺は少し恥ずかしそうに頬をかいて、

 

 

「したよ。当麻さんとね。あの頃の俺は自分の気持ちも良く分からないまま、とにかく必死でなあ……。……まぁ、当麻さんのことは、人間として! 好きだし……もしも結婚するならああいう人がいいなとは思っているけどさ」

 

 

 ちょっと照れ臭そうに言うこの時代の俺の横顔からは、やはり当麻さんへの想い自体はあるようだ。たぶん、そのあとの色々で、大分他の時代の俺達とは違う形に想いが変化しているようだけど。

 

 …………『冬』自体は経験してるのか。

 この時代の俺達が経験してるってことは、多分他の時代の俺達も『冬』は経験していると思うし……どうやら『魔術師』と『実業家』と『警備員』の俺達は、どれもあの『冬』の俺達から派生しているようだ。

 

 

「なんですのなんですの! 二人で内緒話とはつれないではありませんの」

 

「レイシアちゃんこそ、二人で内緒話してたじゃないか。何話してたんだ?」

 

「内緒ですわ。内緒話ですので」

 

「というか!」

 

 

 なんか二人でクスクス笑っているこの時代の俺達に割って入るように、俺は声を上げる。

 そうだ。色々気になることが多すぎて流してしまっていたが……根本的な違和感がまだ解決できていない。

 

 

「アナタ達……どうして浮遊霊のようになっていませんの? 確か、他の時代の方々の幽体離脱(アストラルフライト)──AIM思念体化はもっとこう……幽霊っぽかったような」

 

「ああ──これは虚数学区の応用だからね、AIM思念体とは厳密には別の技術を使ってるんだよ」

 

 

 シレンはそう言って、右手を翳す。するとその右手がホログラムのようにぼやけて透けだした。……中は空洞だ。まるで、風斬さんのように。

 

 

「安心していいよ。虚数学区といっても、ミサカネットに負荷をかける方式じゃない。これはそうだな……能力の噴出点を無数に展開して、『自分のAIM拡散力場』でネットワークを形成している──って感じかな」

 

「……すみません。全然わかりませんわ」

 

 

 いや……なんとなく理屈は分かる気がする。

 要するに虚数学区に干渉するためのミサカネットワークを自分一人で賄っているってことだろう。理屈としては分かるが……ど、どうやって? っていうかそれで干渉して、こんな結果が作り出せるものか?

 

 

「虚数学区って、けっこう便利なものなんだよ。文字通りAIMで形作られたもう一つの世界だからね。干渉することでそこに新たなモノを生成して、それをこっちの世界に持って来ればなんでも作り出せるよ、だいたい」

 

「……虚数学区ってそんなものでしたっけ?」

 

 

 確かに初期のころは陽炎の街……みたいな表現がされてた気がするけど、そのあとは普通に『力の塊』みたいな扱いを受けていたような気がするんだけど。

 そういう『もう一つの世界』みたいなものなのか……。というか、そっちの世界から取り出すなんてことができるんだ!?

 そしてそれを自在に操っているっぽい俺……もしかしなくても科学サイドでは上から数えた方が早い実力者なのでは!? こ、これが俺TUEEEEEか……。まぁ今の俺ではないんだけど……。

 

 

「ま、そんなことはどうでもいいんだけどさ。どうせ昔の俺達じゃスキルが足りないから使えない技術だし」

 

 

 ああ……使えないんだ。ちょっと残念。

 

 

「いろいろあるのさ。ね、レイシアちゃん」

 

「むろんですわ。わたくし達の血の滲むような努力があって初めて使いこなせる技術ですもの。生半可なわたくし達に使いこなせると思わない方が身のためですわよ」

 

「生半可なわたくし達って意味不明な響きですわね……」

 

 

 レイシアちゃんが呆れたような調子で言う。

 うむ。まぁできないのならしょうがない。そろそろこっちの状況も把握してきたし……

 

 

「で、わたくし達の時間移動の条件をお伝えしますわね」

 

「ああ。時間経過ではないみたいだな。何分か話をしていたけど全く素振りがないし」

 

「…………鋭いですわね」

 

 

 流石は未来の俺。

 

 

「わたくし達も決定的なことは言えないのですが……どうやら、身の上話を聞かされると移動するようです」

 

「まず、それって『ゴール』に行ってしまってもいいものなのかな? 移動しきったらゲームオーバーという可能性は?」

 

「……、」

 

「不明、と。というか、考えてすらいなかったって顔だな。不用心な……」

 

「しょうがないでしょう! ほかに手がかりもなかったのです! それに、いきなり未来に飛ばされたら気になるでしょう……。わたくし達がどういう未来を歩んできたのか」

 

「シレン、意地が悪いですわよ。……とはいえ、そうですわね。何も分からない状況下ではとりあえず事態を動かすべきですし、それにもしもその理屈ならわざわざわたくし達の時代を介する必要はないでしょう。最初にゴールに移動させればそれで終わりでしてよ」

 

「んー、まぁ、そうだね。ごめん、どうも職業柄、あらゆる可能性を考えないと気が済まなくって」

 

 

 ……こ、怖いことをいきなり言いやがって……!

 でも、ゲームオーバーって可能性は確かに考えてなかったな。ちょっと迂闊だったかもしれない……。

 

 

「で、身の上話をするんだったか。なんかちょっと恥ずかしいなあ。まぁ、そんな面白い話はないけど……」

 

「当麻を追いかけて教師になって今美琴と一緒に三人で教師やってるのはたぶん昔のわたくし達的には面白情報だと思いますわよ」

 

 

 え!? 今そんなことになってんの!?

 

 

「ちなみに、操祈は統括理事長をやっています」

 

「え!? アレイスターは!?」

 

「死にました」

 

「死んだ!?!?!?」

 

 

 死んだの!? アレイスターが!?!?!?

 

 

「そのあと一方通行(アクセラレータ)が統括理事長になって留置所暮らしになりましたが……」

 

「待って待って待って色々追い付かないですわ! 確かに未来は色々なバリエーションがあるけどそんなおかしな展開絶対ありえないでしょう!? 今までの未来の中で一番ぶっ飛んでますわ!?」

 

 

 一方通行(アクセラレータ)が統括理事長になって、しかも留置所暮らし……? まぁそれはいいとしても、そこからなんで食蜂さんが理事長に……?

 

 

「はぁ……。留置所が変形ロボになったとかじゃないんですから、驚きすぎですわ。……で、そのあと色々ありましたが、一方通行(アクセラレータ)も死んだんですわ」

 

「ウソぉ!?」

 

「まぁいろいろあって甦りましたが……」

 

「ウソぉ……」

 

 

 な、なんというかこう……。前々から思ってたけど、『とある魔術の禁書目録(インデックス)』って往年のジャンプ漫画っぽい気がするよ……。まさか死者蘇生があるとは……。

 

 

「そんなに驚くことかしら。シレンはリリスのこと知らないんでしたっけ?」

 

「そこまではやってなかったし、そもそもリリスだってエイワス関連の超例外だったじゃん。同じ事例が起きたって言ってもピンとこないと思うよ」

 

「まぁそれはいいですわ。で、一方通行(アクセラレータ)は無事生き返ったのですが、それまでの繋ぎとして操祈に学園都市を任せていたら、その間にあの女学園都市の実権をまるっと握りやがりまして……命拾いした一方通行(アクセラレータ)は戻ってきたらなんか色々と罪状をでっち上げられて、統括理事長の座を追われてしまったのですわ」

 

「食蜂さん、怖い……」

 

 

 あの人に権力を持たせたらそれこそすべてを掌握できちゃうよね……。

 ただでさえ能力がなくたって人の心の専門家なわけなんだし。

 

 

「操祈さんはその時点で当麻さんからはフラれてたらしいね。やけくそで『天下とったる!!』って言ってたし」

 

 

 …………恋する乙女は恐ろしい。

 

 

「で、俺達は当麻さんが教師を目指していることを知って、飛び級して教員免許をとりつつ当麻さんの学力向上を手伝ってみたってわけ」

 

「なんで教師になろうと思ったんですの?」

 

「……ま、とある『木原』の影響でね」

 

 

 ……木原で、先生? ああ、加群さんのことか。そこと交流があったんだな……。なるほど、当麻さんとは一応関係ない理由っぽいね。飛び級したのは当麻さんありきのような気がするけど。

 

 

「インデックスはイギリス清教に戻り、最大主教(アークビショップ)になりましたわ。コロン……もといローラもなんだかんだで死にましたし」

 

「凄いクライマックス具合ですわね……」

 

 

 呆れたようにレイシアちゃんが呻く。

 確かに、このメインキャラの死亡具合は本当にクライマックスって感じだ。そんなとんでもない事件が連発するなんて……。まぁ、この世界は他の世界と比べてもかなり突飛な可能性っぽいけど。

 

 

「わたくし達は、当麻よりも先に教師になったので先輩教師として上条のことをバシバシ指導しているところですわ」

 

「……当麻さん、大変そうですわね……」

 

「ということは美琴は後輩扱いですの? それは愉快そうですわね!」

 

 

 この時代のレイシアちゃんの説明に、レイシアちゃんはちょっと楽しそうに笑う。流石レイシアちゃん。目の付け所が悪役令嬢(シャープ)だぜ。

 

 

「まぁ、説明としてはこのくらいかな。…………しかし特に異常はないね」

 

「……本当に身の上話がトリガーなんですの?」

 

 

 確かに、この時代の俺達の話が一通り終わっても特に世界が歪んだりし始める様子はなかった。これまでだったら、身の上話が終わるか、もうすぐで終わりそうというタイミングで世界が歪んで意識が遠のき始めていたのだが……何かが足りない? いや、けっこう重要な話をいっぱいしてもらったような気がするけど……。

 

 ……う、うーん。そういえば実業家の俺達が『黒幕が任意で世界移動をやっている』みたいなこと言ってたっけ。だとするなら、黒幕がしてほしいアクションをまだしていない……とかなのかな?

 

 と。

 

 そこで俺の耳が、近づいてくる足音を拾った。

 なぜか経験で分かる。この足音は……若い男性。急ぎ足……ということは何か用事があって此処に来ているんだろう。

 

 

「ああ、ようやく来たか。当麻さん。実はお遣いを任せてたんだよね」

 

 

 ──その瞬間だった。

 この時代の俺の言葉に何かを返す間もなく、世界が歪みだした。まるでその一言を待っていたかのように……。

 

 

「──と、どうやら来たみたいだね。なるほど、そう──トリガー────応──ておくと──は────みたい──」

 

 

 暗転。

 

 

 


 

 

 

「……しかし、妙な歴史操作でしたわね」

 

 

 まるで幻か何かのように消え失せてしまった過去の自分たちを見送り、レイシアは感慨深そうに呟いた。

 既に、彼女たちの花開いた特異体質はその異常を検知していた。だからこそ、己の肉体を一時的にせよ絶命させようという暴挙を躊躇なく選ぼうとしたわけなのだが。

 

 

「並行世界を生み出しているようで、同時に均してもいる。起きている現象が真っ向から衝突していて、既存の理論では矛盾なしには説明しえない。アレ、ゴム紐の理論では説明ができませんわよ」

 

「あの二人の呼び出し方も妙だったしねぇ」

 

 

 上条に日誌を書かせながら、レイシアとシレンは窓の外を眺めて適当に言い合う。

 そう、適当に、だ。

 だって彼女達にとってはもう『過去のレイシアとシレン』は手の届かないところに行ってしまったし、それに彼女達のことを案じるほど、中学二年生のあの時期に積み重ねていたものを軽視もしていなかった。

 

 

「AIM拡散力場に過去から魂を転写したってわけでもなさそうだった。アレは……どっちかというと、『異世界』からの邂逅って感じだったもんな」

 

「並行世界とは違う、位相の概念でもない、本当の意味での『異なる世界』。にしては同一時系列上のわたくし達のような気もしますけど。それとも、()()わたくし達は一夜だけの胡蝶の夢だとでも?」

 

「まさか」

 

 

 シレンは馬鹿らしい冗談を聞いたとばかりに笑い、

 

 

「ただ……もしかすると、『そうだった』可能性はある」

 

「?」

 

 

 首をかしげるレイシアに、シレンは詳しく説明はせず、空の向こうを見た。

 

 

「…………異なる時間軸上から、俺達は『観測』された。観測された以上、俺達の実在は確定している。……逆に言えば、それまで俺達は箱の中の猫だった、ってことさ」

 

「ああ、なるほど」

 

 

 それだけで、レイシアはシレンの言いたいことを理解した。

 伊達に一〇年以上、この青年のような女性の片割れをやってはいない。そして、得心がいったと同時に安堵もする。『それ』が目的なら……まぁ、悪いことにはなるまい。

 だが、そこで一つの疑問ができる。

 

 

「……でも、それなら『どこまで』やるのかしらね?」

 

「…………流石に、アレイスターよりは少なく収めてほしいなあ」





■異世界のシレイシア図鑑④
レイシア=ブラックガード(警備員)
 二五歳。大学卒業後、学園都市で教師になったレイシア。上条当麻も教師になっており、同僚の関係にある。インデックスは最大主教(アークビショップ)、食蜂操祈は統括理事長となっており、それぞれヒロインレースからは脱退。現在は同じく上条の同僚となった御坂美琴との直接対決の状態となっている。
 警備員(アンチスキル)でもあるため身体能力は高く、戦闘勘も十二分。どのくらいかというと、この時代のレイシアは筋肉娘である。また、戦闘勘はAIM拡散力場の知覚能力と経験により対面しただけで敵の能力系統と強度(レベル)を察することができるほど。また、敵のAIM拡散力場を切り裂くことで、能力開発を受けた人間なら思考を一瞬停止させることができる。魔術師相手にも、魔力を切断することで術式を失敗させることができるなど、異能者相手には幻想殺し以上のジョーカーとして機能する。
 反面、恋愛関係ではズタボロ。そもそもこの年齢になるまでヒロインレースを続けている時点で分かり切っているが、恋愛クソ雑魚。そもそもシレンの一人称も『俺』であり、まだ恋心が明確化していない。レイシアもそれでいいと思っている節がある。ただ、一応脈はあるようだ。


多分今日の夜にも更新します。
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