最強に成りたい、王子(偽)   作:獣耳もふり隊

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評価バーに色付きました(初)。ありがとうございます。
あと、僕今投稿した側から次話書いてるんですよね。
なのでもう少ししたらペース落ちると思います。
(元々不定期ですから)
これからも頑張るかもしれません。



脳内日記3

⚪︎月⚪︎日

 

 

先日カリバーンが折れた。きっちり、ポッキリ、逝っていた。

 

なんだよ、俺が王になるのを阻止しようと送られてきた刺客の背後とって斬り殺しただけじゃないか。なに、それがダメだって? 背中から攻撃するのは騎士道に反しているから? 

──邪道使ってくる相手に堂々戦えとか馬鹿みたいじゃん。

俺は何でもかんでもまともに対応し続けるのがかっこいいとは思わない。別にカッコ悪いとも思わないが、どっちでもいいなら楽な方を取るでしょ。

 

俺は俺の考える道理に沿ってやり方を選んだ。それがダメだって言うなら、──カリバーンは要らない。

 

…あーあ、折角メイン武器手に入れれたと思ったのに。

 

 

 

「ふふふ、はははははっ! ふぅー、ふぅー。面白かったよアーサー。もう笑わないから落ち込まないでくれ。くふっ、…仕方ないねぇ、新しい武器を貰ってきてあげよう」

 

「オイオイ、何やってんだよ。てか選定の剣ってそんな脆いのか」

 

純粋に心配してくれるケイ卿と笑いながらも憎めないことを言ってくるマーリン。マーリンの煽りには少しイラっとしたが、新しい武器を貰ってきてくれるとのことなので今回は不問とする。

 

物で釣られたわけではない。断じてない。

 

 

 

 

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

マーリンが約束の聖剣を持ってきた。エクスカリバーだ。

 

それをみた俺ははしゃいだ。珍しく脇目も向かずはしゃいだ。外から見れば、目をキラキラさせていたくらいだろうけど、無茶苦茶喜んでいた。

 

だって、あの聖剣だぞ! 斬撃という名のビームが出るんだぞ!

 

──エクスッ、カリバァァアァァアア!!

ができるんだぞ。興奮しないわけないだろう。

知ってるか? あれ超かっこいいんだぜ。

 

 

そして俺は興奮の冷めないうちに徹夜しながら考えた新しい技をいくつか生み出した。それがこれだ。

 

風王領域…空気の圧を上げ、動きにくくする。

雷霆空縮…圧縮させた空気でプラズマを発生させる。

疾風迅雷…発生させた風と雷を纏い加速する。

暴風雷雨…悪天候を生み出す。

乱気流…相手の攻撃命中率、威力が落ちる。

追風…相手に遅延デバフ、自陣に加速バフを付与。

 

今回は多人数による戦いとエクスカリバーの効果を底上げする様な技を中心に開発した。

ちなみにアヴァロンも貰ったが、今の俺じゃあ改良のしようがねぇ。

 

…戦闘指揮か。

王になったんだもんな。

 

 

 

 

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

遂にブリテンの統一が完遂された。一件落着だ。

時折蛮族と呼ばれる奴らが邪魔しできたので全てエクスカリバーでブッパした。最高だぜ。

 

とはいえ、俺も戦闘ばかりしていたわけでは無い。政治的な書類のあれこれもマーリンやケイ卿に手伝って貰いつつこなしていった。

 

一人でずっと椅子に座り続けるのは苦痛だった為、固有結界からフェンリルを呼び出したり、モフって癒してもらっていた。

 

幻獣とコミュニケーションを交わしながらどこがいいか聞いてモフり続けた俺のブラッシングスキルはA++だ。

 

おっと、フッ、…奴が来た様だ。

 

ぽてぽてぽて…

 

その小さく白い体躯はリスや猫を想像する。

背後から「消音空装」で音と匂いを消し近づき、ある程度近づくと勢いよく抱き抱える。

 

「フォウッ!」

 

びっくりして暴れる小動物。その名はキャスパリーグ。マーリンが飼っているらしく、時折いろんな場所で見つける。キャメロット城を不規則に徘徊している様だ。生態は知らん。

 

「フォーウ」

 

抱き抱えたのが俺だと理解したのか、力を抜いて楽にしている。能天気な奴め。

 

リラックスしているキャスパリーグを連れて執務室に籠る。椅子に巻きつくフェンリルのモフモフを感じつつ、キャスパリーグを膝に抱え、左手で首元を撫でながら右手で書類を処理していく。

 

俺のモフりテクニックに陥落したのか、キャスパリーグは徐々に目を細め、いつの間にやら眠っていた。

時間も深夜そこそこと言ったところ、他の騎士達も家へ帰るであろう時間も超え、自分も、とゴソゴソと寝る準備をする。

 

並行思考のうち一つを使って魔術を発動させる。ベットを風で整え、それと同時にキャスパリーグを抱えて浴場へと向かう。

 

「……入るか」

 

相変わらず無口な自分をなんとも思わなくなったことに対して感慨深く思いながら、途中で起きたキャスパリーグはうとうとしながらも風呂に入るつもりらしく、一緒に入ることとした。

 

腰に布を巻き、魔術で発生させた水を汲む。桶いっぱいに溜まった水を熱風で暖めながらキャスパリーグを浸してあげる。別の桶に貯めた温水を被りながら布で全身を拭く。

 

あ"あ"ぁあ"、疲れが取れるぅ。

 

「フォォウ」

 

キャスパリーグの方も気持ちいいらしく、低い声で鳴いている。ついでとばかりに毛先を整えてやり、温水から抱え上げる。

 

「ファウォゥ…」

 

あったかい水が名残惜しいのか、それとも水に浮いたゴミや埃に引いているのか、どちらかだろう。俺の予想は後者だ。

 

キャスパリーグも水分を拭いてやり、俺と一緒に発動した温風の魔術を浴びる。

 

「心地いい…」

 

「フォウ、キューウ…」

 

「ヴォウ…」

 

おいフェンリル、どうしてここにいる。お前は何故か知らんが常に清潔な摩訶不思議生態だろう。ずるい。幻想種だからか? 特別なのか?

横目で恨めしそうに見ているとフェンリルも気づいたようでそそくさと固有結界内に戻っていった。

 

十分に水分が乾き、着替えてからベットに向かう。ゆっくりと進んでいる中もキャスパリーグは腕の中で撫でられている。

 

寝室に着くと魔術で整えたベットが俺たちを待ち構えていた。それを見た俺たちは倒れ込む様に眠りに落ちた。

 

こんな日も幸せだなぁ。おやすみ。

 

 

 

 

「おやおやぁ? これはこれは、アーサーとキャスパリーグの添い寝か、珍しいね。視覚投影! うん、よく撮れてるね。それから杖の記録媒体に保存、っと。じゃあ早速お邪魔しまーす。あはは、これは朝怒られそうだなぁ」

 

 

 

──────早朝

 

朝起きたら隣にマーリンがいた。何故お前がいる。

 

「もぅ〜。そんな目で見ないでよ、何もしてないから」

 

シスベシフォーウ(マーリン死すべしフォーウ)!」

 

信用ならん。

 

 

 

 

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

なんか日記を見直したら昨日の日記だけ異様に長かった件。なんだろう、最近何もなさすぎて日常について語っていた。

 

でも、なんていうんだろ? こう、当たり前だけど尊い幸せな感じがする。

 

 

 

 

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

うっがぁぁああッ!

もう我慢できん。流石に元日本人としてこの国の食い物は不味すぎる。何より潰した芋は料理とは言わない。言ってはいけない。

 

一人でYAMAに篭ってたりしてた時は、まだまだ肉や野菜を色々自分で取って料理して食ってたんだが、王として生活しているとあの料理とも呼べない物を口にしないといけない時が出てくる。

 

そこで俺はマーリンに頼んだ。

なんでも言うことを一回聞くし、料理も振る舞うから、定期的に調味料をくれ! 特に塩を!

 

実際に俺の口はそんなに回らないので報告書にその旨を書き、渡した。

 

マーリンは珍しく目を丸めて、その後どんなことを命令しようかと考えているのがわかる顔でニヤニヤしながら了承した。

 

 

 

 

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

突然だが、俺の体って小さいのよ。

正史じゃあ、カリバーン折るのもっと先だったのかもしれないけど、俺一瞬で折っちゃったから。

 

その状態でエクスカリバーとアヴァロン貰って不老になったからさ、青年の数歩手前で成長が止まっちゃってんだよね。身長でいうと170くらい。嘘です、5センチくらい盛りました。

 

やになっちゃう。

 

何が言いたいかというと。

──マーリンに子供扱いされる。奴め、他の奴らとの身体差で煽りやがって! くそぅ。お前の方が小さいだろうが。

 

それに少なくともなぁ!今の俺の息子は前世の息子よりも逞しいんだぞ、竜の如く。

 

 

…なんだろう、とても悲しくなった。

 

まあそれだけじゃ無いが、見た目が子供で舐められたり、厨房に立つのも一苦労なのは少し面倒だ。

後者は「空歩」でなんとかなるからいいが、見た目だけはなんとかならねぇかな。

 

 

お、「風王結界」で出来た。

声も──あ、変えれた。

 

なんとかなったわ。よし、明日マーリンを脅かしてやろう(最優先事項)。

 

 

 

 

 

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

あれから数日経った。翌日はマーリンがおらず、そこから数日はキャスパリーグを探した。

キャスパリーグと一緒に寝た時は高確率で潜り込んできているので、タイミングを図ってやったのだ。

 

そして訪れた朝。

 

ベットの上に二人と一匹。そして1番に起きたアーサーは心のうちに暗黒微笑を浮かべる。そのまま慎重にマーリンにバレない様に、魔術で自分を大人verに変貌させる。

 

眠りから覚めない様に腕をマーリンの頭に敷いてやり、見つめる。変貌させた自分の表情は意外と自由が効くので、スマイルを浮かべながら、その時を待つ。

 

(どんな顔をするんだろう)

 

チク、チク、チク、チク…

 

時計の音がよく響き、時間が進むとともにその期待感は膨らむ。

 

(そういえば夢魔って寝るんだな)

 

混血とか言っていたし、そういうものなんだろう。

 

 

 

 

 

 

何十分が経過したのだろう。

 

遂に刻限がやってきた。

 

「ぅん、ん」

 

頭元に違和感を感じたマーリンがゆっくりと目を開ける。

 

「、ん?」

 

こちらに気づき、目をぱっちりと開け、数回瞬きをする。

 

 

「おはよう。愛しのマーリン」

 

よくもこんな甘い台詞を吐けるものだ、と自分でも思いながら観察する。だがこの口はこういう時、しっかり働いてくれるので嫌いになれない。

 

「…んぇ!?」

 

マーリンの驚愕に満ちたその顔に満足しつつも観察を続ける。すると首元から顔に向かって徐々に赤くなっているでは無いか。

 

「──ひゃぁぁあ!??!!」

 

頭頂までその赤さが達した途端、目を回して倒れる様に再度眠りについた。

 

 

 

 

「え、」

 

俺としては、その反応の方がビビるんだが。

 

 

 

 

一旦元の姿に戻りマーリンが起きてから話を聞く。今までの経験から多少感情について理解してるし、夢魔だからと言って無闇矢鱈に手を出すわけではなく、気に入った人間の夢をおやつ程度に食べていただけなので、この様な経験は一切なかったと聞いた。

 

 

そして俺はその情報と引き換えに、今朝の出来事とこの話を誰にも伝えない様に、セルフギアススクロールで縛られることとなった。

 

 

 

 

 

 

 




本作のマーリンちゃんは女の子してて普通に可愛いです。
感想ぷりーず!待ってます。
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