一旦、これで日記形式は終了です。
続きますよォ!きっと
⚪︎月⚪︎日
俺の息子を名乗るどう見ても女の子が円卓の騎士になった件。なお、俺に嫁はいない。
ラノベのタイトルみたいな出来事だが事実である。
息子を名乗る女の子の名をモードレッドという。
スゥ
はぁぁ〜〜〜〜ッ!(溜息)
ここに来てものすごい厄ネタがきた。て言うかなんでさ? 俺はまだピッチピチ(死語)の童貞の筈だが?
結局、何故か分からなかった俺はいつもの如く、頼りなるマーリンさんに話を聞くことにした。焦って慌ててきたので、言葉で伝える以外の手段を用意していなかった。紙持ってくればよかった…。
どう言う状況なのか物凄く少ない口数(もはや単語のみ)でなんとか伝え、どう言うことなのかを尋ねる。
マーリン曰く、
「遺伝子的には大体キミとおんなじだよ。ただ完全な人間ではなく、ホムンクルスというやつだね。キミの異父姉モルガンがキミの遺伝子を元に創造した、実質キミの
どっちだよ。
「性別かい? それとも──キミがチェリーかどうか、かい? 前者に関しては女、後者に関しては…ふふっ、安心してくれ、残念ながら卒業はしてないよ。遺伝子に関しては大方髪の毛か何かを使ったんだろう」
…そうか。
未だ俺は童貞である事が確定した。前世から引き継ぎ精神年齢は賢者などとうに過ぎている。よけいなことをきいたせいで心に深刻なダメージを負った。
いつまでもうじうじするのはかっこよくないので気を取り直し、モードレッドについてどう対応するか考える。…うん、無理に特別扱いしなくても良いか。
もし認知しろとか言われたら、事情を説明した上で対応しよう。
──そこ、後回しにしたとか言うんじゃねぇ!
⚪︎月⚪︎日
…駆逐してやるっ!…この世から、一匹残らずッ!!
というわけで蛮族駆逐作戦開始だ。
アヴァロンの発動からおよそ数ヶ月。俺とケイ卿とマーリンを中心に作戦班が設立された。
まず初めに使える戦力は騎士長以上であることが最低条件となる。それ以下であれば足止めすらままならないからだ。最悪、足手まといになってしまうかもしれないので、騎士長以上の戦力のみで作戦を立てる。
使える戦力数は千人ほど、対して蛮族の数はおよそ十万。単純計算で1人百人を相手取る必要がある。
そんなことはさせないけれども。
そんな感じでああだこうだ言いながら決まった作戦は順調に作動した。
ブリテン全体を対象に固有結界を発動。
前回のように敵性反応の座標を一箇所に収束させ解除。
騎士長達がアヴァロンの内側からチクチクやりながらヘイトを集めて、俺と円卓の騎士で遠距離、ビームを放てるやつが一斉掃射。
映るのは蛮族の残骸のみ、のはずだが…
────ッ!、まだだ。
生まれ持った類稀なる直感が悪寒を知らせることで、反射的に手を翳し「風限王壁」「風王領域」を重ね掛けする。
それに加えて「風王兵装」で幾十にも盾を展開し、「風限王壁」に沿って不規則に旋回させ続ける。
その間、およそ0.1秒。
数キロ先の抉れた地面の向こう側に一つの影が浮かび上がる。陽炎のように揺れる影はその形を徐々に異形へと留めていく。
「…全軍撤退だ。殿は俺が請け負う」
ユラリ、ユラリと近寄ってくるそいつを見て俺は全軍に撤退命令を出す。最初は全員戸惑っていたが、それが王命だと理解し、少しずつ撤退を始める。
その間にも影はこちらにゆっくりと近づいてくる。
──不意に、姿が掻き消える。
これまた直感に従い、全武装を背後へと回す。直後、強烈な衝撃が背中に刺さる。
物凄い速さで吹き飛ばされながらも、なんとか視認することのできた背後では魔力で展開した全ての盾を拳で貫いた奴がいた。
その拳は何らかのダメージを負ったのか、再生されようとしている。
それと同時に俺の「風限王壁」の一部が破られていることに気づく。──成る程、気圧の差で奴の拳が破裂したのか。
状況を把握するために思考を巡らせながら「風限王壁」を高速修復する。
背後で何本もの木が薙ぎ倒されながらも漸く勢いが止まったので「空歩」により一直線で突進を行う。奴もそれに合わせて突進をする。丁度中点で衝突し、周りに衝撃波を与えるが、共に傷一つない。
と、いきなり奴は喋った。
「
ノイズしか聞こえないが、何を言ったのか理解できる。こいつ、直接脳内に…!──やってる場合じゃねぇ。理性はあっても常識はないようだ。
こいつが蛮族の王らしいし、何より俺たちが生きていくのにこいつは邪魔だ。
そうだな…
──
途端に思考が沈む。
魔術で補強して出来るようになった百程の並列思考のうち、半数の思考を殺戮方法のシミュレーションに充てる。
取り敢えず、固有結界を発動させ、俺とこいつを隔離する。これで余計な被害は出さずに済む。
タイムリミットは先程の作戦実行時の負荷が響いているので多く見積もっても十分ほど。
エクスカリバーを片手に握りしめて、肩に乗せる。エクスカリバーはやがて真名解放のように発光を始め、強引な斜め切りと同時に光の残光が迸った。
魔力が光に変換される。その工程を死ぬほど突き詰めた末に、ノータイムで魔力ロス無しの発動を可能とし、魔力の許す限り連続発動まで出来る。
その為、スイッチが入った時の己はコレを
残光が薄く消え、再生しようとしている蛮族の王が目に入る。
そこへ、振り下ろしたエクスカリバーを勢いのまま斬りあげる。その軌跡にはやはり黄金の残光。それでもなお、しぶとく残っている肉塊に容赦なくエクスカリバーの乱撃を繰り出す。
焼却できたのか、跡形も見えずに煙だけが待っている。──そう思ったのが油断だった。
固有結界の半分が呑まれる。その主は、蛮族の王だ。
しぶとい奴め。
「
「…そうか」
冷ややかな目でやつを見る。此方も固有結界の限界が近い。次で殺し切る。
────瞬間、奴の目が嗤った。
「
全方位無差別自死爆発。
名前負けなど全くしていない熱量が広がり始める。
脳内殺戮シミュレーションが終了したアーサーは極めて冷静に対処した。
「…思考No.1ー25、26ー50まで、それぞれ多重発動」
──「雷霆空縮」「疾風迅雷」
エクスカリバーを握る手に雷が走る。全身もバチバチと帯電している。
「…思考No.51ー80、体内魔力を極限まで魔力濃縮」
「加えて、思考No.81ー90は角度調節、91ー95は反動調節」
目の前に超新星の熱が迫り、固有結界の影響で火傷した側から治る。ただ半分は呑まれているのでいつもより回復が遅い。──関係無い。思考破棄。
余計な思考を切り捨て、発動する。
「…思考No.96より100、発動」
「────エクスカリバー」
⚪︎月⚪︎日
さて、今日は休暇なのでピクニックする予定だ。
なんでも、現在の全てを見渡せる千里眼を持つマーリンが最高の場所に連れて行ってくれるらしい。
え、前回のはどうなったんだって?
──如何だろうね(ドヤァ)
言わなくても分かった? 聞く必要なかった? おいおい、そんなこと言わないでくれよ。悲しいじゃないか。
とはいえ、今日は絶好のピクニック日和だ。マーリンのやつはブリテンの食材を扱ったオリジナルのサンドウィッチ、喜んでくれるかなぁ。
行ってきます!
────待ち合わせ場所にて。
今日はせっかくだから、大人verの許可をなんとか交渉してたんだ。そしたら思いの外、簡単に許可が取れちゃって。マーリンも、
「…うん、偶にならいいかな」
って顔を赤らめながら言うもんだから、ちょっと可愛すぎて。
──はい、なんとなく変わったと思ったあなた、正解です。
俺はマーリンがクソ可愛いと自覚しましたッ!!
いや、少し前から思ってたんだけど、意識してみたら無茶苦茶可愛いじゃねぇか。なんで昔の俺はロクデナシとか思ったの。
童貞だったからか?(現在進行形)
待ち合わせ場所の噴水で座っているところを発見。「風王結界」と「消音空装」の合わせ技で完全透明人間になって背後から脅かす。
クセになってんだ、音殺して歩くの。
「ひゃっ、うぇ」
驚きすぎて倒れかけたマーリンの腰を支える。
「…大丈夫?」
「うぅぅ、な、なぜキミはそう、毎度毎度私を驚かせてくるのかい?!」
顔を真っ赤にして問い詰めてくるマーリンに、申し訳ない、と口にしながら案内してもらう。こうして二人のピクニックは始まった。
────黄金花畑。
「どうだい、これが私の秘蔵の場所だよ!綺麗かい?」
「…ああ、綺麗だ」
「丁度いいし寝っ転がってみようか?」
「…了解」
そのまま一緒に眠った。やっぱりマーリンの髪の毛はもふもふだ。
────昼食。
「ふふ、やっぱりキミの作る物は美味しいね」
「それはどうも」
普通に嬉しい、もっと精進しなければ。もしエミヤ君とかに会えたら料理を教わろう。
────洞窟。
「さて、今日のメインはここだよ」
え? ここ洞窟だぞ、何するんだ。と思っていたら、マーリンに手を取られながら洞窟を進んでいく。中は真っ暗で灯りひとつない。マーリンに灯りをつけていいか尋ねると、ダメ! と返答が来る。
どうやらサプライズらしい。
ある程度進むとマーリンから止まるよう指示が出る。それに従って、その場に留まっていると、マーリンは手を離してどこかへ行ってしまう。
と、言ってもすぐ側でガサガサと物音がするので近くにいると思うが…。
数分待つとマーリンが手を繋ぎ直し、
「ふふ、待たせてごめんよ。取り敢えず、洞窟でよっか?」
といい、踵を返す。
「…マーリンの手があったかい」
「そうかい?」
珍しく声に出ていたらしい、大人verだとしてもほんとに珍しい。ただ、せっかく話の種ができたので会話を繋げる。
「…ああ、女の子の手だなって」
「──っ!」
え、なんで。おかしなこと言った? 折角頑張って話したのにぃ。
マーリンの方を見ても辺りが暗くてどんな表情をしているかよく分からない。というか、顔を俯けているようだ。
そんなことを思いながらも歩を進めていくと、出口についたらしい。急激な明度の変化に少しの間、目を閉じて慣らす。
次第に明るさに慣れて目の前を見てみると、顔を真っ赤にしていたマーリンがでっかい槍を持っている。
かわいい。
表情を確認して、取り敢えず嫌われたわけではないと理解する。次にその手に持っているものがなんなのかを考える。
槍、聖槍、最果て。
はい、どう見てもロンゴミニアドです。
アウトォー!
言い分を聞きましょう。
「なんでって? あはは。それはね、今日がキミの誕生日だからだよ。私がケイ卿に、無理言って数ヶ月前からこの日を休みにしてもらうよう頼んでたんだ」
一途かよッ!!
しかも恥じらってる。
「前もこんな事あったよね。覚えてるかい? あの日、キスして固有結界を受け継いだんだよ」
キスする必要性無かったのに? と、言おうとしたら、初めてだったんだから。と顔を背けながら言う。
──お前なんでそんな可愛いんだッ!!
思考が固まっている隙を突かれ、
チュッ
ふふ、と頬を染め、上目遣いで視線を向けてくるマーリン。完全にあの日の二の舞となった。
今回はソフトの方。こっちもこっちで…。
──この後、ロンゴミニアドを貰った。勿論キスの必要は無かった。
⚪︎月⚪︎日
さて、ロンゴミニアドを貰って数ヶ月。
蛮族戦で色々と足りないところもあったのを思い出して、新しい技を作った。
それがこれだ。
波風障壁…質量を持った風の波を衝突させる。
風王禍空…人為的に竜巻を創造し操作する。
風王纒化…魔力を覆い一時的に限界突破する。
破戒風陣…風陣の中を真空にして破裂させる。
万物風化…風の魔力を過剰に与えて対象を分解。
どれも必殺技レベルだ。その分コストも大きいが、有るに越したことはない。
何より直感が悲鳴を上げている。
近いうちに何かやばいことが起きるみたいだ。
⚪︎月⚪︎日
くそっ!
男のモードレッドは出てきません(女の方が記憶に残りすぎて違和感しかないから)。
マーリン可愛い。
次回はヴォーティガーン戦です。時間かかるかも。
話の展開とパワーインフレはここからが本番だぜ!