【推敲中】アサルトリリィ BROKEN   作:雪春

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競技会の翌日って九話なんですよね


TOKYO

 朝ですわ、ごきげんよう完全に目が覚めた剣崎小刀祢だ。

 今日授業もねーしゼミも取ってねーし何やろ。

 

 お、同室ちゃん起きた。

 

「同室ちゃんおっはー」

「相変わらず起きるのが早いね」

「おめーも寝起きなのに意識ハッキリしすぎじゃねーか」

「ハハッそうだね。小刀祢は今日暇だよね?」

「ま、そうだな。というかなんで名前覚えてるんだよ」

「じゃあ私と出かけない? 名前はそう簡単に忘れないよ」

「名前をいい加減教えてくれ」

「いや」

「あっそ」

 

 同室ちゃんイイ女なんだけど名前を教えてくんないんだよな、警戒されてるってことでいいか? 警戒してるなら軽口言い合わないよなァ!?

 

「出かけるってどこに行くんだよ」

「決めてないよ」

「ふーん、じゃあ行くわ」

「来てくれるんだ」

「暇だからな」

「それじゃあもう行こうか、朝ごはんは旅先で」

「そうだな。いや待て待て待て外出届──」

「──あるよ」

「プロだ」

「じゃあ出発だね」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

「東京とか久しぶりに来た」

「来たことあるんだ」

「三〇年前に」

「来たことないんだ」

 

 どうも古来人です。

 東京の街並みもそれほどは変わってないんだな、六本木さんは相変わらず六本木ヒルズあるんすね、あーそうそう東京の六本木に来てるぜ。

 

「ここで朝ごはん食べようよ」

「カフェラプラスだァ? ぜったいれいど打ちそう」

「それは肯定の言葉かな?」

「もちろん」

 

 このカフェ雰囲気いいな、好き。大胆な告白は女の子の特権つってね。

 扉開けたらカランコロンなる店だ、いいね。

 

「いらっしゃい」

 

「おーレトロってやつだな」

「いい雰囲気」

 

 掃除もちゃんとされてるねェ、なんだかんだでテーブルが拭かれてないところもあるから。私も一回そういうところに入ってしまったわ、その店三ヶ月後に潰れたけど。

 

「メニュー見ようぜメニュー」

「そうだね。お一つどうぞ」

「あざーす。ってなにこれ、モーニングのところ見て」

「えーとあったあった、なにこれ」

「サディスティック、和、普通。和はわかる、普通もまだ一般的なモーニングって考えれる、けどサディスティックとは?」

「サディスティック以外を頼もうか」

「サディスティックを頼みたい気持ちもあるがさすがに頼めんな。注文お願いしまーす!」

 

 ……あれ? 来ねーな。

 待て待て待て店主がいなくなってるぞ、妙だな。

 

「小刀祢、外」

「へ、HUGEいるじゃん! ちょっ行くぞ」

「休みなんだけどねぇ」

 

 今日なんも持ってきてないんで、時間稼ぐからリリィさん早く来て。

 というかマスターなんで伝えなかった?

 

「へいへーい、HUGEちゃんぐっもーにんぐ! お前を捌くくらい朝飯前だからな。同室ちゃん避難誘導頼むよー、私が注意引くから」

「了解」

 

 

 

 

 


 

「ファング種か、他のより尾が尖ってんな」

 

 HUGEは叫びながら突進を始めた。

 寸歩右に動き避ける。

 

「突進とか──尾ッ!?」

 

 目前に迫るHUGEの尾を体を反らせて避ける。

 

「あーそういうね、突進避けた奴には尾をお見舞する系統のね。尾をお噛みそうになるな」

 

 HUGEは小刀祢の方に向き直り、また突進を始めた。

 

「またそれかよ」

 

 小刀祢は先程と同じように動き避けた。

 

 HUGEの背中飛び越えて、尾から逃げる。

 

 尾は突進を避けて自身の体に隠れた小刀祢に向かい刺さる。

 

 HUGEは痛みに悶えるように叫ぶ。

 

「HUGEにはマギをぶつけんのが正解だよな」

 

 一歩二歩と下がり、逃げる姿勢をとる。

 

「さーてと対抗手段とかないから逃げますか、バイナラ!」

 

 背中を向けた瞬間足元に向かって光弾が放たれた。

 

「股抜きするなよ。というか起きるの早くね? そりゃそうか人間じゃねーんだからな」

 

 

「なんか溜めてるって絶対当たったら死ぬやつじゃんか、我生身ゾ?」

 

 HUGEは溜めているものを吐き出す。

 

「これ逃げないことが正解は──ないないない!!」

 

 小刀祢は走って逃げる。

 

「コイツ一発だけをバーンじゃなくてビーム系の方かよ!」

 

 なんとか逃げ切ろうとするが努力も虚しくHUGEが小刀祢の動きに対応しはじめる。

 

「臨機応変が過ぎんだろ!」

 

「うぉっ!」

「まっ!」

「ちょまうぇいや!」

「とうぁ!」

 

 何度も避けながら逃げているが、ついに攻撃が小刀祢に掠る。

 

「長い長い長い体感二分走ってるって! 二分間走り続けてるなんて微妙な画だろ! 身じゃなくて心が疲れたァ!──あ」

 

 小刀祢は口のように心も乱れ躓いてしまう。

 

「まだ若いのに何もないところでこけるなんて……あ、死」

 

 光線が迫る。

 目前に到達した瞬間、光線が消えた。

 

「ギリで生きるのかよ……」

 

 服についた土埃を払って立ち上がるとHUGEの惨状が目に入った。

 

「でっけぇCHARMで真っ二つか、持ち主近くにいねーし投げたやつ?」

 

 CHARMの刺さりかたを見て投げられたであろう方向を見る。

 

「おーいたいた、一番ちっちゃえのがCHARM持ってないってことはアイツが投げたの!? 幼児体型のパワー系とかオタクが好きなやつじゃん」

 

 三人のリリィが駆け寄ってくる。

 

「お怪我はありませんか?」

「どーもどーも。怪我とかはないっすよ、ちょっと掠ったけど」

「今なんと?」

「なんでもない。そうだ逃げた人達は」

「私の先輩二人が向かいましたのでご安心を」

 

 大の字に転がり息をつく。

 

「よかったよかった。そうだそうだ私は剣崎小刀祢、百合ヶ丘のリリィだ」

「百合ヶ丘のリリィですか。私は相澤一葉と言います、エレンスゲのトップレギオン、ヘルヴォルのリーダーです」

 

 エレンスゲと言葉を聞いた瞬間立ち上がる。

 

「エレンスゲ……なァお前はどっちだ」

「どっちとは?」

「エレンスゲに対して私はリリィとしての意見と剣崎小刀祢の意見を持っている。リリィとしてはエレンスゲなんかは消えやがれって思ってるけどよ、剣崎小刀祢としてはHUGE消すのが正義みたいな考え好きだ」

「そうですか」

「唐突な自分語り申し訳ない。相澤一葉、君はリリィか? それとも──」

「──リリィです、私はエレンスゲを変えます」

「そうか。いやー一銭の得にもならない質問をして申し訳ない、ただアンタらとはまた会う機会があると思って、付き合い方を考えるためにな」

「なるほど、それなら安心して背中を任せてください」

「いや無理無理無理そっち五人でしょ? こっち一人よ」

「確かにそうですね、どうしましょう……」

 

 相澤一葉は深く考えるが、一向に答えは出ない。

 

「そんな深く考えなくていいぞ」

「いえ負担が小刀──剣崎さんだけに掛かってしまうのは」

「大丈夫だからそのくらいどうにかなるから。てか好きに呼んでいいからな」

「わかりました小刀祢さん」

「そういや、そっちのお二人の名前聞いてませんな」

「私は芹沢千香瑠です、よろしくお願いします」

「らんはね、佐々木藍。たい焼き食べる?」

「ん? 来た時にたい焼きをもっていたか?」

「一葉と小刀祢が話してる時にそこで千香瑠と買った」

「一個貰おうかな。んーと値段は一五〇円か」

「お金大丈夫ですよ、藍ちゃんの善意ですから」

「じゃあ遠慮なく」

「はいどーぞ」

「ありがとさん」

 

 佐々木藍から貰ったたい焼きを食べてから喋りはじめる。

 

「ごちそうさま。ま、できる範囲で手を貸すから困ったことがあったら言ってくれよ」

「はい。小刀祢さんも困ったことがあれば頼ってください」

「それじゃあ早速だけど手借りていいか?」

「なんでしょうか」

「休みを取って東京に来たわけよ、だからさ今日一日は私のこと内緒にしてくんない?」

「それくらいでしたらお安い御用です」

 

 小刀祢の電話が鳴る。

 

「出ていいか?」

「はいどうぞ」

 

「もしもしもしもし」

「これ三コール目だよ」

「お前に礼節なんかいらないだろ」

「ハハッ確かにそうだ。今どこにいる?」

「今はなー百合ヶ丘にいる」

「一足先に帰っちゃったか」

「んなわけないだろ、さっきのところから変わってねーよ」

「じゃあそっちに行くね」

「近くのコンビニで飯買っとくわ、何がいいとかあるなら言え」

「カフェに戻らないの?」

「逆に聞くけど戻るの?」

「戻らないね」

 

「HAHAHA」

「HAHAHA」

 

「じゃあね」

「はいはーい」

 

 通話が切れたのを確認してポケットにしまう。

 

「ある程度聞こえてたと思うけど私は観光を続けるからよろしく頼むよ」

「はい。それではまた会いましょう!」

「またな。ベストウイッシュ良き生路を!」




ま、まだ早朝だから、多分髪を切るの早朝じゃないでしょ? つまりまだ連絡は来てないんだよね。

と、まぁ言い訳なんですけれどもヘルヴォルと関わらせたかった。
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