22/7/8推敲完了
「モブ厳の世界で朝を迎えた、神は信じるもんだな」
あ、ごきげんよう剣崎小刀祢だ。
誰にごきげんようって言ってんだ? 自分に対しても挨拶は大事だもんな、うん。
さて入学式が終わった後から二日目の朝までの何時間か何があったのかをまとめますか。
まずは同室の娘、同室の娘は不思議な奴、私が部屋に行くだろそしたら表札を見せない、相手だけが名前知ってるの癪だから叩いて私の名前の記憶だけ消した、なんで叩いて記憶を消せたって? 転生者特有の謎技能だよ。私ゴリラで相手は秘密主義だろいい塩梅だ。
同室ちゃんは──自分がわかればいいから同室ちゃんでいいよな、で同室ちゃんは射撃トレーニングしに行った偉いな〜尊敬するが行動はしない。備考みたいなもんだけどカリスマ力があるらしい、すごい。
あとは真島百由様──上級生には様付けするらしい──っていう人はなんとミリアムの隣の工房の人らしい、そしてヒュージの生体標本はこの人の研究素材? らしい。気になっていたみたいだからブレイバックルを貸した、改造と分解しないように言ったけど大丈夫だよな? 今頃になって不安が……よし取りに行こう。
◇
という訳で百由様の工房に来た、徹夜してそうな雰囲気出てたし大丈夫でしょ。
「ごめんくださーい」
返事がねぇな。
「開けますよー」
いない……ブレイバックルはあるけどいない、じゃあ返してもらっていいよね? いいはずだよね、それじゃあ帰りますか。
「あら、小刀祢さん来てたの。ごめんね〜席を外してて」
「ん、真島様……えーと、お邪魔してます」
「あ〜そうそう、ブレイバックル持って帰っていいわよ、やりたいことは終わったし」
「やりたいこと……ですか」
やりたいことってなんだ? 分解はしないように頼んだからしてないと思うし、マジでなんだ?
「その顔はわかってない顔ね」
「……何したんですか? 生憎ですがアーセナルとかの知識はないので不審がることしかできませんよ?」
「ハハッ、別に何もしてないわよ? 安全に使えるかの検査くらいしか」
「あーそういう検査は必要ですよね」
「いやー学院側がしてたけど、念には念を入れたくてね。あとは小刀祢さんが言ってたえーと、アレよアレ! あのーアレよ、コリアンダーエレファント!」
「ん? なんですかそれ?」
「説明してくれたじゃないハンドルを引くと出てくるーって言ってたやつよ」
「オリハルコンエレメントですね」
「それよそれ!」
さすがにその間違いは有り得ない。なんだよコリアンダーエレファントって新種の象なのか? なぁ!?
「で、だよ。そのオリハルコンエレメントをついでに調べたのよ、そしたら面白いことがわかってねオリハルコンエレメントが現れたら周囲の物体が現れた時の余剰エネルギーを吸収してほんの一瞬だけヒュージによって破壊されない強度になるのよ。だから小刀祢さんが言ってたオリハルコンエレメントと丘に挟まってヒュージが潰れたのはそういうことね」
シドったのはそういう理由があったんだな。
「わざわざ説明ありがとうございます」
「別にいいわよ、感謝なんてしなくても。まぁ一つの話が終わったところでもう一つ話があるんだけどいいかしら?」
「いいですよ」
「CHARMもついでに見たじゃない、刃がボロボロになってたり銃身が折れてたりして、もうめちゃくちゃよ」
「えぇ……雑に扱った記憶が無いんですが」
強いて言えば崖を叩いたくらいだしなぁ……あんな扱いして壊れるほどCHARMは脆くない筈だし。
「あのね一応言っとくけど、小刀祢さんの使い方が悪かったとかじゃなくて、パーツが継ぎ接ぎだったのよ、今回は奇跡的に起動したけども本来だったら起動しようとした瞬間にパーよパー……それよりも小刀祢さんは、どこでこんなのを手に入れたのかしらねぇ?」
「……親戚から貰いました、昔に面倒を見てたリリィの物だとか」
「その親戚ってブレイバックルを送ってきた人?」
「はい!」
「かなり食い気味で来たわね」
探られると困るから食い気味で行かないと!
「あのさ話が五十度くらい変わるけどこのCHARM、私が修繕してもいいかしら? 件の親戚に特別な想いがあるならやらないけど」
「特別な想いって恋愛的な話ですか?」
「私がオブラートに包んだのにオブラートごと食べちゃったわね!?」
「そうですね。まぁそういうのは特に無いのでお願いします」
「わかったわ……それじゃあこの話の本題に入るわよ」
「今までのは前置きと?」
「私がCHARMを修繕しないことになってたら、さっきので終わったわね」
「長くなります?」
「さぁね」
え? 普通にお腹すいてきたから短くして。
「CHARMを修復している間は別のCHARMが必要になるじゃない。そこで私がある人の為に作った物を貸そうかなって思ったの、別に気に入ったらそのまま小刀祢さんが使っていいわよ」
「……あの、その人は──」
「勘違いしてるところ悪いけど、ただ単に卒業しただけ」
「そうですか」
誰かの為に作った物が渡されてなかったら、そういう悪い方向に考えちゃうよね、モブ厳世界故だけど。
「それでいるのかいらないのかどっち?」
「欲しいです」
「もしかしたら扱いきれないかもしれないわよ」
「安心してください私強いです」
「……フッ、面白いわ〜気に入っちゃった」
気に入られたってことはなんかは優遇されるよな! 最光っすわ。
「けど特別扱いはしないわよ、気に入ったくらいじゃ。それこそシュッツエンゲルの契りを結ぶくらいしないとね」
百合ヶ丘女学院高等部特有の上級生が
「あれー? 反応しないなー? もしかしてNow Loadingしてる?」
「Now Loadingは動詞じゃありません。百由様、私達相性はいいと思いますけど今みたいに話が長くなるので無駄話はやめた方がいいと思います」
「そうね、それじゃあ本題に戻しますか。えーとどこに保管したっけ……あったあった、はいコレ」
これは鎖が付いたCHARM? なぜ鎖が付いているんだ、なぜ柄頭が鋭いんだ、なぜ柄頭細いのにこんなにデカい鎖が付いているんだ。なぜ第一世代のCHARMなんだ。なぜ──
「困ってるわねー」
「気になるところが多すぎなんですよ!」
「やっと素を出してくれたわね」
「距離を測っていただけでっせ。はよ説明」
「今ね、好感度両肩上がりよ」
「それ1回下がってるじゃないっすか!」
「違いない」
「HAHAHA」
「HAHAHA」
百由様めちゃくそ好きだわ、ゲームで言うなら戦闘中に特別演出が出るくらい好き。私と気が合うなんて変人だなぁ〜。
「卒業した人──先輩は壊れにくくて近距離から中距離の攻撃可能範囲を持つ唯一無二のCHARMを注文したんだよ。そした私はそれを了承しちゃった訳、まずは何世代のCHARMにしようかを考えた、強度で言ったら1番の第1世代を選んだの、まあ第一世代を選んだ弊害で近距離と中距離で使い分ける変形ができなくなった訳──」
「槍とかじゃ唯一無二じゃないから鎖を付けてぶん回せるようにしたんですね」
「──残念ながらちょっと足りないから不正解ね、その柄頭鋭いでしょ?」
「刺せちゃうんですか」
「その通り! 百点満点の答え……とはまだ言えないわ」
「鎖で絞めたり?」
「そうそう」
「斬って投げて刺せて絞めれるは……唯一無二ですね!」
「間、間があり過ぎる」
できる限りのフォローしてやったんだから触れないでよ。
「ここまで話を聞いてコレ使う?」
「逆に私以外にソレ使えるリリィいます?」
「いないね」
はい勝ち〜! 何に勝ったんだよとかの無粋なツッコミは無しの方向で。
「今すぐにでも使えるけど点検してからにする? それとも今すぐ試運転?」
「最初は万全の状態で使いたいので点検お願いします」
「
「
「英語!」
「私頭いいですからドイツ語もマスターしてますよ」
「マルチリンガルってやつでしょ、凄いわね!」
「でしょ。じゃあ」
「じゃあね〜!」
はぁ、百由様濃い。たまーにする調味料を本来漬ける時間の三倍くらいに放置してしまった料理くらいに濃いわ、ミスしたやつもちゃんと食ってるからな!