「ごきげんよう、
「朝ぶりだね小刀祢。どうかした? 鳩が豆鉄砲食らったような顔して、頭大丈夫かい?」
「い、いや……待てよお前悪口よくないよ」
「ハハッ──新入生相手に手荒いな。夢結様は」
「話を逸らすなよ。まあ一週間で形になってるからいいんじゃないか」
「そうかな、未だにマギを扱いきれてないみたいだけれども」
梨璃は夢結の猛攻を自身のCHARM──グングニル──でどうにかこうにか受けるが徐々に押され、勢いのまま後ろに倒れてしまうが、瞬時に立ち上がることができた。
「やった! やりました夢結様──」
梨璃が喜ぶ束の間、夢結は更にもう一撃を食らわせる為距離を詰める。
(マギを集中!)
1週間の訓練の賜物か、CHARMにマギを集中させ夢結の一撃を耐える所か弾き夢結をよろつかせる。
「ほらね──っていなくなってんのかい」
小刀祢のツッコミと同時に、学院の鐘が鳴る。
「防衛任務だっけか? 私の当番は明後日だし関係ねぇか」
「ヘイ! そこの彼女、私たちについてこない?」
「えー……いいっすよ」
「そんな誘い方じゃ断られて当たりま──って今の断る雰囲気じゃったろ!」
「フフン! 私の信用と信頼と人望よ!」
「それじゃミリアム、眼鏡を置いて行くか。手ぶらでいいっすよね?」
「手ぶらでいいけど、私眼鏡呼ばわりなの!?」
◇
ヘイ! 剣崎小刀祢デス! ……何やってんだ私。状況の説明をすると白井夢結様が1人で戦ってます、やーいボッチ!
「ふーん、レストアね」
「最近は出現率が上がっていると聞くの」
「うわっ! 百由様とミリアムさん、どうしてここに? レストアって何ですか?」
「工廠科とはいえ私達もこう見えてリリィなの、結構戦えるのよ~」
「小刀祢も含め今日は当番と違うがの」
「えっ? 小刀祢さんいませんよ?」
「久しぶり(闇の仕草)」
「うわっ! 小刀祢さんいつから?」
このままくっついてんのキモイな、離れよ。
「最初から居たよ、後ろに」
「で、損傷を受けながらも生き残ったヒュージがネストに戻って修復された個体、それを私達はレストアード──レストアと呼んでるの」
「同義語としてサバイブとも言われている。地域によってリリィ向けの教本の使用用語がばらけていたことが原因と言われてるぞ」
「補足ありがと。まあ何度かの戦闘を生き延びた手合いだから手ごわいわよ」
というかミリアムだけCHARM持ってきてんの笑えるわ、
「……凄い夢結様」
「じゃがちょっと危なっかしいのう」
「なまじテクニックが抜群だから突っ込みすぎるのよね」
あんた、とても強いじゃな~い……でも、私の方がめっちゃ強いわ……私の方がおっぱいおっきいわ!! 何か気に入らないのよね~。途中まで我慢したのに内なる京水さんが出てきちゃった、顔と声に出さなかったのを褒めてもらいたい。
……それより何あの爆発──っておいおいおい!
「マジか……」
「ど、どういうことですか?」
「CHARMはリリィにとって体の一部。それを手放すとしたら……」
「まるでCHARMの墓標だな」
何人殺したんだか、まあ所詮過去のことだし気にすることねーか。というか白井様暴れてんねぇ、あれが噂に聞くルナトラってことかい。
「ルナティックトランサー……一度トランス状態に陥ったリリィは理性を失い敵味方の見境なくマギが枯れ果てるまで破壊の限りを尽くす。夢結自身が封印したスキルよ」
「それが何でまた」
「主を失ったCHARMの群れが夢結に思い起こさせたのね」
「それって……」
「夢結は中等部時代に自分のシュッツエンゲルを亡くしてるの。その時にルナティックトランサーを発動していたことから夢結に疑いがかけられたわ」
確か甲州撤退戦あたりの記録の記憶にそんな話があった気が。
「実際遺体には夢結のCHARMでついた刀傷もあったといわれているわ、結局証拠不十分で疑いは晴れたけど夢結自身記憶が曖昧な状態でそれからずっと自分を苛み続けているの」
「……私行ってきます」
「駄目! 今の夢結は危険よ!」
「私夢結様のこと少しだけ分かってきた気がします」
「それ答えになってないわよ!」
「甲州撤退戦の全ての記録を閲覧した。よっしゃ! よしよしよしよしよし、1回言ってみたかったんだよこのセリフ」
ってあれ? 百由様とミリアムどこいった? ……もしかしてボッチかな? ならボッチはボッチらしく一人遊びしますか。
「殴りバァン! 蹴りドォン! 廃屋の壁を瓦礫化完了!」
両手でしっかり握って、方向を確認、白井様の動きを予想、オールクリア! 五回回って!
「瓦礫ブゥン! さぁさぁさぁ当たり所は……ホールインワン! 見事ヒュージくんの妨害成功!」
あとは他がどうにかするのを待ちますか──いや待つだけじゃつまらない、なら殴り込みするしかねぇな。
「フゥー、よし行くか。三歩下がって──、一! 二! 三! ジャァーーンプ!」
かーらーのー!
「ヒーロー着地!*1……フッ、やっぱり賢いなァお前、他のリリィじゃなくて私に一番熱い視線くれるなんてな。作品をちょっとしか見たことねーが──」
「──その視線、宣戦布告と判断する! 当方に迎撃の用意あり!」
覚 悟 完 了。
身体に纏うヘイセイをただ一点、拳に集中させる、ただそれだけいい。
「
ヨシ! 吹っ飛んだな。
「おい! CHARMを持ってないのに戦場に来るなんて危険だゾ!」
「吉村様ですよね、すぐに安全地帯に戻りますので安心してください」
さてと戻りますか。
◇
ボスケテ。何があったって? 百由様にヘイセイ使ってるところ見られてたらしく、異能じゃないことを説明したら質問責めにあってるでござるの巻。
よしあと少しで寮に着くぞ。
「隠れても無駄よ、こうやって私が寮の玄関にいる限りは!」
マジかよ、どうするか……お! ダンボールがある、勝ったなガハハ!
そーっとそーっと。
「バレバレよ」
「三十六計逃げるに如かずって古事記にもそう書いてある!」
「それ兵法」
「話の内容くだらないけど追いつかれる! なら左足を軸に回転からのジャンプ!」
「うぇ!?」
そしてここはすぐ横にあるトイレにGO! 一番奥じゃなくて手前にしよう。
「フッフッフ! こういうのはね奥に入ってるて相場が決まってるのよ」
勝ち確ですねェ(イマジナリー眼鏡クイクイ)
「と見せかけてコッチ! ほら居た!」
「うわぁぁぁ!! なんで深読みしてんすか!」
けど答えは求めてない、私の変わりにトイレに入りな。百由様を私の方へ引いて、私は入れ替わるように出る!
「ちょ待──痛い、扉閉められた!」
「百由様ごきげんよう、今日はもう会いませんよ!」
廊下の窓を開けて出て登る、今朝窓閉め忘れたからな入れんだ。ダイナミック入室!
「やっと振り切れた」
「何してるんだい? 窓から入ってきて」
「私に質問するなァ!」
小刀祢が生きていた世界は仮面ライダーが放映されている世界なだけ、それ以外の指定はない。
・破ァッ!!
寺生まれのTさん。
・リリィパンチ
小刀祢が纏うヘイセイを拳に集中させて拳を突き出す技。
今回は衝撃波を飛ばしヒュージを吹き飛ばした。
・ヘイセイ
ヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイヘイセイ。
平成ではなくヘイセイである。
・覚悟完了
覚悟のススメ。
・異能
https://twitter.com/assault_lily/status/1412066132186464259?s=20&t=sd8EsT10EXbJRX3zP3G3Yg
・私に質問するなァ!
仮面ライダーアクセルの変身者、照井竜の台詞。